レクターグール
提供:MTG Wiki
(8人の利用者による、間の9版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
− | + | '''レクターグール'''(''Rector Ghoul'')は、[[ウルザ・ブロック]]+[[マスクス・ブロック]]期の[[スタンダード]]と、[[テンペスト]]期の[[エクステンデッド]]に存在した[[コンボ]]系[[デッキ]]。 | |
− | [[ | + | 基本はコンボデッキだが[[アカデミーの学長/Academy Rector]]の強力な[[サーチ]][[能力]]を活かした[[レクターコントロール]]の一種でもある。 |
− | + | [[デッキ]]名は、アカデミーの学長と[[ファイレクシアの食屍鬼/Phyrexian Ghoul]]からだが、この名が付いたのは意外と後になってから。初期は「'''パタリバデッキ'''」とか「'''グールヘイト'''」などと呼ばれていた。 | |
− | + | ==概要== | |
− | + | ||
{{#card:Phyrexian Ghoul}} | {{#card:Phyrexian Ghoul}} | ||
− | |||
{{#card:Pattern of Rebirth}} | {{#card:Pattern of Rebirth}} | ||
− | |||
{{#card:Academy Rector}} | {{#card:Academy Rector}} | ||
− | + | 基本[[コンボ]]は以下の通り。 | |
− | + | #1[[ターン]]目:[[マナ・クリーチャー]]を[[戦場に出す]]。 | |
− | + | #2ターン目:[[ファイレクシアの食屍鬼/Phyrexian Ghoul]]を戦場に出す。 | |
− | + | #3ターン目:[[アカデミーの学長/Academy Rector]]を戦場に出してファイレクシアの食屍鬼の[[能力]]で[[生け贄に捧げる|生け贄に捧げ]]([[パワー]]4)、再誕のパターンを持ってきてマナ・クリーチャーに[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]する。それをさらに生け贄に捧げ(パワー6)、2体目のアカデミーの学長を戦場に出す。またそれを生け贄に捧げ(パワー8)、今度は[[はじける子嚢/Saproling Burst]]を戦場に出し、[[苗木]]・[[トークン]]を6体生み出してすべて生け贄に捧げ、パワー20のファイレクシアの食屍鬼で[[攻撃]]して終了。 | |
− | + | #*[[共生のワーム/Symbiotic Wurm]]が入っていれば、再誕のパターンからスタートした場合でもパワー20になる。 | |
− | + | このデッキのポイントは、途中の[[サーチ]]に活用するアカデミーの学長と再誕のパターンにより[[クリーチャー]]・[[エンチャント]]共に[[サーチ]]して直接戦場に出せるため、応用力と柔軟性が高いことにある。再誕のパターンにより好きな[[ファッティ]]を高速[[召喚]]しつつ、[[悪魔の隷従/Diabolic Servitude]]などの[[リアニメイト]]要素も組み込まれる場合が多い。 | |
− | + | ||
− | + | 初期の[[スタンダード]]版ではトークン生成に[[錯乱した隠遁者/Deranged Hermit]]が採用され、[[対立/Opposition]]と合わせて[[リス対立#ウルザ・ブロック期|リス対立]]との[[ハイブリッドデッキ]]になっていた。この[[ギミック]]は対立の[[ボードコントロール]]を利用して[[コントロール (デッキ)|コントロール]]へと切り替えつつ、20点攻撃時の[[ブロッカー]]排除手段にもなった。 | |
− | + | [[テンペスト]]期の[[エクステンデッド]]、特に[[オンスロート]]以降は上記共生のワームに加え、ファイレクシアの食屍鬼の[[同型再版]]である[[ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk]]も使用可能になり、より安定して3ターンでコンボを決められるようになった。強力な[[手札破壊]][[呪文]]兼アカデミーの学長を生け贄に捧げる手段として[[陰謀団式療法/Cabal Therapy]]が加わったことも大きい。その他、はじける子嚢とコンボをなす[[伏魔殿/Pandemonium]]や、リアニメイト手段として[[繰り返す悪夢/Recurring Nightmare]]も採用された。 | |
− | + | このデッキの弱点は、序盤の[[マナ・クリーチャー]]が[[マナ加速]]と再誕のパターンの土台を兼ねているため、これらを[[焼く|焼かれる]]と動きが止まってしまうということ。そのため[[赤]]に弱く、[[メタゲーム]]の関係で[[トーナメント]]で勝つことは難しかった。[[ぶどう棚/Vine Trellis]]や[[花の壁/Wall of Blossoms]]を採用し、赤への耐性を向上させたものも存在する。 | |
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | [[ぶどう棚/Vine Trellis]]や[[花の壁/Wall of Blossoms]] | + | |
*[[ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk]]がまだ存在していなかった時期の亜種に、5枚目として[[堕天使/Fallen Angel]]を加えた[[エンジェルヘイト]]が存在する。 | *[[ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk]]がまだ存在していなかった時期の亜種に、5枚目として[[堕天使/Fallen Angel]]を加えた[[エンジェルヘイト]]が存在する。 | ||
− | == | + | ===エクステンデッド版=== |
− | + | ||
− | + | ||
*備考 | *備考 | ||
− | **[http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/events/mastersyok03 | + | **[[マスターズ横浜03]] ベスト4 ([http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/events/mastersyok03 参考]) |
**使用者:[[Tomi Walamies]] | **使用者:[[Tomi Walamies]] | ||
*[[フォーマット]] | *[[フォーマット]] | ||
− | **[[エクステンデッド]]([[第6版]] | + | **[[エクステンデッド]]([[第6版]]~[[第8版]]、[[テンペスト]]~[[オンスロート]]) |
− | {| class="wikitable" | + | {| class="wikitable" style="margin:0 auto; text-align:left;" |
|- | |- | ||
− | + | !colspan="2" style="background-color:#dddddd"|メインデッキ (60) | |
|- | |- | ||
− | + | !colspan="2" style="background-color:#ffddee"|クリーチャー (24) | |
|- | |- | ||
− | |4||[[ | + | |4||[[極楽鳥/Birds of Paradise]] |
|- | |- | ||
− | |3||[[ラノワールのエルフ/Llanowar Elves]] | + | |3||[[ラノワールのエルフ/Llanowar Elves]] |
|- | |- | ||
− | |3||[[ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder]] | + | |3||[[ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder]] |
|- | |- | ||
− | |4||[[花の壁/Wall of Blossoms]] | + | |4||[[花の壁/Wall of Blossoms]] |
|- | |- | ||
− | |4||[[アカデミーの学長/Academy Rector]] | + | |4||[[アカデミーの学長/Academy Rector]] |
|- | |- | ||
− | |2||[[ファイレクシアの食屍鬼/Phyrexian Ghoul]] | + | |2||[[ファイレクシアの食屍鬼/Phyrexian Ghoul]] |
|- | |- | ||
− | |2||[[ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk]] | + | |2||[[ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful]] | + | |1||[[戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[共生のワーム/Symbiotic Wurm]] | + | |1||[[共生のワーム/Symbiotic Wurm]] |
|- | |- | ||
− | + | !colspan="2" style="background-color:#eeddff"|呪文 (13) | |
|- | |- | ||
− | |4||[[再誕のパターン/Pattern of Rebirth]] | + | |4||[[再誕のパターン/Pattern of Rebirth]] |
|- | |- | ||
− | |4||[[陰謀団式療法/Cabal Therapy]] | + | |4||[[陰謀団式療法/Cabal Therapy]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[パララクスの波/Parallax Wave]] | + | |1||[[パララクスの波/Parallax Wave]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[未来予知/Future Sight]] | + | |1||[[未来予知/Future Sight]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[繰り返す悪夢/Recurring Nightmare]] | + | |1||[[繰り返す悪夢/Recurring Nightmare]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[崇拝/Worship]] | + | |1||[[崇拝/Worship]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[破滅的な行為/Pernicious Deed]] | + | |1||[[破滅的な行為/Pernicious Deed]] |
|- | |- | ||
− | + | !colspan="2" style="background-color:#ddffee"|土地 (23) | |
|- | |- | ||
− | |1||[[平地/Plains]] | + | |1||[[平地/Plains]] |
|- | |- | ||
− | |3||[[沼/Swamp]] | + | |3||[[沼/Swamp]] |
|- | |- | ||
− | |4||[[森/Forest]] | + | |4||[[森/Forest]] |
|- | |- | ||
− | |2||[[低木林地/Brushland]] | + | |2||[[低木林地/Brushland]] |
|- | |- | ||
− | |4||[[吹きさらしの荒野/Windswept Heath]] | + | |4||[[吹きさらしの荒野/Windswept Heath]] |
|- | |- | ||
− | |4||[[ラノワールの荒原/Llanowar Wastes]] | + | |4||[[ラノワールの荒原/Llanowar Wastes]] |
|- | |- | ||
− | |2||[[真鍮の都/City of Brass]] | + | |2||[[真鍮の都/City of Brass]] |
|- | |- | ||
− | |2||[[樹上の村/Treetop Village]] | + | |2||[[樹上の村/Treetop Village]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower]] | + | |1||[[ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower]] |
|- | |- | ||
− | + | !colspan="2" style="background-color:#ddeeff"|サイドボード | |
|- | |- | ||
− | |2||[[天啓の光/Ray of Revelation]] | + | |2||[[天啓の光/Ray of Revelation]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[秘儀の研究室/Arcane Laboratory]] | + | |1||[[秘儀の研究室/Arcane Laboratory]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[押収/Confiscate]] | + | |1||[[押収/Confiscate]] |
|- | |- | ||
− | |4||[[強迫/Duress]] | + | |4||[[強迫/Duress]] |
|- | |- | ||
− | |2||[[仕組まれた疫病/Engineered Plague]] | + | |2||[[仕組まれた疫病/Engineered Plague]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder]] | + | |1||[[ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[クローサの拳カマール/Kamahl, Fist of Krosa]] | + | |1||[[クローサの拳カマール/Kamahl, Fist of Krosa]] |
|- | |- | ||
− | |1||[[窒息/Choke]] | + | |1||[[窒息/Choke]] |
|- | |- | ||
− | |2||[[破滅的な行為/Pernicious Deed]] | + | |2||[[破滅的な行為/Pernicious Deed]] |
|} | |} | ||
+ | |||
+ | ===レガシー版=== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **[[日本レガシー選手権09]] ベスト8 | ||
+ | **使用者:[[長岡崇之]] | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[レガシー]](~[[基本セット2010]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df301962}} | ||
+ | |||
+ | *こちらは[[レガシー]]仕様の[[デッキ]]。 | ||
+ | *[[フィニッシャー]]に[[大祖始/Progenitus]]を採用、[[自然の秩序/Natural Order]]からの強襲も可能にしている。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | |||
*[[レクターコントロール]] | *[[レクターコントロール]] | ||
*[[エンジェルヘイト]] | *[[エンジェルヘイト]] | ||
+ | *[[デッキ集]] | ||
+ | |||
+ | [[Category:黒緑白デッキ|れくたあくうる]] | ||
+ | [[Category:コンボデッキ|れくたあくうる]] | ||
+ | [[Category:黒緑白コンボデッキ|れくたあくうる]] | ||
+ | [[Category:ウルザ・ブロックを含むスタンダードデッキ|れくたあくうる]] | ||
+ | [[Category:マスクス・ブロックを含むスタンダードデッキ|れくたあくうる]] | ||
+ | [[Category:テンペスト期のエクステンデッドデッキ|れくたあくうる]] | ||
+ | [[Category:レガシーデッキ|れくたあくうる]] |
2023年10月27日 (金) 15:58時点における最新版
レクターグール(Rector Ghoul)は、ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期のスタンダードと、テンペスト期のエクステンデッドに存在したコンボ系デッキ。
基本はコンボデッキだがアカデミーの学長/Academy Rectorの強力なサーチ能力を活かしたレクターコントロールの一種でもある。
デッキ名は、アカデミーの学長とファイレクシアの食屍鬼/Phyrexian Ghoulからだが、この名が付いたのは意外と後になってから。初期は「パタリバデッキ」とか「グールヘイト」などと呼ばれていた。
目次 |
[編集] 概要
クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ゾンビ(Zombie)
クリーチャーを1体、生け贄に捧げる:ファイレクシアの食屍鬼はターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
2/2エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、あなたは「そのクリーチャーのコントローラーは、自分のライブラリーからクリーチャー・カードを1枚探し、そのカードを戦場に出し、その後ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
アカデミーの学長が死亡したとき、あなたはアカデミーの学長を追放してもよい。そうしたなら、あなたのライブラリーからエンチャント・カードを1枚探し、そのカードを戦場に出す。その後ライブラリーを切り直す。
1/2基本コンボは以下の通り。
- 1ターン目:マナ・クリーチャーを戦場に出す。
- 2ターン目:ファイレクシアの食屍鬼/Phyrexian Ghoulを戦場に出す。
- 3ターン目:アカデミーの学長/Academy Rectorを戦場に出してファイレクシアの食屍鬼の能力で生け贄に捧げ(パワー4)、再誕のパターンを持ってきてマナ・クリーチャーにエンチャントする。それをさらに生け贄に捧げ(パワー6)、2体目のアカデミーの学長を戦場に出す。またそれを生け贄に捧げ(パワー8)、今度ははじける子嚢/Saproling Burstを戦場に出し、苗木・トークンを6体生み出してすべて生け贄に捧げ、パワー20のファイレクシアの食屍鬼で攻撃して終了。
- 共生のワーム/Symbiotic Wurmが入っていれば、再誕のパターンからスタートした場合でもパワー20になる。
このデッキのポイントは、途中のサーチに活用するアカデミーの学長と再誕のパターンによりクリーチャー・エンチャント共にサーチして直接戦場に出せるため、応用力と柔軟性が高いことにある。再誕のパターンにより好きなファッティを高速召喚しつつ、悪魔の隷従/Diabolic Servitudeなどのリアニメイト要素も組み込まれる場合が多い。
初期のスタンダード版ではトークン生成に錯乱した隠遁者/Deranged Hermitが採用され、対立/Oppositionと合わせてリス対立とのハイブリッドデッキになっていた。このギミックは対立のボードコントロールを利用してコントロールへと切り替えつつ、20点攻撃時のブロッカー排除手段にもなった。
テンペスト期のエクステンデッド、特にオンスロート以降は上記共生のワームに加え、ファイレクシアの食屍鬼の同型再版であるナントゥーコの鞘虫/Nantuko Huskも使用可能になり、より安定して3ターンでコンボを決められるようになった。強力な手札破壊呪文兼アカデミーの学長を生け贄に捧げる手段として陰謀団式療法/Cabal Therapyが加わったことも大きい。その他、はじける子嚢とコンボをなす伏魔殿/Pandemoniumや、リアニメイト手段として繰り返す悪夢/Recurring Nightmareも採用された。
このデッキの弱点は、序盤のマナ・クリーチャーがマナ加速と再誕のパターンの土台を兼ねているため、これらを焼かれると動きが止まってしまうということ。そのため赤に弱く、メタゲームの関係でトーナメントで勝つことは難しかった。ぶどう棚/Vine Trellisや花の壁/Wall of Blossomsを採用し、赤への耐性を向上させたものも存在する。
- ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Huskがまだ存在していなかった時期の亜種に、5枚目として堕天使/Fallen Angelを加えたエンジェルヘイトが存在する。
[編集] エクステンデッド版
[編集] レガシー版
- 備考
- 日本レガシー選手権09 ベスト8
- 使用者:長岡崇之
- フォーマット
- こちらはレガシー仕様のデッキ。
- フィニッシャーに大祖始/Progenitusを採用、自然の秩序/Natural Orderからの強襲も可能にしている。