追放

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(追放されたカードを参照するカード)
(一時的なものと一時的でないものに分けて整理。 コストとしての追放に関する解説が不足していたので(黒の役割の箇所で唐突に言及される状態だった)、少し加筆)
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{{Otheruses|キーワード処理および領域|構築済みデッキ|追放/Expulsion}}
 
{{Otheruses|キーワード処理および領域|構築済みデッキ|追放/Expulsion}}
'''追放'''(ついほう)/''Exile''は、[[キーワード処理]]の1つ、およびにそのキーワード処理によって[[オブジェクト]]が置かれる[[領域]]。
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'''追放'''(ついほう)/''Exile''は、
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#[[キーワード処理]]の1つ。
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==キーワード処理の定義==
 
==キーワード処理の定義==
 
[オブジェクト]を'''追放する'''とは、その[オブジェクト]を現在ある領域から追放領域に移動させることを意味する。
 
[オブジェクト]を'''追放する'''とは、その[オブジェクト]を現在ある領域から追放領域に移動させることを意味する。
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==解説==
 
==解説==
[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]における「捨て札置き場」は[[墓地]]であるが、しかし[[リアニメイト]]などのように墓地を利用する[[カード]]の存在から、墓地に置かれたカードは必ずしも[[ゲーム]]から隔離された状態にはなっていない。ゲームから隔離された状態を表現するのには、追放領域が用いられる。完全に隔離するもの(例:[[流刑への道/Path to Exile]]、[[安らかなる眠り/Rest in Peace]])と、一定条件を満たして戻ってくるまでの「仮置き場」として使用するもの(例:[[続唱]]、[[明滅]]、[[ナイトメア能力]])の2種類がある。
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[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]における「捨て札置き場」は[[墓地]]であるが、しかし[[リアニメイト]]などのように墓地を利用する[[カード]]の存在から、墓地に置かれたカードは必ずしも[[ゲーム]]から隔離された状態にはなっていない。ゲームから隔離された状態を表現するのには、追放領域が用いられる。
  
追放領域にあるカードを参照するカードは非常に限られており、何らかの戻す[[効果]]が含まれていなければ、基本的にそのゲームの間で使うことはできない。そのため、戻す手段を持たずに[[対戦相手]]の[[パーマネント]]を追放する効果は、同じパーマネントを[[破壊]]する効果より強力な[[除去]]とされる。イメージは戦闘意志の喪失・別世界への放逐・存在自体の抹消など。
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以下の2種類に大別される。
  
追放を含む効果は5色全てで見られるが、パーマネントの追放は直接の殺傷を嫌う[[]]に最も多く、自然のサイクルから外れることを嫌う[[]]で最も少ない。墓地のカードの追放は死者の冒涜を厭わない[[]]が得意であり、[[墓地対策]]や自分の墓地をリソースにする呪文が頻繁に登場する。
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;一定条件を満たして戻ってくるまでの「仮置き場」として使用するもの(例:[[続唱]][[明滅]][[ナイトメア能力]]
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:一時的に追放する効果は、様々なカードでフレイバーに関係なく使われる。
  
一時的に追放する効果は、様々なカードでフレイバーに関係なく使われる。また、任意のカードを墓地から[[戦場]]や[[手札]]に戻すようなカード、[[追加のターン]]を得るカードは、繰り返し使い回すことによる悪用を防ぐため、自身を追放する効果が含まれていることが多い(例:[[再供給/Restock]]、[[時間の熟達/Temporal Mastery]])。
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;完全に隔離するもの(例:[[流刑への道/Path to Exile]]、[[安らかなる眠り/Rest in Peace]])
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:追放領域にあるカードを参照するカードは非常に限られており、何らかの戻す[[効果]]が含まれていなければ、基本的にそのゲームの間で使うことはできない。そのため、戻す手段を持たずに[[対戦相手]]の[[パーマネント]]を追放する効果は、同じパーマネントを[[破壊]]する効果より強力な[[除去]]とされる。
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:*イメージは「戦闘意志の喪失」「別世界への放逐」「存在自体の抹消」など。
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:また、[[ライブラリー]]や[[手札]]や墓地からカードを追放することが[[コスト]]として要求されることがある。[[回収]]のしづらさから、しばしば[[無限コンボ]]の成立を防ぐのに役立つ。
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:任意のカードを墓地から[[戦場]]や[[手札]]に戻すようなカード、[[追加のターン]]を得るカードは、繰り返し使い回すことによる悪用を防ぐため、自身を追放する効果が含まれていることが多い(例:[[再供給/Restock]]、[[時間の熟達/Temporal Mastery]])。そのほか[[フラッシュバック]]のように、カード自身が使用済みであることを表すために追放することも。
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追放を含む効果は5色全てで見られるが、パーマネントの追放は直接の殺傷を嫌う[[白]]に最も多く、自然のサイクルから外れることを嫌う[[緑]]で最も少ない。墓地のカードの追放は死者の冒涜を厭わない[[黒]]が得意であり、[[墓地対策]]や自分の墓地をリソースにする呪文が頻繁に登場する。
  
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===ルール===
 
*パーマネントを「追放する」のは破壊ではないので、[[再生]]で防ぐことはできず、[[破壊不能]]を持つクリーチャーも追放される。
 
*パーマネントを「追放する」のは破壊ではないので、[[再生]]で防ぐことはできず、[[破壊不能]]を持つクリーチャーも追放される。
 
**同様に、数は少ないが[[スタック]]上の呪文を「追放する」効果もあり(例:[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]、[[時間停止/Time Stop]]、[[精神壊しの罠/Mindbreak Trap]])、これは[[打ち消す]]こととは別なので、[[打ち消されない]]呪文も追放される。「打ち消して、それを墓地に置く代わりに追放する」(例:[[雲散霧消/Dissipate]]、[[遅延/Delay]])とは別なので注意。
 
**同様に、数は少ないが[[スタック]]上の呪文を「追放する」効果もあり(例:[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]、[[時間停止/Time Stop]]、[[精神壊しの罠/Mindbreak Trap]])、これは[[打ち消す]]こととは別なので、[[打ち消されない]]呪文も追放される。「打ち消して、それを墓地に置く代わりに追放する」(例:[[雲散霧消/Dissipate]]、[[遅延/Delay]])とは別なので注意。
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==ゲームから取り除く・ゲーム外領域==
 
==ゲームから取り除く・ゲーム外領域==
キーワード処理の追放は、過去には「'''[[ゲームから取り除く]]'''/''Remove from the game''」(キーワード処理ではない)と呼ばれ、追放領域は、過去には「'''[[ゲーム外]]'''/''Removed from the game''」領域と呼ばれていた。「ゲームから取り除く」「[[脇に置く]]」と書かれていたカードは、[[基本セット2010]]発売に伴う2009年7月11日の[[オラクル]]更新で「追放する」に変更されている。
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キーワード処理の追放は、過去には「'''[[ゲームから取り除く]]'''/''Remove from the game''」(キーワード処理ではない)と呼ばれ、追放領域は、過去には「'''[[ゲーム外]]'''/''Removed from the game''」領域と呼ばれていた。「ゲームから取り除く」「'''[[脇に置く]]'''」と書かれていたカードは、[[基本セット2010]]発売に伴う2009年7月11日の[[オラクル]]更新で「追放する」に変更されている。
  
 
「ゲームから取り除く」という表記は、ゲーム外領域から戻るカードが増え、また[[願い]]の登場によって能動的にゲーム外のカードを持って来られるようになったこともあってあまりふさわしくないものとなり、また、「[[場]]」と同様「ゲーム外」にも「ライブラリー」や「墓地」といった他の領域とイメージが異なり格好悪いという問題もあった。これらの問題を解決するため、基本セット2010の大規模なルール改正によって、他の領域の雰囲気に合わせた'''追放'''へと変更された。(→[http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/42a Magic 2010 Rules Changes]参照)
 
「ゲームから取り除く」という表記は、ゲーム外領域から戻るカードが増え、また[[願い]]の登場によって能動的にゲーム外のカードを持って来られるようになったこともあってあまりふさわしくないものとなり、また、「[[場]]」と同様「ゲーム外」にも「ライブラリー」や「墓地」といった他の領域とイメージが異なり格好悪いという問題もあった。これらの問題を解決するため、基本セット2010の大規模なルール改正によって、他の領域の雰囲気に合わせた'''追放'''へと変更された。(→[http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/42a Magic 2010 Rules Changes]参照)
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**[[標の稲妻/Beacon Bolt]] - 同上。(ラヴニカのギルド)
 
**[[標の稲妻/Beacon Bolt]] - 同上。(ラヴニカのギルド)
 
**[[弾けるドレイク/Crackling Drake]] - 同上。(ラヴニカのギルド)
 
**[[弾けるドレイク/Crackling Drake]] - 同上。(ラヴニカのギルド)
**[[うねる曲線/Serpentine Curve]] - 同上([[ストリクスヘイヴン:魔法学院]])
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**[[うねる曲線/Serpentine Curve]] - 同上。([[ストリクスヘイヴン:魔法学院]])
 
**[[嵐の捕縛/Seize the Storm]] - ほぼ同上だが、追放領域にあるものはフラッシュバック持ちしか数えない。(イニストラード:真夜中の狩り)
 
**[[嵐の捕縛/Seize the Storm]] - ほぼ同上だが、追放領域にあるものはフラッシュバック持ちしか数えない。(イニストラード:真夜中の狩り)
 
*[[オルゾフの簒奪者、ケイヤ/Kaya, Orzhov Usurper]] - 追放領域にある[[対戦相手]]が[[オーナー]]であるカードの枚数に応じた[[ドレイン]]を行う[[忠誠度能力]]を持つ。([[ラヴニカの献身]])
 
*[[オルゾフの簒奪者、ケイヤ/Kaya, Orzhov Usurper]] - 追放領域にある[[対戦相手]]が[[オーナー]]であるカードの枚数に応じた[[ドレイン]]を行う[[忠誠度能力]]を持つ。([[ラヴニカの献身]])

2022年4月7日 (木) 10:09時点における版

追放(ついほう)/Exileは、

  1. キーワード処理の1つ。
  2. そのキーワード処理によってオブジェクトが置かれる領域

目次

キーワード処理の定義

[オブジェクト]を追放するとは、その[オブジェクト]を現在ある領域から追放領域に移動させることを意味する。


Erase / 消去 (白)
インスタント

エンチャント1つを対象とし、それを追放する。



Oblivion Ring / 忘却の輪 (2)(白)
エンチャント

忘却の輪が戦場に出たとき、他の土地でないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
忘却の輪が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。


追放領域に移動されたカードは、追放されたカード/Exiled cardと表現される。

解説

マジックにおける「捨て札置き場」は墓地であるが、しかしリアニメイトなどのように墓地を利用するカードの存在から、墓地に置かれたカードは必ずしもゲームから隔離された状態にはなっていない。ゲームから隔離された状態を表現するのには、追放領域が用いられる。

以下の2種類に大別される。

一定条件を満たして戻ってくるまでの「仮置き場」として使用するもの(例:続唱明滅ナイトメア能力
一時的に追放する効果は、様々なカードでフレイバーに関係なく使われる。
完全に隔離するもの(例:流刑への道/Path to Exile安らかなる眠り/Rest in Peace
追放領域にあるカードを参照するカードは非常に限られており、何らかの戻す効果が含まれていなければ、基本的にそのゲームの間で使うことはできない。そのため、戻す手段を持たずに対戦相手パーマネントを追放する効果は、同じパーマネントを破壊する効果より強力な除去とされる。
  • イメージは「戦闘意志の喪失」「別世界への放逐」「存在自体の抹消」など。
また、ライブラリー手札や墓地からカードを追放することがコストとして要求されることがある。回収のしづらさから、しばしば無限コンボの成立を防ぐのに役立つ。
任意のカードを墓地から戦場手札に戻すようなカード、追加のターンを得るカードは、繰り返し使い回すことによる悪用を防ぐため、自身を追放する効果が含まれていることが多い(例:再供給/Restock時間の熟達/Temporal Mastery)。そのほかフラッシュバックのように、カード自身が使用済みであることを表すために追放することも。

追放を含む効果は5色全てで見られるが、パーマネントの追放は直接の殺傷を嫌うに最も多く、自然のサイクルから外れることを嫌うで最も少ない。墓地のカードの追放は死者の冒涜を厭わないが得意であり、墓地対策や自分の墓地をリソースにする呪文が頻繁に登場する。

ルール

  • パーマネントを「追放する」のは破壊ではないので、再生で防ぐことはできず、破壊不能を持つクリーチャーも追放される。
  • 追放されるカードは、指示が無い限り表向きであり、すべてのプレイヤーに公開されている。裏向きのオブジェクトが追放された場合も表向きになる。
    • 裏向きで追放されたカード(例:ネクロポーテンス/Necropotence)は、説明によって許可されていない限り、どのプレイヤーも見ることはできない。ただし、何らかの効果によって見ることを許可されたプレイヤーは、その効果が終了した後も見ることができる。
  • カードを追放する能力と、「その追放されたカード」や「〜によって追放されたカード」を参照する能力が書かれているオブジェクトにおいて、その2つの能力は関連している能力である。その2番目の能力は、1番目の能力によって追放されたカードのみを参照する。詳細は関連している能力を参照。
  • 追放領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、領域を移動したものと同じように新しいオブジェクトになる。
  • 追放領域も領域であるため、追放されたカードもマイコシンスの格子/Mycosynth Latticeなどによる効果を受ける。

ゲームから取り除く・ゲーム外領域

キーワード処理の追放は、過去には「ゲームから取り除く/Remove from the game」(キーワード処理ではない)と呼ばれ、追放領域は、過去には「ゲーム外/Removed from the game」領域と呼ばれていた。「ゲームから取り除く」「脇に置く」と書かれていたカードは、基本セット2010発売に伴う2009年7月11日のオラクル更新で「追放する」に変更されている。

「ゲームから取り除く」という表記は、ゲーム外領域から戻るカードが増え、また願いの登場によって能動的にゲーム外のカードを持って来られるようになったこともあってあまりふさわしくないものとなり、また、「」と同様「ゲーム外」にも「ライブラリー」や「墓地」といった他の領域とイメージが異なり格好悪いという問題もあった。これらの問題を解決するため、基本セット2010の大規模なルール改正によって、他の領域の雰囲気に合わせた追放へと変更された。(→Magic 2010 Rules Changes参照)

  • この変更によって、変更前は「Remove from the game」と英語で4単語も費やしていた用語が「Exile」の1単語で済むようになった。
  • ゲーム外領域から追放領域になって変わったのは名前だけではない。ゲーム外領域はゲームの外部の一部であったが、追放領域はゲームの内部であるという違いが存在する。これにより、願いなど一部のカードの挙動が大きく変わった。例えばフラッシュバックを使ってしまったインスタント呪文を狡猾な願い/Cunning Wishで引き戻してまた2度使うなどのプレイングが不可能になった。

追放されたカードを参照するカード

どの方法で追放されたカードも参照できるカードの一覧。

その他

  • 以前は、カードが追放領域を参照する場合は基本的に「追放された[オブジェクト]」「追放されている[オブジェクト]」と書かれており、「追放(ゲーム外)領域」という記載があるカードは例外的であった。しかし現在では増えてきており、反復注釈文)や昇華者など、「追放領域」という記述を伴うカード群も登場している。
    • 以前にも、銀枠であれば「ゲーム外領域」という記述が登場するカードが存在していた(AWOL)。
  • 「追放する」と「消滅する」は異なる。「追放する」とは「オブジェクトを追放領域に移動させる」ことであるが、トークンなどが「消滅する」場合、それは単純にどの領域にも存在しなくなる。
  • 過去の英語の表記からリムーブと呼ばれることも多い。ただし、他の用法でも使われる用語なので注意。その他の用法についてはリムーブを参照。
  • 前述したように、追放領域に置かれたカードに干渉できるカードは非常に少ない。Mark Rosewaterはその理由を「マジックには、確実に戻ってこられないようにする方法が必要なのだ。追放領域にあるカードを戻す方法を作れば作るほど、追放領域は第2の墓地にすぎなくなってしまう」と説明している。[1]
    • のちにMarkは昇華者の開発に際してこの方針を「追放したものから利益を得る」ことを防ぐものであると分析し、自分以外がオーナーであるカードに限るのであれば、追放領域のカードをゲームに戻すことも許容されると考えた。[2]

参考

  1. アヴァシングル・レディー その3(Making Magic 2012年5月7日)
  2. 戦乱に向けて その2(Making Magic 2015年9月14日)

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

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