スライ
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**ちなみに[[月の大魔術師/Magus of the Moon]]をサイドに回す形だと、その枠には[[ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang]]が入っている。マナ域変わらず。 | **ちなみに[[月の大魔術師/Magus of the Moon]]をサイドに回す形だと、その枠には[[ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang]]が入っている。マナ域変わらず。 | ||
*土地が24枚であるが、これだと[[復讐の亜神/Demigod of Revenge]]が5ターン目に出せることは少ない。それでも惜しげもなく4枚採用という辺りにこのカードのパワーが窺える。 | *土地が24枚であるが、これだと[[復讐の亜神/Demigod of Revenge]]が5ターン目に出せることは少ない。それでも惜しげもなく4枚採用という辺りにこのカードのパワーが窺える。 | ||
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弱体化された[[赤]]の[[クリーチャー]]の質を補うため、[[精力的なレインジャー/Firebrand Ranger]]などの[[バニラ]]同然の2[[マナ]]2/1クリーチャーもが採用される。詳細は[[スペッド・レッド]]を参照のこと。 | 弱体化された[[赤]]の[[クリーチャー]]の質を補うため、[[精力的なレインジャー/Firebrand Ranger]]などの[[バニラ]]同然の2[[マナ]]2/1クリーチャーもが採用される。詳細は[[スペッド・レッド]]を参照のこと。 | ||
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==ミラージュ・ブロック期== | ==ミラージュ・ブロック期== | ||
− | [[ミラージュ・ブロック]]期の[[スタンダード]]では、[[火葬/Incinerate]]や[[火炎破/Fireblast]]などの[[トーナメント]]・レベルの[[カード]]が数多く収録されていたため、一躍人気[[デッキ]] | + | [[ミラージュ・ブロック]]期の[[スタンダード]]では、[[火葬/Incinerate]]や[[火炎破/Fireblast]]などの[[トーナメント]]・レベルの[[カード]]が数多く収録されていたため、一躍人気[[デッキ]]に。 |
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次の[[テンペスト・ブロック]]でも優秀[[カード]]が数多く採用されたため、スライは黄金時代を迎える。 | 次の[[テンペスト・ブロック]]でも優秀[[カード]]が数多く採用されたため、スライは黄金時代を迎える。 | ||
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*レシピを見て解るとおり、クリーチャーの質はものすごく高いわけでもないし、明らかにアンチ[[シナジー]]のカード([[フラーグのゴブリン/Goblins of the Flarg]]と[[ドワーフ]])が入っている。これはそれぞれの[[エキスパンション]]から最低5枚ずつデッキに使用しなければならないという特殊な[[フォーマット]]のせいでもある。赤のクリーチャーの質がピークを迎えるのはもっと後のことであり、このデッキの強さはその安定性、構築理論の正確さであると言える。 | *レシピを見て解るとおり、クリーチャーの質はものすごく高いわけでもないし、明らかにアンチ[[シナジー]]のカード([[フラーグのゴブリン/Goblins of the Flarg]]と[[ドワーフ]])が入っている。これはそれぞれの[[エキスパンション]]から最低5枚ずつデッキに使用しなければならないという特殊な[[フォーマット]]のせいでもある。赤のクリーチャーの質がピークを迎えるのはもっと後のことであり、このデッキの強さはその安定性、構築理論の正確さであると言える。 | ||
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+ | 各ブロック構築においても、下記の時期で活躍を見せる。 | ||
+ | *[[スライ/ブロック構築/ラヴニカへの回帰|ラヴニカへの回帰ブロック構築]] | ||
+ | *[[スライ/ブロック構築/ゼンディカー=エルドラージ覚醒|ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築]] | ||
+ | *[[スライ/ブロック構築/ローウィン=シャドウムーア|ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築]] | ||
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+ | *[[スライ/ブロック構築/ミラディン|ミラディン・ブロック構築]] | ||
+ | *[[スライ/ブロック構築/マスクス|マスクス・ブロック構築]] | ||
+ | *[[ゴブリン・バーン|ウルザ・ブロック構築]] | ||
+ | *[[スライ/ブロック構築/テンペスト|テンペスト・ブロック構築]] | ||
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[[ローテーション]]後の[[エクステンデッド]]におけるスライは、[[土地破壊]]の要素を組み込み、特に[[RDW#エクステンデッド|RDW]]の名で呼ばれることが多い。 | [[ローテーション]]後の[[エクステンデッド]]におけるスライは、[[土地破壊]]の要素を組み込み、特に[[RDW#エクステンデッド|RDW]]の名で呼ばれることが多い。 | ||
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[[オンスロート]]以降は強力な[[ゴブリン]]の登場を受けて[[ラッキースライ]]も強化されたが、[[ゴブヴァンテージ]]に取って代わられてしまい、その後の[[ゴブリン (デッキ)#エクステンデッド|ゴブリン]]もスライとは動きが異なる。 | [[オンスロート]]以降は強力な[[ゴブリン]]の登場を受けて[[ラッキースライ]]も強化されたが、[[ゴブヴァンテージ]]に取って代わられてしまい、その後の[[ゴブリン (デッキ)#エクステンデッド|ゴブリン]]もスライとは動きが異なる。 | ||
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スライは[[テンペスト・ブロック]]以降[[エクステンデッド]]でも有力な[[アーキタイプ]]になった。 | スライは[[テンペスト・ブロック]]以降[[エクステンデッド]]でも有力な[[アーキタイプ]]になった。 | ||
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2013年6月10日 (月) 00:09時点における版
スライ(Sligh)は、赤を中心とした、マナカーブとダメージ効率を重視した超速攻ウィニーデッキ。または、赤を中心としたビートダウン系デッキの総称。デッキ名はPaul Sligh(ポール・スライ)のラストネームに由来する。
概要
軽量のクリーチャーと数種類の火力が主戦力で、無色のダメージソースとして呪われた巻物/Cursed Scrollなども使用される。5ターン以内に決められるかどうかが勝負の分かれ目となる。
もともとのスライはJay Schneiderの唱えた「そのターンに出し得るマナをムダなく使うにはどうしたらいいか?」という理論のもと生み出されたデッキ。特定のマナカーブ(スライカーブ)に基づいて構築されており、元来は土地23枚に対して1マナ13枚、2マナ9枚、3マナ5枚、4マナ3枚を目安にクリーチャーが投入されており、火力呪文などは別途で計算されていた。
Paul Slighが使用したPTQで2位に入ったことで、以後“スライ”というニックネームがつけられることになった。当時は2位でもPT枠に入れたので、インターネット上における若干の誇大宣伝もあって、この名前が定着してしまった。実際、このデッキ(またの名を“ギーバ”や“オークの司書デッキ”)は、今日においても偉大なデッキビルダーであるJay Schneiderのデザインによるものであるが、スライに比べてその名はここ数年ほとんど表に出てこない。
近年、スライと呼ばれているデッキのほとんどがデッドガイレッド(又はバーン)に近い。エクステンデッドでは土地破壊要素も入り、赤単色の高速デッキ全体がRDW(レッドデックウィンズ)と呼ばれることが多い。
イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期
ローテーションにより環境が一新され、しばらく姿を消していた赤単スライが復権。良質な火力の不足、スラーグ牙/Thragtusk・スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelationに代表されるライフゲイン側の強さから、クリーチャーを中心とした構成が基本となっている。
クリーチャー — 人間(Human) 戦士(Warrior)
先制攻撃、速攻
プレイヤー1人が墓地から呪文を1つ唱えるたび、灰の盲信者はそのプレイヤーに3点のダメージを与える。
クリーチャー — 狼(Wolf)
紅蓮心の狼が攻撃するたび、ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは威迫を得る。(それらは2体以上のクリーチャーによってしかブロックされない。)
不死(このクリーチャーが死亡したとき、それの上に+1/+1カウンターが置かれていなかった場合、それを+1/+1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。)
マナカーブは1マナのウィニーから5マナの雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkiteにまで連なる独特なもの。序盤は流城の貴族/Stromkirk Nobleや灰の盲信者/Ash Zealotを並べ、最後は紅蓮心の狼/Pyreheart Wolfや地獄乗り/Hellriderで押し切る方針を取る。
また、ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocratなどのために黒をタッチした亜種も存在する。詳細は黒赤ビートダウンを参照。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリアトランティックシティ13 ベスト4 (参考)
- 使用者:Ari Lax
- フォーマット
Mono Red [1] | |||||||||||||||||||||||||
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ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
稲妻/Lightning Bolt、ゴブリンの先達/Goblin Guideを初めとした多数のクリーチャーと火力のローテーション落ちにより大きく弱体化したものの、環境の一角として生き残った。
クリーチャー — 吸血鬼(Vampire) 貴族(Noble)
流城の貴族は人間(Human)にはブロックされない。
流城の貴族がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時と、あなたが赤の呪文を唱えるたび、燃え上がる憤怒の祭殿の上に蓄積(charge)カウンター1個を置く。
(3),(T),燃え上がる憤怒の祭殿を生け贄に捧げる:1つを対象とする。これはそれに、これの上に置かれていた蓄積カウンターの数に等しい点数のダメージを与える。
火力も駆使してうまく攻撃を通すことで、新鋭の流城の貴族/Stromkirk Nobleや主戦力に昇格した嵐血の狂戦士/Stormblood Berserkerの能力を活かし、更なるダメージを稼いでいくのが基本の動き。最後は前環境同様、槌のコス/Koth of the Hammerや燃え上がる憤怒の祭殿/Shrine of Burning Rageによって勝負を決める。
良質な火力は少ないが、タフネス1対策の霊炎/Geistflameやはらわた撃ち/Gut Shot、上段の4枚と相性の良い電位の負荷/Volt Chargeなどの工夫ある採用により、これをカバーしている。
イニストラード参入直後の環境初期に活躍するもその後衰退し、闇の隆盛参入後にはほとんど見かけなくなってしまった。
サンプルレシピ
RDW [2] | |||||||||||||||||
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ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
ローテーションにより各種歩く火力を失うも、基本セット2011で続けて再録された稲妻/Lightning Boltとゼンディカー・ブロックの優秀な火力により、依然健在である。
伝説のプレインズウォーカー — コス(Koth)
[+1]:山(Mountain)1つを対象とし、それをアンタップする。ターン終了時まで、それは赤の4/4のエレメンタル(Elemental)・クリーチャーになる。それは土地でもある。
[-2]:あなたがコントロールする山1つにつき、あなたのマナ・プールに(赤)を加える。
[-5]:あなたは「あなたがコントロールする山は『(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。この土地はそれに1点のダメージを与える。』を持つ。」を持つ紋章を得る。
ゴブリンの先達/Goblin Guideなどのウィニークリーチャーを火力でバックアップする基本方針は変わらない。ミラディンの傷跡からほぼ共通して採用されるのは、重いが強力な槌のコス/Koth of the Hammer。
ミラディン包囲戦後は大きく2つのタイプに分岐する。1つはクリーチャー数を抑え、火力を優先するバーン型。もう1つは採用されるクリーチャーにゴブリンが多いことから、ゴブリンの酋長/Goblin Chieftainやゴブリンの戦煽り/Goblin Wardriverなどの全体強化クリーチャーを加え、ビートダウン色を増したゴブリン型。それぞれ弱点が異なり、一長一短である。
新たなるファイレクシアでは燃え上がる憤怒の祭殿/Shrine of Burning Rageによりバーン型が強化される。また新機軸として、焼身の魂喰い/Immolating Souleaterと投げ飛ばし/Flingを投入したタイプも登場。
基本セット2012でも、渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerやゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenadeといった往年の名カードの再録により、さらなる強化を受けた。
- コーの火歩き/Kor Firewalkerや神聖の力線/Leyline of Sanctityなどの強烈なアンチカードの存在から、常にメタゲームの中心にいると言うよりも、対策の甘くなった隙を突いて活躍するデッキであると言える。
- カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirthとアーティファクトを中心としたゴブナイトと呼ばれるタイプも存在するが、通常の所謂「赤単」とはやや毛色の異なるデッキであるため、詳細はゴブナイトのページに譲る。
サンプルレシピ1
- 備考
- The Finals10 ベスト8 (参考)
- 使用者:河合宏樹
- フォーマット
Mono-Red [3] | |||||||||||||||||||||||
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- バーン型。
サンプルレシピ2
- 備考
- ドイツ選手権11 優勝 (参考)
- 使用者:Helge Nelson
- フォーマット
アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
古の名火力稲妻/Lightning Bolt、ボール・ライトニング/Ball Lightningが復活。アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期のスタンダードでは、ライフをより高速に削れることから、メタの中心にいるジャンドのアンチデッキとして台頭した。
クリーチャー — 昆虫(Insect)
先制攻撃
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、板金鎧の土百足はターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
動きは赤白上陸に近く、板金鎧の土百足/Plated Geopedeなどの上陸持ちウィニーや、歩く火力を展開し火力で補助して一気に押し切る。
赤白上陸と比較するとスピードはこちらに分があるがイーオスのレインジャー/Ranger of Eosなどのアドバンテージ源を持たないため息切れしやすい。そのため蘇生持ちの歩く火力を採用して息切れを防ぐ場合が多い。
サンプルレシピ
- 備考
- The Finals09 ベスト8 (参考)
- 使用者:後藤祐征
- フォーマット
スライ(ALA+ZEN) [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期のスタンダードにも存在する。
モーニングタイド以降、青黒フェアリーに対抗するために赤単デッキはバーンタイプのものが主流となっていたが、シャドウムーアで復讐の亜神/Demigod of Revengeが登場したことにより、ビートダウンデッキが増加する。
クリーチャー — キスキン(Kithkin)
(赤/白):運命の大立者は基本のパワーとタフネスが2/2であるキスキン(Kithkin)・スピリット(Spirit)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者がスピリットである場合、それは基本のパワーとタフネスが4/4であるキスキン・スピリット・戦士(Warrior)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者が戦士である場合、それは基本のパワーとタフネスが8/8であり飛行と先制攻撃を持つキスキン・スピリット・戦士・アバター(Avatar)になる。
クリーチャー — エレメンタル(Elemental) 戦士(Warrior)
アッシェンムーアの抉り出しではブロックできない。
4/4クリーチャー — スピリット(Spirit) アバター(Avatar)
あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたの墓地にある名前が《復讐の亜神/Demigod of Revenge》であるすべてのカードを戦場に戻す。
飛行、速攻
その勢いは運命の大立者/Figure of Destinyの登場によって絶対的なものになり、環境のビートダウンデッキ最右翼としてメタゲームの頂点に君臨することになる。
ビートダウン型の赤としては珍しいマナカーブを描いているのが特徴で、前半戦の打点を稼ぎつつパワー、タフネスや能力によって中~後半においても無駄にならないカードが多数選択されている。主力となる運命の大立者や血騎士/Blood Knight、アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gougerは同マナ域の緑のクリーチャーにも劣らないサイズであり、ビートダウンの天敵である台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finksを踏み越えていくパワフルなアタッカーとして対戦相手のライフを速やかに削り取る。そして最終的には復讐の亜神のカードパワーで一気にフィニッシュする。
特にこの環境のスタンダードはカードプールの広さから異様なまでのカードパワーの高まりを見せ、後期型では最強の1マナ・クリーチャーとも謳われたモグの狂信者/Mogg Fanaticすらデッキに入らない場合がある。
また火力にも特色が出ており、環境に多数存在するカメレオンの巨像/Chameleon Colossusや霧縛りの徒党/Mistbind Clique、また同系の「タフネス4」に対応するために、プレイヤーにはダメージが入らない雪崩し/Skredを採用している。
ボードコントロールに弱いのはビートダウンの宿命だが、そのようなデッキは多色地形を多用するため、隙を突いて月の大魔術師/Magus of the Moonを通すとあっという間に手詰まりになることが多い。しかし、このカードは同系に対して非常に弱いため、メタゲームが赤単に寄り過ぎている場合はサイドボードに回すこともある。
非常に色拘束が強いデッキであるため、神の怒り/Wrath of Godに強いアタッカーこと変わり谷/Mutavaultは不採用。しかし、1枚1枚のカードパワーがかつてないほどに高く、全体除去後も脅威を連発するためそこまで大きなデメリットではないとされる。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリコペンハーゲン08 準優勝 (参考)
- 使用者:斎藤友晴
- フォーマット
スライ(TSP+LRW) [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 1マナ域8枚、2マナ域4枚、3マナ域8枚、5マナ域4枚というマナカーブだが、これでも最もスタンダードなレシピである。
- ちなみに月の大魔術師/Magus of the Moonをサイドに回す形だと、その枠にはボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gangが入っている。マナ域変わらず。
- 土地が24枚であるが、これだと復讐の亜神/Demigod of Revengeが5ターン目に出せることは少ない。それでも惜しげもなく4枚採用という辺りにこのカードのパワーが窺える。
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期
ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期のスタンダードでは、時のらせんブロックで登場した血騎士/Blood Knightや硫黄の精霊/Sulfur Elementalなどの優秀カードに加え、第10版で火葬/Incinerateとモグの狂信者/Mogg Fanaticが再録され、一躍メタゲームの中心に上りあがる。
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
モグの狂信者を生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。モグの狂信者はそれに1点のダメージを与える。
1/1インスタント
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。火葬はそれに3点のダメージを与える。これによりダメージを与えられたクリーチャーは、このターン再生できない。
純粋なスライのほか、黒を加えて闇の腹心/Dark Confidantを投入したラクドス・アグロや、緑をタッチしタルモゴイフ/Tarmogoyfを加えるタルモバーン、大いなるガルガドン/Greater Gargadonのシナジーを意識したグレーター・ゴイフなど、いくつかの亜種も存在する。
ミラディン・ブロック期
ミラディン・ブロック初期のスタンダードにおける赤単色デッキは、ビッグ・レッドなどの中低速コントロールデッキが主体であった。これは赤が対親和に有利である反面、親和にスピード勝負を挑むのは分が悪いという判断からである。
だが、親和の主要パーツが禁止され、ウルザトロンやヴィダルケンの枷などが台頭してくると、スピードを持ち味にしたスライが登場することとなった。
凍らし/Frostlingなどをはじめとして高速にまとめたものや、ビッグ・レッドのアーティファクト除去や一部火力などの要素をクリーチャーや装備品に置き換えた中速のものなどが存在した。
クリーチャー — スリス(Slith)
速攻
炎歩スリスがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
メタゲームの中心にあるウルザトロンに対抗するため、サイドボードには土地破壊が投入される場合がほとんど。日本選手権05ではベスト8に2人を送り込んだ。
サンプルレシピ
スライ(MRD+CHK) [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 火と氷の剣/Sword of Fire and Iceの採用で中長期戦を見据えた仕様。特にミラーマッチではアドバンテージに大きく差を付けることができる。
オンスロート・ブロック期
オンスロート・ブロック期のスタンダードでは、オンスロートの部族のシナジーを活用したゴブリンデッキが登場。
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
(T):クリーチャー1体を対象とする。火花鍛冶は、それとあなたにX点のダメージを与える。Xは、戦場に出ているゴブリン(Goblin)の数に等しい。
1/1クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 戦士(Warrior)
プロテクション(青)(このクリーチャーは青のものに対して、ブロックされず、対象にならず、ダメージを与えられず、エンチャントされない。)
ゴブリンの群衆追いが攻撃するたび、それはターン終了時まで他の攻撃しているゴブリン(Goblin)1体につき+2/+0の修整を受ける。
初期は軽いゴブリンを主体にした速攻デッキであったことから、ゴブリンスライの名で呼ばれていた。しかし、火花鍛冶/Sparksmithと宝石の手の焼却者/Gempalm Incineratorの存在が火力の必要性を薄れさせ、次第にゴブリンによる純粋なビートダウンへと変化した。とくにスカージ以降はその傾向が強い。
マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期のスタンダードでは、強力なウルザ・ブロックが抜けたことで消滅も囁かれたが、プレーンシフトで火炎舌のカヴー/Flametongue Kavuを得たことで復活した。
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier) レインジャー(Ranger)
(緑),(T):あなたは、あなたの手札から基本土地カードを1枚戦場に出してもよい。
2/1クリーチャー — カヴー(Kavu)
火炎舌のカヴーが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。火炎舌のカヴーは、それに4点のダメージを与える。
4/2弱体化された赤のクリーチャーの質を補うため、精力的なレインジャー/Firebrand Rangerなどのバニラ同然の2マナ2/1クリーチャーもが採用される。詳細はスペッド・レッドを参照のこと。
ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期
ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期のスタンダードでは、強力なテンペスト・ブロックの退場で大きく弱体化したが、それでもなんとかネメシスで炎の印章/Seal of Fireを得て命脈を保つ。
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
ゴブリンの士官候補生がブロックするかブロックされた状態になるたび、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは、ゴブリンの士官候補生のコントロールを得る。(これはゴブリンの士官候補生を戦闘から取り除く。)
2/1メタゲームの中心にあるトリニティ系デッキのマナ・クリーチャーを殺しやすい火力の価値が上がったことも幸いした。
サンプルレシピ
- 備考
- インビテーショナル00春 出場(参考)
- 使用者:David Price
- フォーマット
Sligh [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期
テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期のスタンダードでは、基本セットが第5版から第6版に移行したことで多くの火力を失い、大幅に弱体化。非常に強力なマスティコア/Masticoreなどの存在も逆風となる。
また、ゴブリンの従僕/Goblin Lackeyを使用したラッキースライも登場したが、本格的な始動はエクステンデッドでオンスロートが登場してからである。
クリーチャー — ゴブリン(Goblin)
ゴブリンの従僕がプレイヤーにダメージを与えるたび、あなたはあなたの手札にあるゴブリン(Goblin)・パーマネント・カードを1枚、戦場に出してもよい。
1/1サンプルレシピ
スライ(TSP+USG) [9] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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テンペスト・ブロック期
テンペスト・ブロック期のスタンダードで、スライの黄金時代とも言われる比類なき強力なデッキとなる。
クリーチャー — ジャッカル(Jackal)
ジャッカルの仔にダメージが与えられるたび、それはあなたにそのダメージに等しい点数のダメージを与える。
2/1アーティファクト
(3),(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。カード名を1つ選ぶ。その後、あなたの手札からカードを1枚、無作為に公開する。そのカードが選ばれた名前を持つ場合、呪われた巻物はそれに2点のダメージを与える。
白や緑に匹敵するほどにコスト・パフォーマンスの高いウィニークリーチャー、高効率の火力、無色のダメージ源であり息切れ防止にも役立つ呪われた巻物/Cursed Scrollまでも存在する。赤が群を抜いて強い当時の環境を表したデッキであり、後の環境で再現することは難しい。
チーム・「デッドガイ」の構築したデッドガイレッドはテンペスト・ブロック構築、スタンダードともに大きな成果を上げた。
だが、あまりにも強力すぎたため、テンペスト・ブロック構築では呪われた巻物は禁止カードに指定されてしまった。
ミラージュ・ブロック期
ミラージュ・ブロック期のスタンダードでは、火葬/Incinerateや火炎破/Fireblastなどのトーナメント・レベルのカードが数多く収録されていたため、一躍人気デッキに。
クリーチャー — トカゲ(Lizard) 戦士(Warrior)
速攻(このクリーチャーは、あなたのコントロール下になってすぐに攻撃したり(T)したりできる。)
終了ステップの開始時に、ヴィーアシーノの砂漠の狩人をオーナーの手札に戻す。(それが戦場に出ているときのみ戻す。)
インスタント
あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、山(Mountain)を2つ生け贄に捧げることを選んでもよい。
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。火炎破はそれに4点のダメージを与える。
次のテンペスト・ブロックでも優秀カードが数多く採用されたため、スライは黄金時代を迎える。
アイスエイジ・ブロック期
アイスエイジ・ブロック期のスタンダードでは、Jay Schneiderの考案したデッキがPaul SlighによりPTQを抜けたことで一躍有名になる。
オークの司書/Orcish Librarianによるデッキ圧縮が特徴のため「オークの司書」デッキの名で呼ばれる。詳しくは下記のデッキリストを参照のこと。
サンプルレシピ
- 備考
- 使用者:Paul Sligh
- デザイン:Jay Schneider
- フォーマット
スライ(初期型) [10] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- オークの司書/Orcish Librarianによるデッキ圧縮が特徴のため、「オークの司書デッキ」の名で呼ばれる。
- レシピを見て解るとおり、クリーチャーの質はものすごく高いわけでもないし、明らかにアンチシナジーのカード(フラーグのゴブリン/Goblins of the Flargとドワーフ)が入っている。これはそれぞれのエキスパンションから最低5枚ずつデッキに使用しなければならないという特殊なフォーマットのせいでもある。赤のクリーチャーの質がピークを迎えるのはもっと後のことであり、このデッキの強さはその安定性、構築理論の正確さであると言える。
ブロック構築
各ブロック構築においても、下記の時期で活躍を見せる。
- ラヴニカへの回帰ブロック構築
- ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築
- ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築
- 時のらせんブロック構築
- ミラディン・ブロック構築
- マスクス・ブロック構築
- ウルザ・ブロック構築
- テンペスト・ブロック構築
- ミラージュ・ブロック構築
テンペスト期のエクステンデッド
ローテーション後のエクステンデッドにおけるスライは、土地破壊の要素を組み込み、特にRDWの名で呼ばれることが多い。
クリーチャー — ジャッカル(Jackal)
ジャッカルの仔にダメージが与えられるたび、それはあなたにそのダメージに等しい点数のダメージを与える。
2/1優秀なウィニークリーチャーと火力に加え、リシャーダの港/Rishadan Portや不毛の大地/Wastelandでマナを縛り、対戦相手の動きを封じる。また、オンスロートのフェッチランドがライブラリーを圧縮しつつ、終盤の無駄な土地ドローを減らしてくれる。
要となるテンペスト・ブロックはローテーションで退場してしまったが、速攻+土地破壊という動きはBDWにも受け継がれている。
オンスロート以降は強力なゴブリンの登場を受けてラッキースライも強化されたが、ゴブヴァンテージに取って代わられてしまい、その後のゴブリンもスライとは動きが異なる。
デュアルランド期のエクステンデッド
スライはテンペスト・ブロック以降エクステンデッドでも有力なアーキタイプになった。
基本的にはテンペスト期のものと同じで、軽量クリーチャーと火力で対戦相手のライフを削る。ただし、デュアルランドなど凶悪な特殊地形が蔓延する環境であるため、定番の不毛の大地/Wastelandに加えて発展の代価/Price of Progressも多く採用される。
デッキの性質上遅いコントロールやネクロなどには強いが、メタゲームの中心にあったドネイトにはIllusions of Grandeurから苦戦を強いられる。そのため、活躍の度合いはメタによるところが大きい。
サンプルレシピ
- 備考
- グランプリフェニックス00 ベスト8 (参考)
- 使用者:Robert Swarowski
- フォーマット
レガシー
クリーチャー — キスキン(Kithkin)
(赤/白):運命の大立者は基本のパワーとタフネスが2/2であるキスキン(Kithkin)・スピリット(Spirit)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者がスピリットである場合、それは基本のパワーとタフネスが4/4であるキスキン・スピリット・戦士(Warrior)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者が戦士である場合、それは基本のパワーとタフネスが8/8であり飛行と先制攻撃を持つキスキン・スピリット・戦士・アバター(Avatar)になる。
レガシーの赤単といえば、ゴブリンデッキが主流であるが、純粋なスライタイプも少なくない。
構成としては、旧エクステンデッドのものを基盤とし、加えて、中盤以降の活躍が期待できる渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerや運命の大立者/Figure of Destinyなどが採用される。
強力な特殊地形が蔓延する環境であるため、火力は発展の代価/Price of Progressが標準装備である。また、別な特殊地形対策として破滅/Ruinationを使用することもある。
最近では、黒をタッチして闇の腹心/Dark Confidantを採用したり、緑をタッチしてタルモゴイフ/Tarmogoyfを採用するなどの構成も多く見られる。色が増えるとZooに近い構成をとることが多い。
また、火力が十分に充実している環境であるため、モグの狂信者/Mogg Fanatic以外のクリーチャーを外し、バーン寄りの構成を取るタイプも多い。
サンプルレシピ
- 備考
- レガシー選手権05 準優勝 (参考)
- 使用者:Peter Franke
- レガシー(~ラヴニカ:ギルドの都)
スライ(レガシー) [11] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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