能力
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#[[オブジェクト]]が持つ[[特性]]の1つであり、そのオブジェクトが[[ゲーム]]に影響を与えられるようにするもの。[[ルール文章]]や能力を生成した[[効果]]によって定義される。能力は効果を発生させる。 | #[[オブジェクト]]が持つ[[特性]]の1つであり、そのオブジェクトが[[ゲーム]]に影響を与えられるようにするもの。[[ルール文章]]や能力を生成した[[効果]]によって定義される。能力は効果を発生させる。 | ||
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#[[スタック]]上にある[[起動型能力]]、または[[誘発型能力]]。これはオブジェクトである。 | #[[スタック]]上にある[[起動型能力]]、または[[誘発型能力]]。これはオブジェクトである。 | ||
− | == | + | ==特性としての能力== |
− | [[キーワード能力]] | + | [[キーワード能力]]を除けば、段落ごとに分けて記述され、各段落がそれぞれ別個の能力を表す(日本語訳ではその限りではない→[[共有の絆/Common Bond]]など)。一つの段落に[[常在型能力]]とそれに関係する[[誘発型能力]]が記載されていたり({{CR|607.2h}})、2つの能力が[[関連している能力|関連している]]場合もある。 |
能力は[[呪文能力]]、[[起動型能力]]、[[誘発型能力]]、[[常在型能力]]の4種類に分類される。これら以外に、[[マナ能力]]、[[忠誠度能力]]、[[特性定義能力]]、[[回避能力]]などルール上特定の能力をまとめた呼び方もあるが、それらの各能力も実際には前述の4つのうちいずれかに分類される。例えば、マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。 | 能力は[[呪文能力]]、[[起動型能力]]、[[誘発型能力]]、[[常在型能力]]の4種類に分類される。これら以外に、[[マナ能力]]、[[忠誠度能力]]、[[特性定義能力]]、[[回避能力]]などルール上特定の能力をまとめた呼び方もあるが、それらの各能力も実際には前述の4つのうちいずれかに分類される。例えば、マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。 | ||
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[[インスタント]]や[[ソーサリー]]が持つ能力は、通常、[[スタック]]上にある間でのみ機能する。その他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが[[戦場]]にある間でのみ機能する。ただし例外もいくつかある。 | [[インスタント]]や[[ソーサリー]]が持つ能力は、通常、[[スタック]]上にある間でのみ機能する。その他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが[[戦場]]にある間でのみ機能する。ただし例外もいくつかある。 | ||
− | #特性定義能力は、[[ゲームの外部]] | + | #特性定義能力は、[[ゲームの外部]]とゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。 |
− | # | + | #どの[[領域]]で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。 |
− | #*[[不可思議/Wonder]] | + | #*[[不可思議/Wonder]]の「不可思議が[[あなた]]の[[墓地]]にあり、かつあなたが[[島]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]しているかぎり、あなたがコントロールするクリーチャーは[[飛行]]を持つ。」はそれが墓地にある時に機能する。 |
− | #そのオブジェクト自身の[[マナ・コスト]]を[[支払う]]のではなく[[代替コスト]] | + | #特定の領域以外で機能すると書かれている能力は、その領域以外のあらゆる領域と、ゲームの外部とゲームの開始前も機能する。 |
+ | #*[[飢餓の潮流、グリスト/Grist, the Hunger Tide]]はそれが戦場に無い限り他のタイプに加えて昆虫・クリーチャーである。[[孤児護り、カヒーラ/Kaheera, the Orphanguard]]を[[相棒]]としたデッキに入れることはできず、[[統率者戦]]においては[[伝説のクリーチャー]]として統率者に指定できる。 | ||
+ | #そのオブジェクト自身の[[マナ・コスト]]を[[支払う]]のではなく[[代替コスト]]を支払うことを認めるか、それを[[唱える]]ための[[コスト]]を変更する能力はスタックにある間に機能する。 | ||
#*[[召集]]はそれを持つカードがクリーチャー・カードであっても、スタック上で機能を発揮する。 | #*[[召集]]はそれを持つカードがクリーチャー・カードであっても、スタック上で機能を発揮する。 | ||
− | #*[[ | + | #*[[ドリーム・ホール/Dream Halls]]の「呪文のマナ・コストを支払うのではなく、その呪文の[[コントローラー]]は、その呪文と共通の[[色]]を1色持つカードを1枚[[捨てる|捨てて]]もよい。」という能力は自身のマナ・コストに対する代替コストでは無いので、戦場でしか機能しない。 |
− | # | + | #オブジェクトの、それ自身をプレイするあるいは唱えることに限定や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間に機能する。 |
− | # | + | #*[[瞬速]]は通常は[[手札]]にある間に機能する。 |
− | # | + | #オブジェクトの能力で、それ自身をどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。 |
+ | #*[[スカーブの殲滅者/Skaab Ruinator]]の「あなたはスカーブの殲滅者をあなたの墓地から唱えてもよい。」という能力は墓地で機能する。 | ||
+ | #オブジェクトの能力で、それが[[打ち消されない]]、と書かれているものは、スタックにある間に機能する。 | ||
#オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する({{CR|614.12}})。[[置換効果]]も参照。 | #オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する({{CR|614.12}})。[[置換効果]]も参照。 | ||
− | # | + | #オブジェクトの能力で、それに[[カウンター (目印)|カウンター]]を配置できないとするものは、そのオブジェクトが戦場にある間に加えて、そのオブジェクトが戦場に出る際にも機能する。 |
#オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。 | #オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。 | ||
+ | #*[[サイクリング]]はそのカードを手札から捨てる事をコストとするので、それが手札にある時に機能する。 | ||
#戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。 | #戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。 | ||
#コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動させるものが含まれている場合は、この限りではない。 | #コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動させるものが含まれている場合は、この限りではない。 | ||
+ | #*[[組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton]]の「 (1)(黒):あなたの墓地にある組み直しの骸骨を[[タップ]]状態で[[戦場に出す|戦場に戻す]]。」という起動型能力は、組み直しの骸骨を墓地から戦場に移動させるものであるため、墓地でのみ機能する。 | ||
+ | #*[[無数のゴキブリ/Endless Cockroaches]]の「無数のゴキブリが[[死亡]]したとき、それを[[オーナー]]の手札に戻す。」という誘発型能力は、無数のゴキブリを墓地から手札に移動させるものだが、戦場から墓地に移動する事を誘発条件とするためこれは墓地では働かない([[領域変更誘発]]も参照)。 | ||
− | + | オブジェクトに能力を与えたり、[[失う|失わせたり]]する効果も存在する。 | |
− | + | *オブジェクトにある能力が複数与えられた場合、それらは独立して機能する。一つにまとめられてしまうことはない。ただし、能力により複数持っていても意味がないことはある(例:[[飛行]])。 | |
− | + | *オブジェクトからある能力を失わせる場合、その能力を複数持っていたとしても、そのすべてが失われる。 | |
− | **[[種類別]]第1種から第5種に相当する能力(例:[[多相]])は、その能力自体を(第6種の効果で)失わせても意味がない。[[種類別]]を参照。 | + | *クリーチャーにある能力を持たせない効果がある場合、クリーチャーにその能力を与える呪文や能力の解決によって生成される継続的効果は生成されない(例:[[元型]])。 |
+ | *[[種類別]]第1種から第5種に相当する能力(例:[[多相]])は、その能力自体を(第6種の効果で)失わせても意味がない。[[種類別]]を参照。 | ||
− | == | + | ==プレイヤーが持つ能力== |
+ | プレイヤーは通常は能力を持たないが、何らかの効果により与えられることがある。 | ||
+ | 例えば[[神々の神盾/Aegis of the Gods]]はプレイヤーに[[呪禁]]という能力を与える。 | ||
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+ | *2018年10月の総合ルール更新により能力の定義へ追加されたが、このような効果はそれ以前から存在している。 | ||
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*能力は[[呪文]]とは区別される。呪文を[[打ち消す]]効果で、能力を打ち消すことはできない。 | *能力は[[呪文]]とは区別される。呪文を[[打ち消す]]効果で、能力を打ち消すことはできない。 | ||
− | *起動型能力、あるいは誘発型能力がスタックに乗ったならば、それは能力の[[発生源]] | + | *起動型能力、あるいは誘発型能力がスタックに乗ったならば、それは能力の[[発生源]]から独立して存在する({{CR|113.7a}})。 |
*発生源が本来あるべき領域(たいていは戦場)を離れたとしても、スタック上の能力は影響を受けない。スタックから取り除かれることもないし、通常どおり効果を発揮する(もちろん、能力自身に指示がある場合はそちらを優先する(→[[if節ルール]])。 | *発生源が本来あるべき領域(たいていは戦場)を離れたとしても、スタック上の能力は影響を受けない。スタックから取り除かれることもないし、通常どおり効果を発揮する(もちろん、能力自身に指示がある場合はそちらを優先する(→[[if節ルール]])。 | ||
*[[放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer]]のように「能力の発生源に何かをさせる」能力は、発生源を参照する。効果を分配するために参照する場合は、能力をスタックに積む時点で、それ以外の理由で参照する場合は、能力の[[解決]]時点で、それぞれ発生源の情報をチェックする。チェックする時点で発生源が既に戦場にない場合は、その能力の発生源の[[最後の情報|戦場を離れる直前の情報]]を使う。 | *[[放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer]]のように「能力の発生源に何かをさせる」能力は、発生源を参照する。効果を分配するために参照する場合は、能力をスタックに積む時点で、それ以外の理由で参照する場合は、能力の[[解決]]時点で、それぞれ発生源の情報をチェックする。チェックする時点で発生源が既に戦場にない場合は、その能力の発生源の[[最後の情報|戦場を離れる直前の情報]]を使う。 | ||
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*[[ルーリング]] | *[[ルーリング]] | ||
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2021年9月23日 (木) 10:15時点における最新版
能力/Abilityは、以下の3つのうちのいずれかである。
- オブジェクトが持つ特性の1つであり、そのオブジェクトがゲームに影響を与えられるようにするもの。ルール文章や能力を生成した効果によって定義される。能力は効果を発生させる。
- プレイヤーが持ち、ゲームがそのプレイヤーに及ぼす影響を変更するもの。
- スタック上にある起動型能力、または誘発型能力。これはオブジェクトである。
目次 |
[編集] 特性としての能力
キーワード能力を除けば、段落ごとに分けて記述され、各段落がそれぞれ別個の能力を表す(日本語訳ではその限りではない→共有の絆/Common Bondなど)。一つの段落に常在型能力とそれに関係する誘発型能力が記載されていたり(CR:607.2h)、2つの能力が関連している場合もある。
能力は呪文能力、起動型能力、誘発型能力、常在型能力の4種類に分類される。これら以外に、マナ能力、忠誠度能力、特性定義能力、回避能力などルール上特定の能力をまとめた呼び方もあるが、それらの各能力も実際には前述の4つのうちいずれかに分類される。例えば、マナ能力は起動型能力か誘発型能力である。
インスタントやソーサリーが持つ能力は、通常、スタック上にある間でのみ機能する。その他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間でのみ機能する。ただし例外もいくつかある。
- 特性定義能力は、ゲームの外部とゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。
- どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。
- 特定の領域以外で機能すると書かれている能力は、その領域以外のあらゆる領域と、ゲームの外部とゲームの開始前も機能する。
- 飢餓の潮流、グリスト/Grist, the Hunger Tideはそれが戦場に無い限り他のタイプに加えて昆虫・クリーチャーである。孤児護り、カヒーラ/Kaheera, the Orphanguardを相棒としたデッキに入れることはできず、統率者戦においては伝説のクリーチャーとして統率者に指定できる。
- そのオブジェクト自身のマナ・コストを支払うのではなく代替コストを支払うことを認めるか、それを唱えるためのコストを変更する能力はスタックにある間に機能する。
- 召集はそれを持つカードがクリーチャー・カードであっても、スタック上で機能を発揮する。
- ドリーム・ホール/Dream Hallsの「呪文のマナ・コストを支払うのではなく、その呪文のコントローラーは、その呪文と共通の色を1色持つカードを1枚捨ててもよい。」という能力は自身のマナ・コストに対する代替コストでは無いので、戦場でしか機能しない。
- オブジェクトの、それ自身をプレイするあるいは唱えることに限定や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間に機能する。
- オブジェクトの能力で、それ自身をどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。
- スカーブの殲滅者/Skaab Ruinatorの「あなたはスカーブの殲滅者をあなたの墓地から唱えてもよい。」という能力は墓地で機能する。
- オブジェクトの能力で、それが打ち消されない、と書かれているものは、スタックにある間に機能する。
- オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する(CR:614.12)。置換効果も参照。
- オブジェクトの能力で、それにカウンターを配置できないとするものは、そのオブジェクトが戦場にある間に加えて、そのオブジェクトが戦場に出る際にも機能する。
- オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。
- サイクリングはそのカードを手札から捨てる事をコストとするので、それが手札にある時に機能する。
- 戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。
- コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動させるものが含まれている場合は、この限りではない。
- 組み直しの骸骨/Reassembling Skeletonの「 (1)(黒):あなたの墓地にある組み直しの骸骨をタップ状態で戦場に戻す。」という起動型能力は、組み直しの骸骨を墓地から戦場に移動させるものであるため、墓地でのみ機能する。
- 無数のゴキブリ/Endless Cockroachesの「無数のゴキブリが死亡したとき、それをオーナーの手札に戻す。」という誘発型能力は、無数のゴキブリを墓地から手札に移動させるものだが、戦場から墓地に移動する事を誘発条件とするためこれは墓地では働かない(領域変更誘発も参照)。
オブジェクトに能力を与えたり、失わせたりする効果も存在する。
- オブジェクトにある能力が複数与えられた場合、それらは独立して機能する。一つにまとめられてしまうことはない。ただし、能力により複数持っていても意味がないことはある(例:飛行)。
- オブジェクトからある能力を失わせる場合、その能力を複数持っていたとしても、そのすべてが失われる。
- クリーチャーにある能力を持たせない効果がある場合、クリーチャーにその能力を与える呪文や能力の解決によって生成される継続的効果は生成されない(例:元型)。
- 種類別第1種から第5種に相当する能力(例:多相)は、その能力自体を(第6種の効果で)失わせても意味がない。種類別を参照。
[編集] プレイヤーが持つ能力
プレイヤーは通常は能力を持たないが、何らかの効果により与えられることがある。
例えば神々の神盾/Aegis of the Godsはプレイヤーに呪禁という能力を与える。
- 2018年10月の総合ルール更新により能力の定義へ追加されたが、このような効果はそれ以前から存在している。
[編集] スタック上のオブジェクトとしての能力
- 能力は呪文とは区別される。呪文を打ち消す効果で、能力を打ち消すことはできない。
- 起動型能力、あるいは誘発型能力がスタックに乗ったならば、それは能力の発生源から独立して存在する(CR:113.7a)。
- 発生源が本来あるべき領域(たいていは戦場)を離れたとしても、スタック上の能力は影響を受けない。スタックから取り除かれることもないし、通常どおり効果を発揮する(もちろん、能力自身に指示がある場合はそちらを優先する(→if節ルール)。
- 放蕩魔術師/Prodigal Sorcererのように「能力の発生源に何かをさせる」能力は、発生源を参照する。効果を分配するために参照する場合は、能力をスタックに積む時点で、それ以外の理由で参照する場合は、能力の解決時点で、それぞれ発生源の情報をチェックする。チェックする時点で発生源が既に戦場にない場合は、その能力の発生源の戦場を離れる直前の情報を使う。
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 113 能力
- 113.1 能力は以下の3つのいずれかである。
- 113.1a 能力には、オブジェクトの持つ特性で、そのオブジェクトがゲームに影響を及ぼせるようにするものが含まれる。オブジェクトの能力はそのルール・テキストまたはそれを生成した効果によって定義される。ルールや効果によってオブジェクトが能力を得ることもある。(能力を与える効果には、大抵の場合「持つ」「得る」と書かれている。)能力は効果を作る(rule 609〔効果〕参照)。
- 113.1b 能力には、プレイヤーが持つ、ゲームがそのプレイヤーに及ぼす影響を変更するものがある。効果によって与えられない限り、通常、プレイヤーは能力を持たない。
- 113.1c 能力には、スタック上にある起動型あるいは誘発型能力が含まれる。この種の能力はオブジェクトである。(rule 6〔呪文、能力、効果〕参照)
- 113.2 能力は、それを持っているオブジェクトに影響を及ぼすことがある。他のオブジェクトやプレイヤーにも影響を及ぼすことがある。
- 113.2a 能力には有益なものも不利益なものもある。
- 113.2b カードを唱えるための追加コストや代替コストは、カードの能力である。
- 113.2c 1つのオブジェクトが複数の能力を持つことがある。そのオブジェクトがカードである場合、一行に並べられて書かれるあらかじめ定義された能力(rule 702〔キーワード能力〕参照)を除き、オブジェクトの文章の各段落は別個の能力を表す。カードでない場合、それを生成した効果によって複数の能力を得ることがある。また、オブジェクトは呪文や能力によって能力を得ることがある。1つのオブジェクトが同じ能力を複数持っている場合、それられは独立に機能する。これによって、能力が1つだけの時よりもより多くの効果を生むこともあるし、そうでないこともある。詳しい情報は各能力を参照のこと。
- 113.2d 能力は、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を作る。継続的効果の中には、置換・軽減効果が含まれる。rule 609〔効果〕参照。
- 113.3 能力は大別して4つの区分に分けられる。
- 113.3a 呪文能力とは、インスタントまたはソーサリー・呪文が解決される間に処理される指示のことである。rule 113.6 に示す、起動型能力や誘発型能力や常在型能力でない、インスタントまたはソーサリー・呪文の文章は呪文能力である。
- 113.3b 起動型能力はコストと効果を持ち、通常は「[[[コスト]]]:[[[効果]]。][(あるなら)起動指示。]」という書式で書かれている。この種の能力は、そのプレイヤーが優先権を持っているときならいつでも起動できる。そうしたなら、その能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 602〔起動型能力の起動〕参照。
- 113.3c 誘発型能力は誘発条件と効果を持ち、「……とき/when」「……たび/whenever」「……時/at」を含む(通常はそれらから始まる)「[[[誘発条件]]], [[[効果]]。]」という書式で書かれている。誘発イベントが発生するたび、その次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時にその能力はスタックに積まれ、打ち消されるか解決されるかその他の方法でスタックから離れるまでスタックに残る。rule 603〔誘発型能力の扱い〕参照。
- 113.3d 常在型能力は普通の文で書かれ、単にその効果が発生する。常在型能力は、パーマネントがその能力を持って戦場にある間機能し続ける継続的効果を生み出すか、あるいはその能力を持つオブジェクトが特定の領域にある間に機能する。rule 604〔常在型能力の扱い〕参照。
- 113.4 起動型能力や誘発型能力の一部はマナ能力である。マナ能力は特別なルールに従う。マナ能力はスタックを使わず、特定の条件下では優先権がないときにさえ起動することができる。rule 605〔マナ能力〕参照。
- 113.5 起動型能力の中には忠誠度能力と呼ばれるものがある。忠誠度能力は、以下の特殊ルールが適用される。プレイヤーは自分がコントロールしているパーマネントの忠誠度能力を、自分のメイン・フェイズの間、スタックが空で、優先権を持っていて、どのプレイヤーもそのターンにそのパーマネントの忠誠度能力を起動していない場合にのみ起動できる。rule 606〔忠誠度能力〕参照。
- 113.6 インスタントまたはソーサリー・呪文の能力は、通常、そのオブジェクトがスタックにある間にのみ機能する。他のオブジェクトの能力は、通常、そのオブジェクトが戦場にある間にのみ機能する。例外は以下の通り。
- 113.6a 特性定義能力は、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。rule 604.3 参照。
- 113.6b どの領域で機能するかが書かれている能力は、その領域でのみ機能する。
- 113.6c どの領域で機能しないかが書かれている能力は、その特定の領域以外では、ゲームの外部やゲームの開始前も含むあらゆる場所で機能する。
- 113.6d あるオブジェクトの持つ、それ自身のマナ・コストを払うのではなく代替コストを支払うことをプレイヤーに認める能力その他のそれを唱えるためのコストを変更する能力はスタックにある間に機能する。
- 113.6e オブジェクトの、その特定のオブジェクトをプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす能力は、プレイできるあるいは唱えられる領域にある間とスタックにある間に機能する。その特定のオブジェクト自身にそれをプレイするあるいは唱えることに制限や修整をもたらす他の能力を与えるそのオブジェクトの能力は、スタックにある間にのみ機能する。
- 113.6f オブジェクトの能力で、その特定のオブジェクトをどの領域からプレイする、あるいは唱えることができるかを限定したり修整したりする能力は、ゲームの外部を含むどこにあっても機能する。
- 113.6g オブジェクトの能力で、それが打ち消されない、またはコピーされないと書かれているものは、スタックにある間に機能する。
- 113.6h オブジェクトの能力で、それが戦場に出る状況を変更するものは、そのオブジェクトが戦場に出てくるに際して機能する。rule 614.12 参照。
- 113.6i オブジェクトの能力で、それにカウンターを置けないとするものは、そのオブジェクトが戦場にある間に加えて、そのオブジェクトが戦場に出る際にも機能する。
- 113.6j オブジェクトの、戦場にある間に支払うことのできないコストを必要とする起動型能力は、そのコストを支払うことができる領域にある間に機能する。
- 113.6k 戦場以外の領域にある間にのみ誘発しうる誘発条件を持つ誘発型能力は、その誘発しうる領域にある間に機能する。その誘発型能力が他に誘発条件を持っていた場合、単一の誘発型能力が複数の領域で機能することもありうる。
- 113.6m コストや効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させるものである場合、その領域にある間にのみ機能する。その能力の誘発条件として、あるいはその能力のそれ以前のコストや効果として、そのオブジェクトをその領域に移動すること、あるいはそのオブジェクトがオーラである場合にはそれがエンチャントしているオブジェクトが戦場を離れることが含まれている場合は、この限りではない。その能力の効果が、そのオブジェクトを特定の領域から移動させる効果を持つ遅延誘発型能力を作る場合も同様である。
- 113.6n ゲームの開始前、デッキ 構築に関するルールを変更する能力が存在する。その種の能力は、この総合ルールだけでなく、マジック・イベント規定その他特定のフォーマットでのデッキ 構築ルールを定めた文書を変更する。しかしながら、その種の能力によっても、あるフォーマットにおいて禁止や制限されているカードは禁止あるいは制限されているままである。現在のマジック・イベント規定は、[[1]] から参照できる。(訳注:日本語訳は [[2]] 以下で公開されている)
- 113.6p 紋章、次元・カード、ヴァンガード・カード、計略・カード、策略・カードの能力は統率領域において機能する。rule 114〔紋章〕、rule 901〔プレインチェイス戦〕、rule 902〔ヴァンガード戦〕、rule 904〔アーチエネミー戦〕、rule 905〔コンスピラシー・ドラフト〕参照。
- 113.7 能力の発生源は、それを作ったオブジェクトである。スタックにある起動型能力の発生源は、起動した能力を持つオブジェクトである。スタックにある、または誘発してスタックに積まれるのを待っている誘発型能力の発生源は、(遅延誘発型能力を除き)誘発した能力を持つオブジェクトである。遅延誘発型能力の発生源については、rule 603.7d-f 参照。
- 113.7a いったん起動し、または誘発したら、能力はその能力の発生源とは独立して スタックに存在する。以降、その能力の発生源を破壊したり除去したりしても、能力には影響を及ぼさない。いくつかの能力は、その能力が直接何かをするのではなく、その能力の発生源に何かをさせることに注意すること(例えば、「クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。放蕩紅蓮術士はそれに1点のダメージを与える。」)。このような場合、起動型能力を宣言したり誘発型能力をスタックに置いたりする時点でその発生源の情報を参照する起動型能力や誘発型能力は、その能力がスタックに置かれる時点でそれらの情報をチェックする。それ以外の理由で発生源の情報を参照する能力は、その能力の解決時にその情報をチェックする。いずれにせよ、チェックする時点で発生源が既に元あった領域 にない場合、その能力の発生源の、その領域を離れる直前の情報を使う。すでに存在しなくなっていても、発生源がその処理を行う。
- 113.8 スタックにある起動型能力のコントローラーは、その能力を起動したプレイヤーである。スタックにある誘発型能力のコントローラーは、遅延誘発型能力を除き、その能力が誘発したときにその能力の発生源をコントロールしていたプレイヤーである。コントローラーがいない場合、その能力が誘発した時のその能力の発生源のオーナーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
- 113.9 スタックにある起動型能力や誘発型能力は呪文ではないので、呪文を打ち消すものには打ち消されない。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、能力を打ち消すと書かれている効果によって打ち消される。常在型能力はスタックを用いないので、打ち消されることはない。
- 113.10 効果によって、オブジェクトの能力が追加されたり、あるいは取り除かれたりすることがある。能力を追加する効果は、そのオブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」などと書かれる。能力を取り除く効果は、そのオブジェクトが能力を「失う/lose」と書かれる。
- 113.11 効果によって、オブジェクトは特定の能力を得なくなることがある。それらの効果では、そのオブジェクトはその能力を「持つことができない/can't have」と書かれている。もしオブジェクトがその能力を持っている場合、その能力を失う。また、効果やキーワード・カウンターによってその能力をそのオブジェクトに得させることもできない。呪文や能力の解決がその特定の能力をそのオブジェクトに得させる継続的効果を作る場合、その継続的効果のその部分は適用されないが、その継続的効果の他の部分は適用され、またその解決された呪文や能力の作る他の継続的効果は作られる。常在型能力によって作られた、その特定の能力を得させる継続的効果は、そのオブジェクトに適用されない。
- 113.12 オブジェクトの特性を定めたり、あるいは単にそのオブジェクトの性質を決めたりする効果は、効果によって得られる能力とは区別される。オブジェクトが能力を「得る/gain」、「持つ/have」時、その能力は他の効果によって取り除かれることがありうる。一方、効果によってオブジェクトの特性が定義された場合(「[[[パーマネント]]]は[[[特性]]値]である/[permanent] is [characteristic value]」)、それは能力を得させることにはならない(rule 604.3 参照)。同様に、効果によってオブジェクトがある性質を得た場合(「[[[パーマネント]]]はブロックされない。」)、それは能力を得させもしないし特性を定義することもない。
- 113.1 能力は以下の3つのいずれかである。
- 113 能力