Ice Cauldron

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
1行: 1行:
 
{{#card:Ice Cauldron}}
 
{{#card:Ice Cauldron}}
  
長くて読むのも大変な[[ルール文章]]だが、要は[[カード]]の[[マナ・コスト]]を2回に分けて[[支払う]]ための[[アーティファクト]]。1つ目の[[能力]]で使いたい[[呪文]]を決めて1回目支払い分の[[マナ]]を貯める。2つ目の能力で貯めたマナを引き出し、2回目分のマナを上乗せして[[唱える]]
+
[[呪文]][[マナ]]を「貯めて」おける[[アーティファクト]]。ただし貯めたマナはこれによって[[追放]]された呪文を[[唱える]]ためにしか使えない。
  
[[コスト]]の[[重い]]カードを早い時期に使用できると考えると便利そうだが、これ自体のマナ・コストが(4)と重め。これを支払った上でかつ2[[ターン]]かかって使うほど価値のある大型呪文は[[アイスエイジ]]時代には存在しなかったし、[[環境]]もそれほど悠長ではなかった。
+
長くて読むのも大変な[[ルール文章]]だが、その分用途は多様。最もシンプルな使い道は[[カード]]の[[マナ・コスト]]を2回に分けて[[支払う]]使い方だろう。たとえば4マナしか出ない状況でも、1つ目の[[能力]]でマナを貯め込むことで8マナまでの呪文を唱えることができる。その他にも、[[対戦相手]]の[[終了ステップ]]に1つ目の能力で[[ソーサリー]]カードとそれを唱えるためのマナを貯め、[[あなた|自分]]の[[ターン]]になったら2つ目の能力でソーサリーを唱えれば実質的に[[ソーサリー・タイミング]]でマナを使うことがなくなりスキを少なくできる。この他、1ターンの間に複数回呪文を唱えることに反応するカードや、追放[[領域]]から唱えることに恩恵のあるカード、ちょっと変わったところでは[[曲がりくねりのロシーン/Rosheen Meanderer]]が生み出すマナの[[マナフィルター]]にすることもできるなど、組み合わせ次第で様々な役割を持たせられる面白いカードと言えるだろう。
  
1つ目の「貯める」能力は、貯める呪文に関係なく[[インスタント・タイミング]]で使えるのがポイント。これを利用して[[対戦相手]][[終了ステップ]]にマナを貯めれば、[[あなた|自分]]のターンの[[メイン・フェイズ]][[ソーサリー]]などを唱える際には、あまり隙を作らずに済むという利点はある。
+
弱点と言えば、これ自体のマナ・コストが(4)と[[重い|重め]]な点。このマナを支払った上でかつ2[[ターン]]かかって使うほど価値のある大型呪文は[[アイスエイジ]]の頃には存在しなかったし、[[環境]]もそれほど悠長ではなかった。複数回呪文を唱えること等との[[シナジー]]を形成するカードの登場はもう少し時代が下ってからのことである。
 
+
何度かのルール改定の影響を受け、現状のルール文章はかなり使いやすくなっている。アイスエイジ時代のルール文章はいろいろ問題があり、その面でも使いづらかった。
+
  
 
*アイスエイジ時代のルール文章では、「貯めた」カードはこれの上に置くことになっていたため、これが壊されると「貯めた」カードも失われた。さらに2つ目の能力は[[マナ能力]]でなかったため、マナを取り出したタイミングで破壊されると[[マナ・バーン]]を余儀なくされた。
 
*アイスエイジ時代のルール文章では、「貯めた」カードはこれの上に置くことになっていたため、これが壊されると「貯めた」カードも失われた。さらに2つ目の能力は[[マナ能力]]でなかったため、マナを取り出したタイミングで破壊されると[[マナ・バーン]]を余儀なくされた。
*[[祖先の幻視/Ancestral Vision]]などの[[マナ・コストの無いカード]][[タップ]]のみで使用できるわけではないことに注意。単にマナを分割して支払うだけであり、マナの支払い自体は適正に行わなければならない。
+
**何度かのルール改定の影響を受け、現状のルール文章はかなり使いやすくなっている。
 +
*これに貯められたマナはこれによって追放されたカードにしか使えないが、これによって追放されたカードはこれに貯められたマナ以外でも唱えることができる。だだしそれをした場合、使い道となるべき呪文が存在しないマナが貯め込まれた状態になるだけなので、通常は意味がない。
 +
*何らかの方法で[[蓄積カウンター]]を取り除くなどして1つ目の能力を多重に[[起動]]すれば、マナを複数回に渡って貯め込むことができる。ただしその場合でもマナを使えるのは「最後に」追放されたカードにだけなので注意。
 +
*2つ目の能力を起動したからと言って、1つ目の能力で追放したカードをそのタイミングで唱えなければいけないわけではない。1つ目と2つ目を次々に起動することで、追放領域にカードをどんどん貯め込んでいくことが可能である。
 +
*名前に思いっきり「氷/Ice」と入っているし{{Gatherer|id=2407}}を見る限り氷でできているのだが、[[氷雪パーマネント]]ではない。尤も、アイスエイジに収録されたカードで言えばこれに限った話ではないのだが([[氷の干渉器/Icy Manipulator]]など)。
 
*女神[[フレイアリーズ/Freyalise]]はこれを使用して、100万点の[[命の川/Stream of Life]]を発動させてアイスエイジを終了させたとされる(→[[フレイアリーズの世界呪文/Freyalise's World Spell]]、[[無限マナ]])。
 
*女神[[フレイアリーズ/Freyalise]]はこれを使用して、100万点の[[命の川/Stream of Life]]を発動させてアイスエイジを終了させたとされる(→[[フレイアリーズの世界呪文/Freyalise's World Spell]]、[[無限マナ]])。
 
**なんで[[ライフ]]回復で氷河期が終わるのかと突っ込むのは、野暮というやつである。
 
**なんで[[ライフ]]回復で氷河期が終わるのかと突っ込むのは、野暮というやつである。
 +
 +
==ルール==
 +
*2つ目の能力はマナ能力である。
 +
*1つ目の能力でカードを追放した後でこれが[[戦場]]を離れたとしても、その追放されたカードは追放されたままであり、依然として唱えることができる。
 +
*これによって追放されたカードを唱えるために必要なあらゆる制限は、通常通り[[手札]]から唱える場合と同様にかかる。ソーサリー呪文はソーサリー・タイミングでしか唱えられないし、[[追加コスト]]が要求されている場合はそれも支払う必要がある。もちろん、[[祖先の幻視/Ancestral Vision]]などの[[マナ・コストの無いカード]]を唱えることもできない。
 +
*これによって貯められたマナは、追放されたカードを唱えるためであればマナ・コストに用いる必要はない。[[キッカー]][[コスト]]などの追加コストに用いることも適正である。
 +
*1つ目の能力は[[X]]を0で起動できる。
 +
*2つ目の能力で加えられるマナは、1つ目の能力の起動のために実際に支払われたマナであり、Xの値は参照しない。[[Power Artifact]]などで起動コストが減少している状況で1つ目の能力をX=6で起動し(◇)(◇)(赤)(赤)を支払ったとして、2つ目の能力で加えられるマナは(◇)(◇)(赤)(赤)である。
  
 
==参考==
 
==参考==

2023年4月6日 (木) 00:18時点における版


Ice Cauldron (4)
アーティファクト

(X),(T):あなたは、あなたの手札にある土地でないカードを1枚追放してもよい。そのカードが追放され続けているかぎり、あなたはそのカードを唱えてもよい。Ice Cauldronの上に蓄積(charge)カウンターを1個置き、この起動コストとして支払ったマナのタイプと量を記録しておく。Ice Cauldronの上に蓄積カウンターが置かれていないときにのみ起動できる。
(T),Ice Cauldronから蓄積カウンターを1個取り除く:最後に記録されたマナのタイプと量を加える。このマナは、最後にIce Cauldronによって追放されたカードを唱えるためだけしか使えない。


呪文マナを「貯めて」おけるアーティファクト。ただし貯めたマナはこれによって追放された呪文を唱えるためにしか使えない。

長くて読むのも大変なルール文章だが、その分用途は多様。最もシンプルな使い道はカードマナ・コストを2回に分けて支払う使い方だろう。たとえば4マナしか出ない状況でも、1つ目の能力でマナを貯め込むことで8マナまでの呪文を唱えることができる。その他にも、対戦相手終了ステップに1つ目の能力でソーサリーカードとそれを唱えるためのマナを貯め、自分ターンになったら2つ目の能力でソーサリーを唱えれば実質的にソーサリー・タイミングでマナを使うことがなくなりスキを少なくできる。この他、1ターンの間に複数回呪文を唱えることに反応するカードや、追放領域から唱えることに恩恵のあるカード、ちょっと変わったところでは曲がりくねりのロシーン/Rosheen Meandererが生み出すマナのマナフィルターにすることもできるなど、組み合わせ次第で様々な役割を持たせられる面白いカードと言えるだろう。

弱点と言えば、これ自体のマナ・コストが(4)と重めな点。このマナを支払った上でかつ2ターンかかって使うほど価値のある大型呪文はアイスエイジの頃には存在しなかったし、環境もそれほど悠長ではなかった。複数回呪文を唱えること等とのシナジーを形成するカードの登場はもう少し時代が下ってからのことである。

  • アイスエイジ時代のルール文章では、「貯めた」カードはこれの上に置くことになっていたため、これが壊されると「貯めた」カードも失われた。さらに2つ目の能力はマナ能力でなかったため、マナを取り出したタイミングで破壊されるとマナ・バーンを余儀なくされた。
    • 何度かのルール改定の影響を受け、現状のルール文章はかなり使いやすくなっている。
  • これに貯められたマナはこれによって追放されたカードにしか使えないが、これによって追放されたカードはこれに貯められたマナ以外でも唱えることができる。だだしそれをした場合、使い道となるべき呪文が存在しないマナが貯め込まれた状態になるだけなので、通常は意味がない。
  • 何らかの方法で蓄積カウンターを取り除くなどして1つ目の能力を多重に起動すれば、マナを複数回に渡って貯め込むことができる。ただしその場合でもマナを使えるのは「最後に」追放されたカードにだけなので注意。
  • 2つ目の能力を起動したからと言って、1つ目の能力で追放したカードをそのタイミングで唱えなければいけないわけではない。1つ目と2つ目を次々に起動することで、追放領域にカードをどんどん貯め込んでいくことが可能である。
  • 名前に思いっきり「氷/Ice」と入っているしイラストを見る限り氷でできているのだが、氷雪パーマネントではない。尤も、アイスエイジに収録されたカードで言えばこれに限った話ではないのだが(氷の干渉器/Icy Manipulatorなど)。
  • 女神フレイアリーズ/Freyaliseはこれを使用して、100万点の命の川/Stream of Lifeを発動させてアイスエイジを終了させたとされる(→フレイアリーズの世界呪文/Freyalise's World Spell無限マナ)。
    • なんでライフ回復で氷河期が終わるのかと突っ込むのは、野暮というやつである。

ルール

  • 2つ目の能力はマナ能力である。
  • 1つ目の能力でカードを追放した後でこれが戦場を離れたとしても、その追放されたカードは追放されたままであり、依然として唱えることができる。
  • これによって追放されたカードを唱えるために必要なあらゆる制限は、通常通り手札から唱える場合と同様にかかる。ソーサリー呪文はソーサリー・タイミングでしか唱えられないし、追加コストが要求されている場合はそれも支払う必要がある。もちろん、祖先の幻視/Ancestral Visionなどのマナ・コストの無いカードを唱えることもできない。
  • これによって貯められたマナは、追放されたカードを唱えるためであればマナ・コストに用いる必要はない。キッカーコストなどの追加コストに用いることも適正である。
  • 1つ目の能力はXを0で起動できる。
  • 2つ目の能力で加えられるマナは、1つ目の能力の起動のために実際に支払われたマナであり、Xの値は参照しない。Power Artifactなどで起動コストが減少している状況で1つ目の能力をX=6で起動し(◇)(◇)(赤)(赤)を支払ったとして、2つ目の能力で加えられるマナは(◇)(◇)(赤)(赤)である。

参考

MOBILE