バニラ

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バニラ(Vanilla)とは、何の能力も持たないクリーチャーの総称。由来はアイスクリームのバニラで、何も入っていないシンプルな、ということから。


Savannah Lions / サバンナ・ライオン (白)
クリーチャー — 猫(Cat)

2/1


Scaled Wurm / 甲鱗のワーム (7)(緑)
クリーチャー — ワーム(Wurm)

7/6

[編集] 解説

何も能力がない分、マナ・コストの割に大きいサイズを持つ事が多い。長毛のソクター/Woolly Thoctar皮背のベイロス/Leatherback Balothのように、色拘束が強いものは時として驚くべきマナレシオをたたき出すこともある。能力がなくてもサバンナ・ライオン/Savannah Lions番狼/Watchwolfなどの優秀なウィニーや、ゴブリンマーフォークなどタイプ的シナジーが得られるものは、下手な能力持ちより採用される頻度が高い。

ただしそれはあくまで一部の有用な例外で、たいていのバニラは、同マナ・コストで能力がついているカードに比べて使い勝手やカードパワーは大きく見劣り、時には完全な下位互換となることも珍しくない。そのため基本的に「バニラ」と言うと「有用な能力を持たず、(構築においては)弱い」という否定的イメージが強い。それらはもっぱらリミテッド向けにデザインされ、大型セットでは各色のコモンに1枚以上のバニラが収録されることが多く、色の特徴づけやバランス調整に一役買っていた。

かつては基本セットの常連でありエキスパンションでも時折収録されたが、フォーゴトン・レルム探訪以降は本流のセットにおける収録機会が激減している。その理由についてMark Rosewaterに寄せられた質問と回答によれば「(フォーゴトン・レルム探訪にバニラがいないことについて)トップダウン・デザインを最大限に活かすため[1]」「(なぜバニラを印刷することをやめたのかについて)それほど必要でないことがわかった[2]」「(絶滅したのか、絶滅危惧種なのかについて)絶滅危惧種といえる。適切な時期にもっと作ると思う[3]」「(ストーム値について)私は2だと思う。落葉樹なのです[4]」と述べられている。

[編集] 総称として用いられるバニラクリーチャー


Grizzly Bears / 灰色熊 (1)(緑)
クリーチャー — 熊(Bear)

2/2

最も引き合いに出されるバニラの1つに、(1)(緑)で2/2の灰色熊/Grizzly Bearsがある[5]。「」という俗称があるように、2マナで2/2のみという性質はクリーチャーのスペックの基準として捉えられていた時期があった(一時期、以外の「熊」には何らかのペナルティ能力を持たされ、緑はクリーチャーの質が高いことを示す役割があった)。経年によって灰色熊自体のスペックが相対的に低くなったが、第10版まで再録され続け、基本セット2010から基本セット2015まで同型再版であるルーン爪の熊/Runeclaw Bearが引き続き収録されており、身近なバニラとしての象徴的役割を果たしていた。

開発部では、4マナ3/3を丘巨人/Hill Giant、3マナ2/2を灰色オーガ/Gray Ogreと総称するが[6]、こちらは日本ではあまり一般的ではない。

その他、1/1バニラや4/4以上のバニラは絶対数が少なく、伴ってリミテッドでも使用頻度が低いため、特定の総称はあまり無い。

[編集] バニラのバリエーション

開発部では「バニラのような」クリーチャーを表す言葉として以下のような呼称を用いている。

[編集] フレンチ・バニラ


War Mammoth / ウォー・マンモス (3)(緑)
クリーチャー — 象(Elephant)

トランプル

3/3

基本的なキーワード能力だけを持つクリーチャーのことをフレンチ・バニラ(French Vanilla)と呼ぶ[5]。詳細はそちらのページを参照。

[編集] バーチャル・バニラ


Ravenous Rats / 貪欲なるネズミ (1)(黒)
クリーチャー — ネズミ(Rat)

貪欲なるネズミが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。

1/1


Ashcoat Bear / 灰毛皮の熊 (1)(緑)
クリーチャー — 熊(Bear)

瞬速(あなたはこの呪文を、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも唱えてよい。)

2/2

ETB瞬速などの「戦場に出したターン以降には意味を持たない」能力しか持たないクリーチャーのことをバーチャル・バニラ[5]/実質バニラ[6](Virtual Vanilla)と呼ぶ。

[編集] バーチャル・フレンチ・バニラ


Arborback Stomper / 高木背の踏みつけ (3)(緑)(緑)
クリーチャー — ビースト(Beast)

トランプル
高木背の踏みつけが戦場に出たとき、あなたは5点のライフを得る。

5/4

「戦場に出したターン以降には意味を持たない」能力と、基本的なキーワード能力だけを持つクリーチャーのことを、バーチャル・フレンチ・バニラ(Virtual French Vanilla)と呼ぶ[7]

[編集] 脚注

  1. BlogatogBlogatog 2021年7月8日 Mark Rosewater著)
  2. BlogatogBlogatog 2021年9月18日 Mark Rosewater著)
  3. BlogatogBlogatog 2022年5月13日 Mark Rosewater著)
  4. BlogatogBlogatog 2022年3月20日 Mark Rosewater著)
  5. 5.0 5.1 5.2 A Few More Words from R&D/開発部語辞典・増補版Making Magic 2013年6月10日 Mark Rosewater著)
  6. 6.0 6.1 A Few More Words from R&D/開発部語辞典2016(Making Magic 2016年11月8日 Mark Rosewater著)
  7. BlogatogBlogatog 2013年11月9日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

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