クロック・パーミッション
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クロック・パーミッション(Clock Permission)は、アーキタイプの1つ。一定のダメージクロックをフィニッシャーとして構えるビート・コントロール。
概要
序盤にクリーチャーを展開し、ある程度の戦力を展開した後は打ち消しによって対戦相手の妨害手段やアドバンテージカードを打ち消し、そのまま勝負を決める。
クリーチャーが貧弱な青を含んだビートダウンデッキは、(もちろん例外は存在するが)この形になる場合が多い。特に狭いカードプールだと、良質なクリーチャーを有する白や緑と組み合わせられることが多い。
攻撃に特化したビートダウンよりスピードは遅いものの、軽いクリーチャーを使うため相手の打ち消しを回避しやすく、ビートダウンにとって致命的な神の怒り/Wrath of Godのような呪文を防ぐことができるため、コントロールデッキに対して強い。そして、よほど速いものでないかぎりはコンボデッキにも有利。
一方、カウンターにスペースを割く分クリーチャーの線が細くなりやすく、クリーチャー同士の直接対決となりやすいビートダウン相手には不利になることが多い。特にカウンターで防御する間もなく攻めてくるウィニーが苦手。またそれぞれのカードの役割が明確になっている場合が多いので、理想的な回りをすれば強いが、噛み合わないと簡単に崩れてしまうという脆さもある。
ビートとコントロールの中間だけに極端に苦手とするデッキは少なく、汎用性は高いが、逆に言えば器用貧乏にもなりやすく、どの程度活躍できるかはプレイングや環境に左右されることが多い。うまく優秀なパーツがそろうと、環境のトップメタに上り詰めることもしばしば起きる。
- 最初に登場したクロック・パーミッションがカウンタースリヴァーであるとされている。
- 概念自体は黎明期からフィッシュとして存在している。
イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019+ラヴニカのギルド期
前環境から継続。青単テンポ(Mono-Blue Tempo)という名称で紹介されている。
クリーチャー — ジン(Djinn)
飛行
大嵐のジンは、あなたがコントロールしている基本島(Island)1つにつき+1/+0の修整を受ける。
クリーチャー — セイレーン(Siren) 海賊(Pirate) ウィザード(Wizard)
飛行
(青),セイレーンの嵐鎮めを生け贄に捧げる:あなたかあなたがコントロールしているクリーチャーを対象としている、呪文1つか能力1つを対象とし、それを打ち消す。
基本的な戦略は前環境とほぼ同じ。ローテーションを経ても這い寄る刃/Slither Bladeが霧まといの川守り/Mist-Cloaked Heraldに変わった程度で、ほとんど戦力を失っていない。ラヴニカのギルドから軽蔑的な一撃/Disdainful Strokeを手に入れたことで全体除去やミッドレンジ系に対する強い耐性が高まっている。
デッキパワーが衰えていないことは知られていたが(参考)、環境当初はメタ外と思われていた。しかし並み居るトップメタデッキを抑え、グランプリリール18で準優勝という十分な実力を見せつけることに成功した。
サンプルリスト
- 備考
- グランプリリール18 準優勝 (参考)
- 使用者:Gabriel Nassif
- フォーマット
Mono-Blue Tempo [1] | |||||||||||||||||
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カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019期
ドミナリアで大嵐のジン/Tempest Djinnや魔術師の反駁/Wizard's Retortなどを獲得したことで青単アグロ(Mono-Blue Aggro)が成立。基本セット2019参入後、地雷デッキとして環境に少数登場した。
クリーチャー — ジン(Djinn)
飛行
大嵐のジンは、あなたがコントロールしている基本島(Island)1つにつき+1/+0の修整を受ける。
インスタント
あなたがウィザード(Wizard)をコントロールしているなら、この呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。」を持つ。
あなたの終了ステップの開始時に、このターンにあなたがクリーチャーで攻撃していなかった場合、執着的探訪を生け贄に捧げる。
這い寄る刃/Slither Bladeなどのブロックされにくいクリーチャーと執着的探訪/Curious Obsessionのシナジーでアドバンテージを稼ぎながらクロックを刻み、打ち消しやバウンスも絡めてライフを削り切る。セイレーンの嵐鎮め/Siren Stormtamerやマーフォークのペテン師/Merfolk Tricksterなどのウィザードと、魔術師の反駁との部族シナジーも重要。
サンプルリスト
- 備考
- フォーマット
Mono Blue Aggro [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
イニストラードで加わった強力クリーチャー、秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsを主力にした白青ビートダウンが登場した。
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を見る。あなたはそのカードを公開してもよい。これによりインスタントやソーサリーであるカードが公開されたなら、秘密を掘り下げる者を変身させる。
1/1Insectile Aberration / 昆虫の逸脱者
〔青〕 クリーチャー — 人間(Human) 昆虫(Insect)
飛行
3/2アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともにプロテクション(黒)とプロテクション(緑)を持つ。
装備しているクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを1枚捨て、あなたはあなたがコントロールする土地をすべてアンタップする。
装備(2)
装備品の饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineを活用したDelver-Bladeやイリュージョンの部族シナジーを活用したイリュージョンデッキなどがメタゲームの中心として活躍している。
ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
基本セット2011に登場した戦隊の鷹/Squadron Hawkを主軸とした白青デッキ、Caw-Goが登場した。
クリーチャー — 鳥(Bird)
飛行
戦隊の鷹が戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーから《戦隊の鷹/Sqadron Hawk》という名前のカードを最大3枚まで探し、それらを公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
ミラディン包囲戦に登場した饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineを加えたものはCaw-Bladeと呼ばれ、トーナメントで猛威を振るった。
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともにプロテクション(黒)とプロテクション(緑)を持つ。
装備しているクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを1枚捨て、あなたはあなたがコントロールする土地をすべてアンタップする。
装備(2)
ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
ローウィン・ブロックで強化された部族を利用したクロック・パーミッションがいくつか生まれている。
1つはフェアリーデッキで、特にモーニングタイド以降は青黒のものがメタゲームの中心にある。
クリーチャー — フェアリー(Faerie) 兵士(Soldier)
瞬速
飛行
あなたがコントロールする他のフェアリー(Faerie)・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたがコントロールする他のフェアリーは被覆を持つ。(それらは呪文や能力の対象にならない。)
同族 エンチャント — フェアリー(Faerie)
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失い、飛行を持つ黒の1/1のフェアリー(Faerie)・ならず者(Rogue)クリーチャー・トークンを1体生成する。
また、ローウィンで復活したマーフォークを活用する白青のマーフォークデッキも活躍する。
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk)
他のマーフォーク(Merfolk)は+1/+1の修整を受けるとともに島渡りを持つ。(それらは、防御プレイヤーが島(Island)をコントロールしているかぎりブロックされない。)
2/2伝説のクリーチャー — マーフォーク(Merfolk) ウィザード(Wizard)
島渡り(このクリーチャーは、防御プレイヤーが島(Island)をコントロールしているかぎりブロックされない。)
(1)(白):あなたがコントロールするマーフォーク(Merfolk)1つを対象とする。それはターン終了時まで、あなたが選んだ色1色に対するプロテクションを得る。
神河ブロック期
この時期(特にラヴニカ・ブロックを含むスタンダード)は多種多彩なクロック・パーミッションが活躍している。
クリーチャー — 人間(Human) 忍者(Ninja)
忍術(1)(青)((1)(青),あなたがコントロールする、ブロックされなかった攻撃しているクリーチャー1体を手札に戻す:あなたの手札からこのカードを、タップ状態かつ攻撃している状態で戦場に出す。)
深き刻の忍者がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
インスタント
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。その呪文がこれにより打ち消された場合、それをそのプレイヤーの墓地に置く代わりにオーナーの手札に加える。
カードを1枚引く。
伝説のアーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたび、梅澤の十手の上に蓄積(charge)カウンターを2個置く。
梅澤の十手から蓄積カウンターを1個取り除く:以下から1つを選ぶ。
・装備しているクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
・クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける。
・あなたは2点のライフを得る。
装備(2)
優秀なアドバンテージクリーチャーや梅澤の十手/Umezawa's Jitteの存在から、ビート・コントロールとしての完成度が非常に高かった。さらに、グレーター・ギフトやイゼットロン、太陽拳など全般的に重めのコントロールデッキが主体の環境だったことから、メタゲーム上活躍しやすかった。
けちコン、ヤソコンをメタった神河ブロック構築の青緑クロック・パーミッション、Critical Massがその先駆け。その後はCritical Massのスタンダード版であるCritical Mass Updateが続き、アドバンテージクリーチャーを多用する8ヒッピー、深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hoursをメインにしたスノウ・ストンピィやシー・ストンピィ、上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendantを活用するエラヨウブルーやエラヨウ忍者などがその例である。
オデッセイ・ブロック期
オデッセイの強力な緑クリーチャーを青のカウンターなどでバックアップする青緑ビートダウンが複数存在した。
クリーチャー — 犬(Dog)
カードを1枚捨てる:野生の雑種犬はターン終了時まで+1/+1の修整を受けるとともに、あなたが選んだ1色の色になる。
2/2インスタント
呪文1つを対象とする。それを、それのコントローラーがあなたの墓地にあるカード1枚につき(1)を支払わないかぎり、打ち消す。
マッドネス(青)(あなたがこのカードを捨てるなら、これを追放領域に捨てる。あなたがそうしたとき、マッドネス・コストでこれを唱えるか、これをあなたの墓地に置く。)
青緑マッドネス・クワイエット・ロアーなど各種の派生形については青緑ビートダウンのページを参照のこと。
インベイジョン・ブロック構築
ステロイドやVoidなどの赤系デッキをメタったソリューションが存在した。
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
翻弄する魔道士が戦場に出るに際し、土地でないカード名を1つ選ぶ。
選ばれた名前を持つ呪文は唱えられない。
プロテクションクリーチャーを多数採用したことで対赤デッキに有利になる。
詳細はソリューションを参照のこと。
マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
この時期もパーミッションは有力なアーキタイプであったため、ブルースカイなどのクロック・パーミッションが組まれている。
クリーチャー — スピリット(Spirit)
飛行
あなたの終了ステップの開始時に、あなたがコントロールするすべての土地をタップする。
インスタント
あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、あなたがコントロールする島(Island)を3つ、オーナーの手札に戻すことを選んでもよい。
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
遅いコントロールデッキには有利だがファイアーズなどには速度で劣るため、プレーンシフトの頃には衰退を余儀なくされた。
- ピッチカウンターはマナロックと相性が良いため、当時存在したいくつかのロックデッキにビートダウン要素が盛り込まれる場合もある。ブルーオーブ系のアグロオーブやフィッシュ対立、ライジングウォーターから発展したアグロウォーターがそれに当たる。
ウルザ・ブロック期
ウルザ・ブロックの頃は強力なコンボデッキやパーミッションデッキが全盛であり、それらへの対抗策として組まれた。
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk)
他のマーフォーク(Merfolk)は+1/+1の修整を受けるとともに島渡りを持つ。(それらは、防御プレイヤーが島(Island)をコントロールしているかぎりブロックされない。)
2/2テンペスト・ブロックの頃は史上最悪のコンボデッキ・MoMaへのアンチデッキとして、マスクス・ブロックの時期は青茶単やパララクス補充へのメタデッキとしてそれぞれ活躍している。
エクステンデッド
エクステンデッド環境に数多く存在する凶悪なコンボデッキへの対抗策として使用されることが多い。
MoMaの冬においては、スタンダードのそれと同様MoMaへのアンチデッキとしてマーフォークが活躍。また、長らくエクステンデッドを支配したドネイトに対抗すべく、ネクロ・ドネイトに対するカウンタースリヴァー、アンチトリックスのミラクルグロウ・スーパーグロウがそれぞれ開発された。
超優良ピッチスペル・意志の力/Force of Willの存在も大きい。
インスタント
あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、1点のライフを支払うとともにあなたの手札にある青のカードを1枚、追放することを選んでもよい。
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
また、オンスロート参入時のローテーション以降は青緑マッドネスがメタゲームの一角を担っていた。
モダン
1つはウィニー系の軽いクロック・パーミッション、Delver-Go。秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsなどのクロックを序盤から展開し、火力やカウンターでサポートする。
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を見る。あなたはそのカードを公開してもよい。これによりインスタントやソーサリーであるカードが公開されたなら、秘密を掘り下げる者を変身させる。
1/1Insectile Aberration / 昆虫の逸脱者
〔青〕 クリーチャー — 人間(Human) 昆虫(Insect)
飛行
3/2もう1つはコントロール寄りの重いクロック・パーミッション、No-Caw。時には全体除去まで用いて対戦相手の行動を縛り、修復の天使/Restoration Angelや瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageでアドバンテージを取りながらクロックを展開する。
クリーチャー — 天使(Angel)
瞬速
飛行
修復の天使が戦場に出たとき、あなたがコントロールする天使(Angel)でないクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを追放し、その後そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻してもよい。
他にもフェアリー、マーフォーク、Eternal Commandなど、様々なデッキタイプが存在する。それぞれの詳細は各項目を参照。
レガシー
レガシーでは青緑スレッショルドから端を発した様々な派生デッキが存在し、青と緑を中心にもう1~2色加えることを基本とした多様化が進んでいる。
クリーチャー — マングース(Mongoose)
被覆(このクリーチャーは呪文や能力の対象にならない。)
スレッショルド ― あなたの墓地にカードが7枚以上あるかぎり、敏捷なマングースは+2/+2の修整を受ける。
詳細は青緑スレッショルドのページを参照のこと。
イニストラード参入後は強力な飛行クロックである秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsを中核に据えた様々なタイプのデルバーデッキが登場している。
また、マーフォークも有力なデッキの1つ。
ヴィンテージ
凶悪なコンボデッキの蔓延するヴィンテージでは、ノーマルなビートダウンデッキよりもクロック・パーミッションの方が人気が高い。
特に青を絡めたウィニータイプのデッキはフィッシュと総称されている。
超優秀カウンター・意志の力/Force of Willがその力を支えているのは言うまでもない。
インスタント
あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、1点のライフを支払うとともにあなたの手札にある青のカードを1枚、追放することを選んでもよい。
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
Pauper
秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsなどの優秀なクリーチャーや、対抗呪文/Counterspellなどのカウンター呪文の多くがコモンのため、Pauperでも成立する。詳細はフィッシュを参照。
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を見る。あなたはそのカードを公開してもよい。これによりインスタントやソーサリーであるカードが公開されたなら、秘密を掘り下げる者を変身させる。
1/1Insectile Aberration / 昆虫の逸脱者
〔青〕 クリーチャー — 人間(Human) 昆虫(Insect)
飛行
3/2青単色のDelver-Goデッキが主流で、白青などいくつか亜種も存在している。
参考
- Finding the Tinker Deck(WotC、文:Mike Flores)(この記事ではCounter Sliverとして紹介されている)
- Tinkerデッキへの探求(上の邦訳)
- 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」Part10 -クロックパーミッション(WotC、文:浅原晃)
- クロック
- ビート・コントロール
- デッキ集