カルドハイム/Kaldheim

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カルドハイム/Kaldheimは、多元宇宙/Multiverseに存在する次元/Planeの一つ。プレインチェイスで初登場し、カルドハイムの舞台となった。

目次

世界観

カルドハイムは多数の個別の領界/Realmから成る巨大な次元/Planeである。領界とは小さな次元であり、いずれも自分たちを生み出した宇宙的構造物と繋がっており、その周りを予測不能の軌道で周回している。領界の民は、この構造物を巨大な生きた樹――世界樹/The World Treeであると見なしている。そしてそれはすべての生命の起源であり、広大な無の中に生えているのだと。領界内では、世界樹は物理的な樹として現れ、その枝は空に見ることができる。

シュタルンハイムの光/The Light of Starnheim

カルドハイムには太陽も月もない。だがすべての領界から戦乙女の聖堂/The Hall of the Valkyriesを見ることができ、その姿は太陽から離れた位置に光が見える現象、幻日によく似ている。これは「シュタルンハイムの光/The Light of Starnheim」として知られており、住民たちはそれを表すシンボルを用いる。

星界/The Cosmos

領界と領界の間は、オーロラのように移り変わる光で満たされた不明瞭な空間であり、星界/The Cosmosとして知られている。ある領界の住民が星界を渡って別の領界に達することは、困難ではあるが不可能ではない。

星界の怪物/Cosmos monster

星界の怪物/Cosmos monsterとして知られる魔法生物は、領界間の空間に棲み、栄えている。それらのほとんどは狼や鷲などの見覚えのある動物に似ているが、桁外れの大きさに育っており、神秘的な能力と超自然的な知識で増強されている。星界の怪物たちが生まれた際、世界のあらゆる秘密が――まだ起こってない出来事も含めて――その精神の内に封じられた、カルドハイムの民はそう信じている。多くの領界における魔道士が、そしてでさえもが、その秘密を解き明かすことに生涯を捧げてきた。

これらの怪物は信じられないほど古い存在だ。それらは世界樹の最初の「果実」であると言われており、現在は世界樹の守護者として働き、次元自体と領界の構造を保っている。星界の怪物のほとんどは領界間を自由に移動でき、領界に入り込んだ際には破壊と混乱をもたらすこともしばしばである。

星界の怪物たちに、星界に棲むこと以外の共通点はほとんどない。その大きさは、想像を絶するほど巨大な星界の大蛇コーマ/Komaから、神エシカ/Esikaの掌に乗るほど小さなリストスキ/Toskiまで様々だ。星界の怪物の多くはよく知られており、多数の英雄譚に登場するが、一方で誰も見たことのない、生態不明の怪物もいる。中には世界樹より大きな怪物もいるかもしれない――それは神の心にさえも恐怖を呼び起こす考えだ。

星界渡り

普通の人間が適切な魔法を用いずに星界に足を踏み入れれば、まず方向感覚を失い、次に恐怖し、すぐに狂気に屈するだろう。星界の怪物は不運な旅人に引き寄せられ、速やかに貪り喰らうだろう。彼らがたまたま怪物を回避できたとしても、食料も水もなく、星界を移動するのはほぼ不可能だ。しかし、適切な類の魔法――特別な呪文、神の武器、強力なルーンが刻まれた船――があれば、星界を渡り、ある領界から別の領界へと旅することができる。

領界路/Omenpath

領界が世界樹上を移動すると、領界間に領界路/Omenpathと呼ばれる通路が開くことがある。ある領界の住民は、領界路を使って別の領界に辿り着くことができる。これは、風景にきらめく光を歩いて通り抜けるくらい簡単なこともあるが、中にはもっと危険な領界路もあり、揺れ動くトンネルを這って進んだすえ、見知らぬ領界の山頂に思いがけず躍り出ることもある。ひとたび領界間に領界路が開けば、一部の強大な魔道士はそれを意のままに閉じたり、再び開いたりすることができる。領界路が開くのは、多くの場合、暴力的なドゥームスカール/Doomskarとして二つの領界が重なり合う前兆だ。

その他の渡り

神を神たらしめる星界の霊薬/The Cosmos Elixirのおかげで、神々は星界の方向感覚を失わせる効果に耐性があり、他の種族よりも容易に領界間を渡ることができる。それでもなお小次元間を単に渡るのは困難な旅となるため、彼らは多くの場合、領界路を開く魔法物を使用する。珍しい例だが、直接領界間を渡れる魔法物を使うこともある。

多相/Shapeshifterの姿を変える能力や、領界路探し/The Omenseekersのルーンで強化された長艇も、領界間を通行することを可能にしている。

領界/Realm

十の領界が知られている。それら以外にも領界はあるが、詳細は語られていない。

ブレタガルド/Bretagard

人間が住まう、緑白中心の領界。対立する五つの人間氏族が暮らす。広大な平原や古の森を擁する一つの大陸と、それを取り囲む嵐の海から成る。

詳細はブレタガルド/Bretagardを参照。

アクスガルド/Axgard

ドワーフ/Dwarfが住まう赤白の領界。樹木のない山脈と平地の地下に、黄金で満ちたドワーフの都市が広がる。

詳細はアクスガルド/Axgardを参照。

ノットヴォルド/Gnottvold

トロール/Trollが住まう赤緑の領界。鬱蒼とした森林や岩がちな高地に、古の巨人文明の遺跡が点在している。

詳細はノットヴォルド/Gnottvoldを参照。

イマースターム/Immersturm

デーモン/Demonが住まう黒赤の領界。火と戦争の世界で、デーモンを閉じ込めるべくルーンの護法で封印されている。

詳細はイマースターム/Immersturmを参照。

イストフェル/Istfell

霊魂/Spiritが住まう白青の領界。動物、怪物、ほとんどの人型種族の霊魂が死後に向かう霧深い場所で、「神の間」も擁する。

詳細はイストフェル/Istfellを参照。

カーフェル/Karfell

ドローガー/Draugrが住まう青黒の領界。王朝時代の城塞は雪に埋もれた廃墟と化しているが、この地には豪奢な宝が眠っていると噂される。

詳細はカーフェル/Karfellを参照。

リトヤラ/Littjara

多相/Shapeshifterが住まう緑青の領界。現実そのものが住人同様に変幻自在で、湖面も植物も不自然な形をしている。

詳細はリトヤラ/Littjaraを参照。

スケムファー/Skemfar

エルフ/Elfが住まう黒緑の領界。深い森と泥炭の沼が広がる暗い場所で、樹上や地下にエルフの住居が隠れている。

詳細はスケムファー/Skemfarを参照。

シュタルンハイム/Starnheim

戦乙女/Valkyrieが住まう白黒の領界。勇敢で栄誉ある者だけが死後にここへ導かれ、大聖堂で永遠の宴を過ごす。

詳細はシュタルンハイム/Starnheimを参照。

セルトランド/Surtland

巨人/Giantが住まう青赤の領界。雪や冷気と火山活動がせめぎ合い、毎日のように地形が変動し続けている。

詳細はセルトランド/Surtlandを参照。

ドゥームスカール/Doomskar

各領界は独立しているが、それらはすべて世界樹の周りを絶えず移動しており、時に重なり合うことがある。このような重なり合いはドゥームスカール/Doomskarと呼ばれている。それは世界を変えるほどの地震と地質学的な不安定化を特徴とする、暴力的で爆発的な出来事だ。必然的に、重なり合う領界の住民同士は衝突する。

スコーティ/The Skoti

現在支配的なの家門であるスコーティ/The Skotiは、数世紀前に古きアイニール/The Einirに取って代わった。アイニールの子孫はエルフ/Elfであるが、その力は大幅に低下している。

神々の「家門」は複数存在するが、それらはすべて世界樹の精髄と宇宙的な繋がりを持っている。アイニールはコーマとの繋がりを通して世界樹と交信していたとエルフは信じている。一方で、スコーティは世界樹の神エシカが作り出した魔法的な「星界の霊薬/The Cosmos Elixir」を飲む。星界の霊薬はまた、スコーティの老化を遅らせ、超自然的な力を保たせている。

スコーティは信じられないほど強大だが、同時に自己中心的で、とかく争いがちで、常に領界内でトラブルを引き起こしている。彼らは極めて強いか速いか機敏であることに加え、それぞれの神が自身の影響範囲に関連した特別な力と能力を持っている。神々は強い個性を持っており、それぞれが同胞との複雑な関係網に絡んでいる。神々は個々に強大だが、彼ら同士の対立はこの次元にとってますます問題になっている。

タイライト/Tyrite

神々は世界樹の「樹液」に由来する極めて魔法的な物質を使用する。タイライト/Tyriteはまるで、星界のオーロラ状の光が固体の形を取ったもののように見える。神々はそれを安全に扱うことができるが、定命の者がタイライトに直接触れるのは極めて危険だ。

世界樹の神エシカはタイライトから星界の霊薬を作るため、スコーティの肌やその他の外面には、仄かに(時にはそれほど仄かでなく)オーロラ光の影響が表れる。

種族

  • /God - 強大な存在。現在の神スコーティは、星界の霊薬を飲むことで長い寿命と超自然的な力を得ている。
  • 人間/Human - ブレタガルドの人型種族。対立する五つの氏族から成る。
  • ドワーフ/Dwarf - アクスガルドの人型種族。武器や道具の職人としても、物語の語り手としても名高い。
  • エルフ/Elf - スケムファーの人型種族。かつての神アイニールの子孫。長年にわたり森のエルフと闇のエルフに分かれていた。
  • 巨人/Giant - セルトランドの人型種族。知性的な霜の巨人と、野蛮な炎の巨人が絶えず争っている。
  • トロール/Troll - ノットヴォルドの怪物的な種族。攻撃的なハギと、何年も眠り続けるトルガから成る。
  • 多相/Shapeshifter - リトヤラの種族。動物からオーロラまで、あらゆる姿に変身できる。仮面と外套で真の姿を隠している。
  • デーモン/Demon - イマースタームの悪魔。他の領界での破壊と略奪を求めているが、それが叶わぬ間は互いに殺し合っている。
  • 戦乙女/Valkyrie - シュタルンハイムの天使。栄誉ある死者を導く番人と、臆病者を殺す死神が、対となって審判を下す。
  • 霊魂/Spirit - イストフェルに住まう死者の魂。生前の情熱を失っており、目的もなく霧のように漂う。
  • ドローガー/Draugr - カーフェルのゾンビ。生前の貴族制度を死後も保持しており、富と権力を求めて略奪を行う。

キャラクター

プレインズウォーカー/Planeswalker
カルドハイムの住人
  • スコーティ(神)
    • アールンド/Alrund - 知恵の神。男性。全知を求め、あらゆる星界の怪物と戦って莫大な知識を得た。
    • レーデイン/Reidane - 正義の神。女性。若く傲慢、熱狂的で、公平な正義のためには血も支払わせる。
    • ハルヴァール/Halvar - 戦闘の神。男性。無私で動じない、最も分別ある神。スコーティの守護者を自負する。
    • イーガン/Egon - 死の神。男性。年を取るほど若返るため、外見は十代。常にスコーティの凋落を予言している。
    • トラルフ/Toralf - 雷霆の神。男性。恐れ知らずの勝負師で、不可能に思える偉業の達成への情熱を持つ。
    • ビルギ/Birgi - 自慢の神。女性。楽しい宴を愛し、面白い物語のためなら兄トラルフの手柄を横取りすることも辞さない。
    • コシマ/Cosima - 海の神。女性。好奇心旺盛かつ激情的。イルカの姿をした星界の怪物として生まれた。
    • ターグリッド/Tergrid - 恐怖の神。女性。生ける影を持つが、その存在を無視し、普通の生活を送ろうと努めている。
    • ヴァルキー/Valki - 嘘の神。男性。自惚れが強く利己的で、常に神々のトラブルの原因となっている。
    • エシカ/Esika - 世界樹の神。女性。世界樹と星界のことを誰よりも理解している。星界の霊薬の製法を知る唯一の人物。
    • コルヴォーリ/Kolvori - 親族関係の神。女性。お喋りかつ元気一杯で、家族たる神々の平和を保つべく尽力する。
    • ヨーン/Jorn - 気象の神。男性。荒野を独りで放浪し、自然を観察し学ぶことを好む。動物と会話することができる。
  • 人間
  • ドワーフ
    • コル/Koll - タイライトを扱える唯一の鍛冶師。男性。その樹液から、領界路を開く剣を鍛え上げた。
  • エルフ
    • ヘラルド/Harald - スケムファーの王。男性。二つに分かれていた種族の再統一を果たした。タイヴァーの兄。
  • デーモン
  • ドローガー
    • ナーフィ/Narfi - カーフェルを統べるリッチ/Lichの王。男性。何百年も前に、民と自分自身をアンデッドに変えるきっかけを作った。
  • 星界の怪物
    • コーマ/Koma - 星界の大蛇。雄。自身をいくつもの小さな断片に分割できる。エルフに崇拝されている。
    • サルーフ/Sarulf - 巨大な。雄。かつて魔法の鎖によって捕らえられたが、逃亡を果たした。
    • トスキ/Toski - 悪戯好きなリス。雄。エシカの伝令として世界樹を走り回り、あちこちの領界へ伝言を運ぶ。
    • ハーカ/Hakka - アールンドの使い魔の鴉。雄。普段は主人の肩に留まっているが、重要な仕事の際には斥候を務める。
ファイレクシアン

登場

登場カード

プレインチェイス
スカイブリーン/Skybreen (次元カード)

登場作品・登場記事

プレインチェイス
基本セット2014
イクサラン・ブロック
カルドハイム

その他

脚注

  1. 1.0 1.1 Norsing Around, Part 1/北方へ その1Making Magic 2021年1月11日 Mark Rosewater著)
  2. Tell Me What You Want/おしえてあなたの望むこと(Making Magic 2016年3月7日 Mark Rosewater著)

参考

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