青
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青/Blueは、マジック:ザ・ギャザリングにおける色の1つ。
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色の特徴
謀略と操作の色であり、島からマナを引き出しマーフォークやスフィンクスを召喚する。白と黒を友好色とし、赤と緑を対抗色とする。略号はU。
色の役割
クリーチャーが得意なキーワード能力は飛行、瞬速、呪禁。飛行や呪禁によって相手の行動に関係なく行動できるのが強み。攻撃制限のデメリットを持つコモンのファッティも定番のカードとなっている。クリーチャー・タイプには種族ではドレイク、マーフォーク、ヴィダルケン、スピリット、スフィンクス、海蛇やカニなどの水棲生物など、職業ではウィザードが多い。象徴的クリーチャーはスフィンクス、特徴的クリーチャーはマーフォーク。
エンチャントに関してはコピーしたり、オーラを他のパーマネントに移す効果がたまに登場する。
アーティファクトと相性が良く、サーチ、コスト軽減、アーティファクトのクリーチャー化、アーティファクト・クリーチャーの強化、その他多くのシナジーを持つ。延長して無色とシナジーを形成することもある。
インスタントとソーサリーの扱いにかけては右に出る色は無く、打ち消しの他対象の変更やコピーも可能。果敢を始めとした唱えることで誘発する能力を持つカードも多い。
土地は基本土地タイプを変えることができ、色事故を回避したり、対戦相手の土地タイプを変更し色拘束をかける事ができる。
ドローは1枚のカードで複数枚引けるほか、ライブラリー操作、ルーターも得意としており、手札の量・質ともに高めることができる。前述の打ち消しと合わせることで、1対1の交換を続け戦場の状況を固定させることができる。
一方パーマネントの除去は直接的手段は無く、バウンス、コントロール奪取、アンタップ制限、クリーチャーのパワーのマイナス修整など変則的な手段に限られる。アンタップ制限に関しては永続的にアンタップさせないオーラか、「次のターンのアンタップ・ステップにアンタップしない」といった一時的制限呪文が定期的に収録されるレギュラーとなっている。
幻影の色として、インスタント・ソーサリーだけでなくパーマネントもコピーすることができ、クローン/Cloneを始めとしたコピークリーチャーやコピー・トークンを生成するカードを多く持つ。
マナ加速は無色マナ限定で持ち、マナの使い道に制限がある場合が多い。
その他パーマネントのアンタップ、ライブラリー破壊、文章変更効果、ターンの追加などトリッキーな役割を多く持つ。
色の役割の変更
- 放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer(ティム)、心霊破/Psionic Blast、Psychic Purge、Baki's Curseといった直接火力カードが存在したが、第8版で放蕩魔術師が再録落ちし失った。時のらせんのタイムシフトで復活したが、次元の混乱で登場した放蕩紅蓮術士/Prodigal Pyromancerが第10版に再録されたことにより赤へ完全に移行したことが印象付けられた。
- パワーのみを下げる効果は黒や緑が主に持っていたが、神河ブロック以降、青のものとなった。
- 墓地のカードをライブラリーに戻す効果はTimetwisterなどのリセットの副次効果として持っていたが、追憶/Reminisce以降それ単独の効果のカードも登場するようになった。
- プロパガンダ/Propagandaといった強力なカードがあるため色の役割として攻撃制限を持っているイメージが強いが、実際はそう多くは無い。亡霊の牢獄/Ghostly Prisonが登場し色の役割として白に移行したことが明確になったが、ラヴニカへの回帰ブロックの留置など必要となれば使用する。
- ミラディン・ブロックでの分流/Shuntの登場以降、呪文の対象の変更効果は赤に移行していたが、基本セット2011の移し変え/Redirect以後は元に戻ってきた。
- 「タップし次のアンタップ・ステップにアンタップさせない」タイプの効果は黎明期から持っていたが、基本セット2012の霜のブレス/Frost Breath以降、色の役割として完全に独占し定番効果となっている。
- 廃止されたキーワード能力として、被覆、島渡りや生息条件などを持っていた。
色の理念
真の青への再訪によれば、青は知識を元に完璧さを求める色である。青にとって、個々人は望めば何者にも成れる可能性を持った白紙のキャンバスであり、人生とは生涯をかけて己の可能性を追求し、完璧を目指して向上し続けることだと考えている。青が考えるに、己の可能性を追求する上で最も重要なのは知識(情報)であり、人々は(感情や本能に惑わされずに)知識を元に注意深く慎重に理性的に考えた上で成りたい自分を決め、また成りたい自分になるための計画を立てるべきである。故に、青は知識を得るための手段、研究や教育等を重視している。故に青は個々人が十分な教育を受けられる社会を望んでおり、また社会自体も個々人と同じく完璧を目指して向上するべきだと考えている。
こうしたことから、青が表すものとして、学問、本などの情報集積体、精神/思考、記憶、テレパシー、テレキネシス、時間の活用、支配、操作、綿密さ、複雑さ、小手先の技術、幻影、構築/技術、アーティファクト、人工物、消極性、冷たさ、水/空気の精霊などがある。
青と黒は共に自己利益を求め、自分のありようや自分の行動を自分で決めるべきだと考えており、故に友好色であるとされる。ただし、青は全体利益を求める性質もあるため、その点では黒と対立する。
青と白は共に計画的に全体利益を求める色であり、故に友好色であるとされる。ただし、青は自己利益を求める性質もあるため、その点では白と対立する。
青は自分のありようを自分で自由に選択することを是とするが、緑は自分のあるべき姿は自然界によって既に決められていて、それを変えるべきではないと考えており、故に青と緑は対抗色となっている。
青が理性を持って長期的利益を求める色であるのに対し、赤は感情を持って短期的利益を求める色であるため、青と赤は対抗色となっている。
その他
- 巨大なクリーチャーやコントロールを多く抱えるため、重い呪文が多い(参考:各種カードランキング#色別)
- 日本人が好きな色とよく言われる。
- 禁止カードがやたらに多い色でもある。パワー9の三枚を筆頭に、意外な授かり物/Windfall、精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorと挙げればキリがない。これはドローとサーチに長けた色であるためパワーバランスの調整が難しく、また修繕/Tinkerや精神の願望/Mind's Desireといった強烈なコンボパーツが多数存在することが原因となっている。
- 「青はクリーチャーが貧弱な色」と説明されることが多いが、それは一面だけを見た評価に過ぎない。
- 確かに、青は色の役割においてマナレシオ(コスト対P/T比)による単純比較では最下位と位置付けられている。クリーチャー同士の戦闘を有利にするキーワード能力もほとんど与えられない。コモンクリーチャーのP/Tや戦闘能力の質が如実に反映されやすいリミテッドでは、緑や白の良質なクリーチャーに一方的にやられてしまうことも多い。これらを踏まえて「青のクリーチャーは貧弱」と評価することは誤りではないだろう。
- 一方で、飛行やブロックされない回避能力、呪禁や自己バウンスによる除去耐性、何らかのカード・アドバンテージを獲得できる能力がクリーチャーに与えられており、決して他の色に質で劣るとは言い切れない。青が得意とする大型クリーチャーで言えば、霊異種/AEtherlingのように非常に対処が難しく決定力の高いカードは幾度となく登場している。小型クリーチャーにしても、たびたび部族カードが登場するマーフォークを始めとして、秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsのような単独でも強力なウィニークリーチャーも少なくない。
- エターナルまでカードプールを広げて見ると、秘密を掘り下げる者、瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage、ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique、真の名の宿敵/True-Name Nemesisといった優良クリーチャーが犇めいていることがすぐにわかる。これらを指して「青はクリーチャー最強の色」と評されることもある。(それもまた一面だけを見た評価に過ぎない)
- 構築の幅が制限されるスタンダードでも、カードプールに恵まれれば青単色の純粋なビートダウンデッキがトップメタに食い込むこともある。青単信心が代表的。
参考
- True Blue(Making Magic 2003年8月11日 Mark Rosewater著)
- 真の青――頭は回れど力はからきし(Braingeyser、上の記事の和訳)
- Striving for Perfection(Making Magic 2008年11月8日 Mark Rosewater著 エスパーウィーク記事)
- True Blue Revisited/真の青への再訪(Making Magic 2015年7月20日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- 用語集
色 | |||||||||
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多色 (金) |
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アン・ゲーム専用 | ピンク - 金 - 目の色 | ||||||||
色の関係 | 色の組み合わせ - 友好色 - 対抗色 - カラーパイ - 色の役割 | ||||||||
関連項目 | 無色 - 有色 - 単色カード - 多色カード - 色指標 - 固有色 - デッキカラー |