ステロイド
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2021年3月28日 (日) 00:34時点における版
ステロイド(Steroid)は、赤緑2色のビートダウンデッキの呼称。略して「ステロ」とも言う。その名の由来は「ステレオ・タイプ(定型)」から来ているとか、デッキに投入されていたアーナム・ジン/Erhnam Djinnの筋肉がステロイド剤を打ったみたいに見えるからなど、いろいろな説が囁かれるがはっきりとはわかっていない。
目次 |
概要
緑のマナ・クリーチャーから良質のクリーチャーを素早く召喚し、速攻で殴り勝つ。赤が入ることによって火力を投入することができるようになり、対戦相手のクリーチャーを除去して対戦相手に直接ダメージを叩き込んだり、プレイヤーに火力を打ち込んで最後の一押しができるようになったため、緑単色デッキに比べて柔軟性が増している。また、他の友好色2色デッキは共通する対抗色に弱いものも多いが、赤緑は共通する対抗色である青が対処できる以上のダメージソースを容易に組み込める強みがある。
「クリーチャーで殴り、その他の呪文でそれをサポートする」という単純かつ最も基本的な戦術のデッキを、最もパワークリーチャーを召喚しやすい緑と、最もダメージ系呪文が多い赤で構成していることから、安定した強さを持っている。反面、突出した強さもないため、相性的に絶対有利と言えるデッキは少ない。
骨子となるデッキ構成が単純なため、中心とするカードや動きによって様々なヴァリエーションが存在する。 緑のマナ・クリーチャーから中型、大型クリーチャーに繋げる動きをメインに、赤をタッチしたミッドレンジの形を取ることが多い。しかし、後述のマッドステロなどの、赤マナの方が多くなる例外も存在する。また速度についても、マナ・クリーチャーを使わずウィニー的な構成をとる場合もある。
- 同じ赤緑ビートダウンでも、ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimayaをメインに据えたデッキは特にファイアーズ(Fires)と呼ばれる。
- アングリーハーミットやフレッシュメーカーなどは、コントロール色が強いためステロイドの部類には入らない。赤緑コントロールのページも参照。
- パッチワーク・ノーム/Patchwork Gnomesでマッドネス呪文を使う「パッチステロ」、タッチ黒の「ダークステロイド」など、さまざまなバリエーションがある。
- 動きの単純さと安定した強さにより、マジックの黎明期から浮き沈みはあれど長らく高い人気を誇ってきた。
- ルール初心者にも動きや強さが理解しやすいため、様々な漫画の主人公や漫画を読んで始めた初心者によく使われるデッキでもある。
- 低レアリティカードで適当に構成してもそこそこ強い、という意味でも初心者に優しいデッキと言える。
- 赤と緑が友好色という点や、緑のマナ能力で土地事故や色事故が比較的起こりにくいという点でも、初心者に優しいと言えるだろう。
スタンダード
下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。
- エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期
- ラヴニカのギルド~基本セット2021期
- イクサラン・ブロック~基本セット2020期
- カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期
- タルキール覇王譚ブロック+マジック・オリジン+戦乱のゼンディカー・ブロック期
- テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期
- ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期
- イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期
- ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
- ローウィン=シャドウムーア・ブロック+アラーラの断片ブロック期
- 時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
- ラヴニカ・ブロック期
- ミラディン・ブロック+神河ブロック期
- オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期
- オデッセイ・ブロック期
- マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
- アイスエイジ・ブロック+ミラージュ・ブロック期
- アイスエイジ・ブロック期
ブロック構築
下記の時期のブロック構築においても、活躍を見せる。
エクステンデッド
2003年頃、ローテーション以前のエクステンデッドにもステロイドは存在した。特にTwo Deuceと呼ばれることが多い。
フェッチランド(樹木茂る山麓/Wooded Foothills)により土地を切り詰め、超軽量構造に仕上げたデッキである。速度と安定性により遅めのコントロールデッキに有利。
動きはRed Deck Winsに近いが、クリーチャーのサイズなどではこちらに分がある。
パイオニア
パイオニア環境でも成立する。
ラノワールのエルフ/Llanowar Elvesかエルフの神秘家/Elvish Mysticからマナ加速し、3マナ以上のアタッカーに繋げる。マナ・クリーチャーはどちらも1/1なので、恋煩いの野獣/Lovestruck Beastとのシナジーもある。
イコリア:巨獣の棲処からは獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを獲得。土地以外のカードの点数で見たマナ・コストを奇数で統一し、オボシュを相棒に据えたタイプが登場した。
サンプルリスト
初期型
Gruul Aggro [1] | |||||||||||||||||||||||||||
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- 初期(むかしむかし/Once Upon a Timeと密輸人の回転翼機/Smuggler's Copterの禁止前)のリスト。
- 当事者カードや探索する獣/Questing Beast、エンバレスの宝剣/Embercleaveの採用はラヴニカのギルド~基本セット2021期のグルール・アグロに似ている。
イコリア:巨獣の棲処後
- イコリア:巨獣の棲処参入後の、獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを相棒に据えたタイプ。サイドボードも含め、土地以外はすべて点数で見たマナ・コストが奇数のカードで構成されている。
- オボシュと火口の爪/Crater's Clawsでライフを一気に削り取ることもできる。ただしルールがややこしいので注意。
モダン
ギルド門侵犯で赤緑の優秀なクリーチャーが複数登場したことで、モダンでもトーナメントシーンに姿を現すようになった。
密林の猿人/Kird Apeやタルモゴイフ/Tarmogoyfなどの軽量クリーチャーを炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryも絡めて次々と展開し、それらを火力やゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampagerの湧血でサポートして速やかに対戦相手のライフを削り切る。
構成はZooやスタンダードのNaya Blitzに近く、Gruul ZooあるいはGruul Blitzと呼ばれることもある。また同時期のスタンダードにおける赤単タッチ緑(Saito RG)ともよく似ており、そのモダン版とも言える。
野生のナカティル/Wild Nacatlが禁止解除された後は赤緑2色で組む必要が薄くなり、赤緑白のZoo(Naya Zoo)やNaya Blitzに取って代わられた。
サンプルリスト
- 備考
- グランプリカンザスシティ13 第14位 (参考)
- 使用者:Tyler Lytle
- フォーマット
Gruul Zoo [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- タルモゴイフとの相性がよい炎の印章/Seal of Fireとタール火/Tarfireが採用されている。
レガシー
密林の猿人/Kird Apeや瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler、ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooliganなど、赤緑の優秀なクリーチャーを惜しみなく採用できるのが強み。
また、火力を連発してタルモゴイフ/Tarmogoyfなどを一気に大きくするタルモバーンも存在する。
もっとも最近は、黒や白をタッチし、柔軟性の高いZooに移行することも多くなっている。
パウパー
パウパーは2色土地が貧弱なため、2色のアグロデッキは成立しにくいが、強力な炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryがモダンマスターズ2017でコモンで再録されてからはしばしば見かけるアーキタイプとなった。
暴力的な突発/Violent Outburstと2マナ以下の速攻クリーチャーを主体とした構成となっている。
サンプルリスト
Red Green Aggro [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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