ストーム値
提供:MTG Wiki
Aerugo aeruginosa (トーク | 投稿記録) 細 (→公表済のストーム値: 食物トークンと覇権について追記。) |
|||
61行: | 61行: | ||
*ストーム値は「未来の知識」に基づかない。開発部の一員であるMarkはまだ発表されていないセットの中身を知っているが、あるメカニズムが今後実際に再録されることを知っていたとしても、それでストーム値を下げることはない。 | *ストーム値は「未来の知識」に基づかない。開発部の一員であるMarkはまだ発表されていないセットの中身を知っているが、あるメカニズムが今後実際に再録されることを知っていたとしても、それでストーム値を下げることはない。 | ||
**実際、[[マッドネス]]はストーム値が8であると公開された直後、[[イニストラードを覆う影ブロック]]で再録された。 | **実際、[[マッドネス]]はストーム値が8であると公開された直後、[[イニストラードを覆う影ブロック]]で再録された。 | ||
− | |||
==その他== | ==その他== | ||
70行: | 69行: | ||
*基本的に[[常磐木]]のストーム値は1、[[落葉樹]]は2になっている。ただし将来変更される可能性も加味して現状とは異なる値が付けられる場合もある。 | *基本的に[[常磐木]]のストーム値は1、[[落葉樹]]は2になっている。ただし将来変更される可能性も加味して現状とは異なる値が付けられる場合もある。 | ||
**[[装備品]]は常磐木だが、落葉樹に変更される可能性があるためストーム値は2とされた。 | **[[装備品]]は常磐木だが、落葉樹に変更される可能性があるためストーム値は2とされた。 | ||
+ | *ストーム値の高いメカニズムがスタンダード向けセットで再録されることは稀であるため、再録されれば当然ながら大きな話題になる。前述した[[イニストラードを覆う影ブロック]]での[[マッドネス]](ストーム値8)や、[[基本セット2021]]での[[フェイジング]](ストーム値9)に関連した[[フェイズ・アウト]]の再登場が代表的。 | ||
==公表済のストーム値== | ==公表済のストーム値== |
2020年12月29日 (火) 20:04時点における版
ストーム値/The Storm Scaleは、メカニズムがスタンダードで再登場する可能性を評価した数値。評価者はMark Rosewater。
目次 |
解説
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)
クリーチャー — トロール(Troll) スケルトン(Skeleton)
ゴルガリの墓トロールは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき、その上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
(1),ゴルガリの墓トロールから+1/+1カウンターを1個取り除く:ゴルガリの墓トロールを再生する。
発掘6(あなたがカードを1枚引くなら、代わりにあなたはカードを6枚切削してもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。)
キーワード能力、キーワード処理、能力語などのメカニズムそれぞれについて、Mark Rosewaterはそれが将来のスタンダードで使用可能なセットで再び使われる可能性を点数付けしている。点数は1~10の10段階で、高いほど再録されにくいことを示す。
ストーム値 | 意味 | メカニズム例 |
---|---|---|
1 | 次のセットでも再び使われることになるのは間違いない。 | 飛行、接死、占術 |
2 | 再び使われることになるのは間違いないが、すぐとは限らない。 | キャントリップ、混成マナ、両面カード |
3 | おそらく今後何回も使われることになるだろう。 | サイクリング、フラッシュバック、上陸 |
4 | 今後も使われることになるだろうが、確実と言うには問題がある。 | 変異、キッカー、賛美 |
5 | 再録する場所を探す必要があるが、可能性が高いと思っている。 | 進化、怪物化、陰鬱 |
6 | 再録する場所を探す必要があるが、可能性が高いとは思っていない。 | 貪食、忍術、生体武器 |
7 | 再録されるとは思われないが、ふさわしい環境があれば再録はあり得る。 | 氷雪マナ、回顧、刹那 |
8 | 再録されるとは思われないが、もしかしたらあり得る。 | マッドネス、エコー、待機 |
9 | あり得ないとは言わないが、ちょっとした奇跡が必要。 | フェイジング、スレッショルド、激突 |
10 | あり得ないとは言わないが、かなりの奇跡が必要。 | ストーム、発掘 |
ストーム値は以下の5つの評価基準から総合的に判断して決められる。
- 人気/Popularity - プレイヤーがそのメカニズムを気に入ったか。
- デザイン空間/Design Space - そのメカニズムで作れるカードの枚数に余裕はあるか。
- 多用途性/Versatility - 他のメカニズムとの相性は良いか。そのメカニズムを使うためには多くのサポートが必要になるか。
- デベロップ/Development - そのメカニズムのコスト設定や、バランスの調整は難しいか。
- プレイアビリティ/Playability - そのメカニズムをプレイヤーが理解する上で問題はなかったか。使用する上で物理的な問題はなかったか。
誕生の経緯
その名前はマジック史上最も壊れているメカニズムの1つ、ストームに由来する。ブログ『Blogatog』において、ストームが将来のスタンダードで再登場する可能性を尋ねられたMarkは、「ほぼ再録されるものを1、まず再録されないものを10とすれば、ストームは10だ」と回答した。その後、様々なメカニズムに対して「この基準で言うなら◯◯はいくつ?」という質問が寄せられるようになり、やがて「ストーム値」はBlogatogの定番ネタと化した。そしてストーム値はその人気から、Markが執筆する公式記事「Making Magic -マジック開発秘話-」でも取り上げられるようになった。
注意事項
- これはスタンダードで使用可能なセットにおける再録の可能性を示すものである。統率者戦用セットなどの特殊セットにおける再録は考慮していない。
- 例として、ストーム値が9である土地渡りは統率者2018でウィンドグレイス卿/Lord Windgraceに使われているし、名称の由来となったストームやそれと並ぶストーム値10の発掘ですら、ジョークセット・Unstableのカラスの嵐雲/Crow Stormを経てモダンホライゾンで嵐の乗り切り/Weather the Stormや悪ふざけ/Shenanigansとして再録されている。
- これはそのメカニズムが「将来のいつかの時点で」再録される可能性を示すものである。Aのストーム値がBのストーム値より低いことは、AがBより先に再録されることを意味するものではない。
- これはあくまでMarkの個人的意見であり、開発部の総意や公式見解ではない。ただしMarkは、そのメカニズムについて開発部の他のメンバーがどう思っているかを知っており、点数に反映させている。
- 何らかの要因でストーム値が変動することもあり得る。また、以前に発表したストーム値が後から考えれば間違いだった、ということもある。
- ストーム値は「未来の知識」に基づかない。開発部の一員であるMarkはまだ発表されていないセットの中身を知っているが、あるメカニズムが今後実際に再録されることを知っていたとしても、それでストーム値を下げることはない。
- 実際、マッドネスはストーム値が8であると公開された直後、イニストラードを覆う影ブロックで再録された。
その他
- Blogatogでは後に、各次元/Planeについて将来のスタンダードで再訪する可能性を評価したラバイア値/The Rabiah Scaleも作られた。詳細はラバイア値を参照。
- さらにその後、プレインズウォーカー/Planeswalker版のThe Venser Scale(ヴェンセール値)[1]、クリーチャー・タイプ版のThe Beeble Scale(ビーブル値)[2]も作られた。
- 10段階の評価ではあるが、他の〜とのバンドだけはあまりにも再録が難しいためか「11」と(冗談半分で)回答されている[3]。
- この11という点数はメカニズム以外でいうと「マジックのカードの大きさを永久的に変更すること」に相当するものとされる[4]。ここまで行くともはや再録の望みは完全に絶たれたといえるだろう。
- 基本的に常磐木のストーム値は1、落葉樹は2になっている。ただし将来変更される可能性も加味して現状とは異なる値が付けられる場合もある。
- 装備品は常磐木だが、落葉樹に変更される可能性があるためストーム値は2とされた。
- ストーム値の高いメカニズムがスタンダード向けセットで再録されることは稀であるため、再録されれば当然ながら大きな話題になる。前述したイニストラードを覆う影ブロックでのマッドネス(ストーム値8)や、基本セット2021でのフェイジング(ストーム値9)に関連したフェイズ・アウトの再登場が代表的。
公表済のストーム値
- 『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロックのストーム値を公開した際、公式記事上では初めて過去に設定したストーム値の改訂が行われた。
- 凡例に挙げられていた刻印のストーム値が4から6へと修正され、凡例の4には代わりに賛美が加わった。
- 『ラヴニカ』『ラヴニカへの回帰』ブロック記事時点まで凡例に挙げられていた親和(アーティファクト)のストーム値が10から8へと修正された。
- 果敢が常磐木から外された際、そのストーム値は1から4へと修正された。
脚注
- ↑ I get what the Rabiah and Storm Scales are...what's the Venser Scale?(Blogatog 2018年10月15日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ What would you call a Storm Scale for creature types?(Blogatog 2018年10月21日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Besides storm what scores a 10 on the Storm Scale?(Blogatog 2012年10月8日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ On the storm scale, what are the chances of magic cards getting resized permanently?(Blogatog 2014年1月6日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ 『ミラディン』『ミラディンの傷跡』記事で追加
- ↑ 『ミラディン』『ミラディンの傷跡』記事で凡例(4)から改訂
- ↑ 『ゼンディカー』『戦乱のゼンディカー』記事で凡例(10)から削除、『ミラディン』『ミラディンの傷跡』記事で改訂
- ↑ What is Devotion on the storm scale?(Blogatog 2018年8月22日 Mark Rosewaterのブログ)でのストーム値3から『テーロス』『テーロス還魂記』記事で改訂
- ↑ How popular was heroic?(Blogatog 2018年8月22日 Mark Rosewaterのブログ)で初出
- ↑ How fares constellation on the storm scale?(Blogatog 2014年8月27日 Mark Rosewaterのブログ)で初出
- ↑ how about a bit on bestow and it's storm scale.(Blogatog 2016年1月21日 Mark Rosewaterのブログ)で初出
- ↑ 『タルキール覇王譚』記事でのストーム値1から常磐木を外された際に改訂
- ↑ So where does Prowess sit on the Storm scale now?(Blogatog 2019年1月13日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Unearth on the storm scale?(Blogatog 2014年1月19日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Monocolor hybrid on the storm scale?(Blogatog 2013年1月9日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Changling?(Blogatog 2013年11月5日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ what is it's location on the Storm scale?(Blogatog 2015年5月3日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Is fuse similarly ranked on the storm scale?(Blogatog 2014年1月29日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ What is Food on the Storm Scale?(Blogatog 2020年12月28日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Grandeur on the Storm Scale(Blogatog 2015年8月15日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is Wither on the Storm scale?(Blogatog 2015年5月3日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is domain on the storm scale?(Blogatog 2020年12月12日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Splice?(Blogatog 2018年9月16日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Persist on the Storm Scale?(Blogatog 2016年5月28日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ where's Kinship on the Storm Scale?(Blogatog 2012年12月21日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is provoke on storm scale and why?(Blogatog 2016年1月29日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ What are the chances of seeing the Recover mechanic return?(Blogatog 2013年2月20日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Shadow, make a return?(Blogatog 2016年4月21日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is champion on the storm scale?(Blogatog 2020年12月28日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Cascade?(Blogatog 2018年1月25日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is Poisonous on the storm scale?(Blogatog 2018年1月4日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is Buyback on the storm scale?(Blogatog 2017年2月23日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ So what is Epic on the Storm Scale?(Blogatog 2016年1月30日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ What are the chances of seeing fading again?(Blogatog 2015年8月5日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Ripple on the Storm Scale?(Blogatog 2013年4月26日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where are Contraptions in a black-border set on the Storm scale?(Blogatog 2018年9月11日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is the untap symbol on the storm scale?(Blogatog 2018年6月14日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ where Cumulative Upkeep is on the Storm Scale?(Blogatog 2016年8月22日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where does horsemanship fall on the Storm Scale?(Blogatog 2014年11月4日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ what is the ability rampage on the storm scale?(Blogatog 2014年9月6日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Are all of these ex-evergreen mechanics a 10 on the storm scale?(Blogatog 2016年4月9日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where do world enchantments fall on the Storm Scale?(Blogatog 2014年8月2日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where is Substance on the Storm Scale?(Blogatog 2018年5月6日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Where do flip-cards sit on the storm scale?(Blogatog 2018年3月27日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ What are some other 10s?(Blogatog 2017年7月10日 Mark Rosewaterのブログ)
参考リンク
- Storm Scale: Khans of Tarkir Block/ストーム値:『タルキール覇王譚』ブロック(Making Magic -マジック開発秘話- 2016年2月29日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- Storm Scale: Ravnica and Return to Ravnica/ストーム値:『ラヴニカ』と『ラヴニカへの回帰』(Making Magic -マジック開発秘話- 2016年5月2日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- Storm Scale: Zendikar and Battle for Zendikar/ストーム値:『ゼンディカー』『戦乱のゼンディカー』ブロック(Making Magic -マジック開発秘話- 2016年11月21日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- Storm Scale: Innistrad and Shadows over Innistrad/ストーム値:『イニストラード』『イニストラードを覆う影』(Making Magic -マジック開発秘話- 2017年3月27日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks/ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック(Making Magic -マジック開発秘話- 2018年6月11日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- Storm Scale:Kaladesh and Amonket/ストーム値:『カラデシュ』と『アモンケット』(Making Magic -マジック開発秘話- 2019年3月26日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- Storm Scale: Theros and Theros Beyond Death/ストーム値:『テーロス』『テーロス還魂記』(Making Magic -マジック開発秘話- 2020年12月7日 Mark Rosewater著 米村薫訳)