大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator
提供:MTG Wiki
伝説のプレインズウォーカー — カーン(Karn)
対戦相手がコントロールしているアーティファクトの起動型能力は起動できない。
[+1]:クリーチャーでないアーティファクト最大1つを対象とする。あなたの次のターンまで、それはパワーとタフネスがそれぞれそれのマナ総量に等しいアーティファクト・クリーチャーになる。
[-2]:あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーであるアーティファクト・カード1枚を公開するか、追放領域にあるあなたがオーナーである表向きのアーティファクト・カード1枚を選んでもよい。そのカードをあなたの手札に加える。
ゲートウォッチ/The Gatewatchに協力しラヴニカ/Ravnicaへやってきたカーン。常在型能力は対戦相手のアーティファクトの起動型能力禁止。忠誠度能力はアーティファクトのクリーチャー化と、ゲームの外部や追放領域からのアーティファクトサーチ。
目次 |
[編集] 解説
- 常在型能力
- 対戦相手限定の無のロッド/Null Rod。
- この手の能力では珍しく、マナ・アーティファクトなどのマナ能力も起動できなくなる。無のロッドは自分のアーティファクトも巻き込まれるという欠点があったが、これは対戦相手だけの一方的なもの。アーティファクト満載のデッキにも投入できる、モダンやエターナルでより輝く能力。
- +1能力
- 銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golemの起動型能力。
- 自軍のアーティファクトをクリーチャー化して戦力にするもよし、対戦相手のアーティファクトをクリーチャーにすることで除去を当てるもよし、と器用な能力。ただし後者の使用法は対戦相手の構築に依存するため、自分のデッキをアーティファクトに寄せた構築にするのが王道だろう。
- 機体をクリーチャー化することもできるが、同時期のスタンダードではウェザーライト/Weatherlightや征服者のガレオン船/Conqueror's Galleonなど大振りなカードが中心なので癖が強い。
- 手掛かりや宝物などのアーティファクトトークン、マナ総量が0となる虚空の杯/Chalice of the Voidを除去できる点は覚えておきたい。
- 同様にアーティファクト・土地に対しても除去となる。液鋼の塗膜/Liquimetal Coatingなどのアーティファクト化手段と併用することで土地破壊としても使える。
- -2能力
- 通常のゲーム進行では触れ得ないところからアーティファクトを呼び出す。銀製の身体を持つカーンならではの、時空を越えた干渉能力。
- 願いのようにサイドボードからシルバーバレットすることで様々な状況に対応できる。さらに初期忠誠度から連打できるので、カード・アドバンテージもほぼ約束してくれる強力な能力。常在型能力や+1能力とシナジーするアーティファクトを持ってくる、墓地対策などで追放されてしまったアーティファクトを回収する、血清の粉末/Serum Powderや大祖始の遺産/Relic of Progenitusなど自分から追放領域を利用するカードと組み合わせる、などなど様々な強みを持つ。
- 何度も能力を起動できる状況を作れれば、無限ループ防止のためなどで追放されるデメリット能力を持つカードを逆にループのパーツにしてしまうことも可能。
[編集] 活躍
[編集] スタンダード
登場時のスタンダードではアーティファクトをフィーチャーしたデッキが存在しないため、いささか使いづらい部類には入る。しかし不滅の太陽/The Immortal Sunなどの特定のデッキに対して強烈な対策となるアーティファクトは存在するため、それらのシルバーバレット戦略のための採用は充分に考えられる。基本セット2020が参入するとアーティファクトの起動型能力を重視したケシス・コンボとゴロス・スケープシフトがトップメタとなり、対抗策として各色のミッドレンジに投入される例が散見された。
[編集] リミテッド
リミテッド(灯争大戦)ではアンコモン以下のアーティファクトはほとんど凡庸なアーティファクト・クリーチャーかマナ総量が低いマナ・アーティファクトであり、サイドボードから持ってきたりクリーチャー化したりすれば強力なのは王神の立像/God-Pharaoh's Statueぐらいなので、攻撃に使うにも対策に使うにも活躍の場は限られる。
[編集] パイオニア
パイオニアでは後述の禁止指定までの間、主に緑単信心で採用され、ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyxによる大量マナでウィッシュボード先をすぐさま唱えることを可能としていた。死に至る大釜/Pestilent Cauldronや石の脳/The Stone Brainによる無限コンボ型においては、あちらが第2面の使用後に追放される点を逆利用できるコンボパーツとなった。ローナ・コンボでも無限マナから石の脳による無限コンボを始動するフィニッシャーを務めていた。
[編集] モダン
モダンではウルザトロンを中心に採用される。特にマイコシンスの格子/Mycosynth Latticeとのコンボが強力で、合計10マナかかるが-2能力でサイドボードのマイコシンスの格子を手札に加えられるため実質1枚コンボであり、決まれば土地のマナ能力を封じてロック状態に持ち込むことができた。このコンボが問題視され、マイコシンスの格子が禁止される原因になったが、カーン自体の汎用性の高さゆえにウルザトロンでの採用率は衰えていない。また、黒単貴重品室でも採用される。
[編集] レガシー
レガシー以下では引き続きマイコシンスの格子とのコンボが使用可能で、大量マナを捻出できる緑単トロンなどで採用される。また、そこまで大量マナを出せないデッキでも、液鋼の塗膜/Liquimetal Coatingで相手の土地をアーティファクト化してから、+1能力で0/0クリーチャー化で除去、といったコンボを目当てに採用されることもある。ペインターではコンボパーツのサーチに使われるほか、カーンエコーでも採用される。
[編集] ヴィンテージ
ヴィンテージでも極めて強力。常在型能力でSoloMoxenを無力化し、対戦相手がもたついている間に-2能力でTime Vaultと通電式キー/Voltaic Keyか多用途の鍵/Manifold Keyを揃え、無限ターンで勝利できる。
[編集] ヒストリック
ヒストリックでも極めて強力。特に、サイドボードを全てウィッシュボードにできるBO1ルールにおいてはヴィンテージより強力な性能を発揮する事もある。主な使い方はアーティファクト絡みのコンボデッキにおけるウィッシュボード要員で、対戦相手のデッキタイプに関わらず液鋼の塗膜/Liquimetal Coatingとのコンボを使用でき、彼我のデッキと相性の良いアーティファクトを複数種類採用できる。対戦相手のカーンへの対策として採用されることもある。
[編集] ルール
- 常在型能力
- -2能力
[編集] 禁止・制限指定
2019年8月30日(Magic Onlineでは8月26日)より、ヴィンテージで制限カードに指定される[1]。上記の無限ターンコンボもさることながら、特にSoloMoxenの封殺でゲーム序盤のやり取りを減少させていたことが原因。
2023年12月4日より、パイオニアで禁止カードに指定される[2]。禁止直前の環境では以前ほど活躍していなかったものの、高い対応力と容易に無限コンボを成立させる機能・アーティファクトへの妨害性能から、メタゲームを歪ませる力が強いと判断されたため。
[編集] 関連カード
- 銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem
- 解放された者、カーン/Karn Liberated
- ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza
- 大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator
- 生けるレガシー、カーン/Karn, Living Legacy
- 再鍛されたレガシー、カーン/Karn, Legacy Reforged
[編集] 開発秘話
カーンは色マナを要求しないので、どんなデッキにも入ることのないよう、特定の状況だけで有効な、非常に狭い能力を持たせることが求められた。能力は3つともアーティファクトに関連したものとなり、特に+1能力は、銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver GolemやKarn(ヴァンガード)で扱ったアーティファクトのクリーチャー化になった[3]。
[編集] ストーリー
詳細はカーン/Karnを参照。
[編集] 脚注
- ↑ August 26, 2019 Banned and Restricted Announcement/2019年8月26日 禁止制限告知
- ↑ December 4, 2023 Banned and Restricted Announcement/2023年12月4日 禁止制限告知(Daily MTG 2023年12月4日 Dan Musser著)
- ↑ More War Games/さらなる大戦のゲーム(Making Magic 2019年4月29日 Mark Rosewater著)