未来予知
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==概要== | ==概要== | ||
− | + | セット名からもわかるように、テーマは「未来」。[[背景世界/ストーリー用語|ストーリー]]だけでなく、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]という[[ゲーム]]そのものの数百年後までの未来を見通している。そのため、[[タイムシフト]]や[[キーワード能力]]もバリエーションに富んだものとなっており、今までありそうで無かったメカニズムが多い。中には登場時点で意味を持たない記述を持つ[[カード]]もある。 | |
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+ | *ただし、新キーワード能力やシステムには、未来予知発売時点で登場が確定しているものだけでなく、予定が無いもの、そして登場しないと予定されているものも含まれる。ある意味、壮大なカード・プレビューを行なっているわけである。 | ||
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*同名の[[カード]]が存在する(→[[未来予知/Future Sight]])。 | *同名の[[カード]]が存在する(→[[未来予知/Future Sight]])。 | ||
*[[時のらせん]]、[[次元の混乱]]では、[[ドミナリア/Dominaria]]の過去や平行世界をテーマとしていたためか、カードのアレンジや再録メカニズムは[[オンスロート・ブロック]]以前のものが中心だった。このセットでは[[ミラディン・ブロック]]や[[ラヴニカ・ブロック]]のカード・メカニズムを髣髴とさせるものも多い。 | *[[時のらせん]]、[[次元の混乱]]では、[[ドミナリア/Dominaria]]の過去や平行世界をテーマとしていたためか、カードのアレンジや再録メカニズムは[[オンスロート・ブロック]]以前のものが中心だった。このセットでは[[ミラディン・ブロック]]や[[ラヴニカ・ブロック]]のカード・メカニズムを髣髴とさせるものも多い。 | ||
− | **しかし、[[神河ブロック]]の影は見えない。雰囲気が合わないからだろうか。 | + | **しかし、[[神河ブロック]]の影は見えない。雰囲気が合わないからだろうか。(ストーリー上では登場している) |
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− | 新しい[[カード・タイプ]] | + | 新しい[[カード・タイプ]]として部族(現在は[[同族]])、[[プレインズウォーカー]]、新しい[[アーティファクト・タイプ]]として[[城砦]]と[[からくり]]が定義された。 |
− | 新[[キーワード能力]]は[[探査]]、[[吸収]]、[[オーラ交換]]、[[城砦化]]、[[激情]]、[[墓地ストーム]]、[[変形 | + | 新[[キーワード能力]]は[[探査]]、[[吸収]]、[[オーラ交換]]、[[城砦化]]、[[激情]]、[[墓地ストーム]]、[[変形]]、[[有毒]]と数が多いが、これらのほとんどが(発売時点で)1枚の[[カード]]専用のキーワードとなっている。新[[能力語]]は[[壮大]]。また、直前の[[ラヴニカ・ブロック]]から、キーワード能力の[[予見]]、[[移植]]、[[狂喜]]、[[召集]]、[[発掘]]、[[変成]]、能力語の[[暴勇]]が再登場。さらに、馴染み深い能力のいくつかがキーワード化され、いわゆる[[魂の絆能力]]が[[絆魂]](のちに変更)、いわゆる[[蜘蛛|蜘蛛能力]]が[[到達]]、「[[アンタッチャブル]]」が[[被覆]]、[[バジリスク能力]]が[[接死]]となった。[[到達]]は、一部のカードとの相互作用が変化している。[[サイクリング]]については、[[土地サイクリング]]の拡張として[[タイプ・サイクリング]]が登場した。 |
− | [[ | + | [[キーワード処理]]の概念が定義され、以前から存在する「[[再生]](する)」や「[[占術]](を行う)」、新たに登場した「[[消術]](を行う)」などがまとめられた。 |
[[サイクル]]としては、過去の[[伝説のクリーチャー]]の子孫を表した、壮大を持つ伝説のクリーチャー・サイクルや、[[コスト]]の[[支払う|支払い]]を未来に行う[[仲裁の契約/Intervention Pact|契約]]サイクルが代表的。過去や未来に存在する[[クリーチャー]]をほぼそのまま産み出す[[スペルシェイパー]]、[[解決]]時に再び[[待機]]状態に戻る待機カードといったサイクルもある。[[願い]]も新たに1枚追加された。 | [[サイクル]]としては、過去の[[伝説のクリーチャー]]の子孫を表した、壮大を持つ伝説のクリーチャー・サイクルや、[[コスト]]の[[支払う|支払い]]を未来に行う[[仲裁の契約/Intervention Pact|契約]]サイクルが代表的。過去や未来に存在する[[クリーチャー]]をほぼそのまま産み出す[[スペルシェイパー]]、[[解決]]時に再び[[待機]]状態に戻る待機カードといったサイクルもある。[[願い]]も新たに1枚追加された。 | ||
− | * | + | *発売時点で意味を持たない記述としては、ルール用語の「[[組み立てる]]/assemble」や、[[アーティファクト・タイプ]]の「[[からくり]]」(この[[サブタイプ]]を持つカードは[[黒枠]]では存在していない)、[[注釈文]]のみに出てくる[[カード・タイプ]]「[[プレインズウォーカー]]」など。そのうち、プレインズウォーカーは[[ローウィン]]でカードが登場し、意味を持つようになった。 |
+ | *[[Mark Rosewater]]は2015年のコラム「[https://mtg-jp.com/reading/mm/0014953/ モダン一問一答]」で本セットの新メカニズムや新カード・タイプが再登場する可能性について以下のように分類している。 | ||
+ | **再登場済み:彩色/信心(未来予知の時点では命名されていない)、接死、探査、絆魂、プレインズウォーカー、到達、被覆、同族 | ||
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+ | **可能性が無くはない:吸収、激情、有毒、[カード・タイプ]交換(オーラ交換)、タイプ・サイクリング | ||
+ | **可能性はまずない:消術、墓地ストーム、変形 | ||
====その他メカニズム==== | ====その他メカニズム==== | ||
− | + | 他にも以下の変わり種が初めて登場した。 | |
*[[混成マナ・シンボル]]を[[起動コスト]]に含む[[起動型能力]] → [[ウーコーの手下悪鬼/Henchfiend of Ukor]]、[[偶像の石塚/Graven Cairns]] | *[[混成マナ・シンボル]]を[[起動コスト]]に含む[[起動型能力]] → [[ウーコーの手下悪鬼/Henchfiend of Ukor]]、[[偶像の石塚/Graven Cairns]] | ||
*最初から[[タップ能力]]を持つ[[エンチャント]] → [[新たな精力/Second Wind]]、[[流動石の抱擁/Flowstone Embrace]]、[[魔女の霧/Witch's Mist]] | *最初から[[タップ能力]]を持つ[[エンチャント]] → [[新たな精力/Second Wind]]、[[流動石の抱擁/Flowstone Embrace]]、[[魔女の霧/Witch's Mist]] | ||
*[[パーマネント]]でも[[プレイヤー]]でもない「[[墓地]]のカード」にエンチャントする[[オーラ]] → [[呪文織りの渦巻/Spellweaver Volute]] | *[[パーマネント]]でも[[プレイヤー]]でもない「[[墓地]]のカード」にエンチャントする[[オーラ]] → [[呪文織りの渦巻/Spellweaver Volute]] | ||
− | *エンチャント・クリーチャー → [[輝く透光/Lucent Liminid]] | + | *[[クリーチャー・エンチャント|エンチャント・クリーチャー]] → [[輝く透光/Lucent Liminid]] |
− | *土地・クリーチャー → [[ドライアドの東屋/Dryad Arbor]] | + | *[[土地・クリーチャー]] → [[ドライアドの東屋/Dryad Arbor]] |
− | *マナ・コストに[[色マナ]]を持つ[[ | + | *マナ・コストに[[色マナ]]を持つ[[有色アーティファクト]] → [[サルコマイトのマイア/Sarcomite Myr]] |
− | *普通に[[ | + | *普通に[[戦場]]に出ていても意味が無く、[[墓地]]にある事で初めて効果を表すエンチャント → [[黄泉からの橋/Bridge from Below]] |
==テーマデッキ== | ==テーマデッキ== | ||
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*[[刃の翼タロックス/Tarox Bladewing]] | *[[刃の翼タロックス/Tarox Bladewing]] | ||
− | == | + | ==主な開発スタッフ== |
− | + | *'''デザイン・チーム''' - [[Mark Rosewater]] (リード)、[[Matt Cavotta]]、[[Devin Low]]、[[Mark Gottlieb]]、[[Ryan Miller]]、[[Zvi Mowshowitz]] | |
− | + | *'''デベロップ・チーム''' - [[Mike Turian]] (リード)、Matt Cavotta、[[Matt Place]]、[[Brian Schneider]] | |
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− | == | + | ==公式特集ページ== |
− | *[http://mtg.takaratomy.co.jp/product/fut/index.html | + | *[https://magic.wizards.com/ja/game-info/products/card-set-archive/future-sight 未来予知](マジック英語公式日本語版 セット特設サイト) |
− | + | *[http://web.archive.org/web/20090225214929/http://mtg.takaratomy.co.jp/product/fut/index.html 製品情報(Web Archive)] ([[タカラトミー]]) | |
− | **第1週:[http:// | + | **第1週:[http://web.archive.org/web/20100218190029/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/yonemura/20070410fut/index.html かすかな希望(Web Archive)] |
− | **第2週:[http:// | + | **第2週:[http://web.archive.org/web/20090227015448/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/yonemura/20070413fut/index.html 荒々しき未来(Web Archive)] |
− | **第3週:[http:// | + | **第3週:[http://web.archive.org/web/20090227015459/http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/yonemura/20070423fut/index.html プレインズウォーカーの道(Web Archive)] |
− | *[ | + | *[https://mtg-jp.com/reading/mm/0031537/ よ~いドン!](Making Magic 2018年12月10日) - セット開発の基本的な発想について |
+ | *[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034247/ バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)]([[Making Magic]] 2020年8月3日) - タイムシフトカードの逆再録について | ||
+ | *[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034262/ バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)・パート2]([[Making Magic]] 2020年8月10日) | ||
+ | *[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034282/ バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)・パート3]([[Making Magic]] 2020年8月17日) | ||
+ | *[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035053/ 『未来予知』デザイン提出文書]([[Making Magic]] [[2021年]]5月17日) | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | *[http://whisper.wisdom-guild.net/cardlist/FutureSight/ 未来予知 カードリスト] (Wisdom Guild) | ||
*[[カード個別評価:未来予知]] | *[[カード個別評価:未来予知]] | ||
*[[カード個別評価:未来予知タイムシフト]] | *[[カード個別評価:未来予知タイムシフト]] | ||
*[[Future Sight]] (小説) | *[[Future Sight]] (小説) | ||
*[[カードセット一覧]] | *[[カードセット一覧]] | ||
+ | **[[第9版]] | ||
+ | **[[ラヴニカ・ブロック]]([[ラヴニカ:ギルドの都]] - [[ギルドパクト]] - [[ディセンション]]) | ||
+ | **[[コールドスナップ]] - [[時のらせんブロック]]([[時のらせん]] - [[次元の混乱]] - [[未来予知]]) | ||
+ | **[[第10版]] | ||
+ | **[[ローウィン=シャドウムーア・ブロック]]([[ローウィン]] - [[モーニングタイド]] - [[シャドウムーア]] - [[イーブンタイド]]) | ||
[[Category:エキスパンション|ふゆうちやあさいと]] | [[Category:エキスパンション|ふゆうちやあさいと]] |
2024年6月14日 (金) 08:03時点における最新版
未来予知/Future Sight | |
シンボル | 眼 |
略号 | FUT |
コードネーム | Pop |
発売日 | 2007年5月4日 |
セット枚数 | 全180種類 |
未来予知(フューチャー・サイト)/Future Sightは、時のらせんブロック2番目の小型エキスパンション。2007年5月4日に発売された。
目次 |
[編集] 概要
セット名からもわかるように、テーマは「未来」。ストーリーだけでなく、マジックというゲームそのものの数百年後までの未来を見通している。そのため、タイムシフトやキーワード能力もバリエーションに富んだものとなっており、今までありそうで無かったメカニズムが多い。中には登場時点で意味を持たない記述を持つカードもある。
- ただし、新キーワード能力やシステムには、未来予知発売時点で登場が確定しているものだけでなく、予定が無いもの、そして登場しないと予定されているものも含まれる。ある意味、壮大なカード・プレビューを行なっているわけである。
- 同名のカードが存在する(→未来予知/Future Sight)。
- 時のらせん、次元の混乱では、ドミナリア/Dominariaの過去や平行世界をテーマとしていたためか、カードのアレンジや再録メカニズムはオンスロート・ブロック以前のものが中心だった。このセットではミラディン・ブロックやラヴニカ・ブロックのカード・メカニズムを髣髴とさせるものも多い。
- しかし、神河ブロックの影は見えない。雰囲気が合わないからだろうか。(ストーリー上では登場している)
[編集] メカニズム
新しいカード・タイプとして部族(現在は同族)、プレインズウォーカー、新しいアーティファクト・タイプとして城砦とからくりが定義された。
新キーワード能力は探査、吸収、オーラ交換、城砦化、激情、墓地ストーム、変形、有毒と数が多いが、これらのほとんどが(発売時点で)1枚のカード専用のキーワードとなっている。新能力語は壮大。また、直前のラヴニカ・ブロックから、キーワード能力の予見、移植、狂喜、召集、発掘、変成、能力語の暴勇が再登場。さらに、馴染み深い能力のいくつかがキーワード化され、いわゆる魂の絆能力が絆魂(のちに変更)、いわゆる蜘蛛能力が到達、「アンタッチャブル」が被覆、バジリスク能力が接死となった。到達は、一部のカードとの相互作用が変化している。サイクリングについては、土地サイクリングの拡張としてタイプ・サイクリングが登場した。
キーワード処理の概念が定義され、以前から存在する「再生(する)」や「占術(を行う)」、新たに登場した「消術(を行う)」などがまとめられた。
サイクルとしては、過去の伝説のクリーチャーの子孫を表した、壮大を持つ伝説のクリーチャー・サイクルや、コストの支払いを未来に行う契約サイクルが代表的。過去や未来に存在するクリーチャーをほぼそのまま産み出すスペルシェイパー、解決時に再び待機状態に戻る待機カードといったサイクルもある。願いも新たに1枚追加された。
- 発売時点で意味を持たない記述としては、ルール用語の「組み立てる/assemble」や、アーティファクト・タイプの「からくり」(このサブタイプを持つカードは黒枠では存在していない)、注釈文のみに出てくるカード・タイプ「プレインズウォーカー」など。そのうち、プレインズウォーカーはローウィンでカードが登場し、意味を持つようになった。
- Mark Rosewaterは2015年のコラム「モダン一問一答」で本セットの新メカニズムや新カード・タイプが再登場する可能性について以下のように分類している。
- 再登場済み:彩色/信心(未来予知の時点では命名されていない)、接死、探査、絆魂、プレインズウォーカー、到達、被覆、同族
- 可能性がある:城砦化、壮大
- 可能性が無くはない:吸収、激情、有毒、[カード・タイプ]交換(オーラ交換)、タイプ・サイクリング
- 可能性はまずない:消術、墓地ストーム、変形
[編集] その他メカニズム
他にも以下の変わり種が初めて登場した。
- 混成マナ・シンボルを起動コストに含む起動型能力 → ウーコーの手下悪鬼/Henchfiend of Ukor、偶像の石塚/Graven Cairns
- 最初からタップ能力を持つエンチャント → 新たな精力/Second Wind、流動石の抱擁/Flowstone Embrace、魔女の霧/Witch's Mist
- パーマネントでもプレイヤーでもない「墓地のカード」にエンチャントするオーラ → 呪文織りの渦巻/Spellweaver Volute
- エンチャント・クリーチャー → 輝く透光/Lucent Liminid
- 土地・クリーチャー → ドライアドの東屋/Dryad Arbor
- マナ・コストに色マナを持つ有色アーティファクト → サルコマイトのマイア/Sarcomite Myr
- 普通に戦場に出ていても意味が無く、墓地にある事で初めて効果を表すエンチャント → 黄泉からの橋/Bridge from Below
[編集] テーマデッキ
[編集] パッケージ・イラスト
[編集] 主な開発スタッフ
- デザイン・チーム - Mark Rosewater (リード)、Matt Cavotta、Devin Low、Mark Gottlieb、Ryan Miller、Zvi Mowshowitz
- デベロップ・チーム - Mike Turian (リード)、Matt Cavotta、Matt Place、Brian Schneider
[編集] 公式特集ページ
- 未来予知(マジック英語公式日本語版 セット特設サイト)
- 製品情報(Web Archive) (タカラトミー)
- よ~いドン!(Making Magic 2018年12月10日) - セット開発の基本的な発想について
- バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)(Making Magic 2020年8月3日) - タイムシフトカードの逆再録について
- バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)・パート2(Making Magic 2020年8月10日)
- バック・トゥ・ザ・『未来予知』(フューチャーサイト)・パート3(Making Magic 2020年8月17日)
- 『未来予知』デザイン提出文書(Making Magic 2021年5月17日)
[編集] 参考
- 未来予知 カードリスト (Wisdom Guild)
- カード個別評価:未来予知
- カード個別評価:未来予知タイムシフト
- Future Sight (小説)
- カードセット一覧