イクスリッドの看守/Yixlid Jailer
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未来予知にて数多く登場している、今までに有りそうで無かった能力を持つカードの1つ。墓地のカードの持つ能力を失わせる。
ルール文章そのものは至ってシンプルながら、それの意味する所はまさに前代未聞。たとえばフラッシュバックやインカーネーション、発掘は全く意味を成さず、冥界の影/Nether Shadowは自動復活ができなくなり、ストロームガルドの災い魔、ハーコン/Haakon, Stromgald Scourgeも使用不能になる。墓地を本当の意味で「墓地」に戻してしまう恐るべきカードである。
イクスリッドの看守によって無効化されるのは、あくまで「墓地にあるカードの能力」のみなので、リアニメイト系や墓地操作のカード効果は問題なく作用する。これらは元々黒の得意とするものなので自分だけが恩恵を受けやすいとも捉えられるが、虚空の力線/Leyline of the Voidなどと比べると墓地対策としては不十分であるとも言える。
2マナ2/1というサイズはウィニークリーチャーとして良好なので、クリーチャーとしての性能も評価するならば使用する価値がある。レガシーやヴィンテージでは、サイドボード用カードとしてしばしば採用されている。
ルール
- 墓地に置かれることで誘発する能力は、誘発条件(どこから墓地に置かれた時に誘発する能力か)によって誘発するかどうかが変わる。→領域変更誘発
- 戦場を離れたときに誘発する能力は、戦場にある状態で判断するので誘発する。
- 墓地で機能する、クリーチャーが戦場から墓地へ置かれることで誘発する能力(復活や黄泉からの橋/Bridge from Belowなど)は、イクスリッドの看守自身が墓地へ置かれたことでは誘発しない。イクスリッドの看守が戦場にある状態で判断するため、それらの能力は失われているからである。
- 戦場以外の領域から墓地に置かれたときに誘発する能力は、墓地に置かれた状態で判断するので誘発しない。
- 清純/Purityのような「いずれかの領域から」墓地に置かれたときに誘発する能力は、それが戦場から墓地に置かれていても、墓地に置かれた状態で判断するので誘発しない。
- 戦場を離れたときに誘発する能力は、戦場にある状態で判断するので誘発する。
- ダークスティールの巨像/Darksteel Colossusなど、墓地に置かれることを置換する常在型能力はそのまま機能する。置換効果は、置換するイベントが起こる直前の段階で機能するからである。
- スカーウッドのツリーフォーク/Scarwood Treefolkのように「タップ状態で戦場に出る」能力を持つクリーチャーをリアニメイトした場合、やはりそのクリーチャーはタップ状態で戦場に出る。戦場に出ることに対する置換効果は、そのパーマネントが戦場に出る時点で取るであろう特性を見るからである。
- 墓地にあるカードが追加コストや代替コストを規定する能力を持つならそれも失わせるが、唱える時に支払うコストを決定するのはスタックに移動してからなので、実質的にこれらの能力が無効になることはない。
- 当然だがフラッシュバック等の能力は、「唱えることを許可する」能力自体が失われるので、唱えることを開始できない。ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will等、他のカードの効果により唱えることが許可されており、さらに墓地にあるカードが白の夜明けの運び手/Bringer of the White Dawn等のように代替コストや追加コストを持っている場合の話である。
- この能力による効果は種類別第6種である。墓地のカードが持つ特性定義能力の継続的効果との関係に注意。
- これが戦場に出ているときでも、墓地にある霧衣の究極体/Mistform Ultimus(第4種)は全てのクリーチャー・タイプである。幽霊火/Ghostfire(第5種)も同様に無色である。これらは能力が失われる前に適用されるため。
- タルモゴイフ/TarmogoyfのようにP/Tを決める特性定義能力の効果は第7種であるので、適用される前にその能力を失う。そのため*の値が未定義のため0として扱われ、墓地に存在するタルモゴイフのP/Tは0/1となる。
参考
- Meet a Melvin(プレビュー記事、文:Laurie Cheers)
- 墓地対策カード
- カード個別評価:未来予知 / タイムシフト - アンコモン