種類別
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種類別/Layerとは、オブジェクトの特性に関する複数の継続的効果の適用順を決定する際の、継続的効果の分類を指すルール用語。分類したあとの適用順のルールも含めてこの用語で表す場合もある。
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分類
オブジェクトの特性に関する継続的効果は、以下の7つの種類別に分類される。
- 第1種:コピー効果(例:エンチャント複製/Copy Enchantment)
- 第2種:コントロール変更効果(例:不忠の糸/Threads of Disloyalty)
- 第3種:文章変更効果(例:幻覚/Mind Bend)
- 第4種:カード・タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果(例:自然の類似/Natural Affinity)
- 第5種:色変更効果(例:純粋の色/Purelace)
- 第6種:能力追加、能力除去効果(例:原初の激情/Primal Frenzy)
- 第7種:パワー・タフネス変更効果
第7種に関してはさらに細分化されており、以下のように分類される。
- 7a:特性定義能力の効果(例:ルアゴイフ/Lhurgoyf)
- 7b:パワーやタフネスを特定の値にする効果(例:木化/Lignify)
- 7c:パワーやタフネスを(特定の値にするのではなく)修整する効果(例:栄光の頌歌/Glorious Anthem、巨大化/Giant Growth)
- 7d:カウンター(+X/+Yカウンター)による効果
- 7e:パワーとタフネスを入れ替える効果(例:熱を帯びた夢、萬迩智/Mannichi, the Fevered Dream)
- 基本セット2010以前は、第5種と第6種を合わせて「一般の効果」、第7b~第7d(当時の第6b~6d)も「パワーやタフネスを変更する一般の効果」「カウンターによる効果」「パワーやタフネスに修整を与える(特定の値にしない)常在型能力による効果」という区分だった。
- 当時は第1種から第6種までを「こぴこんぶんたいいっぱんぱわー」、第6種の中は「定位置にカウンター、習性で入れ替わる」という語呂合わせで覚えておけた(→参考)。
解説
ある効果が複数の種類別に分類できるなら、それぞれが適切な種類別として扱われる。いずれかの種類別において効果が適用されはじめた場合、この効果を生み出している能力が途中で失われたとしても、その能力からの効果はそれぞれの種類別で適用される。以前は、第4種に分類できる効果がある場合はすべて第4種としてまとめられていたが、現在ではこのルールは廃止されている。
- 例:野生の雑種犬/Wild Mongrelの起動型能力は、「あなたの選んだ色になる」が第5種、「+1/+1の修整を受ける」が第7c種である。
- 例:滝の源獣/Genju of the Fallsのクリーチャー化する起動型能力は、「スピリット・クリーチャーになる。それは土地でもある」が第4種、「青になる」が第5種、「飛行を持つ」が第6種、「3/2になる」が第7b種である。
オブジェクトの特性は、それそのものの値から始まり、それから第1種から順に、種類別に継続的効果を適用して求める。パーマネントが裏向きであることによる影響(2/2でありそれ以外の特性がないクリーチャーである)は、第1種より後、第2種より前に適用される(CR:706.2)。
それぞれの種類別(種類細別)において、まず特性定義能力による効果を最初に適用し、それから他の効果を適用する。同じ種類別で他の効果に依存する効果があるなら、その依存先すべての効果が適用された直後にそれを適用する。このとき複数の効果が同時に適用されることになったら、それらはタイムスタンプ順に適用される。特性定義能力の効果は他の効果に依存しないので、その適用が他の効果より後になることはない。
複数の効果の依存性がループしているのなら、上記のルールを無視してそれらはタイムスタンプ順に適用される。
- 例:謙虚/Humilityの「1/1になる」という効果は第7b種の「パワーやタフネスを特定の値にする効果」である。
- クリーチャーに+1/+1カウンターが乗っているときに謙虚が戦場に出ると、カウンターによる効果は第7d種なので、そのクリーチャーは2/2になる。
- 十字軍/Crusadeが戦場にあるとき謙虚が戦場に出ると、十字軍の効果は第7c種なので、白のクリーチャーは2/2になる。
- 例:オパール色の輝き/Opalescence2つ(以下Op1,Op2)と謙虚(以下Hu)が戦場に出ている場合、タイムスタンプ順により結果が変化する。まず、第4種のクリーチャー化と第6種の「能力を失う」はこの順に適用される。残りの「パワーとタフネスがその点数で見たマナ・コストに等しい」と「1/1である」は両方第7b種であり、さらに独立しているので、タイムスタンプ順に適用する。
- タイムスタンプがOp1,Op2,Huの順の場合
- タイムスタンプがOp1,Hu,Op2の順の場合
- Op2が最後に適用されるが、自身には適用しないので、Op2は1/1、それ以外のオーラでないエンチャントはその点数で見たマナ・コストに等しいパワー・タフネスを持つ。
- タイムスタンプがHu,Op1,Op2の順の場合
- Opの両方があとに適用されるため、全てのオーラでないエンチャントはその点数で見たマナ・コストに等しいパワー・タフネスを持つ。
- この問題は「Op-Op-Hu問題」と呼ばれることもある有名なものであり、ウルザズ・デスティニー発売当時から議論が行われていた。このルールの存在意義は、まさにこの問題を簡潔かつ明確に処理することである。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 612 文章変更効果
- 612.1 継続的効果の中には、オブジェクトの文章を変更するものがある。それはそのオブジェクトに印刷されているあらゆる単語やシンボルに適用されうるが、影響があるのはオブジェクトのルール・テキスト(文章欄の中にある)とタイプ行にある文章だけである。これらの効果を文章変更効果と言う。
- 612.2 オブジェクトの文章を変更する効果は、それぞれ該当する種類の単語だけを書き換える(例えば、マジックの色を示す単語が色として用いられていたり、土地のタイプを示す単語が土地のタイプとして用いられていたり、クリーチャー・タイプを示す単語がクリーチャー・タイプとして用いられている場合のことである)。マジックの色や基本土地タイプ、クリーチャー・タイプと同じ単語や一連の文字列が含まれていたとしても、この類の効果によって名前を書き換えることはできない。
- 612.2a クリーチャー・トークンを生成する呪文や能力は、そのトークンのクリーチャー・タイプをクリーチャー・タイプとトークンの名前の両方として用いることが多い。それらの単語は名前としても使われるが、クリーチャー・タイプなので書き換えることができる。
- 612.3 能力を追加したり取り除いたりする効果は、その影響を受けるオブジェクトの文章を変更するわけではない。従って、効果によってオブジェクトが得た能力は、そのオブジェクトの文章を変更する効果の影響を受けない。
- 612.4 トークンのサブタイプとルール・テキストは、そのトークンを生成する呪文や能力によって定義される。それらの特性は文章変更効果によって書き換えることができる。
- 612.5 あるカード(《Exchange of Words》)は、プレイヤーに、オブジェクト2つの文章欄を交換するように指示している。これは各オブジェクトのルール文すべてを、他方のオブジェクトのルール文で置換する。(これらのルールで扱っていないカードを含むゲームにおいては、文章欄にあるそれ以外の要素も交換される。rule 100.7 参照。)
- 612.6 あるカード(《ヴォルラスの多相の戦士》)には、あるオブジェクトが他のオブジェクトの「すべての文章」を持つと書かれている。これはそのオブジェクトの文章欄とタイプ行にある文章だけでなく、名前、マナ・コスト、色指標、パワー、タフネスの文章も変更する。
- 612.7 あるカード(《スパイ道具》)には、オブジェクトが「伝説でないすべてのクリーチャー・カードの名前を持つ。」と書かれている。これはそのオブジェクトの名前を参照する文章を変更する。そのオブジェクトは、オラクルに存在する、伝説でないクリーチャー・カードそれぞれの名前を持つ(rule 108.1 参照)。
- 612.8 オブジェクトの名前を定める継続的効果を生成するカードが存在する。この変更は、そのオブジェクトの名前を表す文章を変更する。そのオブジェクトはそれまで持っていた名前をすべて失い、その特定された名前だけを持つ。
- 612.9 パーマネントや戦場 にないカードに貼られている名前 ステッカーは、そのオブジェクトの名前を表す文章に1単語を追加する継続的効果を生成する(rule 123.6 参照)。
- 612.10 連繋 能力は、連繋を持つカードのルール・テキストをその呪文に、その呪文自身のルール・テキストの後に加えることで呪文の文章を変更する。これによってその呪文自身の文章を変更したり置換したりするわけではない(rule 702.47〔連繋〕参照)。
- 612 文章変更効果