コピー可能な値

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[[オブジェクト]]をコピーする場合、コピー元のオブジェクトが持つ[[特性]]の'''コピー可能な値'''/''Copiable Value''を参照し、[[コピー]]はそれらの値を得る。
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'''コピー可能な値'''/''Copiable Value''とは、[[オブジェクト]]を[[コピー]]する場合、コピー元のオブジェクトが持つ[[特性]]のうち参照可能であるものの総称である。
  
コピー可能な特性とは、オブジェクトの特性のうち、
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==定義==
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コピー可能な値とは、オブジェクトの特性のうち、
 
*[[カード名]]
 
*[[カード名]]
 
*[[マナ・コスト]]、[[色指標]]
 
*[[マナ・コスト]]、[[色指標]]
*[[タイプ]]、[[特殊タイプ]]、[[サブタイプ]]
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*[[カード・タイプ]]、[[特殊タイプ]]、[[サブタイプ]]
*[[エキスパンション・シンボル]]
+
*[[ルール文章]]
*[[ルール・テキスト]]
+
 
*[[パワー]]、[[タフネス]]、[[忠誠度]]
 
*[[パワー]]、[[タフネス]]、[[忠誠度]]
である。
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という「カードに印刷された値」に加え
  
*[[]]や[[能力]]は直接はコピーされない。マナ・コストや色指標、あるいはルール・テキストをコピーすることで、間接的に原本と同じものを持つようになる。
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*[[コピー]][[効果]]
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*[[呪文]]や[[パーマネント]]を[[裏向き]]にする効果の影響
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*「[[戦場に出る]]に際し」「表になるに際し」パワーやタフネスなどの特性を定義する効果の影響
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を加味したものである。
  
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*[[色]]や[[能力]]は通常直接はコピーされない。マナ・コストや色指標、あるいはルール文章をコピーすることで、間接的に原本と同じものを持つようになる。
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*[[トークン]]のコピー可能な値は、それを戦場に出した効果が定めた値にコピー効果と戦場に出るに際しの影響を加味した値となる。
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**コピー効果やトークンを戦場に出す効果によって、色や能力がコピー可能な値になる事が有り得る。
  
オブジェクトの「コピー可能な値」とは、印刷された上記の各特性に、コピー[[効果]]、「[[戦場に出る]]に際し」「表になるに際し」の能力による特性への影響、[[呪文]]や[[パーマネント]]を[[裏向き]]にする効果の影響を加味したものである。
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その他[[裏向き]]のオブジェクト、[[反転カード]][[両面カード]]のコピー可能な値は、各ページを参照。
  
他の(タイプを変更するものも含む)効果や、上に載った[[カウンター (目印)|カウンター]]はコピーされない。また、「裏向きである」「[[タップ]]している」「[[反転]]している」といったオブジェクトの[[位相]]もコピーされない。さらに、コピー元のパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされない。他のパーマネントのコピーとして何かが戦場に出る場合、「戦場に出るに際し」の能力の選択は、コピーの[[コントローラー]]が行う。
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==コピーされないもの==
*例:[[クリーチャー]]になっている[[ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus]]を[[彫り込み鋼/Sculpting Steel]]でコピーした場合、彫り込み鋼は(クリーチャーでない)ちらつき蛾の生息地そのものとして戦場に出る。なぜなら、「クリーチャー化した」ことは、コピー可能な値ではないからである。当然[[アーティファクト]]でもないので、通常は[[帰化/Naturalize]]などで破壊されることもない。
+
コピー効果ではない[[継続的効果]]や、上に乗った[[カウンター (目印)|カウンター]]はコピーされない。また、「[[タップ]]状態」などのオブジェクトの[[位相]]もコピーされない。
*例:[[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]をコピーしている[[+1/+1カウンター]]が3個乗った[[クローン/Clone]]を彫り込み鋼でコピーした場合、彫り込み鋼は+1/+1カウンターが1個乗った電結の荒廃者として戦場に出る。それ以外のクリーチャーをコピーすることはできない。なぜなら、クローンのコピー可能な値が上書きされているからである。カウンターの数はコピーされないことにも注意。
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*例:[[力強い跳躍/Mighty Leap]]により+2/+2の[[修整]][[飛行]]を得ている[[灰色熊/Grizzly Bears]]を[[クローン/Clone]]でコピーした場合、クローンは単に2/2の灰色熊として戦場に出る。力強い跳躍による継続的効果はコピー可能な値ではない。
*例:反転して[[呪師の弟子/Jushi Apprentice|暴く者、智也/Tomoya the Revealer]]になっている[[呪師の弟子/Jushi Apprentice]]をクローンでコピーした場合、そのクローンは反転していない呪師の弟子として戦場に出る。なぜなら、「反転している」ことは、コピー可能な値ではないからである。ただし、「反転する条件」と「反転後の能力」はルールテキストとして書かれているのでコピー可能な値であり、もちろん条件を満たせばコピーも反転する。
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*例:[[搭乗]][[クリーチャー化]]している[[機体]]をクローンでコピーした場合、クローンはクリーチャー化していない機体として戦場に出る。「ターン終了時まで、このパーマネントはアーティファクト・クリーチャーになる。」という継続的効果はコピー可能な値ではない。
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*例:[[+1/+1カウンター]]が3つ置かれた[[始源のハイドラ/Primordial Hydra]]をクローンがコピーした場合、クローンは+1/+1カウンターが置かれてない状態で戦場に出る。コピーするオブジェクトにいくつカウンターが置かれているかはコピー可能な値ではないし、クローン自身の[[X]]の値は未定義なので0として扱う。
  
コピーするのが[[スタック]]にあるオブジェクトの場合、[[プレイ]]時に行なわれた選択もコピーする。すなわち、[[モード]]、[[対象]]、[[X]]の値、[[キッカー]]・[[コスト]]を[[支払う|支払っ]]たかどうか、複数の対象にどのように影響を与えるか、などはコピーされる。また、コストを支払う際に用いたオブジェクトを参照する場合、コピー元と同じオブジェクトを参照する。[[解決]]時に行われる選択は通常コピーされない。
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コピー元のパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされないが、何かを選ぶ能力はコピーも得る。オブジェクトが他のオブジェクトのコピーとして戦場に出る場合、そのコントローラーは全ての「戦場に出るに際し」ての選択を行なう。
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*例:クローンが戦場に出るに際し、[[順応する自動機械/Adaptive Automaton]]のコピーとして戦場に出る事を選んだ。コピーは「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力も得ているので、戦場に出るに際しクローンのコントローラーは能力に従ってクリーチャー・タイプを1つ選ぶ。
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*例:謎の原形質が自身の能力で順応する自動機械のコピーになった。謎の原型質は「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力も得ているが、既に戦場に出ているのでタイプを選択する事は無い。コピーの順応する自動機械はクリーチャー・タイプを得る事は無いし他のクリーチャーに[[修整]]を与える事も無い。
  
*例:「[[すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All]][[マナ]]を使用してプレイされた[[火の玉/Fireball]]」をコピーした場合、コピーした方の呪文は他の呪文や能力で[[打ち消す]]ことができる。なぜなら、どのマナを支払ったかという情報はコピーされないため、コピーは「呪文や能力が[[打ち消されない]]」効果を持たないからである。
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「[[トークン]]であること」は、コピー可能な値として定義されてない。
*例:[[青マナ]]を使用して[[唱える|唱え]]られた[[夜の飾り紐/Ribbons of Night]]をコピーした場合、通常そのコピーではカードを[[引く|引け]]ない。どのマナを支払ったかという情報はコピーされないからである。ただし、そのコピーをプレイする際にコストとして青マナを支払っている場合にはカードを引く。
+
*例:トークンクリーチャーをコピーした[[クローン/Clone]]は、トークンではないため、「トークンでないクリーチャーを対象とする」呪文や能力の対象としてもよい。
**補足:[[双つ術/Twincast]]等でコピーした場合、コピーそのものはただスタックに乗せられるだけであり[[コスト]]を支払っていない事に注意。[[双つ術/Twincast]]をプレイするために[[]]マナを支払っていたとしてもカードは引けない。
+
*[[デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ]]の一部のバージョンでは、トークンをコピーしたクローンを[[バウンス]]すると、あたかもトークンをバウンスしたかのように消滅してしまい、クローンが手札に戻らないバクが存在する。
*例:[[ミラーリ/Mirari]]で、キッカー・コストを支払った[[ウルザの激怒/Urza's Rage]]をコピーしたなら、与えられる[[ダメージ]]は3点ではなく、10点である。そしてコピーも打ち消されない。これはテキストにそう書かれているからである。
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==コピー効果によるコピー可能な値の変化==
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コピー効果は、コピー可能な値を'''上書き'''する。
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*[[ルーン爪の熊/Runeclaw Bear]]をコピーしたクローンを[[対象]][[大笑いの写し身/Cackling Counterpart]]を唱えた場合、出てくる[[トークン]]はクローンではなく、ルーン爪の熊の特性を持つ。
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コピー効果の中には、コピーに能力を与えたり、ある特性はコピーしなかったり、あるいは逆に新たに特性を追加するものがある。それらはコピー可能な値となる。
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*[[幻影の像/Phantasmal Image]]が自身の能力でルーン爪の熊のコピーとして戦場に出た。コピーはルーン爪の熊の特性に加えて[[イリュージョン]][[クリーチャー・タイプ]]と「この[[クリーチャー]]が呪文や能力の対象になったとき、それを[[生け贄に捧げる]]。」という能力を持っている。これをクローンでコピーした場合、クローンもイリュージョンと生け贄に捧げる能力を持ったルーン爪の熊のコピーとなる。
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**そのクローンをさらに[[ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph]]がコピーした場合、[[アーティファクト]]の[[カード・タイプ]]とイリュージョンのクリーチャー・タイプと生け贄に捧げる能力を加えたルーン爪の熊となる。
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ある特性をコピーしなかったり、特性を修整するコピー効果を適用する場合、その特性を定義するコピー元の[[特性定義能力]]や、色指標はコピーされない。ただし「他のタイプに加えて」と指示されている場合は、通常通り特性定義能力もコピーする。
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*[[水銀のガルガンチュアン/Quicksilver Gargantuan]]は「あなたは「水銀のガルガンチュアンはそれが7/7であることを除いて、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る」を選んでもよい。」というクリーチャーである。水銀のガルガンチュアンが、パワーとタフネスを定義する特性定義能力を持つ[[タルモゴイフ/Tarmogoyf]]のコピーとして戦場に出る場合、水銀のガルガンチュアンはその能力を持たず、7/7として戦場に出る。
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*[[玻璃池のミミック/Glasspool Mimic]]のコピー能力は「それの他のタイプに加えて多相の戦士・ならず者であることを除き」とされている。これで[[多相]]を持つクリーチャーをコピーすると、多相もコピーされてすべてのクリーチャー・タイプを持つことになる。
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==「戦場に出るに際し」「表になるに際し」の能力によるコピー可能な値の変化==
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オブジェクトの「戦場に出るに際し」「表になるに際し」パワーとタフネスを定義する能力による特性への影響は、パワーとタフネス以外に変更される特性を含めコピー可能な値となる([[原初の土/Primal Clay]][[ドラゴンプラズマ/Dracoplasm]]、[[水変化の精体/Aquamorph Entity]])。これらのコピーとして戦場に出る場合は新たに置換されるので関係ないが、すでに戦場にあるオブジェクトがこれらのコピーになる場合にはこれらの特性がコピーされる。
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*例:[[謎の原形質/Cryptoplasm]]が自身の能力で、「それの他のタイプに加えて、[[防衛]]を持つ1/6の[[壁]]・[[アーティファクト・クリーチャー]]」を選んだ原初の土をコピーした。謎の原形質は1/6であり壁のクリーチャー・タイプと防衛を持つ。
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戦場に出る際や表になる際の能力でも、特性を直接は変更しない効果はコピー可能な値ではない。[[縫合グール/Sutured Ghoul]]でどのクリーチャーを[[追放]]しているかや[[多相の戦士/Shapeshifter]]の数字はコピー可能な値にならない。
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「戦場に出るに際し」「表になるに際し」効果を発揮する能力でも、パワーとタフネスを定義しない場合その他の特性もコピー可能な値とならない。
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*例:[[アナボルバー/Anavolver]]は戦場に出るに際し[[飛行]]を得る能力を持つが、これはパワーとタフネスを定義する能力では無いのでこの飛行はコピー可能な値ではない。
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==スタック上のオブジェクトのコピー==
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コピーするのが[[スタック]]にあるオブジェクトの場合、[[唱える]]時([[起動]]する時)に行なわれた選択もコピーする。すなわち、[[モード]]、[[対象]]、[[X]]の値、[[キッカー]]したかどうか、複数の対象にどのように影響を与えるか、などはコピーされる。また、支払われたマナはコピーされないが、コストを支払う際に用いたオブジェクトを参照する場合、コピー元と同じオブジェクトを参照する。
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*例:[[追加コスト]]としてパワー3のクリーチャーを生け贄に捧げた[[投げ飛ばし/Fling]]をコピーした場合、コピーの方も3点のダメージを与える。
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*例:キッカーした[[ウルザの激怒/Urza's Rage]]をコピーしたなら、コピーが与える[[ダメージ]]も10点になり、[[軽減されない|軽減されなく]]なる。
 
*例:「[[エンチャント]]を[[破壊]]する」モードを選択した[[外殻貫通/Hull Breach]]をコピーしたなら、コピーも「エンチャントを破壊する」モードを選択したことになる。
 
*例:「[[エンチャント]]を[[破壊]]する」モードを選択した[[外殻貫通/Hull Breach]]をコピーしたなら、コピーも「エンチャントを破壊する」モードを選択したことになる。
 
**補足:エンチャントを対象としている[[帰化/Naturalize]]をコピーした場合は、帰化はモードを持つ呪文ではないので、[[アーティファクト]]を対象にできる。コピー作成の際に「コピーの新たな対象を選びなおしてよい」という指示があったときには重要になる。
 
**補足:エンチャントを対象としている[[帰化/Naturalize]]をコピーした場合は、帰化はモードを持つ呪文ではないので、[[アーティファクト]]を対象にできる。コピー作成の際に「コピーの新たな対象を選びなおしてよい」という指示があったときには重要になる。
*例:[[双呪]]でプレイされた[[手綱取り/Grab the Reins]]をコピーしたなら、コピーもすべてのモードを選択したことになる。
+
*例:「[[すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All]][[マナ]]を使用して唱えられた[[火の玉/Fireball]]」をコピーした場合、コピーした方の呪文は他の呪文や能力で[[打ち消す]]ことができる。なぜなら、どのマナを支払ったかという情報はコピーされないため、コピーは「呪文や能力が[[打ち消されない]]」効果を持たないからである。
*例:[[祝福の息吹/Blessed Breath]][[連繋]]した[[氷河の光線/Glacial Ray]]をコピーしたなら、連繋により追加されたテキストもコピーされる。
+
*例:[[青マナ]]を使用して唱えられた[[夜の飾り紐/Ribbons of Night]]をコピーした場合、そのコピーではカードを[[引く|引け]]ない。どのマナを支払ったかという情報はコピーされないからである。
*例:[[追加コスト]]としてパワー3のクリーチャーを生け贄に捧げた[[投げ飛ばし/Fling]]をコピーした場合、コピーの方も3点のダメージを与える。
+
*例:[[双呪]]で唱えられた[[手綱取り/Grab the Reins]]をコピーしたなら、コピーもすべてのモードを選択したことになる。
 
+
*例:[[祝福の息吹/Blessed Breath]][[連繋]]した[[氷河の光線/Glacial Ray]]をコピーしたなら、連繋により追加された[[ルール文章]]もコピーされる。
[[水変化の精体/Aquamorph Entity]]登場当初、これが[[裏向き]]から表向きになった際の[[能力]]で設定されたP/Tがコピー可能な値か否かに関して議論があった。これは、[[総合ルール]]のコピー可能な値に関する記述に「表になるに際し」の能力のことが含まれていなかったため。現在の総合ルールでは「表になるに際し」もコピー可能な値を設定するものとして記述されており、解釈が明確になっている。
+
*例:墓地から唱えられた[[高まる復讐心/Increasing Vengeance]]をコピーしても、コピーは唱えられていないので効果が2倍になる事は無い。
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[[種類別]]
 
*[[種類別]]
 
*[[継続的効果]]
 
*[[継続的効果]]
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*[[ルーリング]]
  
{{#cr:706.2}}
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2022年12月25日 (日) 10:25時点における最新版

コピー可能な値/Copiable Valueとは、オブジェクトコピーする場合、コピー元のオブジェクトが持つ特性のうち参照可能であるものの総称である。

目次

[編集] 定義

コピー可能な値とは、オブジェクトの特性のうち、

という「カードに印刷された値」に加え

を加味したものである。

  • 能力は通常直接はコピーされない。マナ・コストや色指標、あるいはルール文章をコピーすることで、間接的に原本と同じものを持つようになる。
  • トークンのコピー可能な値は、それを戦場に出した効果が定めた値にコピー効果と戦場に出るに際しの影響を加味した値となる。
    • コピー効果やトークンを戦場に出す効果によって、色や能力がコピー可能な値になる事が有り得る。

その他裏向きのオブジェクト、反転カード両面カードのコピー可能な値は、各ページを参照。

[編集] コピーされないもの

コピー効果ではない継続的効果や、上に乗ったカウンターはコピーされない。また、「タップ状態」などのオブジェクトの位相もコピーされない。

  • 例:力強い跳躍/Mighty Leapにより+2/+2の修整飛行を得ている灰色熊/Grizzly Bearsクローン/Cloneでコピーした場合、クローンは単に2/2の灰色熊として戦場に出る。力強い跳躍による継続的効果はコピー可能な値ではない。
  • 例:搭乗クリーチャー化している機体をクローンでコピーした場合、クローンはクリーチャー化していない機体として戦場に出る。「ターン終了時まで、このパーマネントはアーティファクト・クリーチャーになる。」という継続的効果はコピー可能な値ではない。
  • 例:+1/+1カウンターが3つ置かれた始源のハイドラ/Primordial Hydraをクローンがコピーした場合、クローンは+1/+1カウンターが置かれてない状態で戦場に出る。コピーするオブジェクトにいくつカウンターが置かれているかはコピー可能な値ではないし、クローン自身のXの値は未定義なので0として扱う。

コピー元のパーマネントに関して行なわれた選択はコピーされないが、何かを選ぶ能力はコピーも得る。オブジェクトが他のオブジェクトのコピーとして戦場に出る場合、そのコントローラーは全ての「戦場に出るに際し」ての選択を行なう。

  • 例:クローンが戦場に出るに際し、順応する自動機械/Adaptive Automatonのコピーとして戦場に出る事を選んだ。コピーは「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力も得ているので、戦場に出るに際しクローンのコントローラーは能力に従ってクリーチャー・タイプを1つ選ぶ。
  • 例:謎の原形質が自身の能力で順応する自動機械のコピーになった。謎の原型質は「順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ」という能力も得ているが、既に戦場に出ているのでタイプを選択する事は無い。コピーの順応する自動機械はクリーチャー・タイプを得る事は無いし他のクリーチャーに修整を与える事も無い。

トークンであること」は、コピー可能な値として定義されてない。

  • 例:トークンクリーチャーをコピーしたクローン/Cloneは、トークンではないため、「トークンでないクリーチャーを対象とする」呪文や能力の対象としてもよい。
  • デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズの一部のバージョンでは、トークンをコピーしたクローンをバウンスすると、あたかもトークンをバウンスしたかのように消滅してしまい、クローンが手札に戻らないバクが存在する。

[編集] コピー効果によるコピー可能な値の変化

コピー効果は、コピー可能な値を上書きする。

コピー効果の中には、コピーに能力を与えたり、ある特性はコピーしなかったり、あるいは逆に新たに特性を追加するものがある。それらはコピー可能な値となる。

ある特性をコピーしなかったり、特性を修整するコピー効果を適用する場合、その特性を定義するコピー元の特性定義能力や、色指標はコピーされない。ただし「他のタイプに加えて」と指示されている場合は、通常通り特性定義能力もコピーする。

  • 水銀のガルガンチュアン/Quicksilver Gargantuanは「あなたは「水銀のガルガンチュアンはそれが7/7であることを除いて、戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出る」を選んでもよい。」というクリーチャーである。水銀のガルガンチュアンが、パワーとタフネスを定義する特性定義能力を持つタルモゴイフ/Tarmogoyfのコピーとして戦場に出る場合、水銀のガルガンチュアンはその能力を持たず、7/7として戦場に出る。
  • 玻璃池のミミック/Glasspool Mimicのコピー能力は「それの他のタイプに加えて多相の戦士・ならず者であることを除き」とされている。これで多相を持つクリーチャーをコピーすると、多相もコピーされてすべてのクリーチャー・タイプを持つことになる。

[編集] 「戦場に出るに際し」「表になるに際し」の能力によるコピー可能な値の変化

オブジェクトの「戦場に出るに際し」「表になるに際し」パワーとタフネスを定義する能力による特性への影響は、パワーとタフネス以外に変更される特性を含めコピー可能な値となる(原初の土/Primal Clayドラゴンプラズマ/Dracoplasm水変化の精体/Aquamorph Entity)。これらのコピーとして戦場に出る場合は新たに置換されるので関係ないが、すでに戦場にあるオブジェクトがこれらのコピーになる場合にはこれらの特性がコピーされる。

戦場に出る際や表になる際の能力でも、特性を直接は変更しない効果はコピー可能な値ではない。縫合グール/Sutured Ghoulでどのクリーチャーを追放しているかや多相の戦士/Shapeshifterの数字はコピー可能な値にならない。

「戦場に出るに際し」「表になるに際し」効果を発揮する能力でも、パワーとタフネスを定義しない場合その他の特性もコピー可能な値とならない。

  • 例:アナボルバー/Anavolverは戦場に出るに際し飛行を得る能力を持つが、これはパワーとタフネスを定義する能力では無いのでこの飛行はコピー可能な値ではない。

[編集] スタック上のオブジェクトのコピー

コピーするのがスタックにあるオブジェクトの場合、唱える時(起動する時)に行なわれた選択もコピーする。すなわち、モード対象Xの値、キッカーしたかどうか、複数の対象にどのように影響を与えるか、などはコピーされる。また、支払われたマナはコピーされないが、コストを支払う際に用いたオブジェクトを参照する場合、コピー元と同じオブジェクトを参照する。

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

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