置換効果
提供:MTG Wiki
(→戦場に出ることに対する置換効果: CR616.1d) |
|||
(7人の利用者による、間の22版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | '''置換効果'''/''Replacement Effect''とは、ある[[イベント]] | + | '''置換効果'''/''Replacement Effect''とは、ある[[イベント]]を他のイベントに置き換える[[効果]]を指すルール用語。基本的に[[継続的効果]]の一種である。 |
− | + | {{#card:Thought Reflection}} | |
+ | {{#card:Diregraf Ghoul}} | ||
+ | {{#card:Alloy Golem}} | ||
− | + | ==解説== | |
+ | ===定義=== | ||
+ | 「Aする代わりにBする/A instead B」という語を用いる効果は置換効果である。この場合、Aというイベントが発生しようとした時、それがBというイベントに置き換えられて実行される。置換されたAは起こらなかったことになる。「[[再生]]」も[[破壊]]に対する置換効果である。 | ||
− | + | 「○○は~状態で[[戦場]]に出る/○○ enters the battlefield with ~」、「○○が戦場に出るに際し~/As ○○ enters the battlefield ~」、「○○は~として戦場に出る/○○ enters the battlefield as ~」という効果は置換効果である。これらはパーマネントが戦場に出ることには変わりないが、それらの[[位相]]や[[特性]]を変化させた状態で戦場に出したり、戦場に出る以外の処理を同時に行わせたりする。 | |
− | * | + | *「タップ状態で戦場に出る」「+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る」「いずれかのクリーチャーのコピーとして戦場に出る」等がある。 |
− | + | 「[[飛ばす]]/Skip」という効果は置換効果である。この単語によってどのような[[イベント]]、[[ステップ]]、[[フェイズ]]、[[ターン]]が何も起こらないことに置き換えられるかを示す。 | |
− | + | 「○○が表向きになるに際し~/As ○○ is turned face up ~」という効果は置換効果である。 | |
− | + | ||
− | + | 継続的効果ではない置換効果も存在しており、[[自己置換効果]]がそれに該当する。 | |
− | + | ||
− | + | *「[[打ち消されない]]」「[[軽減されない]]」などは置換効果ではない。これらはただ単純に、それらに該当する効果やルールを無視するに過ぎない。 | |
− | + | ||
+ | ===置換・軽減効果の相互作用=== | ||
+ | あるイベントに対して適用可能な複数の置換効果や[[軽減]]効果があるならば、「その影響を受ける[[プレイヤー]]がそのうち一つを選び、それを適用する」という手順を適用可能な置換効果か軽減効果が残っている限り繰り返す。 | ||
+ | |||
+ | *影響を受けるプレイヤーとは「カードを[[引く]]」などのイベントを実際に行うプレイヤー、あるいはイベントの影響を受けるオブジェクトのコントローラーである。コントローラーの存在しないオブジェクトの場合はそのオーナーとなる。 | ||
+ | *「発生源が何かにダメージを与える」というイベントの場合、適用順を決めるプレイヤーはダメージを受ける側のプレイヤーかそのパーマネントのコントローラーになる。 | ||
+ | |||
+ | 適用する順序は任意に選択できるが、自己置換効果はそれ以外の置換効果より先に適用しなくてはならない。 | ||
+ | |||
+ | イベントが置換された結果、適用される置換・軽減効果が変わったり、影響を受けるプレイヤーが変わる事がある。 | ||
+ | |||
+ | 置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそのイベントを置換しうる変更されたイベントを通して1回だけである。 | ||
+ | |||
+ | *[[ラースの灼熱洞/Furnace of Rath]]が戦場に2枚あるとき、発生源が2点のダメージを何かに与えようとする場合、2枚がそれぞれイベントを1回ずつ置換し8点のダメージを与えるイベントとなる。置換効果の無限ループにはならない。 | ||
+ | |||
+ | ===戦場に出ることに対する置換効果=== | ||
+ | 戦場に出ることに対する置換効果を含む能力を持つパーマネントが戦場に出る場合、それがそのパーマネント自身に影響を及ぼすのは、その置換効果が自身にのみ影響する場合に限る。いずれにせよそのパーマネントと同時に戦場に出る他のパーマネントに対して影響を及ぼすことは無い。 | ||
*例:[[夢の宝珠/Orb of Dreams]]の能力は、戦場に出ようとする全てのパーマネントに影響し、自身のみに限定されていない。そのため自身が戦場に出ることを置換せず、単体では[[アンタップ]]状態で戦場に出る。また、夢の宝珠と同時に戦場に出るパーマネントもアンタップ状態である。 | *例:[[夢の宝珠/Orb of Dreams]]の能力は、戦場に出ようとする全てのパーマネントに影響し、自身のみに限定されていない。そのため自身が戦場に出ることを置換せず、単体では[[アンタップ]]状態で戦場に出る。また、夢の宝珠と同時に戦場に出るパーマネントもアンタップ状態である。 | ||
戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかは、その[[パーマネント]]が戦場に出る時点で取るであろう[[特性]]を見る。このとき考慮するのは | 戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかは、その[[パーマネント]]が戦場に出る時点で取るであろう[[特性]]を見る。このとき考慮するのは | ||
#戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの | #戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの | ||
− | # | + | #そのパーマネント自身の[[常在型能力]]からの[[継続的効果]]でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるもの |
− | + | #すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるもの([[スタック]]上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したものや、他のオブジェクトからの継続的効果) | |
− | + | である。これは未来の情報を予測するのではなく、パーマネントが実際に戦場に出る前の現在のゲームの状態で取りうる特性を見る。([http://blogs.magicjudges.org/rulestips/2013/10/gods-4-devotion-and-entering-the-battlefield/ 参考:Magic Judge])。 | |
− | *例:[[血染めの月/Blood Moon]]が戦場にあるとき、[[タップインデュアルランド]] | + | *例:[[血染めの月/Blood Moon]]が戦場にあるとき、[[タップインデュアルランド]]は[[アンタップ]]状態で戦場に出る。[[謙虚/Humility]]が戦場にある場合、[[接合]]や[[移植]]持ちのクリーチャーは[[+1/+1カウンター]]は置かれずに戦場に出る。 |
*例:[[イクスリッドの看守/Yixlid Jailer]]が戦場にあるとき、[[墓地]]にある[[円盤の大魔術師/Magus of the Disk]]は能力を失っているが、それを考慮せず円盤の大魔術師が墓地から戦場に出るときもタップ状態で戦場に出る。 | *例:[[イクスリッドの看守/Yixlid Jailer]]が戦場にあるとき、[[墓地]]にある[[円盤の大魔術師/Magus of the Disk]]は能力を失っているが、それを考慮せず円盤の大魔術師が墓地から戦場に出るときもタップ状態で戦場に出る。 | ||
− | *例:あなたが[[寓話の賢人/Sage of Fables]] | + | *例:あなたが[[寓話の賢人/Sage of Fables]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している場合。 |
− | **あなたの[[多相]] | + | **あなたの[[多相]]を持つクリーチャーはカウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記2.)。 |
− | **あなたの[[エルフの戦士/Elvish Warrior]]がスタック上で[[人工進化/Artificial Evolution]]により[[ウィザード]] | + | **あなたの[[エルフの戦士/Elvish Warrior]]がスタック上で[[人工進化/Artificial Evolution]]により[[ウィザード]]に変更されていた場合、カウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記3.)。 |
− | **あなたの[[クローン/Clone]]が[[ルーメングリッドの管理人/Lumengrid Warden]]の[[コピー]] | + | **あなたの[[クローン/Clone]]が[[ルーメングリッドの管理人/Lumengrid Warden]]の[[コピー]]として戦場に出るとき、クローンによる置換のあとに寓話の賢人による置換を行うので、カウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記1.)。 |
− | ** | + | **あなたがウィザードを指定した[[奸謀/Conspiracy]]をコントロールしている場合、あなたの[[灰色熊/Grizzly Bears]]はカウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記3.)。 |
+ | *対戦相手が[[威圧する君主/Imposing Sovereign]]をコントロールしており、あなたが[[アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel]]を2体コントロールしている状態で[[死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead]]を戦場に出す場合、エレボスはアンタップ状態で戦場に出る。置換効果を適用する際、エレボスが戦場で取りうる特性は自身の常在型能力を考慮に入れるが、エレボス自身は戦場に存在しないため[[黒]]への[[信心]]は4である。エレボスの特性はエンチャントとして扱われ、威圧する君主の効果は適用されない。 | ||
+ | |||
+ | 戦場に出ることに対する置換効果が何らかの選択を必要とする場合、選択はそのパーマネントが戦場に出る前に行われる。 | ||
+ | *例:[[未来予知/Future Sight]]をコントロールしている状況で[[ライブラリーの一番上]]が[[公開する|公開されて]]おり、それが[[神聖なる泉/Hallowed Fountain]]であったとする。この神聖なる泉を[[プレイ]]する場合、2点の[[ライフ]]を[[支払う]]かどうかの選択は、神聖なる泉がライブラリーの一番上にある間、すなわちライブラリーの上から2番目のカードを公開する前に行う。 | ||
+ | |||
+ | 戦場に出ることに対する置換効果のうち、他のオブジェクトの領域を移動させる効果は、戦場に出ようとしているそのオブジェクト自身や、同時に戦場に出ようとするパーマネントやその他のオブジェクトを戦場に出ないようにすることはできない。 | ||
+ | *例:[[縫合グール/Sutured Ghoul]]と[[歩く死骸/Walking Corpse]]が同時に墓地から戦場に出る際に、その縫合グール自身や歩く死骸を縫合グールの能力で追放することはできない。 | ||
+ | |||
+ | オブジェクトが戦場に出ることを置換する置換効果が複数ある場合、以下の順で選ばなくてはならない。同種のものがある場合は好きな順で適用してよい。 | ||
+ | #オブジェクトが戦場に出る際のコントローラーを変更する効果([[標本集め/Gather Specimens]]など) | ||
+ | #何らかの[[コピー]]となる効果([[クローン/Clone]]、[[荒れ野の本質/Essence of the Wild]]など) | ||
+ | #[[第2面]]をオモテにして戦場に出る効果 | ||
+ | #その他の効果 | ||
+ | |||
+ | *コピー効果の順番は、[[イニストラード]]発売に伴う[[総合ルール]]変更の際に指定された。それ以前は他の効果と同様の扱いをされていた。 | ||
+ | |||
+ | ====旧ルール==== | ||
+ | [[2017年]]9月の[[イクサラン]]発売に伴う[[総合ルール]]更新以前は、戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかにおいて、その[[パーマネント]]が戦場に出る時点で取るであろう[[特性]]で考慮されるのは | ||
+ | #戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの | ||
+ | #呪文や能力の解決によって作られた継続的効果のうちで[[スタック]]上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したもの | ||
+ | #そのパーマネントの[[常在型能力]]からの[[継続的効果]] | ||
+ | のみ。それ以外の、他の発生源からの常在型能力は考慮しなかった。 | ||
+ | *例:血染めの月が戦場にあるとき、[[タップインデュアルランド]]は[[タップ]]状態で戦場に出ていた。同様に、[[謙虚/Humility]]が戦場にあるときでも、[[接合]]や[[移植]]持ちのクリーチャーは[[+1/+1カウンター]]が置かれた状態で戦場に出ていた。 | ||
+ | *例:あなたが[[寓話の賢人/Sage of Fables]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している場合、ウィザードを指定した奸謀をコントロールしていても、あなたの灰色熊はカウンターが置かれずに戦場に出ていた。 | ||
+ | |||
+ | ===その他=== | ||
+ | *置換しようとしているイベントが発生しなければ、置換効果は適用できない。 | ||
+ | **例外として、カードを引くことに対する置換効果は、[[ライブラリー]]にカードが存在していないため引くことができない場合でも適用できる。 | ||
+ | *置換効果を適用することによって、[[イベント]]の[[発生源]]が変わることはない。置き換えられたイベントを実行するのは、あくまで元のイベントを実行しようとしていたものである。 | ||
+ | **例:対戦相手の[[海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea]]によるあなたの[[引く|ドロー]]を[[崇拝の言葉/Words of Worship]]で[[ライフ]][[回復|ゲイン]]に置換しても、あなたにライフを与えるのは崇拝の言葉ではなく御心である。よって、このとき[[血糊の雨/Rain of Gore]]が適用されることもない。 | ||
+ | *「あなたはXしてよい。そうした場合、Yする」という種類の能力の場合、Xを別のイベントに置換したとしても、(置換したイベントを行ったならば)Yのイベントは発生する。 | ||
+ | **例:[[知恵の蛇/Ophidian]]でカードを1枚引くことを選んだとき、それを[[発掘]]で置き換えたとしても、知恵の蛇は[[戦闘ダメージ]]を与えない。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | *[[盾]] | ||
*[[ルーリング]] | *[[ルーリング]] | ||
+ | |||
+ | {{#cr:614}} | ||
+ | {{#cr:616}} |
2022年9月3日 (土) 00:36時点における最新版
置換効果/Replacement Effectとは、あるイベントを他のイベントに置き換える効果を指すルール用語。基本的に継続的効果の一種である。
アーティファクト クリーチャー — ゴーレム(Golem)
合金のゴーレムが戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。
合金のゴーレムは、選ばれた色である。(それは同時にアーティファクトでもある。)
目次 |
[編集] 解説
[編集] 定義
「Aする代わりにBする/A instead B」という語を用いる効果は置換効果である。この場合、Aというイベントが発生しようとした時、それがBというイベントに置き換えられて実行される。置換されたAは起こらなかったことになる。「再生」も破壊に対する置換効果である。
「○○は~状態で戦場に出る/○○ enters the battlefield with ~」、「○○が戦場に出るに際し~/As ○○ enters the battlefield ~」、「○○は~として戦場に出る/○○ enters the battlefield as ~」という効果は置換効果である。これらはパーマネントが戦場に出ることには変わりないが、それらの位相や特性を変化させた状態で戦場に出したり、戦場に出る以外の処理を同時に行わせたりする。
- 「タップ状態で戦場に出る」「+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る」「いずれかのクリーチャーのコピーとして戦場に出る」等がある。
「飛ばす/Skip」という効果は置換効果である。この単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことに置き換えられるかを示す。
「○○が表向きになるに際し~/As ○○ is turned face up ~」という効果は置換効果である。
継続的効果ではない置換効果も存在しており、自己置換効果がそれに該当する。
[編集] 置換・軽減効果の相互作用
あるイベントに対して適用可能な複数の置換効果や軽減効果があるならば、「その影響を受けるプレイヤーがそのうち一つを選び、それを適用する」という手順を適用可能な置換効果か軽減効果が残っている限り繰り返す。
- 影響を受けるプレイヤーとは「カードを引く」などのイベントを実際に行うプレイヤー、あるいはイベントの影響を受けるオブジェクトのコントローラーである。コントローラーの存在しないオブジェクトの場合はそのオーナーとなる。
- 「発生源が何かにダメージを与える」というイベントの場合、適用順を決めるプレイヤーはダメージを受ける側のプレイヤーかそのパーマネントのコントローラーになる。
適用する順序は任意に選択できるが、自己置換効果はそれ以外の置換効果より先に適用しなくてはならない。
イベントが置換された結果、適用される置換・軽減効果が変わったり、影響を受けるプレイヤーが変わる事がある。
置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそのイベントを置換しうる変更されたイベントを通して1回だけである。
- ラースの灼熱洞/Furnace of Rathが戦場に2枚あるとき、発生源が2点のダメージを何かに与えようとする場合、2枚がそれぞれイベントを1回ずつ置換し8点のダメージを与えるイベントとなる。置換効果の無限ループにはならない。
[編集] 戦場に出ることに対する置換効果
戦場に出ることに対する置換効果を含む能力を持つパーマネントが戦場に出る場合、それがそのパーマネント自身に影響を及ぼすのは、その置換効果が自身にのみ影響する場合に限る。いずれにせよそのパーマネントと同時に戦場に出る他のパーマネントに対して影響を及ぼすことは無い。
- 例:夢の宝珠/Orb of Dreamsの能力は、戦場に出ようとする全てのパーマネントに影響し、自身のみに限定されていない。そのため自身が戦場に出ることを置換せず、単体ではアンタップ状態で戦場に出る。また、夢の宝珠と同時に戦場に出るパーマネントもアンタップ状態である。
戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかは、そのパーマネントが戦場に出る時点で取るであろう特性を見る。このとき考慮するのは
- 戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの
- そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるもの
- すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるもの(スタック上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したものや、他のオブジェクトからの継続的効果)
である。これは未来の情報を予測するのではなく、パーマネントが実際に戦場に出る前の現在のゲームの状態で取りうる特性を見る。(参考:Magic Judge)。
- 例:血染めの月/Blood Moonが戦場にあるとき、タップインデュアルランドはアンタップ状態で戦場に出る。謙虚/Humilityが戦場にある場合、接合や移植持ちのクリーチャーは+1/+1カウンターは置かれずに戦場に出る。
- 例:イクスリッドの看守/Yixlid Jailerが戦場にあるとき、墓地にある円盤の大魔術師/Magus of the Diskは能力を失っているが、それを考慮せず円盤の大魔術師が墓地から戦場に出るときもタップ状態で戦場に出る。
- 例:あなたが寓話の賢人/Sage of Fablesをコントロールしている場合。
- あなたの多相を持つクリーチャーはカウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記2.)。
- あなたのエルフの戦士/Elvish Warriorがスタック上で人工進化/Artificial Evolutionによりウィザードに変更されていた場合、カウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記3.)。
- あなたのクローン/Cloneがルーメングリッドの管理人/Lumengrid Wardenのコピーとして戦場に出るとき、クローンによる置換のあとに寓話の賢人による置換を行うので、カウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記1.)。
- あなたがウィザードを指定した奸謀/Conspiracyをコントロールしている場合、あなたの灰色熊/Grizzly Bearsはカウンターが置かれた状態で戦場に出る(上記3.)。
- 対戦相手が威圧する君主/Imposing Sovereignをコントロールしており、あなたがアスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodelを2体コントロールしている状態で死者の神、エレボス/Erebos, God of the Deadを戦場に出す場合、エレボスはアンタップ状態で戦場に出る。置換効果を適用する際、エレボスが戦場で取りうる特性は自身の常在型能力を考慮に入れるが、エレボス自身は戦場に存在しないため黒への信心は4である。エレボスの特性はエンチャントとして扱われ、威圧する君主の効果は適用されない。
戦場に出ることに対する置換効果が何らかの選択を必要とする場合、選択はそのパーマネントが戦場に出る前に行われる。
- 例:未来予知/Future Sightをコントロールしている状況でライブラリーの一番上が公開されており、それが神聖なる泉/Hallowed Fountainであったとする。この神聖なる泉をプレイする場合、2点のライフを支払うかどうかの選択は、神聖なる泉がライブラリーの一番上にある間、すなわちライブラリーの上から2番目のカードを公開する前に行う。
戦場に出ることに対する置換効果のうち、他のオブジェクトの領域を移動させる効果は、戦場に出ようとしているそのオブジェクト自身や、同時に戦場に出ようとするパーマネントやその他のオブジェクトを戦場に出ないようにすることはできない。
- 例:縫合グール/Sutured Ghoulと歩く死骸/Walking Corpseが同時に墓地から戦場に出る際に、その縫合グール自身や歩く死骸を縫合グールの能力で追放することはできない。
オブジェクトが戦場に出ることを置換する置換効果が複数ある場合、以下の順で選ばなくてはならない。同種のものがある場合は好きな順で適用してよい。
- オブジェクトが戦場に出る際のコントローラーを変更する効果(標本集め/Gather Specimensなど)
- 何らかのコピーとなる効果(クローン/Clone、荒れ野の本質/Essence of the Wildなど)
- 第2面をオモテにして戦場に出る効果
- その他の効果
[編集] 旧ルール
2017年9月のイクサラン発売に伴う総合ルール更新以前は、戦場に出ることに対する置換効果がどのように適用されるかにおいて、そのパーマネントが戦場に出る時点で取るであろう特性で考慮されるのは
- 戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの
- 呪文や能力の解決によって作られた継続的効果のうちでスタック上にある時点でそのパーマネントの特性を変更したもの
- そのパーマネントの常在型能力からの継続的効果
のみ。それ以外の、他の発生源からの常在型能力は考慮しなかった。
- 例:血染めの月が戦場にあるとき、タップインデュアルランドはタップ状態で戦場に出ていた。同様に、謙虚/Humilityが戦場にあるときでも、接合や移植持ちのクリーチャーは+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出ていた。
- 例:あなたが寓話の賢人/Sage of Fablesをコントロールしている場合、ウィザードを指定した奸謀をコントロールしていても、あなたの灰色熊はカウンターが置かれずに戦場に出ていた。
[編集] その他
- 置換しようとしているイベントが発生しなければ、置換効果は適用できない。
- 例外として、カードを引くことに対する置換効果は、ライブラリーにカードが存在していないため引くことができない場合でも適用できる。
- 置換効果を適用することによって、イベントの発生源が変わることはない。置き換えられたイベントを実行するのは、あくまで元のイベントを実行しようとしていたものである。
- 例:対戦相手の海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Seaによるあなたのドローを崇拝の言葉/Words of Worshipでライフゲインに置換しても、あなたにライフを与えるのは崇拝の言葉ではなく御心である。よって、このとき血糊の雨/Rain of Goreが適用されることもない。
- 「あなたはXしてよい。そうした場合、Yする」という種類の能力の場合、Xを別のイベントに置換したとしても、(置換したイベントを行ったならば)Yのイベントは発生する。
- 例:知恵の蛇/Ophidianでカードを1枚引くことを選んだとき、それを発掘で置き換えたとしても、知恵の蛇は戦闘ダメージを与えない。
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 614 置換効果
- 614.1 継続的効果の一部は、置換効果である。軽減効果(rule 615 参照)と同様に、置換効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうる特定のイベントを待ち、そのイベントの全部あるいは一部を他のイベントで置換する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
- 614.1a 「代わりに/instead」という語を用いる効果は置換効果である。ほとんどの置換効果は「代わりに/instead」という単語によってどのようなイベントがどう置き換えられるかを示す。
- 614.1b 「飛ばす/skip」という語を用いる効果は置換効果である。この単語によってどのようなイベント、ステップ、フェイズ、ターンが何も起こらないことに置き換えられるかを示す。
- 614.1c 「[このパーマネント]は~状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield with ...」、「[このパーマネント]が戦場に出るに際し~/As [this permanent] enters the battlefield ...」、「[このパーマネント]は~として戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield as ...」という効果は置換効果である。
- 614.1d 「[このパーマネント]は~状態で戦場に出る/[this permanent] enter(s) the battlefield ...」「[[[オブジェクト]]]は~状態で戦場に出る/[Objects] enter the battlefield ...」という継続的効果は置換効果である。
- 614.1e 「[このパーマネント]がオモテ向き になるに際し~/As [this permanent] is turned face up ...」という効果は置換効果である。
- 614.2 置換効果の一部は、いずれかの発生源からのダメージに適用される。rule 609.7 参照。
- 614.3 置換効果を作る呪文を唱えることや能力を起動することには、特別な限定は存在しない。その種の効果は、用いられるか持続期間が過ぎるまで残る。
- 614.4 置換効果はしかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を作る呪文や能力は、そのイベントを作る何かに対応して 唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。
- 614.5 置換効果の結果にその同一の置換効果が再び適用されることはなく、置換されるのは元のイベントとそのイベントを置換しうる変更されたイベントを通して1回だけである。
- 614.6 イベントが置換された場合、それは決して起こったことにならない。置換されたイベントの代わりに変更後のイベントが発生し、それによる誘発型能力があれば誘発する。変更された後のイベントが実行できない場合、単にその不可能な指示を無視するだけになる。
- 614.7 置換効果があるイベントを置換する場合、そのイベントが発生しなければ、置換効果は何もしない。
- 614.8 再生は破壊に対する置換効果である。「代わりに」というキーワードはカードには書かれていないが、その定義に暗黙に含まれている。「[[[パーマネント]]]を再生する。」とは、「このターン、次に[[[パーマネント]]]が破壊されるなら、その代わりにそれが負っているすべてのダメージを取り除き、それのコントローラーはそれをタップし、攻撃やブロックしているクリーチャーなら戦闘から取り除く。」を意味する。また、致死ダメージによる破壊を再生してもダメージによる誘発型能力は発生する。rule 701.15 参照。
- 614.9 効果によって、バトルやクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーが受けたダメージが、他のバトルやクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーが受ける同量のダメージに置き換えられることがある。このような効果のことを「移し変え/redirection」効果と呼ぶ。ダメージが移し変えられるときに、それらのパーマネントのうち1つが戦場を離れていたり、バトルでもクリーチャーでもプレインズウォーカーでもなくなっていたりした場合、その効果は何もしない。そのダメージが既にゲームから離れたプレイヤーから、あるいはゲームから離れたプレイヤーに、移し変えられる場合、その効果は何もしない。
- 614.10 イベントやステップ、フェイズ、ターンを飛ばすことは、置換効果である。「[何か]を飛ばす/skip [something]」というのは、「[何か]をする代わりに、何もしない」を意味する。ステップ、フェイズ、ターンが始まった後では、それを飛ばすことはできない。飛ばす効果が発揮されるのは、次の機会になる。
- 614.11 置換効果の中に、カードを引くことを置換するものがある。それらの効果は、そのライブラリーにカードが存在しないために引くことができない場合にも適用される。
- 614.12 置換効果の中に、パーマネントが戦場に出ることに影響を及ぼすものがある(rule 614.1c-d参照)。そのパーマネント自身が持つその種の効果が適用されるのは、その効果がそのパーマネント自身にだけ影響を及ぼす場合だけである(そのパーマネントを含む一群のパーマネントに影響を及ぼすものは、そのパーマネント自身には影響を及ぼさない)。他の発生源からの効果であることもありうる。それらの置換効果のうち、どれがどのように適用されるかを決定するに際しては、そのパーマネントが戦場に出た時点で取るであろう特性を見る。ここで考慮するのは、戦場に出ることに影響を及ぼす置換効果のうちですでに適用したもの(rule 616.1 参照)と、そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるものと、すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるものだけである。
- 614.12a パーマネントが戦場に出ることを変更する置換効果に何らかの選択が必要な場合、その選択はそのパーマネントが戦場に出る前に行われる。
- 614.12b 置換効果の中には、コントローラーの選択に従い、パーマネントを、箇条書きで固定語が書かれている2つの能力のうち1つを持った状態で戦場に出させるものがある。「[[[固定語]]] ― [[[能力]]]」は、「このパーマネントが戦場に出るに際して[[[固定語]]]が選ばれていたかぎり、このパーマネントは[[[能力]]]を持つ。」を意味する。固定語が先に書かれている能力はそれぞれ、プレイヤーに固定語を選ばせた能力と関連している。rule 607〔関連している能力〕参照。
- 614.13 パーマネントがどのように戦場に出るかを修整する効果は、他のオブジェクトの領域を移動させることがある。
- 614.13a パーマネントがどのように戦場に出るかを変更する効果を適用するにあたって、ともに領域を変更するいくつかのオブジェクトを選ばなければならないことがある。この選択において、そのパーマネント になるオブジェクトやそのオブジェクトと同時に戦場に出る他のオブジェクトを選ぶことはできない。
- 614.13b 単一のパーマネントがどのように戦場に出るかを変更する置換効果を適用するにあたって、領域を変更するオブジェクトとして単一のオブジェクトを複数回選ぶことはできない。
- 614.13c パーマネントが戦場に出る方法を変更する置換効果の処理中に、別の置換効果によってプレイヤーがカードを切削したりライブラリーの一番上にあるカードを追放したりすることがある。その場合、そのライブラリーから戦場に出るカードは、その効果が適用される時点でそれらのカードがライブラリーにあったとしても、その効果の影響は受けない。
- 614.14 あるオブジェクトに、カードを追放する置換効果を作る能力が記載されており、また「その追放されているカード/the exiled cards」あるいは「[このオブジェクト]によって追放されているカード/cards exiled with [this object]」と書かれた能力が記載されている場合、これらの能力は関連している。この2つ目の能力は、その1つ目の種類の能力による置換効果の直接の結果、追放 領域に置かれているカードだけを参照する。他のオブジェクトが関連した能力の組を得た場合、それらの能力は元の能力と同様に関連した能力となる。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
- 614.15 置換効果の中には、継続的効果でないものも存在する。呪文や能力が、それ自身の解決時の効果の一部または全部を置換するそういった効果のことを自己置換効果と呼ぶ。自己置換効果を作る文章のほとんどは置換される効果をもたらす能力の一部であるが、特に能力語が先行している場合には別の能力であることもありうる。置換効果をイベントに適用する際、まず最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。
- 614.16 「効果によりあなたの コントロール下で1個以上のトークンが生成されるなら/if an effect would create one or more tokens」あるいは「効果によりパーマネント1個の上に1個以上のカウンターが置かれるなら/if an effect would put one or more counters on a permanent」適用される置換効果が存在する。呪文や能力の解決の効果がトークンを生成したりパーマネントの上にカウンターを置いたりする場合も、他の置換・軽減効果がそうする場合も、これらの置換効果が適用される。置換・軽減効果の影響を受けるイベントそのものが効果でなかった場合にも適用される。
- 614.17 何かが起こらないとする効果が存在する。それらの効果は置換効果ではないが、同じようなルールに従う。
- 614.17a 「できない」効果は、しかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。
- 614.17b イベントができない場合、プレイヤーはそのイベントを含むコストを支払うことを選ぶことはできない。
- 614.17c イベントができない場合、それは自己置換効果によってのみ置換される(rule 614.15 参照)。他の置換・軽減効果によって変更したり置換したりすることはできない。
- 614.17d 「できない」効果の中には、パーマネントが戦場に出る方法や出るか出ないかに影響を及ぼすものがある。(そのパーマネントも含むパーマネント群ではなく)そのパーマネント自身だけに影響をおよぼす場合には、この種の効果がそのパーマネント自身に由来することもある。他の発生源に由来することもある。どの「できない」効果が適用されるのかを決定するにあたっては、そのパーマネントが戦場で存在することになる時点での特性を見る。その際、それが戦場に出ることに変更を加えた置換効果(rule 616.1 参照)と、そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるものと、すでに存在している継続的効果でそのパーマネントに適用されることになるものを考慮する。
- 614.1 継続的効果の一部は、置換効果である。軽減効果(rule 615 参照)と同様に、置換効果はイベントが発生する際に継続的に適用される。事前に固定されるわけではない。この種の効果は発生しうる特定のイベントを待ち、そのイベントの全部あるいは一部を他のイベントで置換する。その影響を及ぼすものに対する「盾」のように機能する。
- 614 置換効果
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 616 置換・軽減効果の相互作用
- 616.1 複数の置換・軽減効果がいずれかのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを修整しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー(コントローラーがいないならオーナー)、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか、以下の手順で決める。複数のプレイヤーが同時に選択を行う場合、選択はAPNAP順(rule 101.4 参照)で行う。
- 616.1a 置換・軽減効果の中に自己置換効果(rule 614.15 参照)があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1b に進む。
- 616.1b 置換・軽減効果の中に、オブジェクトが誰のコントロール下で戦場に出すかを修整する効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1c に進む。
- 616.1c 置換・軽減効果の中に、戦場に出るオブジェクトを他のオブジェクトのコピーにする効果があれば、その中の1つを選ぶ。なければ、rule 616.1d に進む。
- 616.1d 置換・軽減効果の中に、カードを第2面をオモテにして戦場に出させるものがあるなら、それらの中の1つを選ばなければならない(rule 701.28〔変身する〕、rule 701.50〔トランスフォーム〕参照)。そうでないなら、rule 616.1e に進む。
- 616.1e 適用可能な置換・軽減効果の中から、どの効果を選んでもよい。
- 616.1f 選ばれた効果が適用された後、(その時点で適用できる置換効果や軽減効果があれば)適用できる効果がなくなるまでこの手順を繰り返す。
- 616.1g rule 616.1a-f の手順に従う間に、置換・軽減効果のうち1つが、イベント1つに適用でき、別の置換・軽減効果がそのイベントの一部であるイベントに適用できる場合がある。この場合、1つ目の効果が選ばれるまでは2つ目の効果を選ぶことはできない。
- 616.2 置換・軽減効果は、イベントを修整する別の置換・軽減効果の結果として、イベントに適用できるようになることがある。
- 616.1 複数の置換・軽減効果がいずれかのオブジェクトやプレイヤーに影響を及ぼす単一のイベントを修整しようとした場合、影響を受けるオブジェクトをコントロールしているプレイヤー(コントローラーがいないならオーナー)、または影響を受けるプレイヤーがどれを適用するか、以下の手順で決める。複数のプレイヤーが同時に選択を行う場合、選択はAPNAP順(rule 101.4 参照)で行う。
- 616 置換・軽減効果の相互作用