平和な心/Pacifism
提供:MTG Wiki
エンチャントしたクリーチャーを平和な気持ちにさせ、戦闘できなくしてしまうオーラ。白の単体除去の基本パターンのひとつ「殺さず無力化する」擬似除去の代表格であり、基本セットの常連であった。
最大の利点は、たったの2マナというコスト・パフォーマンス。単体除去最強の黒でさえ、2マナでとなると恐怖/Terrorのように対象が限定されたり、影の中の貪り/Devour in Shadowのように多大なリスクを要求されたりするのに、そういった制限もない。エンチャントであるためソーサリー・タイミングでしか使用できないが、それを差し引いてもやはり優秀。
とはいえ能力に対しては何も対処できないため、システムクリーチャーに対してはほとんど意味を成さない。また何らかの手段ではずされて無効化される可能性が常にあり、対象や状況によっては確実性に欠ける側面も否めない。特に攻撃クリーチャー指定後にインスタント・タイミングではずされてブロックに回られる危険性は常に意識しておきたい。
つけた対象を戦場に残してしまうのは前述通り欠点ではあるが、状況によっては利点にもなる。例えば通常の除去に強いダークスティールの巨像/Darksteel Colossusなどを押しとどめておくのには有効。維持コスト的なペナルティ能力を持つクリーチャー(奈落の王/Lord of the Pitなど)につけて放置するのも美味しい。
リミテッドでは強力な除去であり、非常に便利なカード。エンチャント破壊カードをピックしていないプレイヤーも珍しくないため、割られる危険性も相対的に低く、かなり頼れる。
構築ではトーナメントレベルのカードではないとみなされがちであるが、状況は選ぶものの軽く扱いやすい除去であるため、メタゲームによっては活躍の余地はある。カードプールが狭いブロック構築ではしばしば見られるし、またスタンダードでもラヴニカ・ブロック期のボロスウィニーや神河ブロック期の青白コントロールなどで採用された。さらにはなんと、旧エクステンデッドのザ・ガンにて、かの剣を鍬に/Swords to Plowsharesよりも優先して投入されていた実績まである。またオーラである点に注目され、ファントム・メナスで脂火玉/Tallowispからのシルバーバレットを前提に使用されていたことも。
ミラージュ、テンペストの2つの大型エキスパンションを経て第6版で基本セットへ登板。そこから基本セット皆勤を続けながら大型エキスパンションに亜種が収録される定番カードであったが、基本セット2015にて再録されず15年のスタンダード皆勤を終えた。そしてタルキール龍紀伝を最後にしばらくスタンダード向けセット自体に再録されず、以降の亜種は全体的にこのカードより使いにくくデザインされる傾向になっていたが、基本セット2020でおよそ5年ぶりに復活した。
- かつてのルールでは伝説のクリーチャーにつけることで、実質的に後続の2枚目も同時に封じ込めることができ非常に効果的であった。基本セット2014でのレジェンド・ルール改正で、2枚目の同名カードを出して1枚目を墓地送りにすることが可能になったため、若干の弱体化となった(参考:レジェンド・ルール、対消滅)。
- 「平和なべ」という通称が存在する。由来は、ウルザズ・サーガからコンスピラシーまで日本語版カードで使用されていたフォントにおいて「心」が「べ」に見えたので、印刷されているカード名が「平和なべ」に見えることから(画像)。もちろんそう見えるだけであって、誤植ではない。
関連カード
先輩には洗脳/Brainwashやセラの獣小屋/Serra Bestiaryなどがある。
主な亜種
- 沈静するリシド/Calming Licid - (2)(白)のリシド・クリーチャー。起動コスト(白)でオーラ化。(ストロングホールド)
- 休止/Cessation - (2)(白)のエターナルエンチャント。(ウルザズ・レガシー)
- 足縄/Hobble - (2)(白)。キャントリップ付き。黒である場合はブロックも不可。(プレーンシフト)
- 衰微の拘束/Manacles of Decay - (1)(白)。対抗色マナを起動コストとする2つの起動型能力付き。(アポカリプス)
- カーターの願望/Kirtar's Desire - (白)。スレッショルドに達するとブロックも不可。(オデッセイ)
- 監獄鎧/Cagemail - (1)(白)。+2/+2の修整を付与する。(ジャッジメント)
- 手の檻/Cage of Hands - (2)(白)。起動コスト(1)(白)で手札に戻る。(神河物語)
- 知恵への怯え/Cowed by Wisdom - (白)。知恵カード。あなたの手札1枚につき(1)を支払わないかぎり。(神河救済)
- 不眠の晒し台/Pillory of the Sleepless - (1)(白)(黒)の多色カード。アップキープごとにライフを1点失わせる。(ギルドパクト)
- 静寂の捕縛/Bound in Silence - (2)(白)のレベルの部族カード。(未来予知)
- 良心の呵責/Weight of Conscience - (1)(白)。共通のクリーチャー・タイプを持つクリーチャーを2体タップすることでエンチャント先を追放できる。(モーニングタイド)
- 結晶化/Crystallization - (緑/青)(白)。エンチャント先が対象になったときそれを追放する。(アラーラ再誕)
- 絞首束縛/Choking Restraints - (2)(白)。(3)(白)(白)と生け贄でエンチャント先を追放する。(異界月)
- 光に目が眩む/Caught in the Brights - (2)(白)。あなたがコントロールする機体が攻撃した時、エンチャント先を追放する。(霊気紛争)
- 至福の休息/Recumbent Bliss - (2)(白)。アップキープごとに自分のライフを1点回復する。(イーブンタイド)
- 護衛の任務/Guard Duty - (白)。防衛付加。(エルドラージ覚醒)
- 空の縛め/Sky Tether - 飛行も失わせる、護衛の任務の上位互換。(ラヴニカの献身)
- 強制された崇拝/Forced Worship - (1)(白)。起動コスト(2)(白)で手札に戻る。(新たなるファイレクシア)
- 統率者の誓約サイクル(義務の誓約/Vow of Dutyなど) - (2)(M)。自分や自分のプレインズウォーカーへの攻撃を封じる。強化修整と能力を与えるため、自軍の強化にも使える。(統率者)
- 信仰の縛め/Bonds of Faith - (1)(白)。人間でない場合のみ。人間には強化として機能する。(イニストラード)
- 月銀の拘束/Bound by Moonsilver - (2)(白)。変身も封じ、エンチャント先を移動できる起動型能力を持つ。(イニストラードを覆う影)
- 幽霊の掌握/Spectral Grasp - (1)(白)。多人数戦用にこちらへの攻撃とブロックのみを出来なくする。(コンスピラシー:王位争奪)
- 特権剥奪/Revoke Privileges - (2)(白)。搭乗も出来ないようにする。(カラデシュ)
- 領事府による拘禁/Captured by the Consulate - (3)(白)。対戦相手が単一の対象を持つ呪文を唱えたとき、それの対象をエンチャント先に変更する。(カラデシュ)
- 強制的永眠/Compulsory Rest - (1)(白)。エンチャント先にボトルのノーム/Bottle Gnomes型の2点回復能力を与えてしまう。(アモンケット)
- 崇高な阻止/Pious Interdiction - (3)(白)。戦場に出た時にライフを2点回復。(イクサラン)
- 光明の縛め/Luminous Bonds - (2)(白)。1マナ重い下位互換。(イクサランの相克)
参考
- 攻撃制限
- ブロック制限
- カード個別評価:タルキール龍紀伝 - コモン
- カード個別評価:オンスロート - コモン
- カード個別評価:ウルザズ・サーガ - コモン
- カード個別評価:テンペスト - コモン
- カード個別評価:ミラージュ - コモン
- カード個別評価:基本セット2020 - コモン
- カード個別評価:基本セット2014 - コモン
- カード個別評価:基本セット2013 - コモン
- カード個別評価:基本セット2012 - コモン
- カード個別評価:基本セット2011 - コモン
- カード個別評価:基本セット2010 - コモン
- カード個別評価:第10版 - コモン
- カード個別評価:第9版 - コモン
- カード個別評価:第8版 - コモン
- カード個別評価:第7版 - コモン
- カード個別評価:第6版 - コモン
- カード個別評価:マスターズ25th - コモン
- カード個別評価:エターナルマスターズ - コモン
- カード個別評価:Tempest Remastered - アンコモン