絵
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絵(イラスト、Illustration)とは、文字通り、カード上部に描かれている絵のこと。文章欄の下には、そのイラストのアーティストが表記されている。絵は基本的にルールには影響しない。
直接ゲームとは関係しないものの、イラストが良いカードは人気が出る。イラストが綺麗という理由でどうみても構築のデッキに入らないカードのシングル価格がやたら高くなることもある。コレクション性や商品的価値にも関わる、マジックを構成する重要な要素の1つである。Masterpiece Seriesやコレクター・ブースターパックのショーケース・フレームなど、イラストや枠の異なる稀少版が封入されることもある。また、再録カードは過去に印刷された別の版のものも使えるため、イラストにこだわり旧いカードを愛用するプレイヤーも少なくない(特に基本土地が顕著)。
また、ルール無用の銀枠セットでは時折絵を参照するカードも登場する。→イラストランページ、アーティスト・マターなど
- 「ルールに影響しない」という点は時に重要である。 例えばイラストが明らかに空を飛んでいるクリーチャーであっても、飛行を持たないことがあり得る。Whippoorwillの項目も参照。
- 社会情勢と国や地域の法律によって、イラストに差し替えられたもの(邪悪なる力/Unholy Strengthと英語版の絵で「骸骨、髑髏」が登場したカードの中国語版など)、Gathererにおける画像を削除し認定イベントにおいて使用禁止に指定されるもの(Cleanseなど)もある。
- (このWiki内でも)イラストと呼ばれることが多いが、公式に日本語訳されたルールでは絵と表記されている。
エピソード
- 慣れてくると多くのプレイヤーは「絵」によってカードを判別してプレイをすることになる。そこで見た目がそっくりなカードには注意が必要。ルールには影響しないのだが、余りにも見分けにくいカード群が若干の論争を引き起こしたことがある。
- 代表例はテンペストの「防御円」問題。詳細は防御円、およびHarold McNeillの項を参照。
- 第7版あたりを契機に、このゲームの「顔」と言っても構わないほどの「おなじみの」カードイラストも多くが変更された。カードは確かにルール文章及び効果によって認識されるものであるが、カードイラストもカードそのもののアイデンティティであるとも言えるので、余りにも安易な変更は反発も少なくない。
- 第7版前後に世界観を統一するなどの方針のため、イラストレイターの大量離脱及び解雇問題が噴出した。この時の契約問題で以前のイラストが使えなくなったという事情があったとされている。
- 「変更前」「変更後」のどちらか、あるいは両方のイラストが広く認識されたカード(例:セラの天使/Serra Angelなど)ならばともかく、それほどメジャーではないのに再録のたびにコロコロとイラストが変わって印象が散漫なカードもある。帰化/Naturalizeのようにメジャーなカードなのにコロコロとイラストが変わる場合もある。このあたりはめぐり合わせとしか言い様がないが、なかなか面白い。
- ルール上は特に意味は無いが、これがカードのデザインそのものに影響する本末転倒とも言える例が数多くある。また、絵から後付で設定が作られることもままある。
- 例:セラの天使/Serra Angelの「セラ/Serra」は「ギザギザの」という意味で、それを名前に持って実際「ギザギザの」カードもある(鋸刃の矢/Serrated Arrows)のに、描き上がったイラストが美しい女性のものだったので「セラ」はプレインズウォーカーの「人名」に変更された。
- 例:極楽鳥/Birds of Paradiseのイラストは元々Volcanic Island用のものだったが、手前の鳥が目立ちすぎていたためにボツになり、鳥そのものを活かした新カードとしてデザインされた。
- 例:太陽の網/Sunwebの能力は元々「白のクリーチャーをブロックできない」であったが、上がってきたイラストが明らかに白のドラゴンをブロックしている絵だったので、現在のテキストに変更された。
- この他、草陰の待ち伏せ/Waiting in the Weeds、魂の絆/Spirit Link、Alchor's Tombなどこの手のエピソードには事欠かない。
- オールドエキスパンションにおいては、全く同じカードでイラストのみが違う「絵違い」カードが数多く存在した。これらは当然同じカードとして扱われ、メインデッキとサイドボード合わせて4枚までしか入れることはできない。
- 使用頻度の高い(明らかに4枚入れるカードである)トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach(イラスト1/2/3/4)やミシュラの工廠/Mishra's Factory(イラスト1/2/3/4)を4枚とも違う絵にしたりするとオシャレ。
- ザ・ダークは今のところ唯一の「イラスト先行」のトップダウン・デザインによって製作されたエキスパンション。まずイラストが描かれ、それに合わせてカードがデザインされた。また、カードを作るのは君だ!の第3回も同じような手法でカードがデザインされていき、記憶への消失/Vanish into Memoryが作られた。
イラストの傾向
ほとんどの有色カードや色マナの出る土地のイラストは、カードの色に色調を合わせてある。クローサの報復者/Krosan Avenger(イラスト)など、「色が合っていないから」という理由でイラストが別の色のカードに転用されたケースもあるほど。一方で、赤いカードを想定して描かれたアライアンス版意志の力/Force of Will(イラスト)のように、手違いで色と全く関係のないイラストになってしまった事例も稀にある。
- カードイラストは国民性や嗜好が強く出る部分でもある。
- アメリカにおいては「不気味さ」「凶悪さ」「グロテスクさ」などがアピールされるらしく、その様なデザインのイラストが非常に多い。『ストリートファイターII』を作ろうとして『モータルコンバット』になってしまうお国柄だけのことはある。
- 不気味だったり気持ちの悪いイラストには事欠かないが、特にWord of Command(イラスト)や精神歪曲/Mind Warp(イラスト)などは「子供が泣く」と言われる。
- 日本では滅多に見られない表現として、溢れんばかりの魔力に満ちたキャラクターの目が光る(イラスト)というものがある。
- マジックが大ヒットしているさなか、満を持して登場した日本の国産トレーディング・カードゲーム『モンスターコレクション』や『アクエリアンエイジ』には可愛らしい美少女絵などのカードが“これでもか”と言うほど目白押しだった。その伝統は現在も受け継がれ、国産カードゲームには美少女キャラが多く登場する傾向がある。
- 海外のプレイヤーが日本に来た際に、外国では珍しい色とりどりのスリーブを買い占めていく話は有名だが、それ以外にも和製アニメのトレーディングカードなどをトークンやカウンターに使うために買っていく例もある(プロツアー「闇の隆盛」のJelger Wiegersmaの一例は特に有名)という。実は海外プレイヤーもあんなイラストばかりじゃ嫌なのでは?と言う声も。
- 灯争大戦の日本語版限定オリジナルアートでは日本人イラストレーターが多数起用され、アニメに出てきそうな美少女となった覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils(イラスト)や伝承の収集者、タミヨウ/Tamiyo, Collector of Tales(イラスト)が見られる事になった。
- アメリカにおいては「不気味さ」「凶悪さ」「グロテスクさ」などがアピールされるらしく、その様なデザインのイラストが非常に多い。『ストリートファイターII』を作ろうとして『モータルコンバット』になってしまうお国柄だけのことはある。
- 「トレーディングカードゲーム」の元祖だけあって、その後作られる同ゲームの雛形となった部分が数多いが、写実的、幻想的、抽象的、コミカルなタイプなどの「全く個性の違う」別々のイラストレーターのバラエティ溢れる絵柄のカード群が溢れる内容になった点などはかなり画期的である。今でもスタンドアローンのカードゲームでは同一のイラストレーターが全てのイラストを手がける例もある。
- ミラージュの一部を契機に、それ以前は純粋な水彩や油絵(いわゆるアナログ絵)だったものがコンピューター・グラフィックスを使って描画されるようになってきた。さらに第7版辺りを境に「世界観を統一する」名目で似たような雰囲気のイラストが多くなってきている。最近の絵はむしろCG処理をしていない物の方が珍しく、全体に写実性が非常に増した。
- 「CG以前」と「CG以後」ではまるで別のカードゲームの様な趣である。古い魔力消沈/Power Sink(イラスト)みたいな「ヘタウマ」一歩手前みたいなカードも垢抜けなくて味があるわけで、古きよきマジックを愛する向きには寂しくもある。
- ミラージュの一部を契機に、それ以前は純粋な水彩や油絵(いわゆるアナログ絵)だったものがコンピューター・グラフィックスを使って描画されるようになってきた。さらに第7版辺りを境に「世界観を統一する」名目で似たような雰囲気のイラストが多くなってきている。最近の絵はむしろCG処理をしていない物の方が珍しく、全体に写実性が非常に増した。
参考
引用:総合ルール 20231117.0