コモン
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コモン(Common)とは、最も低い稀少度、またその稀少度に属するカードのことである。"Common"は「ありふれた」の意。
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概要
エキスパンション・シンボルの色は、一部の例外[1][2]を除き黒。基本セット2015以降のカード枠における稀少度の略号は「C」。原則として、15枚入りのドラフト・ブースター1つにつき10または11枚封入されている。
その名の通り、開封時にもっとも多く含まれているカード群であり、もっとも入手しやすいカードといえる。しかし侮るなかれ、シンプルゆえにデッキの根幹を支える必須パーツや汎用性の高いサポートパーツとなることが多く、時にはレアに比肩するカードパワーによってトーナメントで広く活躍するものも珍しくない。
また入手のしやすさや馴染みやすさから、初心者入門などの媒体で出番が多くなりやすい。比較的シンプルな効果のものが多いという特徴も手伝い、いろいろなカードの代表格として扱われることが多い(例えば火力と言えばショック/Shock、コンバット・トリックと言えば巨大化/Giant Growth、というように)。またそこから派生して、マスコット的・ミーム的な人気を博すカードも少なくない(灰色熊/Grizzly Bears、甲鱗のワーム/Scaled Wurm、さまようもの/Wandering Ones、アメーバの変わり身/Amoeboid Changelingなど)。
コモンの基準
基本的に単純で標準的なカードで構成される。そのため、ルール文章の長いカード、複雑な処理を行ったり与えたりするカードなどは極力含まれない傾向にある。また、その出やすさ(入手しやすさ)からリミテッドの基本戦術を形成するため、X火力のようなリミテッドで支配的になってしまうカードも除外されている。
稀少度の変更
現在のパワーバランスや以前の活躍を考慮して、再録時に過去のアンコモンがコモンへ移行することがある(例:炎の壁/Wall of Fire、今わの際/Last Breathなど)。中にはレアからアンコモンを飛ばしてコモンに移行することもある(例:サルタリーの使者/Soltari Emissary、野生の末裔/Scion of the Wild)。これらは総じて「コモン落ち」と呼ばれる。
また逆に、活躍した過去のコモンがアンコモンに移行することもある(例:怨恨/Rancor、忘却の輪/Oblivion Ringなど)。陥没孔/Sinkholeやイス卿の迷路/Maze of Ithなどはマスターズ・エディション シリーズでアンコモンを飛ばしてレアに移行した。
これらの変更は特にリミテッドへの影響を調整するものだが、コモン落ちはパウパーにも多大な影響を与える。特にスタンダードを経由しないサプリメント・セットではコモンといえども侮れないカードパワーになることがある(暴走の先導/Lead the Stampede、喪心/Cast Downなど)。
強力なコモンカードの例
太字は禁止カード・制限カード指定の経験があるものである。詳細は各カードの個別評価を参照。
- 小型クリーチャー(ウィニー) - 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets、モグの狂信者/Mogg Fanatic、野生のナカティル/Wild Nacatlなど
- 大型クリーチャー(ファッティ) - グルマグのアンコウ/Gurmag Angler、ブラストダーム/Blastodermなど
- システムクリーチャー - ラノワールのエルフ/Llanowar Elves、クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger、大霊堂の信奉者/Disciple of the Vaultなど
- 187クリーチャー - 戦隊の鷹/Squadron Hawk、呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite、アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodelなど
- 除去 - 破滅の刃/Doom Blade、殺し/Snuff Out、終止/Terminateなど
- 火力 - 稲妻/Lightning Bolt、ぶどう弾/Grapeshot、火炎破/Fireblastなど
- カウンター - 対抗呪文/Counterspell、目くらまし/Daze、赤霊破/Red Elemental Blastなど
- ドロー - 渦まく知識/Brainstorm、噴出/Gush、宝船の巡航/Treasure Cruiseなど
- キャントリップ - 思案/Ponder、定業/Preordain、アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabeなど
- フリースペル - フェアリーの大群/Cloud of Faeries、大あわての捜索/Frantic Search、炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryなど
- 強化 - 浄火の鎧/Empyrial Armor、怨恨/Rancor、頭蓋囲い/Cranial Platingなど
- コンバット・トリック - 激励/Invigorate、ティムールの激闘/Temur Battle Rageなど
- 手札破壊 - トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach、強迫/Duress、荒廃稲妻/Blightningなど
- 土地破壊 - 陥没孔/Sinkhole、溶鉄の雨/Molten Rain、ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Mossなど
- アーティファクト破壊 - 古えの遺恨/Ancient Grudge、粉々/Smash to Smithereensなど
- 墓地肥やし - 臭い草のインプ/Stinkweed Imp、信仰無き物あさり/Faithless Looting、野生の雑種犬/Wild Mongrelなど
- バウンス - 転覆/Capsize、断絶/Snapなど
- 墓地対策 - 大祖始の遺産/Relic of Progenitus、虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb、ボジューカの沼/Bojuka Bogなど
- マナ加速 - 暗黒の儀式/Dark Ritual、桜族の長老/Sakura-Tribe Elder、水蓮の花びら/Lotus Petalなど
- 土地 - ウルザランド、アーティファクト・土地、雲上の座/Cloudpostなど
その他
- シングルカードでも、下手なアンコモンやレアより値段が高くなることもある。特にウルザズ・レガシー版の怨恨は、値段が高いコモンの代名詞であった。現在でもモダンで需要のある血清の幻視/Serum Visions、レガシーで需要がある陥没孔/Sinkholeやイス卿の迷路/Maze of Ith、稲妻の連鎖/Chain Lightningなどの高額カードが存在し、トップコモンなどと揶揄される。
- Foil版であれば取引価格も相応に高価であり、特に古いカードが再録されることで初めてFoil版が登場した例などは高騰必至となる。
- コモンと基本土地カードだけで作られたデッキはコモンデッキと呼ばれ、パウパーという公式フォーマットとして成立している。詳しくはそれぞれのページを参照。上記の強力カードは、このフォーマットでも各色の主力カードとなっているものも多い。
脚注
- ↑ マスターズ25thとドミナリアは、エキスパンション・シンボルのデザインの都合上、コモンの色は「白」になっている。
- ↑ Odds & Ends: Dominaria, Part 1/こぼれ話:『ドミナリア』 その1(Making Magic 2018年5月14日 Mark Rosewater著)
- ↑ Nuts & Bolts: Filling In the Design Skeleton/基本根本:デザインの骨格を埋めよう(Making Magic 2011年2月28日 Mark Rosewater著)
- ↑ Nuts & Bolts: Higher Rarities/「基本根本」:より高いレアリティ(Making Magic 2012年2月27日 Mark Rosewater著)
- ↑ New World Order/新世界秩序(Making Magic 2011年12月5日 Mark Rosewater著)
- ↑ Common Knowledge/コモンの常識(Making Magic 2011年4月18日 Mark Rosewater著)
- ↑ Odds & Ends: Dominaria, Part 2/こぼれ話:『ドミナリア』 その2(Making Magic 2018年5月28日 Mark Rosewater著)
参考
- Common Knowledge/コモンの常識(Making Magic 2011年4月18日 Mark Rosewater著)
- Developing Commons/コモンのデベロップ(Latest Development 2014年10月3日 Sam Stoddard著)
- アンコモン
- レア
- 神話レア
- 用語集