精神隷属器/Mindslaver
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伝説のアーティファクト
(4),(T),精神隷属器を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。あなたはそのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーをコントロールする。(あなたはそのプレイヤーが見ることのできるすべてのカードを見て、そのプレイヤーのすべての決定を行う。)
相手の1ターンを完全に操ることができる伝説のアーティファクト。
呪文のキャストや能力の起動、攻撃クリーチャーの指定など、総合ルールで認められるあらゆる行動の選択権を奪うことができる。少なくとも土地をフルタップにすることで、返しの自分のターンまで有利に運ぶことができる。また除去呪文を相手のクリーチャーを対象にして使わせる、ドローカードを自分に撃ってもらう、電結の荒廃者/Arcbound Ravagerが場にあればアーティファクトを全部生け贄に捧げる等の行為も可能となるので、叩きだすアドバンテージは莫大なものとなる。
コントロール相手に起動したらほぼ勝ち。撃てば相手をほとんど壊滅させられるため、スタンダードでも各種コントロールのエンドカードとして使用された。
カード・プールが広くなればなるほど強くなるカードでもある。かつてのエクステンデッドやヴィンテージでは、修繕/Tinkerから高速で場に出され、ゴブリンの溶接工/Goblin Welderで何度も使い回された(→スタックス、ティンカースタックス)。また、アカデミーの廃墟/Academy Ruinsでも容易に、そして半永久的に再利用される(→青白トロン)。
ルール
このカード専用(現在はソリン・マルコフ/Sorin Markovも該当するが)のルールが1項目作られている(CR:710)。
- 複数のターン・コントロール効果が同じプレイヤーに影響を及ぼす場合、タイムスタンプ順に上書きしていき、最後に発生したものだけが有効になる。
- 他者のターンをコントロールしている間も、そのターンをコントロールしているプレイヤーは、通常通り、自分自身に関する選択や決定も行える。
- ターンをコントロールされているプレイヤーが何らかのオブジェクトの情報を見ることができる場合、ターンのコントローラーもそれを見ることができる(例えば、ターンをコントロールされているプレイヤーの手札や、そのプレイヤーがコントロールしている裏向きのパーマネントの表など)。
- 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーに認められている、あるいは何らかのオブジェクトによりしなければいけない全ての選択や決定を行う。
- もちろんBlacker Lotusなどのコストの一部として相手のカードをビリビリに破いてもよい。逆に、もしそうされそうになったら即座に投了すべきだろう(そのタイミングでの投了は認められている)。
- 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、ルールやオブジェクトによって必要とされていない選択や決定を行えない。また、コントローラーはトーナメント・ルールによって必要とされている選択や決定を行えない。
- 燃え立つ願い/Burning Wishを使わせたとしても、そのプレイヤーのサイドボードを見ることはできない(参考)。サイドボードを見ることは総合ルールではなくマジック大会規定6.2節によって許可された行動である。見ることができない以上ソーサリーであるかどうか判別できないため、サイドボードからカードを持ってくることはできない。
- 死せる願い/Death Wishならば条件を指定されていないのでサイドボードから持ってくることはできるが、無作為に選ぶことになる。
- 燃え立つ願い/Burning Wishを使わせたとしても、そのプレイヤーのサイドボードを見ることはできない(参考)。サイドボードを見ることは総合ルールではなくマジック大会規定6.2節によって許可された行動である。見ることができない以上ソーサリーであるかどうか判別できないため、サイドボードからカードを持ってくることはできない。
- 他のプレイヤーのターンのコントローラーは、そのプレイヤーを投了させることはできない。逆に、プレイヤーはターンをコントロールされている状態でも投了できる。
このほか、マナ・バーンがあった頃は、「他のプレイヤーにターンをコントロールされているプレイヤーは、マナ・バーンでライフを失わない」というルールが設けられていた。基本セット2010発売に伴う総合ルールの更新で、マナ・バーンの廃止とともにこのルールは削除された。
- 自分を対象として起動することもできるが、他のプレイヤーが自分の次のターンをコントロールしている状態でなければ意味はないだろう。
その他
- イラストだけは早くから公開されていて、装備品だと思われていた。
- もともと「グリーマックス/Gleemax」の名前でアングルード2に収録される予定だった。アングルード2の企画が消えたために精神隷属器になったのだが、その後アンヒンジドで全く違うカードがGleemaxとして登場した。さらにさかのぼるとテンペストの占有の兜/Helm of Possessionの原案にたどり着く。
- 最初は伝説のアーティファクトではなかったのだが、調整の結果、伝説のアーティファクトとなった。
- 相手の財布の中身を破壊するマネデスのキーカードでもある。詳しくはマネデスの項を参照。
- 2004年のエイプリル・フールでは、インターネットの投票の結果、このカードが禁止カードに指定されるというジョークがあった(参考のコラム参照)。
参考
- 精神は素晴らしく無駄なもの―テンペスト発アングルード経由ミラディン行き (WotC, 文:Mark Rosewater, 英語)
- 「あなたが決める」--精神隷属器が禁止カードに! (Braingeyser 2004年4月1日にWotCの公式ホームページで公表されたエイプリル・フール記事の和訳)
- The Top 50 Artifacts of All Time 第38位 (WotC, 文:Zvi Mowshowitz, 英語)
- カード個別評価:ミラディン - レア
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 710 反転カード
- 710.1 反転カードには、1枚のカードに2つのカード枠がある。カードの通常の向きに書かれている文章は、そのカードの通常の特性を意味する。追加の代替の特性は、カードに逆向きに書かれている。反転カードの第2面は、通常のマジックのカードである。
- 710.2 戦場以外の全ての領域、および戦場の領域でそのパーマネントが反転される前において、反転カードはそのカードの通常の特性を持つ。戦場にある反転パーマネントが反転したら、その反転パーマネントの通常の名前、文章欄、タイプ行、パワーとタフネスは適用されず、代わりに代替バージョンのこれらの特性が適用される。
- 710.3 あなたが反転パーマネントをコントロールしている場合、常にそのパーマネントが、タップ状態でもアンタップ状態でも、反転しているかいないかをはっきりさせる義務がある。パーマネントが反転しているかいないかを区別する一般的な方法には、コインやダイスで反転しているオブジェクトにマークを置くことなどがある。
- 710.4 パーマネントの反転は一方通行である。パーマネントが反転状態 になったら、それを再び反転していない状態に戻すことはできない。ただし、反転したパーマネントが戦場を離れた場合、それはそれまでの位相を記憶しない。rule 110.5 参照。
- 710.5 何らかの効果によってプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーは望むなら反転カードの代替の名前を選ぶことができる。
- 710 反転カード