カウンター (目印)
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カウンター(Counter)は、オブジェクトやプレイヤーの上に何らかの目印として置かれる物である。
概要
オブジェクトやプレイヤーに置かれたカウンターは、その特性を修整したり、能力と相互作用したりする。
多くの場合はパーマネントに乗るが、パーマネントではないオブジェクトにカウンターが乗ることもある。例えば、稲妻の嵐/Lightning Stormはスタックにあるときにカウンターを置くことがあり、待機やアーテイのおせっかい/Ertai's Meddlingなどは、追放領域のカードにカウンターを置く。また、歩く墓場、髑髏茨/Skullbriar, the Walking Graveは墓地や追放領域、統率領域でもカウンターを持つことがある。
- 同名のカウンターは区別されない。
- Rasputin Dreamweaverなど、ある種類のカウンターをそれの上にN個より多く置けないという能力を持つパーマネントに、その種類のカウンターがN個より多く置かれている場合、その種類のカウンターはそのパーマネントからN個を除いて全て取り除かれる。これは状況起因処理である。
- 破れ翼トビ/Tatterkiteや厳粛/Solemnityなど、カウンターを置いたり得たりするすることを制限する効果を持つカードがある。
- プレイヤーが得るカウンターとしては毒カウンター、経験カウンター、エネルギー・カウンター、チケット・カウンターが存在する。
- 特に初心者プレイヤーが混乱しがちな事柄ではあるが、「意味のない」カウンターが置かれることに何ら問題はない。平地/Plainsに+1/+1カウンターが置かれていたとしても適正であり、それらが勝手に取り除かれることもない。
カウンターが置かれることを参照する効果
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
英雄的 ― あなたが血に狂った重装歩兵を対象とする呪文を1つ唱えるたび、血に狂った重装歩兵の上に+1/+1カウンターを1個置く。
血に狂った重装歩兵の上に+1/+1カウンターが1個置かれるたび、対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それの上から+1/+1カウンターを1個取り除く。
クリーチャー — ファンガス(Fungus)
あなたがコントロールするクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターが1個以上置かれる場合、代わりにその2倍の数の+1/+1カウンターをそれの上に置く。
4/4呪文や能力の中には「オブジェクト」の上にカウンターが置かれる/counters are put on "object" ことを参照するものが存在する。それは次の両方を参照する。
- (すでに戦場に出ている)「オブジェクト」の上にカウンターを置く/put counters on "object"
- 「オブジェクト」がカウンターの置かれた状態で戦場に出る/"object" enters the battlefield with counters on it
例えば血に狂った重装歩兵/Bloodcrazed Hopliteの2番目の能力は、次のどちらでも誘発する。
- 自身の英雄的能力や自然からの武装/Nature's Panoplyなどで戦場にいるときに+1/+1カウンターが置かれた場合。
- 凶暴な召喚/Savage Summoningなどによって+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る場合。
オブジェクトがカウンターが置かれた状態で戦場に出る場合、カウンターを置く効果によって指定されたプレイヤーがカウンターを置く。指定されていない場合はその効果のコントローラーがカウンターを置く。
- カウンターを動かす/Moveこともカウンターを置く/put on ことの一種である。これは、「動かす」の定義にカウンターを置く/put onことが含まれているため。動かすも参照。
- 以前は置く/place、置かれる/placed という表現が使われていたが、アモンケットの発売に合わせてオラクルが変更され、置く/put on 、置かれる/be put on に表記が統一された。
特別なルールを持つカウンター
通常、カウンターはあくまで目印であり、それ自体が何らかの効果を持つわけではない。例えば霧氷羽の梟/Rimefeather Owlは「氷カウンターが置かれているパーマネントは氷雪である」という能力を持つが、これは霧氷羽の梟が戦場にいるかぎり有効な常在型能力であり、氷カウンター自身にこのような効果があるわけではない。
しかし以下に挙げるような一部のカウンターには、それ専用のルールが存在する。
+X/+Yカウンター
クリーチャーに+X/+Yカウンターが置かれている場合、そのクリーチャーは+X/+Yの修整を受ける。詳細は+X/+Yカウンターを参照。
+1/+1カウンター、-1/-1カウンター
+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが単一のパーマネントの上に置かれている場合、それらのうち少ない方と同じ個数だけ双方が取り除かれる。詳細は状況起因処理、+1/+1カウンターおよび-1/-1カウンターを参照。
毒カウンター
10個以上の毒カウンターを得たプレイヤーは敗北する。双頭巨人戦では、15個以上の毒カウンターを得たチームは敗北する。詳細は毒カウンターを参照。
忠誠カウンター
プレインズウォーカーに置かれている忠誠カウンターは、そのプレインズウォーカーの忠誠度を表す。忠誠カウンターが置かれていないプレインズウォーカーは墓地に置かれる。詳細は忠誠カウンターを参照。
伝承カウンター
英雄譚・エンチャントに置かれている伝承カウンターは、その英雄譚の現在の章を表す。英雄譚の上にある伝承カウンターの数が最終章の番号以上になったとき、その英雄譚は生け贄に捧げられる。詳細は英雄譚を参照。
キーワード・カウンター
キーワード・カウンターが置かれたパーマネント、あるいは戦場以外の領域にあるカードは、カウンターの名前と同じキーワード能力を得る。詳細はキーワード・カウンターを参照。
盾カウンター
盾カウンターが置かれたパーマネントは、一度だけ効果による破壊やダメージを防ぐことができる。詳細は盾カウンターを参照。
麻痺カウンター
麻痺カウンターが置かれたパーマネントがアンタップするなら、代わりに麻痺カウンターを1個取り除く。詳細は麻痺カウンターを参照。
守備カウンター
バトルに置かれている守備カウンターは、そのバトルの守備値を表す。守備カウンターが置かれておらず、それの誘発型能力がスタックにないバトルは墓地に置かれる。詳細は守備カウンターを参照。
使用に適した物品の一例
他のカウンターと区別することができれば、何をカウンターとして用いてもよい。プレイヤーやジャッジに見やすく、ゲームの邪魔にならないものが望ましい。また、カード1枚の上にいくつも置かれることから、小さいものがよいだろう。
以下のものが広く使われるが、中には独特のカウンターを使うプレイヤーもいる。例えば中村聡はお菓子消しゴムを使っていた。
- 多くの場合、ガラスやプラスチック製のビーズ(おはじき)が使われる。トレーディングカードゲーム用に作られたものも市販されている。
- ダイス(サイコロ)も広く用いられる。目を利用することで複数個のカウンターを表現できるし、一つを十の位、もう一つを一の位とするなどで大量のカウンターも見やすく表現できる。
- 雑誌(デュエリスト・ジャパンなど)の付録として、切り取って使える紙のカウンターがついてくることがあった。何のカウンターなのかあらかじめ印刷されている場合も。
- 一部のカード・セットでは、トークン・カード枠にパンチアウト・カードが封入されていることがある。そのセットで使用するカウンターなどが印刷されており、ミシン目で切り取って使う。
- エネルギー・カウンターなど、プレイヤーが得るカウンターは「カウンター置き場」を作ってそこに置くことが多い。トークン・カード枠にカウンター置き場として使えるカードが封入されていることがある。
- ミラディンの傷跡ブロックやファイレクシア:完全なる統一などに封入されている毒カウンターは、置き場ではなく「カウンターそのもの」として印刷されている。もちろん、これを置き場として利用してもよい。
- カラデシュ初版では、手違いでエネルギー・カウンター貯蔵所カードが印刷シートから抜け落ちていたため、急遽公式ホームページで配布された[1]。ダウンロードして印刷し、切り取って使う。
- 印刷版は他のトークン・カードと同じ形だが、ダウンロード版は特有の五角形をしている。
- ただしルール適用度が競技あるいはプロの大会においては、プレイヤーが得るカウンターについてはこのようなダイスやおはじきを使ったカウンターの表示は認められていない。ライフ総量と同様の手段(筆記メモなど)を用いるようにマジック・イベント規定に定められている。
注意点
- カウンターは、他のカウンターと区別できるようにしなければならない。色などの異なるものを複数種用意するとよい。
- 同様に、トークンとカウンターは区別できるようにしなければならない。カウンターとしてカード状のものを使っているときは注意。
- いずれかのプレイヤーの使っているスリーブやカードの裏面と似たものをカウンターとして使ってはならない。これはトークンと同様である(マジック・イベント規定3.8)。
- その領域に残っているカードの枚数を分からなくするものであったり、いずれかのカードを完全に覆うものであってはならない(同上)。
- 対戦相手に大量のカウンターを置くようなデッキの場合、対戦相手用のカウンターも用意すると親切である。
- 位置が変わるとトラブルの原因になるため、転がったり吹き飛ばされたりしにくいものを選ぼう。
- 相手に不快感を与えるものは使わないようにしたい。
- 第6版の頃のルールブックには、「カウンターは何でもよい」の例えとして蜘蛛の死骸が挙げられていたが、ジョークとして受け取った方がいいだろう。
- カードやテーブル、プレイマットなどを汚さないものを使うことが推奨される。食べ物や、強力すぎる糊のついた付箋などは使わない方が賢明である。
- 上記のルールブックでキャンディが挙げられていたことがあるが、少なくとも湿度の高い日本では推奨されない。
- アン・ゲームでは靴をカウンターとして使わなければならないものもある。
脚注
- ↑ Energy Counter Token/エネルギー・カウンター・トークン(News 2016年9月15日 WotC著)
参考
- Counter Development(Magic Onlineにおけるカウンターのアイコン一覧)(Magic Online 2018年9月5日 Christopher Bellach著)
- カウンター一覧
- マーカー
- ルーリング
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 122 カウンター
- 122.1 カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターはオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。同名のカウンターには互換性がある。
- 122.1a クリーチャーまたは戦場以外の領域にあるクリーチャー・カードの上に置かれている+X/+Y カウンター(X、Yはそれぞれ数字である)はそのオブジェクトのパワーにXを加え、タフネスにYを加える。同様に、-X/-Y カウンターはその分だけパワーやタフネスから引く。rule 613.4c 参照。
- 122.1b パーマネントあるいは戦場以外の領域にあるカードの上にあるキーワード・カウンターは、そのオブジェクトにそのキーワードを与える。キーワード・カウンターでありうるキーワードは、飛行、先制攻撃、二段攻撃、接死、速攻、呪禁、破壊不能、絆魂、威迫、到達、シャドー、トランプル、警戒、ならびにそれらのキーワードの変種である。rule 613.1f 参照。
- 122.1c パーマネントの上にある1個以上の盾カウンターは、そのパーマネントを保護する単一の置換効果と単一の軽減効果を生成する。それらの効果は「このパーマネントが効果の結果として破壊されるなら、代わりに、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」と「このパーマネントがダメージを受けるなら、そのダメージを軽減し、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」である。rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照。
- 122.1d パーマネントの上にある1個以上の麻痺カウンターは、そのパーマネントがアンタップすることを妨げる単一の置換効果を生成する。その効果は「麻痺カウンターが置かれているパーマネントがアンタップ状態 になるなら、代わりに、その上から麻痺カウンター1個を取り除く。」である。
- 122.1e 戦場に出ているプレインズウォーカーの上に置かれた忠誠カウンターは、そのプレインズウォーカーの忠誠度を示す。忠誠度が0のプレインズウォーカーは、状況起因処理でそのオーナーの墓地に置かれる。rule 704 参照。
- 122.1f いずれかのプレイヤーが10個以上の毒カウンターを持った場合、そのプレイヤーは状況起因処理でゲームに負ける。rule 704 参照。プレイヤーが1個以上の毒カウンターを持っている場合、そのプレイヤーは「毒を受けている/poisoned」と言う(双頭巨人戦に関する追加の規定は rule 810 参照)。
- 122.1g バトルの上にある守備カウンターの数は、それが持つ守備値を示す。守備値が0であるバトルは、それが誘発してからまだスタックを離れていない能力の発生源でないなら、オーナーの墓地に置かれる。この状況起因処理はスタックを用いない。rule 704 参照。
- 122.1h パーマネントの上にある1個以上の最終カウンターは、そのパーマネントが墓地に行くことを妨げる単一の置換効果を生成する。その効果は「このパーマネントが戦場から墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。」である。
- 122.2 オブジェクト上のカウンターは、そのオブジェクトがある領域から他の領域に移動した場合には保持されない。これらのカウンターは「取り除かれた/removed」のではなく、単に消滅するだけである。rule 400.7 参照。
- 122.3 単一のパーマネントに、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが乗っている場合、その2つのうちで少ないほうと同数だけ、両方のカウンターを取り除く。(訳注:両方が同数である場合、その両方を全て取り除く。)rule 704 参照。
- 122.4 ある種類のカウンターをN個を超えて持つことができないという能力を持つパーマネントの上に、その種類のカウンターがN個を超えて置かれた場合、N個を残して取り除く。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
- 122.5 カウンターを「動かす/move」とは、カウンターを現在ある場所から取り除き、他のオブジェクトの上に置くことを言う。それらの処理のどちらかが不可能な場合、カウンターを動かすことも不可能であり、カウンターが取り除かれることも置かれることもない。これは、元置かれていたオブジェクトと動かす先のオブジェクトが同一である場合や、動かす元のオブジェクトに該当するカウンターがない場合、あるいは動かす先のオブジェクトにカウンターを置くことができなかったり既に本来の領域 になかったりする場合に起こりうる。
- 122.6 オブジェクトの上にカウンターが置かれることを参照する呪文や能力は、そのオブジェクトが戦場に出ている間にカウンターが置かれることと、そのオブジェクトが戦場に出るに際してカウンターが置かれることの両方を参照する。
- 122.7 「N個目の[種類]カウンター/the Nth [kind] counter」がオブジェクトに置かれたとき(たび)に誘発する能力は、その種類のカウンターが1個以上そのオブジェクトに置かれることによって、それ以前にはN個のその種類のカウンターが置かれておらず、それ以降にはN個以上のその種類のカウンターが置かれているようになったときに誘発する。
- 122.8 誘発型能力に、あるオブジェクトのすべてのカウンターを他のオブジェクトに置くと書かれていてその能力の誘発条件や効果がそのカウンターが置かれていたオブジェクトが戦場を離れることを見るものであった場合、プレイヤーはカウンターをオブジェクト間で動かすわけではなく、1つ目のオブジェクトの上にあったカウンターと同種同数のカウンターを2つ目のオブジェクトの上に置く。
- 122.1 カウンターとは、オブジェクトやプレイヤーの上に置かれるマーカーであり、その特性を修整したり、能力と相互作用したりするものである。カウンターはオブジェクトではなく、特性を持たない。トークンはカウンターではなく、カウンターはトークンではない。同名のカウンターには互換性がある。
- 122 カウンター