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サヒーリコンボ(Saheeli Combo)は、サヒーリ・ライ/Saheeli Raiと守護フェリダー/Felidar Guardianをキーカードに据えた無限コンボデッキ。国外では主にコピーキャット(Copycat, Copy Cat)[1]と呼ばれる。霊気紛争参入後のスタンダード、モダン環境に存在する。白青赤を含む3色以上で組まれる。
概要
クリーチャーの速攻付きコピー・トークンを生成できるサヒーリ・ライと、プレインズウォーカーも明滅させることができる守護フェリダーによる無限コンボを勝利手段とする。カード2枚というコンボパーツの少なさと、最速4ターンキルも可能な速さが強み。
以下はコンボ手順。
- サヒーリ・ライと守護フェリダーを戦場に出す。
- サヒーリ・ライの-2能力を起動し、守護フェリダーのコピー・トークンを生成する。
- 守護フェリダー(コピー・トークン)のETB能力により、サヒーリ・ライを明滅させる。
- 別のオブジェクトとして戦場に戻ったサヒーリ・ライの-2能力を起動し、再び守護フェリダーのコピー・トークンを生成する。
- 3~4の手順を任意の回数繰り返し、速攻を持った無限トークンで攻撃してフィニッシュ。
サヒーリと守護フェリダーを出す順番は問わない。また、守護フェリダーを出してから土地を明滅させる事で1マナ稼げるので、6マナで同時出しが可能となる。
スタンダード
大きく分けて次の2つのタイプが存在する。
- コントロール型
3色で組まれることが多い。ジェスカイ・コントロールをベースにサヒーリコンボを足し、コンボ達成までを除去や打ち消しで凌ぐタイプ。
元々ジェスカイ・コントロール自体がプロツアー「カラデシュ」 で準優勝した強力なデッキでありポテンシャルが高い。奔流の機械巨人/Torrential Gearhulkをサヒーリでコピーもしくは守護フェリダーで明滅させることでETB能力を複数回利用できるため、デッキ構成に無理が生じないのも利点。1ゲーム目でサヒーリや守護フェリダーを見せ、アグレッシブ・サイドボーディングにより2ゲーム目以降はノー・サヒーリ構成にしてインスタント火力・除去を腐らせる戦略も取れる。さらに青赤電招とのハイブリッド構成にすることも可能と、タイプが読まれにくいのも強み。
- ビート・コントロール型
緑を足して4色で組まれることが多い。マナ基盤を安定させ優良なクリーチャーを展開し、勝利手段をコンボのみに頼らずビートダウンする戦略を取るタイプ。
マナ基盤にはニッサの誓い/Oath of Nissa、導路の召使い/Servant of the Conduitを基本とし、エネルギー戦略を取るなら霊気との調和/Attune with Aetherが足されることが多い。ならず者の精製屋/Rogue Refinerや雲先案内人/Cloudblazerをコピー・明滅させてアドバンテージを稼ぎ、得られたエネルギーは蓄霊稲妻/Harnessed Lightningやつむじ風の巨匠/Whirler Virtuosoで消費しつつ盤面を有利にしていく。最後は現出した老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiendで土地やブロッカーをタップして封じコンボを決める、もしくはサヒーリでコピーして10点パンチを叩き込んで勝利する。
ニッサの誓いとのシナジーを考慮し、反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance、先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbingerといったプレインズウォーカーや各種誓いカードを多数追加し、スーパーフレンズ型に寄せたデッキも存在する。さらには異界の進化/Eldritch Evolutionや霊気池の驚異/Aetherworks Marvelといった別軸の戦略が組み込まれる場合もある。
サンプルリスト
青赤白
赤緑白青
赤緑白青2
アモンケット後(Magic Online)
- 備考
- Standard Constructed League on 04/27/2017 5-0
- 使用者:Oliver_Hart
- フォーマット
パイオニア
パイオニアにおいては、フォーマット制定当時より有力コンボデッキと見なされており、スタンダード期の赤緑白青のビート・コントロール型の4色コピーキャットの延長線のようなデッキが存在する。
マナ加速と色マナの安定を兼ねる金のガチョウ/Gilded Gooseや、コンボ妨害を妨害する時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Ravelerなどが採用される。
サンプルリスト
- 備考
- Pioneer Challenge #12000548 on 10/27/2019 ベスト8(参考)
- 使用者:MentalMisstep
- フォーマット
モダン
モダン環境においてはキーカードが禁止され姿を消した欠片の双子の後継デッキとして期待され、研究が進んでいる。欠片の双子は瞬速持ちを使うことでインスタント・タイミングでコンボ達成が可能だったが、サヒーリコンボは基本的にソーサリー・タイミングで動くため隙が生まれやすく、欠片の双子のような奇襲性は失われている。
鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breakerをメインに据えたデッキと比べ、最速2ターンでコンボが完成する早さと、伝説のクリーチャーが利用できる点が売り。サヒーリ・ライ1枚+守護フェリダー1枚以外にも、サヒーリ・ライ2枚+太陽のタイタン/Sun Titan、守護フェリダー+鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breakerによって無限トークンが可能。守護フェリダー2枚+族樹の精霊、アナフェンザ/Anafenza, Kin-Tree Spiritによる無限強化。守護フェリダー2枚+魂の管理人/Soul Warden(魂の従者/Soul's Attendant、本質の管理人/Essence Warden)による無限ライフなど、コンボへの様々なアプローチが可能。
- コントロール型
最初にMagic Onlineで成績を残したのはジェスカイコントロールのタイプ。前兆の壁/Wall of Omensを使いまわして手札を稼ぐ、奔流の機械巨人が瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageになるなどモダン仕様になっている。
- ビートダウン型
貴族の教主/Noble Hierarch、ニッサの誓い/Oath of Nissaを使った4色型で組まれることが多い。明滅先として刃の接合者/Blade Splicer、追加の明滅手段に修復の天使/Restoration Angelなどが利用される。コンボに関係のないタルモゴイフ/Tarmogoyfも搭載され、通常のビートダウンデッキのように動きながらコンボ達成を目指す。墓地に落ちたキーカードは永遠の証人/Eternal Witnessや太陽のタイタン/Sun Titan、守護フェリダーに関しては目覚ましヒバリ/Reveillarkでも回収できるとともに、それらは明滅・コピー先としても機能する。
召喚の調べ/Chord of Callingから永遠の証人を戦場に出し、回収した召喚の調べで守護フェリダーを出し永遠の証人を明滅、再び回収した召喚の調べで鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breakerをサーチしてコンボを達成するなど、キキジキ・コードとのハイブリッドデッキにすることも可能。
サンプルリスト
青赤白
- 備考
- MOモダンリーグ 2017年2月8日 5-0 (参考)
- 使用者:lluck
- フォーマット
赤緑白青
- 備考
- Competitive Modern Constructed League 2017年4月16日 5-0 (参考)
- 使用者:lilianaofthevess
- フォーマット
Saheeli Combo(Modern) [7]
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ヴィンテージ
ヴィンテージでもオース系デッキの1つとしてサヒーリ・ライを使った無限トークンコンボが存在している。[2]
- ドルイドの誓い/Oath of Druidsでサヒーリを2枚墓地に落とし、太陽のタイタンを戦場に出す。太陽のタイタンのETB能力は墓地にある1枚目のサヒーリを対象にする。
- 1枚目のサヒーリの[-2]能力で太陽のタイタンをコピーする。ETB能力は墓地にある2枚目のサヒーリを対象にする。
- レジェンド・ルールに従い、1枚目のサヒーリを墓地に落とす。
- 2枚目のサヒーリの[-2]能力で太陽のタイタンをコピーする。以後、1枚目と2枚目を入れ替えながら無限に太陽のタイタンをコピーし続ける。
- 速攻を持った無限トークンで攻撃。
サルベイジャーオースやグリセルブランドオース、あるいは普通のフィニッシャーを出すタイプと違い、コピーされた太陽のタイタンには速攻が付いているためそのターン中に勝利可能なのが特徴。グリセルブランドオースと違い伝説のクリーチャーを用いないためカラカス/Karakasに耐性がある、太陽のタイタンがBlack Lotusや各種Mox等を絡めれば素出し圏内に収まる、サヒーリを釣るついでにトーモッドの墓所/Tormod's Cryptや露天鉱床/Strip Mineを拾って反撃の芽を潰せるなどの利点がある。
サンプルリスト
- 備考
- Magic Online Vintage Daily 2016年12月10日 3-1 (参考)
- 使用者:madlameguy
- フォーマット
脚注
- ↑ copycatは「他人の真似をする人」を意味する言葉。守護フェリダーのクリーチャー・タイプが猫であることに掛けている。
- ↑ 岩SHOWの「デイリー・デッキ」:サヒーリの誓い(ヴィンテージ)
参考