シュナイダーポックス
提供:MTG Wiki
シュナイダーポックス(Schneider Pox)は、Jay Schneiderが考案した悪疫/Poxを主軸とした黒コントロールデッキ。
目次 |
テンペスト・ブロック期
ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期のスタンダード、および同時期のエクステンデッドで活躍。基本的戦略は、アドバンテージを生み出すカードを多用して対戦相手より多くのリソースを展開し、自分のリソースが残る程度に悪疫/Poxを唱え、残ったリソースか早いリカバリーによって勝利することである。
アドバンテージを得る手段として、呆然/Stuporなどの手札破壊、悪魔の布告/Diabolic Edictなどの除去、ユーティリティー的な動きをする葬送の魔除け/Funeral Charm、また一部ではマナ・アドバンテージを取るために涙の雨/Rain of Tearsや押し寄せる砂/Choking Sandsなどの土地破壊が採用された。
悪疫はエンチャント、アーティファクトには影響を及ぼさないため、アーティファクトやエンチャントを多用する。
- マナ加速のためにモックス・ダイアモンド/Mox Diamondや炭色のダイアモンド/Charcoal Diamondなどのマナ・アーティファクト。
- ダメージソースとして、持たざる者の檻/Paupers' Cage、煮沸ばさみ/Scalding Tongs、呪われた巻物/Cursed Scroll。
- ロック要素として、罠の橋/Ensnaring Bridge、底なしの奈落/Bottomless Pit、無のブローチ/Null Brooch。
などが採用された。特に、罠の橋と無のブローチで対戦相手をロックし、呪われた巻物で攻めるデッキをエンプティ・ハンドロックと呼ぶ。
また、ダンシング・ノームと組み合わせ、悪疫で減少したライフとクリーチャーのアドバンテージを得るデッキも存在した。
序盤の手札破壊のため、当時のコンボやコントロールデッキなどの低速のデッキに対して有利であった。除去にも特化しているため、当時の5CG、5CB等にも比較的耐性があった。しかし、序盤にクリーチャーを大量展開する、スーサイドブラックやスライなどには除去が追いつかず、また、悪疫を打つデッキの定めとして、バーンには非常にもろかった。そのため鋼のゴーレム/Steel Golemを2,3枚入れたバージョンもある。
さらに、上記のエンプティ・ハンドロックなど、エンチャントやアーティファクトによるコントロールを主軸に置くデッキの場合、エンチャントやアーティファクトの大量破壊に非常にもろい。
ウルザ・ブロック登場後は、MoMaの台頭により鳴りを潜め、その後第6版に悪疫が採用されなかったことからスタンダードより完全に姿を消した。
- デスクラウドの祖先といえるデッキ。
- MTG漫画『デュエルファイター刃』で主人公のライバルが決勝戦で使用したデッキがこれであり、その知名度を一気に高めた。
サンプルレシピ
- 備考
- 世界選手権99 エクステンデッド部門 ベスト8 (参考)
- 使用者:Royce Chai
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (3) | |
3 | 鋼のゴーレム/Steel Golem |
インスタント・ソーサリー (24) | |
4 | 暗黒の儀式/Dark Ritual |
2 | Demonic Consultation |
3 | 悪魔の布告/Diabolic Edict |
4 | 強迫/Duress |
3 | 葬送の魔除け/Funeral Charm |
4 | Hymn to Tourach |
2 | 悪疫/Pox |
2 | ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will |
エンチャント・アーティファクト (11) | |
3 | 呪われた巻物/Cursed Scroll |
4 | 拷問台/The Rack |
4 | ウルザのガラクタ/Urza's Bauble |
土地 (22) | |
3 | ミシュラの工廠/Mishra's Factory |
4 | 不毛の大地/Wasteland |
15 | 沼/Swamp |
サイドボード | |
2 | 砂のゴーレム/Sand Golem |
3 | ボトルのノーム/Bottle Gnomes |
3 | 底なしの奈落/Bottomless Pit |
2 | トーモッドの墓所/Tormod's Crypt |
1 | ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will |
1 | 恐怖/Terror |
1 | 葬送の魔除け/Funeral Charm |
2 | Dystopia |
- エクステンデッドタイプのデッキ。
- ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Willを活かすためにウルザのガラクタ/Urza's Baubleが投入されている。
レガシー
現在は、エターナルでしか見られなくなってしまったこのデッキだが、時のらせんにて小悪疫/Smallpoxが登場。それにより「8Pox」体制が可能となり、レガシーで復活してきている。
黒コントロール系の総力を結集したような、昔からのアーキタイプのレガシー版のデッキにおいて見られる「総力戦」的な構成である。低マナかつ強力なカードの多いレガシーでは、プレイヤーによっては悪疫/Poxが少々重く感じられるため、悪疫の枚数を少し落としている場合も多い。
手札破壊にHymn to Tourach、思考囲い/Thoughtseize、強迫/Duressなど、土地に対しては、本家悪疫をはじめ、新たに獲得した小悪疫、Sinkhole、不毛の大地/Wastelandなど、クリーチャー除去には、上記の「8Pox」に加え、クリーチャーの少ないこのデッキならではの無垢の血/Innocent Bloodなど、戦場に残るリソースとして、世界のるつぼ/Crucible of Worlds、キマイラ像/Chimeric Idol、ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totemなどが採用される。世界のるつぼは不毛の大地や各種フェッチランドとも相性がよい。
アタッカーには「8Pox」と相性の良い冥界のスピリット/Nether Spirit、恐血鬼/Bloodghastや、キマイラ像、ファイレクシアのトーテム像などのアーティファクトのほか、ミシュラの工廠/Mishra's Factoryも採用される。未来予知で、早期に墓地が肥えるこのデッキとマッチした能力を持つ墓忍び/Tombstalkerや、手札破壊などと相性の良いニヒリス/Nihilithが登場したことによって、打撃力が大幅に向上した。
白を加えて、最強の除去こと剣を鍬に/Swords to Plowsharesや万能除去の名誉回復/Vindicateを加えたり、悟りの教示者/Enlightened Tutorによるシルバーバレットを取り入れたりして、柔軟な対応ができる構成にしたタイプも多い。
土地については不毛の大地やミシュラの工廠を使うことからヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmothが用いられることが多い。また、マナ不足とならないようにダクムーアの回収場/Dakmor Salvageも相性が良い。
その他、壌土からの生命/Life from the Loamとモックス・ダイアモンド/Mox Diamondを取り入れたタイプや、軽い小悪疫の方だけを採用した、いわば「Poxless Pox」など、好みやメタによって選択するカードに幅があるのもこのデッキの特徴といえる。