プリズン

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2022年8月18日 (木) 17:36時点における最新版

この項目では氷の干渉器/Icy Manipulatorと冬の宝珠/Winter Orbを用いるデッキについて記述しています。ゾンビの横行/Zombie Infestationを使うデッキについてはゾンビプリズンを、モダンの発明品の唸り/Whir of Inventionを使うデッキについては発明品の唸りプリズンを、レガシーの赤単のデッキについては赤単プリズンをご覧ください。

プリズン(Prison)は、アンリミテッド時代に作られた、マジック最古のロックデッキの1つ。氷の干渉器/Icy Manipulatorと冬の宝珠/Winter Orbで対戦相手の側だけマナ拘束する。これらはアーティファクトなのでデッキカラーを問わずに採用することはできるのだが、特に「プリズン」といった場合には白青デッキを指す。

プリズンとは『牢獄』の意味。相手は牢に入れられたように何もできなくなる、ということからの命名。これ以降も似たコンセプトのデッキに「プリズン」と付けられることがある（例：青単プリズン）。

[編集] 概要

Icy Manipulator / 氷の干渉器 (４)
アーティファクト

(１),(Ｔ)：アーティファクト１つかクリーチャー１体か土地１つを対象とし、それをタップする。

Winter Orb / 冬の宝珠 (２)
アーティファクト

冬の宝珠がアンタップ状態であるかぎり、プレイヤーは自分のアンタップ・ステップに土地を１つだけしかアンタップできない。

初期のルールでは、冬の宝珠がタップ状態ではマナ拘束能力が機能しなくなったことを利用する（詳細は後述）。対戦相手の終了ステップに氷の干渉器で冬の宝珠をタップすると、自分のアンタップ・ステップ時にはマナ拘束能力の影響を受けずに済むため、対戦相手だけをマナ拘束することができた。

氷の干渉器は冬の宝珠とのコンボだけではなく、対戦相手の土地やクリーチャーの無力化などにも用いられる。氷の干渉器が2個あれば、自分の冬の宝珠と対戦相手がアンタップした1個の土地をタップできるため、事実上対戦相手はそのターンにプレイした土地からしかマナを出せなくなる。

マナ・アーティファクトをつぶすための解呪/Disenchant、対戦相手の土地を強制的にタップするための枯渇/Mana Shortや魔力消沈/Power Sink、戦場の状態を保つためのカウンター呪文が標準的に使われる。クリーチャー対策は剣を鍬に/Swords to Plowsharesと神の怒り/Wrath of God。

フィニッシャーも当時のご多分に漏れず、初期にはセラの天使/Serra Angel、アライアンス以降はKjeldoran Outpostが用いられた。

タップ状態ではアーティファクトの常在型能力が機能しなくなるというルールは第６版時に廃止されたが、同時に冬の宝珠もオラクルが変更されたことで同じ挙動を示していた。2011年5月のオラクル変更によってタップ状態でも冬の宝珠の能力が機能するように変更されたため、上記の氷の干渉器とのコンボは成立しなくなっていたが、2016年6月のオラクル変更で再び成立するようになった。
このデッキの亜種として、白単色で組まれたホワイトトラッシュが存在する。
追加のマナ拘束手段としてハルマゲドン/Armageddonや宿命/Kismetを採用する場合も多い。
アイスエイジ・ブロックがスタンダード落ちしてからはプロパガンダ/Propagandaとハルマゲドン・冬の宝珠のシナジーをガイアの祝福/Gaea's Blessingで恒久的に回し続けるデッキとなる。デッキには多数のダイアモンドが入り、最終的に相手のデッキ内の土地を破壊し尽してライブラリーアウトで勝利する。亜種としてプロパオーブ・プロパゲドンがある。

[編集] サンプルリスト

[編集] スタンダード（黎明期）

備考
- 世界選手権95 準優勝
- 使用者:Marc Hernandez
フォーマット
- スタンダード（第４版、フォールン・エンパイア＋アイスエイジ）

メインデッキ (62)
クリーチャー (0)
インスタント・ソーサリー (15)
2	地震/Earthquake
3	神の怒り/Wrath of God
3	ハルマゲドン/Armageddon
1	天秤/Balance
3	解呪/Disenchant
3	剣を鍬に/Swords to Plowshares
エンチャント・アーティファクト (27)
3	氷の干渉器/Icy Manipulator
3	冬の宝珠/Winter Orb
4	吠えたける鉱山/Howling Mine
4	黒の万力/Black Vise
3	ズアーの宝珠/Zuran Orb
3	友なる石/Fellwar Stone
1	象牙の塔/Ivory Tower
2	赤の防御円/Circle of Protection: Red
2	孤島の聖域/Island Sanctuary
2	土地税/Land Tax
土地 (20)
9	平地/Plains
4	山/Mountain
4	露天鉱床/Strip Mine
2	アダーカー荒原/Adarkar Wastes
1	トロウケアの廃墟/Ruins of Trokair
サイドボード
4	山/Mountain
2	火の玉/Fireball
3	紅蓮地獄/Pyroclasm
2	地震/Earthquake
3	稲妻/Lightning Bolt
1	臨機応変/Sleight of Mind

天秤/Balanceは当時の制限カードである。
フィニッシャーは制限前の黒の万力/Black Vise。吠えたける鉱山/Howling Mineも組み合わせ、相性の良い孤島の聖域/Island Sanctuaryを導入してクリーチャーを防いでいる。
2枚のアダーカー荒原/Adarkar Wastesは、臨機応変/Sleight of Mindで防御円をスライトするためのもの。

[編集] エクステンデッド（初期）

備考
- プロツアーシカゴ97 ベスト4
- 使用者:Jon Finkel
フォーマット
- エクステンデッド（リバイズド・エディション～第５版、ザ・ダーク～テンペスト）

メインデッキ (60)
クリーチャー (0)
インスタント・ソーサリー (21)
1	紅蓮地獄/Pyroclasm
2	剣を鍬に/Swords to Plowshares
3	神の怒り/Wrath of God
3	ハルマゲドン/Armageddon
2	ジェラードの知恵/Gerrard's Wisdom
4	税収/Tithe
4	対抗呪文/Counterspell
2	ガイアの祝福/Gaea's Blessing
エンチャント・アーティファクト (22)
4	氷の干渉器/Icy Manipulator
3	冬の宝珠/Winter Orb
4	乳白色のダイアモンド/Marble Diamond
3	空色のダイアモンド/Sky Diamond
3	鋸刃の矢/Serrated Arrows
3	沈黙のオーラ/Aura of Silence
2	森の知恵/Sylvan Library
土地 (17)
4	Tundra
3	Savannah
2	Plateau
1	Volcanic Island
1	氾濫原/Flood Plain
2	知られざる楽園/Undiscovered Paradise
4	ミシュラの工廠/Mishra's Factory
サイドボード
2	ジェラードの知恵/Gerrard's Wisdom
1	沈黙のオーラ/Aura of Silence
1	解呪/Disenchant
1	ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall
1	赤霊破/Red Elemental Blast
2	紅蓮破/Pyroblast
3	ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary
3	アーナム・ジン/Erhnam Djinn
1	ガイアの祝福/Gaea's Blessing

最初期のエクステンデッド仕様のもの。ホワイトトラッシュをベースに他の3色のカードが数枚ずつタッチされている。
サイドボードからワイルドファイアの密使/Wildfire Emissaryとアーナム・ジン/Erhnam Djinnを投入するアグレッシブ・サイドボーディングの手法が用いられている。

[編集] 準青単

備考
- プロツアーシカゴ97 ベスト4
- 使用者:Max Suver
フォーマット
- エクステンデッド（リバイズド・エディション～第５版、ザ・ダーク～テンペスト）

メインデッキ (60)
クリーチャー (14)
2	大クラゲ/Man-o'-War
3	スークアタの火渡り/Suq'Ata Firewalker
4	竜巻のジン/Waterspout Djinn
2	大気の精霊/Air Elemental
3	Phyrexian War Beast
インスタント・ソーサリー (13)
2	地震/Earthquake
3	秘儀の否定/Arcane Denial
4	対抗呪文/Counterspell
4	意志の力/Force of Will
エンチャント・アーティファクト (10)
2	氷の干渉器/Icy Manipulator
4	冬の宝珠/Winter Orb
4	空色のダイアモンド/Sky Diamond
土地 (23)
8	島/Island
4	Volcanic Island
4	Soldevi Excavations
3	氾濫原/Flood Plain
4	流砂/Quicksand
サイドボード
3	支配魔法/Control Magic
2	ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall
1	枯渇/Mana Short
1	青霊破/Blue Elemental Blast
3	水流破/Hydroblast
2	紅蓮破/Pyroblast
2	砂のゴーレム/Sand Golem
1	トーモッドの墓所/Tormod's Crypt

こちらは同時期の環境で、青をベースに赤をタッチしたもの。
ビッグ・ブルーに近い構成で、重厚なカウンターをバックに大型フライヤーを展開する。

[編集] 参考

@@ 1行： / 1行： @@
+{{Otheruses|[[氷の干渉器/Icy Manipulator]]と[[冬の宝珠/Winter Orb]]を用いるデッキ|[[ゾンビの横行/Zombie Infestation]]を使うデッキ|ゾンビプリズン|[[モダン]]の[[発明品の唸り/Whir of Invention]]を使うデッキ|発明品の唸りプリズン|[[レガシー]]の赤単のデッキ|赤単プリズン}}
 '''プリズン'''(''Prison'')は、[[アンリミテッド]]時代に作られた、[[マジック：ザ・ギャザリング|マジック]]最古の[[ロック]][[デッキ]]の1つ。[[氷の干渉器/Icy Manipulator]]と[[冬の宝珠/Winter Orb]]で[[対戦相手]]の側だけ[[マナ拘束]]する。これらは[[アーティファクト]]なので[[デッキカラー]]を問わずに採用することはできるのだが、特に「プリズン」といった場合には[[白青]]デッキを指す。
-プリズンとは『牢獄』の意味。相手は牢に入れられたように何もできなくなる、ということからの命名。
+*プリズンとは『牢獄』の意味。相手は牢に入れられたように何もできなくなる、ということからの命名。これ以降も似たコンセプトのデッキに「プリズン」と付けられることがある（例：[[青単コントロール/スタンダード/タルキール龍紀伝＋マジック・オリジン＋戦乱のゼンディカー・ブロック＋イニストラードを覆う影ブロック期|青単プリズン]]）。
+==概要==
 {{#card:Icy Manipulator}}
 {{#card:Winter Orb}}
@@ 14行： / 17行： @@
 [[フィニッシャー]]も当時のご多分に漏れず、初期には[[セラの天使/Serra Angel]]、[[アライアンス]]以降は[[Kjeldoran Outpost]]が用いられた。
-*タップ状態ではアーティファクトの[[常在型能力]]が機能しなくなるというルールは[[第６版]]時に廃止されたが、同時に冬の宝珠も[[オラクル]]が変更されたことで同じ挙動を示していた。しかし、2011年5月のオラクル変更によって、タップ状態でも冬の宝珠の能力が機能するように変更されたため、上記の氷の干渉器とのコンボは現在では成立しない。
+*タップ状態ではアーティファクトの[[常在型能力]]が機能しなくなるというルールは[[第６版]]時に廃止されたが、同時に冬の宝珠も[[オラクル]]が変更されたことで同じ挙動を示していた。2011年5月のオラクル変更によってタップ状態でも冬の宝珠の能力が機能するように変更されたため、上記の氷の干渉器とのコンボは成立しなくなっていたが、2016年6月のオラクル変更で再び成立するようになった。
 *このデッキの亜種として、[[白単色デッキ|白単色]]で組まれた[[ホワイトトラッシュ]]が存在する。
 *追加のマナ拘束手段として[[ハルマゲドン/Armageddon]]や[[宿命/Kismet]]を採用する場合も多い。
 *[[アイスエイジ・ブロック]]が[[スタンダード]]落ちしてからは[[プロパガンダ/Propaganda]]とハルマゲドン・冬の宝珠の[[シナジー]]を[[ガイアの祝福/Gaea's Blessing]]で恒久的に回し続けるデッキとなる。デッキには多数の[[ダイアモンド]]が入り、最終的に相手のデッキ内の土地を破壊し尽して[[ライブラリーアウト]]で勝利する。亜種として[[プロパオーブ]]・[[プロパゲドン]]がある。
-==エクステンデッド（初期）==
+==サンプルリスト==
+===スタンダード（黎明期）===
+*備考
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+*[[天秤/Balance]]は当時の[[制限カード]]である。
+*フィニッシャーは制限前の[[黒の万力/Black Vise]]。[[吠えたける鉱山/Howling Mine]]も組み合わせ、相性の良い[[孤島の聖域/Island Sanctuary]]を導入してクリーチャーを防いでいる。
+*2枚の[[アダーカー荒原/Adarkar Wastes]]は、[[臨機応変/Sleight of Mind]]で[[防御円]]を[[スライト]]するためのもの。
+===エクステンデッド（初期）===
 *備考
 **[[プロツアーシカゴ97]] ベスト4
 **使用者:[[Jon Finkel]]
 *[[フォーマット]]
-**[[エクステンデッド]]（[[リバイズド]]～[[第５版]]、[[ザ・ダーク]]～[[テンペスト]]）
+**[[エクステンデッド]]（[[リバイズド・エディション]]～[[第５版]]、[[ザ・ダーク]]～[[テンペスト]]）
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 *[[サイドボード]]から[[ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary]]と[[アーナム・ジン/Erhnam Djinn]]を投入する[[アグレッシブ・サイドボーディング]]の手法が用いられている。
-==準青単Ver==
+===準青単===
 *備考
 **[[プロツアーシカゴ97]] ベスト4
 **使用者:[[Max Suver]]
+*[[フォーマット]]
+**[[エクステンデッド]]（[[リバイズド・エディション]]～[[第５版]]、[[ザ・ダーク]]～[[テンペスト]]）
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 *こちらは同時期の環境で、[[青]]をベースに[[赤]]をタッチしたもの。
-*[[ビッグ・ブルー]]に近い構成で、重厚な[[打ち消す|カウンター]]をバックに[[大型]][[フライヤー]]を展開する。
+*[[ビッグ・ブルー]]に近い構成で、重厚な[[打ち消す|カウンター]]をバックに[[大型クリーチャー|大型]][[フライヤー]]を展開する。
 ==参考==
@@ 184行： / 270行： @@
 *[[プロパゲドン]]
 *[[デッキ集]]
+[[Category:白青デッキ|ふりすん]]
+[[Category:青単色デッキ|ふりすん]]
+[[Category:コントロールデッキ|ふりすん]]
+[[Category:ロックデッキ|*]]
+[[Category:青単コントロールデッキ|ふりすん]]
+[[Category:青単ロックデッキ|ふりすん]]
+[[Category:白青コントロールデッキ|ふりすん]]
+[[Category:白青ロックデッキ|ふりすん]]
+[[Category:黎明期のエクステンデッドデッキ|ふりすん]]