ストリオン共鳴体/Strionic Resonator
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Strionic Resonator / ストリオン共鳴体 (2)
アーティファクト
アーティファクト
(2),(T):あなたがコントロールする誘発型能力1つを対象とし、それをコピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。(誘発型能力には「~とき」「~たび」「~時に」のいずれかが書かれている。)
誘発型能力をコピーするアーティファクト。スタック上の呪文や起動型能力をコピーするカードはいくつか存在するが、誘発型能力をコピーするものはこれが初。
様々なカードとのシナジーが考えられるが、これ自体は単体では何の仕事もしないカードであり、ちょっとしたシナジーがある程度ならばわざわざこれを採用する必要はない。決まれば勝利できるかそれに準ずるほどの強力なコンボが組めるか、ブリンクや出産の殻のように誘発型能力を持つカードが多く存在するデッキならば採用する価値はあるか。
スタンダードではボロスの反攻者/Boros Reckoner+冒涜の行動/Blasphemous Actの13点ダメージを倍化する使い方が考えられる。モダン以下の環境ではストームとの組み合わせが有力。
- ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearthとは対のようなデザイン。あちらが2マナで起動型能力をコピーする誘発型能力を持つのに対し、こちらは2マナで誘発型能力をコピーする起動型能力を持つ。ただし、マナ・コストは異なる。
無限コンボの例
- 見えざる糸/Hidden Stringsの暗号によってクリーチャーに付与された「戦闘ダメージを与えたときの誘発型能力」をストリオン共鳴体でコピーし、生成された見えざる糸のコピーでストリオン共鳴体と金粉の水蓮/Gilded Lotus(他のタップで3マナ以上生み出せるパーマネントでも可)をアンタップする。同じ操作を繰り返すことで無限マナを生み出せる。登場直後のスタンダードでも(3か月程度ではあるが)成立するコンボ。
- マナは戦闘ダメージ・ステップ中にしか使えないのでその間に決める必要があるが、無限マナを生み出した後は金粉の水蓮をアンタップする必要はなくなるため、見えざる糸の対象を剃刀式鞭/Razortip Whipや石臼/Millstoneなどに切り替えれば勝利できる。
- 時の砂/Sands of Timeの誘発型能力をストリオン共鳴体でコピーすることで、土地などで2マナ以上生み出せる状況であればアーティファクト、クリーチャー、土地のアンタップを無限回行うことができる。他に土地が1枚でもあれば無限マナ。
ルール
ルール文章に書かれていることはシンプルだが、実際に使用するとなると結構ややこしいカード。特に関連している能力に関するルール(CR:607)は、このカードの登場に合わせて改訂されているので注意。
- 基本ルール
- 注釈文にもある通り、基本的には「~とき/when」「~たび/whenever」「~時に/at」のいずれかの語を含むものが誘発型能力である。ただし、誘発型能力である(あるいは誘発型能力を含む)キーワード能力も存在する。
- これはスタック上に存在するオブジェクトとしての誘発型能力をコピーする。パーマネントのルール文章に書かれた誘発型能力そのものを倍化するようなことはできない。
- 地獄乗り/Hellriderを含む5体のクリーチャーで攻撃した場合、1点ダメージを与える誘発型能力5個がスタックに置かれる。このカードを使っても、ダメージ量は1点しか増やすことはできない。
- どのような誘発型能力が「あなたがコントロールする誘発型能力」となるのかについてはコントローラーを参照。
- 誘発型能力の持つ情報のうち、具体的に何がコピーされるのかについてはコピー可能な値を参照。
- コピーの発生源は、元となった誘発型能力の発生源と同一である。
- 個別の事例
- 遅延誘発型能力も誘発型能力の一種であるため、コピーできる。ただし、単に生成されただけの遅延誘発型能力をコピーすることはできない。コピー可能なのは、あくまで誘発してスタックに置かれた遅延誘発型能力である。
- マナ能力である誘発型能力(ザル=ターの古きもの/Zhur-Taa Ancientなど)は、スタックを用いず直ちに解決されるため、コピーすることはできない。
- モードや複数の対象に対する割り振りはコピーされ変更できないが、能力の解決時に行われる選択はコピーされない。
- 天使の散兵/Angelic Skirmisherの誘発型能力はモードの書式ではないので、キーワード能力は解決時に選ぶ。したがって、コピーと元々の能力それぞれで異なるキーワード能力を選択することができる。
- 巨森のハイドラ/Vastwood Hydraの誘発型能力は対象を取らないので、カウンターの割り振りは解決時に決定する。したがって、コピーと元々の能力それぞれで異なる分配をすることができる。昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Starとの違いに注意。
- 「~とき/たび/時に、あなたは~してもよい。そうした場合、~する。」の書式で書かれた誘発型能力(強請など)は、解決時にコストの支払いを行う。そのような能力をコピーした場合、元の能力だけでなくコピーについても、効果を得たければ別途コストを支払う必要がある。
- 一度領域を離れたオブジェクトは、再びその領域に戻ってきても別のオブジェクトとして扱われる点に注意。
- スラーグ牙/Thragtuskを対象とした修復の天使/Restoration AngelのCIP能力をコピーし、対象を変更しなかった場合、コピーのCIP能力によって明滅したスラーグ牙は別のオブジェクトとなっており、元々のCIP能力は対象不適正で立ち消える。
- 絡み根の霊/Strangleroot Geistの不死をコピーし、コピーの不死の解決後に、戦場に戻った絡み根の霊を破滅の刃/Doom Bladeで再び墓地に置いた場合、その後解決される元々の不死は絡み根の霊を戦場に戻すことはできない。
- 両面カードを変身させる誘発型能力をコピーした場合、その両面カードは2度変身し、元の面に戻る。
- 無謀な浮浪者/Reckless Waifの「無謀な浮浪者を変身させる」能力をコピーした場合、まずコピーが解決されて無謀な浮浪者は無慈悲な捕食者/Merciless Predatorに変身する。このケースでの「無謀な浮浪者」はそのオブジェクト自身のことを指しており、また両面カードは変身しても同一のオブジェクトとして扱うことから、元々の変身能力は「無慈悲な捕食者を変身させる」こととなり、無慈悲な捕食者は無謀な浮浪者に戻る。
- 状況誘発である情け知らずのガラク/Garruk Relentlessの場合は、2度変身した後、状況に変化がなければ再度誘発し、夜の面になる。
- 関連している能力
- 誘発型能力が関連している能力を持っていた場合、コピーもそれらの能力と関連する。関連している能力が「追放されたカード」を参照する場合、能力は追放された各カードを参照する。能力が「追放されたカード」の情報を参照する場合、それらは追放された各カードの情報の総和を使用する。能力が「追放されたカード」に何かしようとする場合、それは追放された各カードに対して行われる。
- 金属モックス/Chrome Moxは追放された各カードが持つ色の総和の中から1つ選ぶことができる。
- 鏡のゴーレム/Mirror Golemは追放された各カードのカード・タイプに対するプロテクションを持つ。
- 等時の王笏/Isochron Scepterは1回の起動で、追放された各カードそれぞれについて「コピーを作って唱える」かどうかを選ぶ。
- 忘却の輪/Oblivion Ringの場合、追放されたカードはすべて同時に戦場に戻ってくる。
- 排他の儀式/Exclusion Ritualの場合、追放されたどのカードも唱えることができなくなる。
- 精鋭秘儀術師/Elite Arcanistの起動コストは追放されている各カードの点数で見たマナ・コストの総和となる。解決時に追放された各カードそれぞれについて、好きな順番でそのコピーを唱えるかどうかを選ぶ。1つのカードを選んでその分の起動コストだけ支払うことはできない。
参考
- Resonant Frequency(Daily MTG、From the Lab、文:Mike Cannon)
- コピーカード
- カード個別評価:基本セット2014 - レア