上位互換

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
13行: 13行:
  
 
よって、このWiki内で上位互換、下位互換を考える場合は単独での使い勝手のみで比較し、
 
よって、このWiki内で上位互換、下位互換を考える場合は単独での使い勝手のみで比較し、
*「メジャーなクリーチャー・タイプであり部族カードの影響を受けやすい」
+
*「メジャーな[[クリーチャー・タイプ]]であり部族カードの影響を受けやすい」
 
*「特定のカードとの相互作用で評価が逆転する」
 
*「特定のカードとの相互作用で評価が逆転する」
 
など個別の事柄については別に言及する。
 
など個別の事柄については別に言及する。
26行: 26行:
 
**相手が特定の[[キーワード能力]]を持つクリーチャーを使っている状況でない限り、飛行を持たず[[パワー]]の低い逃亡した多相の戦士が劣る。しかし、それらのキーワード能力を持つクリーチャーを参照することは逃亡した多相の戦士のテキストに書いてあるので、大気の精霊と比較する場合も考慮する。
 
**相手が特定の[[キーワード能力]]を持つクリーチャーを使っている状況でない限り、飛行を持たず[[パワー]]の低い逃亡した多相の戦士が劣る。しかし、それらのキーワード能力を持つクリーチャーを参照することは逃亡した多相の戦士のテキストに書いてあるので、大気の精霊と比較する場合も考慮する。
  
また、同等以上の[[インスタント]]は[[ソーサリー]]の上位互換として扱う。[[払拭/Dispel]]や[[運命の回避/Avoid Fate]]などインスタントを特別に参照するカードもあるが、それらは考慮しない。
+
また、同等以上の[[インスタント]]は[[ソーサリー]]の上位互換として扱う。
  
 
 
35行: 35行:
  
 
 
*[[太陽破の天使/Sunblast Angel]][[関羽の千里行/Guan Yu's 1,000-Li March]]の場合、効果は同じだが、クリーチャーである太陽破の天使が関羽の千里行の上位互換。
+
*[[太陽破の天使/Sunblast Angel]](のCIP能力)と[[関羽の千里行/Guan Yu's 1,000-Li March]]の場合、効果は同じだが、クリーチャーである太陽破の天使が関羽の千里行の上位互換。
*[[モグの狂信者/Mogg Fanatic]][[焦熱の槍/Scorching Spear]]の場合、効果は同じだが、クリーチャーであるモグの狂信者が焦熱の槍の上位互換。
+
*[[モグの狂信者/Mogg Fanatic]](の起動型能力)と[[焦熱の槍/Scorching Spear]]の場合、効果は同じだが、クリーチャーであるモグの狂信者が焦熱の槍の上位互換。
*[[熟考漂い/Mulldrifter]][[予言/Divination]]の場合、熟考漂いを[[想起]]した場合は効果は同じだが、クリーチャーである熟考漂いが予言の上位互換。
+
*[[熟考漂い/Mulldrifter]](のCIP能力)と[[予言/Divination]]の場合、熟考漂いを[[想起]]した場合は効果は同じだが、クリーチャーである熟考漂いが予言の上位互換。
  
 
==100%の上位互換が存在しない理由==
 
==100%の上位互換が存在しない理由==
 
100%の上位互換が存在しない理由は、比較の妨げになる要素が数多く存在するからである。それには以下のようなものがある。
 
100%の上位互換が存在しない理由は、比較の妨げになる要素が数多く存在するからである。それには以下のようなものがある。
 
;[[カード・タイプ]]が違う場合
 
;[[カード・タイプ]]が違う場合
:例えば[[風生まれの詩神/Windborn Muse]][[戦闘]]に参加できる)と[[亡霊の牢獄/Ghostly Prison]]([[クリーチャー]]除去が効かない・マナ・コストが低い)など。
+
:上述のインスタントとソーサリーの関係は、[[払拭/Dispel]][[無政府主義者/Anarchist]]などインスタントやソーサリーのみを参照するカードの存在により逆転することがありうる。パーマネントとの比較についても同様である。
 
;[[サブタイプ]]や[[色]]が異なる場合
 
;[[サブタイプ]]や[[色]]が異なる場合
 
:例えば[[モンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raiders]]([[ゴブリン]])と[[凍らし/Frostling]]([[スピリット]])、[[解呪/Disenchant]]([[白]])と[[粉砕/Shatter]]([[赤]])と[[青サビ/Verdigris]]([[緑]])など。
 
:例えば[[モンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raiders]]([[ゴブリン]])と[[凍らし/Frostling]]([[スピリット]])、[[解呪/Disenchant]]([[白]])と[[粉砕/Shatter]]([[赤]])と[[青サビ/Verdigris]]([[緑]])など。
;[[稀少度]](入手率)が異なる場合
 
:入手率が異なる[[リミテッド]]では重要となっている。
 
:*また、[[レア]]を墓地送りにする[[Rare-B-Gone]]や、[[コモン]]しか使えない[[環境]]([[Pauper]])がある。
 
 
;相手のカードを利用するカードを考慮した場合
 
;相手のカードを利用するカードを考慮した場合
:例えば[[威圧/Dominate]][[精神隷属器/Mindslaver]]など。
+
:例えば[[威圧/Dominate]]される場合、幻影獣より大ダコの方が被害が少ない。[[精神隷属器/Mindslaver]]で[[ターン]]をコントロールされる場合、稲妻より焦熱の槍の方が被害が少ない。
 
;状況に応じてメリットになったりデメリットになったりする場合
 
;状況に応じてメリットになったりデメリットになったりする場合
 
:例えば[[飛行]]。[[寄せ餌/Lure]]などの存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌との[[コンボ]]において、[[コカトリス/Cockatrice]]と[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]では後者の方がよく使われていた。[[被覆]]などは、完全なメリットとして扱っていいのかという議論も交わされていた。
 
:例えば[[飛行]]。[[寄せ餌/Lure]]などの存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌との[[コンボ]]において、[[コカトリス/Cockatrice]]と[[茂みのバジリスク/Thicket Basilisk]]では後者の方がよく使われていた。[[被覆]]などは、完全なメリットとして扱っていいのかという議論も交わされていた。
:*クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的と言ってすら良い。たとえば[[罠の橋/Ensnaring Bridge]]で攻撃できない、[[弱者の石/Meekstone]]でアンタップしない、[[復仇/Reprisal]]で除去される、[[反発/Backlash]]で自分にダメージ、などなど。
+
:*クリーチャーの場合に、パワーやタフネスが大きいことがデメリットになり得るケースは極めて多く、普遍的とすら言って良い。たとえば[[罠の橋/Ensnaring Bridge]]で攻撃できない、[[弱者の石/Meekstone]]でアンタップしない、[[復仇/Reprisal]]で除去される、[[反発/Backlash]]で自分にダメージ、などなど。
 
:*[[点数で見たマナ・コスト]]を参照するカード([[燻し/Smother]]・[[うつろう爆発/Erratic Explosion]]など)の存在から、マナ・コストも小さい方が良いとは限らない。[[軽蔑する利己主義者/Scornful Egotist]]などは、もはやそのようなカードのためにデザインされている。
 
:*[[点数で見たマナ・コスト]]を参照するカード([[燻し/Smother]]・[[うつろう爆発/Erratic Explosion]]など)の存在から、マナ・コストも小さい方が良いとは限らない。[[軽蔑する利己主義者/Scornful Egotist]]などは、もはやそのようなカードのためにデザインされている。
 
:*[[マナ・シンボル]]を参照するカード([[魔力を持つペンダント/Charmed Pendant]]・[[彩色]]・[[信心]]など)の存在から、[[色拘束]]も薄い方が良いとは限らない。
 
:*[[マナ・シンボル]]を参照するカード([[魔力を持つペンダント/Charmed Pendant]]・[[彩色]]・[[信心]]など)の存在から、[[色拘束]]も薄い方が良いとは限らない。
 
;カード名が違う場合
 
;カード名が違う場合
 
:[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]や[[嘘つきの振り子/Liar's Pendulum]]など、名前を参照するカードが存在するのがその理由である。
 
:[[翻弄する魔道士/Meddling Mage]]や[[嘘つきの振り子/Liar's Pendulum]]など、名前を参照するカードが存在するのがその理由である。
:*それらを使うプレイヤーは、間違いなく「強い」カードの名前を言うだろう。そのため、「弱くても別のカードが欲しい」という奇妙な状況が発生してしまうのだ。
+
:*それらを使うプレイヤーは、間違いなく「強い」カードの名前を指定するため、「弱くても別のカードが欲しい」という奇妙な状況が発生してしまう。
:*[[マスクス・ブロック]]~[[インベイジョン・ブロック]]期のスタンダードにおいて、[[神の怒り/Wrath of God]]を封じられた時のために、その枚数を減らし(追加能力が付いているとはいえ)1マナ重い[[総くずれ/Rout]]を投入する、という構築が、実際にトッププレイヤーの間でも行われていた。
+
:*[[マスクス・ブロック]]~[[インベイジョン・ブロック]]期のスタンダードにおいて、翻弄する魔道士で[[神の怒り/Wrath of God]]を封じられた時のために、その枚数を減らし(追加能力が付いているとはいえ)1マナ重い[[総くずれ/Rout]]を投入する、という構築が、実際にトッププレイヤーの間でも行われていた。
:*[[ミラディン・ブロック]]~[[ゼンディカー・ブロック]]期のエクステンデッドの[[けちコントロール]]では[[神の怒り/Wrath of God]]と[[審判の日/Day of Judgment]]両方を投入されている。それにより[[けちな贈り物/Gifts Ungiven]]で[[全体除去]]を手に入れやすくなっている。
+
:*[[ミラディン・ブロック]]~[[ゼンディカー・ブロック]]期のエクステンデッドの[[けちコントロール]]では神の怒りと[[審判の日/Day of Judgment]]両方が投入されている。それにより[[けちな贈り物/Gifts Ungiven]]で[[全体除去]]を手に入れやすくなっている。
 
:*カード名が同じで能力が違うものは1枚もないため、100%の上位互換が存在しない事が説明できる。
 
:*カード名が同じで能力が違うものは1枚もないため、100%の上位互換が存在しない事が説明できる。
 
:*[[銀枠]]のカードを考慮すると[[プレミアム・カード]]、[[エキスパンション・シンボル]]、[[アーティスト]]などによって同名のカードでも挙動が異なるが、場合によって完全なメリットにはならず比較しても完全な上位互換とできないのがマジックの常である。
 
:*[[銀枠]]のカードを考慮すると[[プレミアム・カード]]、[[エキスパンション・シンボル]]、[[アーティスト]]などによって同名のカードでも挙動が異なるが、場合によって完全なメリットにはならず比較しても完全な上位互換とできないのがマジックの常である。
;[[フォーマット]]による制限を考慮した場合
 
:いくら強いカードであっても、[[デッキ]]に入れられないカードはそもそも使えない。
 
:*[[カード・プール]]に存在しないカードは勿論、強力さが災いして[[禁止カード]]に指定され、使えなくなるカードがある。
 
:*希少度の項目の通り、Pauperでは第一にコモンであることが前提となる。
 
:*[[統率者戦]]では[[固有色]]の制限もあるため、[[マナ能力]]も考慮材料となる。
 
  
 
==実際の用途==
 
==実際の用途==

2014年3月8日 (土) 01:21時点における版

上位互換 (Strictly Better)とは、同じ能力でありながらマナ・コストが軽いとか、同じマナ・コストでありながらパワータフネスが高いなど、2枚のカードを比べた時に一方がもう一方に明らかに勝るような場合をいう。例えば、映像の造形者/Imagecrafter脱走魔術師/Fugitive Wizardの上位互換である。

ただし、100%厳密な意味での上位互換は1枚たりとも存在しない。上位互換の正確な定義は「あらゆる局面で一方が優れている」ことであるが、そのようなことは絶対にありえないからである。霊感/InspirationAncestral Recallにすら、それは当てはまる(#100%の上位互換が存在しない理由も参照)。

目次

M:tG Wikiでの方針

以上のように厳密な意味での上位互換は存在しないが、普通は単独での使い勝手のみで考えることが多いし、その方が実用的である。またそのようにしないと、上位互換、下位互換という形で比較すること自体が難しくなる。

よって、このWiki内で上位互換、下位互換を考える場合は単独での使い勝手のみで比較し、

  • 「メジャーなクリーチャー・タイプであり部族カードの影響を受けやすい」
  • 「特定のカードとの相互作用で評価が逆転する」

など個別の事柄については別に言及する。 「(比較対象それぞれの)カードに書かれていることのみで比較する」と考えると分かりやすい。

また、同等以上のインスタントソーサリーの上位互換として扱う。

また、パーマネントの、自身を生け贄に捧げることのみを起動コストとする起動型能力CIP能力がソーサリーと同等以上の効果をもつ場合、それらのパーマネントはソーサリーの上位互換として扱う。それらのパーマネントが瞬速を持つ場合、同様にしてインスタントの上位互換になり得る。

100%の上位互換が存在しない理由

100%の上位互換が存在しない理由は、比較の妨げになる要素が数多く存在するからである。それには以下のようなものがある。

カード・タイプが違う場合
上述のインスタントとソーサリーの関係は、払拭/Dispel無政府主義者/Anarchistなどインスタントやソーサリーのみを参照するカードの存在により逆転することがありうる。パーマネントとの比較についても同様である。
サブタイプが異なる場合
例えばモンスのゴブリン略奪隊/Mons's Goblin Raidersゴブリン)と凍らし/Frostlingスピリット)、解呪/Disenchant)と粉砕/Shatter)と青サビ/Verdigris)など。
相手のカードを利用するカードを考慮した場合
例えば威圧/Dominateされる場合、幻影獣より大ダコの方が被害が少ない。精神隷属器/Mindslaverターンをコントロールされる場合、稲妻より焦熱の槍の方が被害が少ない。
状況に応じてメリットになったりデメリットになったりする場合
例えば飛行寄せ餌/Lureなどの存在を考えると、持たない方が良い局面も存在する。現に寄せ餌とのコンボにおいて、コカトリス/Cockatrice茂みのバジリスク/Thicket Basiliskでは後者の方がよく使われていた。被覆などは、完全なメリットとして扱っていいのかという議論も交わされていた。
カード名が違う場合
翻弄する魔道士/Meddling Mage嘘つきの振り子/Liar's Pendulumなど、名前を参照するカードが存在するのがその理由である。

実際の用途

上記のような定義的な意味ではなく、より一般的な意味で使われる場合がある。

その場合は概ね厳密ではなく、メタデッキ構造などを加味した上で、総合的に勝っていると考えられるものを上位互換と呼ぶことが多い。

参考

MOBILE