R&D's Secret Lair
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これがあればホワイト・ライトニングができたり、アンリミテッド版憂鬱/Gloomが防御円にしか効かなくなったり、手札から捨てられたアラビアンナイト版ルフ鳥の卵/Rukh Eggからトークンが出たり、日本語版擬態の仮面/Mask of the Mimicが化け物カードになったりする。
その効果のシンプルさとは裏腹に、解釈が難しい状況を膨大に生み出してしまう、アン・カードきっての問題児。その難解さはかつての謙虚/Humilityが裸足で逃げ出すほど。
現在のオラクルとこのカードの挙動について
最新のオラクル(参考)ではマナ能力の不特定マナ・シンボルが無色マナ・シンボルに変更されている。が、通常はこのカード自身の常在型能力によってそれらは無視されてしまう。 なのでこのカードの効果はテキストに書かれている通りに解決する事になるが、「不特定マナ・シンボルで表されるマナがプレイヤーのマナ・プールに加わる場合、その量の無色マナが加わる」というルールが存在する(CR:106.10)ため、(今のところ)マナ能力を起動した場合は本来の機能通りに無色マナ1点が生成される。
ルール
このカードは、エラッタ等のルール文章変更を無視するだけであって、ルールそのものには一切影響を及ぼさない。アン・ゲーム世界とはいえ、そこがこのカードの肝であり面白いポイントでもあるので、気をつけて処理したい。
- エラーカード、誤植やただの印刷ミスも書かれているようプレイする。
- 例えば悪忌の溶岩走り/Akki Lavarunnerは本来速攻を持つが、日本語版は印刷ミスにより「速効」となってしまっているため速攻を持たない。
- Rocket-Powered Turbo Slugは超速攻を持つが、そんなキーワード能力は総合ルールに書かれていない(注釈文はルールではない)ので、ただのナメクジとなってしまう。
- プロキシカードを使っている場合、オラクルが書かれてあるとして扱うべきである。
- プロキシは何の意味もないただの紙切れと化す、という解釈も考えられる。ただしこの解釈を採用した場合、R&D's Secret Lair自身がプロキシだと永久ループしてしまう。
- このカードによってプロキシが無視される→このカードが単なる置物となる→プロキシを無視するという能力がなくなる→このカードの効力が発揮される→冒頭に戻る。
- プロキシは何の意味もないただの紙切れと化す、という解釈も考えられる。ただしこの解釈を採用した場合、R&D's Secret Lair自身がプロキシだと永久ループしてしまう。
- 書かれている通りにプレイする事が鉄則なのでエラッタがカードに印刷されているAshnod's Couponの訂正は無視できない。
カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプ
- レジェンドは、特別なルールを持たないただのクリーチャー・タイプとして扱う。レジェンド・ルールが関係するのはあくまで特殊タイプの伝説のであって、クリーチャー・タイプのレジェンドではないからである。
- インタラプトやマナ・ソース、召喚(Summon)となっているカードは文字通りのカード・タイプになるが、現在のルールにはそんなカード・タイプは存在しないので、唱えられない。同じく埋葬や生息条件にも注意。またタルモゴイフ/Tarmogoyfでカウントされることも無い。
- オオアゴザウルス/Gnathosaurなどの誤植で存在しないカード・タイプになっているカードも上記と同様である。
- 「Mono Artifact(モノ・アーティファクト)」などは普通に唱えられる。この場合、「Mono」という謎の特殊タイプを持つとして扱われる。
- ミラディン・ブロックまでの壁はルール文章には防衛と書かれていないので、防衛を持たないものとして攻撃に参加できる。
- 壁のルールに関する注釈文があっても、注釈文はルール文章に該当しないため、やはり攻撃できる。
- 第8版より前の基本土地(基本地形)は、特殊タイプの基本を持っていないので基本土地ではないし、基本土地タイプも持っていないので、平地や島や沼や山や森ではない。
- 第6版よりも前のものは、基本土地タイプを持っていることによるマナ能力を持たない。しかし文章欄にマナ能力が書かれているか(リバイズド~第5版)、「(M)をマナプールへ加えるためにタップする」という変な常在型能力を持つ(アルファ~アンリミテッド)ので、それぞれの色マナを出す事が出来る。
- 第6版~第8版以前のものやアングルードのフルアート基本土地は、基本土地タイプを持っていない上に文章欄に何も書かれていないため、マナ能力を持たない、ただの置物になる。
- アンヒンジドやUnstableのフルアート基本土地は、カード・タイプが書かれてないので土地ではない。
- もちろん、基本土地でなくなることによって4枚制限ルールに引っかかるとかいうことは起こらない。ゲームをはじめる前はR&D's Secret Lairが出ていないし、そもそも4枚制限はデッキに関するルールなので、ゲームが始まれば全く問題はない。
- 古い書式のオーラ、例えば「エンチャント(クリーチャー)」は、謎のサブタイプ・「(クリーチャー)」を持つただのエンチャントになる。戦場に出ることはできるが、オーラでもなければエンチャント能力も持っていないので、クリーチャーにエンチャントすることは無い。
- 英語版ならば「Enchant Creature」となっているため謎の特殊タイプ「Enchant」を持つクリーチャーになる(Enchant"ment" Creatureではないのでクリーチャー・エンチャントにはならない)。もちろんパワー・タフネスが定義されていないため即座に墓地に置かれる。ただし、栄光の頌歌/Glorious Anthemなどが出ている場合、それの修整を受けるので戦場に残る事ができる。
- 日本語版の「エンチャントされているクリーチャー」は、静寂の歌/Song of Serenityやラースの風/Winds of Rathのように、「何らかのエンチャントにエンチャントされているクリーチャー」という意味で読むことになる。
- 英語版では「Enchanted creature」と「Enchanted creatures」の意味が異なるので、何も影響しないことになる。静寂の歌/Song of Serenityの項も参照。
- 聖遺の騎士/Knight of the Reliquary等によってR&D's Secret Lairがインスタント・タイミングで戦場に出た場合、スタック上の呪文が現在のマジックに存在するカード・タイプをすべて失ってしまうことがあり得る。こうなると、通常の解決の手順ではそれをパーマネント呪文として戦場に出すことも、インスタントやソーサリー呪文として墓地に置くこともかなわなくなってしまう。
- イクサランより前のプレインズウォーカーは「伝説の」プレインズウォーカーでは無くなるため、同じカードを何枚でも並べる事が出来る。
ルール文章
- 大昔のオーラは、「エンチャントされている(オブジェクト)」ではなく「対象の(オブジェクト)」と書かれている。これらは1つ上の理由により何にもエンチャントできないが、この手のエンチャントはエンチャントする事とは全く関係なく唱える時に対象を取り、それに影響を及ぼすことができる。
- さらに、リミテッド・エディションや第4版の祝福/Blessingのような起動型能力の場合は起動のたびに対象を選ぶ。
- 同じく大昔のカードには起動型能力の書式が「[コスト]:[効果]」ではなく「[コスト] to [効果]」となっているものがある。これは文面によっては「特殊な処理を伴う常在型能力」として扱うことができるものがあるが、難しいところであり、多くの場合、能力を使用できなくなる。
- 第5版以前のカードの中でフェイズやステップに関する記述があるカードも、書かれている通りに扱う。
- 例えばネクロポーテンス/Necropotenceは「ドロー・フェイズ」を飛ばすが、ドロー・ステップは普通にやってくるのでカードが引ける。また、「ディスカード・フェイズ」に追放されたカードを手札に加えるが、そんなフェイズは存在しないのでカードを手札に加えられない。捨てるカードが自動的に追放される、ただのライブラリー削り機と化す。
- ポータルのカードの中で「迎撃」「デッキ」「捨て札置き場」「(対象を意味する)好きな~」など独特の用語が書いてあるカードはすべて無視する。
- 例えば臆病な騎士/Craven Knightが迎撃ができないが、「ブロックできない」と書いていないためブロックできたり、死せざる魔獣/Undying Beastの誘発型能力が誘発できる領域が墓地ではなく「捨て札置き場」なので誘発せずほとんどバニラ同然になったりなどする。
- 他言語で読めない場合も、書いてある意味は変わらないので普通に使用できる。ただし、ゴチなどの言葉には注意。
- ウルザ・ブロックのエコーを持つカードはエコー・コストを持たない。ゆえに「存在しないコストは支払えない」のルールにより、エコー・コストを支払うことができず、アップキープに生け贄に捧げられてしまう。
- 基本セット2010で大幅なルール変更があったため、多くのカードが影響を受ける。
- 「呪文のプレイ」が「呪文を唱える」になったため、休眠エンチャントなどの呪文をプレイしたとき/するたびに誘発する能力は誘発しなくなる。
- 「起動型能力のプレイ」が「起動型能力を起動する」になったため、オールプレイ能力はコントローラーしか起動できなくなる。呪われたトーテム像/Cursed Totem等もなにもしない置物になる。
- 「ターン終了時に」は「終了ステップの開始時に」に変更され、「ターン終了時に」が誘発するタイミングがなくなったため、ターン終了時に誘発する誘発型能力は永遠に誘発されない。
- CR:403.5より、「場」と書かれていたカードは「戦場」を参照することになっているため、「場に出たとき」「場に出す」といった能力は変更前と同様に機能する。また、CR:406.7より、「[パーマネント]をゲームから取り除く」「[カード]を脇に置く」と書かれたカードは、その[パーマネント]または[カード]を追放する。
- 上述のように、このカード自身を含め、無色マナを加えるマナ能力が不特定マナ・シンボルを用いて表記されている場合でも無色マナは生み出せる。
誤植により、大きく効果の変わる主なカード
その他
- もしこのカードの常在型能力に誤植があった場合、これ自身の効果でエラッタを受け付けなくなる。もしそれによって能力が無効になると、再びエラッタを受け付けるようになり、無限ループを形成してしまう。ある意味最高レベルに気を遣う能力といえる。
- 期間限定でアン・カードも使用できる統率者戦では禁止カードに指定された。もしたくさんのカードが並ぶ多人数戦でこんなカードを使おうものならプレイヤー全員が頭を痛めることになるのは想像に難くないし、基本土地すら置物と化してしまう場合があるのは理不尽というほかないだろう。