追放

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追放(ついほう)/Exileは、

  1. キーワード処理の1つ。
  2. そのキーワード処理によってオブジェクトが置かれる領域

目次

キーワード処理の定義

[オブジェクト]を追放するとは、その[オブジェクト]を現在ある領域から追放領域に移動させることを意味する。


Erase / 消去 (白)
インスタント

エンチャント1つを対象とし、それを追放する。



Oblivion Ring / 忘却の輪 (2)(白)
エンチャント

忘却の輪が戦場に出たとき、他の土地でないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
忘却の輪が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。


追放領域に移動されたカードは、追放されたカード/Exiled cardと表現される。

解説

マジックにおける「捨て札置き場」は墓地であるが、しかしリアニメイトなどのように墓地を利用するカードの存在から、墓地に置かれたカードは必ずしもゲームから隔離された状態にはなっていない。ゲームから隔離された状態を表現するのには、追放領域が用いられる。

以下の3種類に大別される。

一定条件を満たすまでの「仮置き場」として使用するもの(例:続唱明滅ナイトメア能力
一時的に追放する効果は、様々なカードでフレイバーに関係なく使われる。
パーマネントが追放され、1ターン以内など比較的すぐ戦場に戻ってくるものは特に明滅と呼ばれる。
あるパーマネントが戦場にいる間だけ別のパーマネントなどを追放する類の能力はナイトメア能力放逐する僧侶/Banisher Priest払拭の光/Banishing Lightなどのページを参照。
衝動的ドロー出来事のように、カードを追放してそれを追放領域から唱えることを許可するという能力も存在する。
隔離してそれを参照するもの(例:刻印
パーマネントが他のカードを追放してそれを参照することもあれば、憑依暗号のように追放されたカード自身が何らかの影響をゲームに及ぼし続けることも。
完全に隔離するもの(例:流刑への道/Path to Exile安らかなる眠り/Rest in Peace
追放領域にあるカードを参照するカードは非常に限られており、何らかの戻す効果が含まれていなければ、基本的にそのゲームの間で使うことはできない。そのため、戻す手段を持たずに対戦相手のパーマネントを追放する効果は、破壊よりも強力な除去とされる。
  • イメージは「戦闘意志の喪失」「別世界への放逐」「存在自体の抹消」など。
また、ライブラリー手札や墓地からカードを追放することがコストとして要求されることがある。回収のしづらさから、しばしば無限コンボの成立を防ぐのに役立つ。
任意のカードを墓地から戦場手札に戻すようなカード、追加のターンを得るカードは、繰り返し使い回すことによる悪用を防ぐため、自身を追放する効果が含まれていることが多い(例:再供給/Restock時間の熟達/Temporal Mastery)。そのほかフラッシュバックのように、カード自身が使用済みであることを表すために追放することも。

追放を含む効果は5色全てで見られるが、パーマネントの追放は直接の殺傷を嫌うに最も多く、自然のサイクルから外れることを嫌うで最も少ない。墓地のカードの追放は死者の冒涜を厭わないが得意であり、墓地対策や自分の墓地をリソースにする呪文が頻繁に登場する。は「墓地に残らないほど焼き尽くす」といったフレイバークリーチャー死亡時に追放できるほか、衝動的ドローも行う。

ルール

  • パーマネントを「追放する」のは破壊ではないので、再生で防ぐことはできず、破壊不能を持つクリーチャーも追放される。
  • 追放されるカードは、指示が無い限り表向きであり、すべてのプレイヤーに公開されている。裏向きのオブジェクトが追放された場合も表向きになる。
    • 裏向きで追放されたカードは、説明によって許可されていない限り、どのプレイヤーも見ることはできない(例:ネクロポーテンス/Necropotence)。ただし、プレイヤーがそのカードの表を確認してから裏向きで追放すると指示されていた場合や何らかの効果によって見ることを許可されたプレイヤーは、その効果が終了した後も見ることができる。
  • カードを追放する能力と、「その追放されたカード」や「〜によって追放されたカード」を参照する能力が書かれているオブジェクトにおいて、その2つの能力は関連している能力である。その2番目の能力は、1番目の能力によって追放されたカードのみを参照する。詳細は関連している能力を参照。
  • 追放領域にあるオブジェクトが追放された場合、領域は移動しないが、領域を移動したものと同じように新しいオブジェクトになる。
  • 追放領域も領域であるため、追放されたカードもマイコシンスの格子/Mycosynth Latticeなどによる効果を受ける。

旧ルール

キーワード処理の追放は、過去には「ゲームから取り除く/Remove from the game」(キーワード処理ではない)と呼ばれ、追放領域は、過去には「ゲーム外/Removed from the game」領域と呼ばれていた。「ゲームから取り除く」「脇に置く」と書かれていたカードは、基本セット2010発売に伴う2009年7月11日のオラクル更新で「追放する」に変更されている。

「ゲームから取り除く」という表記は、ゲーム外領域から戻るカードが増え、また願いの登場によって能動的にゲーム外のカードを持って来られるようになったこともあってあまりふさわしくないものとなり、また、「」と同様「ゲーム外」にも「ライブラリー」や「墓地」といった他の領域とイメージが異なり格好悪いという問題もあった。これらの問題を解決するため、基本セット2010の大規模なルール改正によって、他の領域の雰囲気に合わせた追放へと変更された。(→Magic 2010 Rules Changes参照)

  • この変更によって、変更前は「Remove from the game」と英語で4単語も費やしていた用語が「Exile」の1単語で済むようになった。
  • ゲーム外領域から追放領域になって変わったのは名前だけではない。ゲーム外領域はゲームの外部の一部であったが、追放領域はゲームの内部であるという違いが存在する。これにより、願いなど一部のカードの挙動が大きく変わった。例えばフラッシュバックを使ってしまったインスタント呪文を狡猾な願い/Cunning Wishで引き戻してまた2度使うなどのプレイングが不可能になった。

裏向きで追放されたカードは通常それを見ることができるよう指示されなければ見ることができなかったが、神河:輝ける世界での総合ルール更新で、既にそのカードを見た上で裏向きで追放するよう指示された場合にもそのカードをいつでも見ることができるよう変更された[1]

追放領域にあるカードを参照するカード

どの方法で追放されたカードも参照できるカードの一覧。

追放領域からのプレイを参照するカード

その他

  • 以前は、カードが追放領域を参照する場合は基本的に「追放された[オブジェクト]」「追放されている[オブジェクト]」と書かれており、「追放(ゲーム外)領域」という記載があるカードは例外的であった。しかし現在では増えてきており、反復注釈文)や昇華者など、「追放領域」という記述を伴うカード群も登場している。
    • 以前にも、アン・カードであれば「ゲーム外領域」という記述が登場するカードが存在していた(AWOL)。
  • 「追放する」と「消滅する」は異なる。「追放する」とは「オブジェクトを追放領域に移動させる」ことであるが、トークンなどが「消滅する」場合、それは単純にどの領域にも存在しなくなる。
  • 過去の英語の表記からリムーブと呼ばれることも多い。ただし、他の用法でも使われる用語なので注意。その他の用法についてはリムーブを参照。
  • 前述したように、追放領域に置かれたカードに干渉できるカードは非常に少ない。Mark Rosewaterはその理由を「マジックには、確実に戻ってこられないようにする方法が必要なのだ。追放領域にあるカードを戻す方法を作れば作るほど、追放領域は第2の墓地にすぎなくなってしまう」と説明している。[2]
    • のちにMarkは昇華者の開発に際してこの方針を「追放したものから利益を得る」ことを防ぐものであると分析し、自分以外がオーナーであるカードに限るのであれば、追放領域のカードをゲームに戻すことも許容されると考えた。[3]

脚注

  1. 『神河:輝ける世界』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)(Daily MTG 2022年2月9日)
  2. アヴァシングル・レディー その3(Making Magic 2012年5月7日)
  3. 戦乱に向けて その2(Making Magic 2015年9月14日)

参考

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

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