187クリーチャー
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187クリーチャーとは、戦場に出たときの誘発型能力(CIP能力)を持つクリーチャーの俗称。アメリカなどでは187と呼ばれる。また、CIP能力を187能力と呼ぶこともある。
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概要
クリーチャー — 人間(Human) 暗殺者(Assassin)
先制攻撃
ネクラタルが戦場に出たとき、アーティファクトでも黒でもないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない。
カリフォルニア警察の殺人事件コードが187であることに由来する。当初、誘発型能力を持つクリーチャーの有名どころだったネクラタル/Nekrataalが、やたらクリーチャーを惨殺していたことから、殺人事件コードがつけられた。また、アメリカでは同じ由来で「殺人」のスラングとして使われる。
当初は、前述のネクラタルやウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutanなどといった「『クリーチャーまたはその他パーマネントを除去する』CIP能力を持つクリーチャー」を指していたが、のちに定義が拡大していき、現在では「CIP能力を持つクリーチャー」の俗称として使われている。
- 広義にはCIP能力さえ持てば何でも187クリーチャーと呼べるが、一般にはメリットとなる能力を持つもののみを指す。例えば、蛇人間の戦士/Serpent Warriorは戦場に出たときに3点のライフロスとなるが、これを187クリーチャーとは普通呼ばない。
- 日本人が読めば「嫌なクリーチャー」と読むところだが、語源がアメリカなので「ワン・エイティ・セブン」と読む。
特徴
カードとしてみると、戦場に出た際に仕事の半分以上を済ませてしまう関係でクリーチャーの弱点であった除去での損失に耐性を得ている点が大きく、CIP能力による効果と戦場に出た後の戦力とで単純にカード2枚分の働きをする点が画期的。カード・アドバンテージの概念を一般化した立役者の1つであることに間違いは無い。
カード2枚分の働きができるゆえにコストが重めの物が大半だが、CIP能力とクリーチャー単体を分解してみると、抱き合わせゆえの設定かそれぞれに掛かるコストはかなり割安のケースが多い。例えば、先述のネクラタル(ダブルシンボルの4マナ)は恐怖/Terror(シングルシンボルの2マナ)と黒いエルフの射手/Elvish Archers(シングルシンボルの2マナ)が組み合わされたものであるが、それぞれに掛かるコストは元と変わらないため1枚で2枚分の効果をもつ点が得と言えるのである。中には火炎舌のカヴー/Flametongue Kavuや永遠の証人/Eternal Witnessのように、抱き合わせである点を踏まえてなお異様なコスト・パフォーマンスでトーナメントを賑わす強力種も多く存在する。また、インスタントやソーサリーに比べ、クリーチャーは再利用やコストの踏み倒しが容易であるため、様々なコンボも開発され、さらに特定のデッキにしか効果が無いような能力であっても最悪クリーチャーとして使えるチャンスがあるため、割高とはいえ腐りにくいというのも地味なメリットである。
カードパワーとゲームバランスの面から優れている完成度の高いシステムであり、ビジョンズ以降は大量の亜種が出現。基本セットでの収録カードも多く、今後も新たなバリエーションが現れつづけることは間違いないだろう。
CIP能力を持つクリーチャーの歴史
主に有名になったのは、ネクラタルなど多くの187クリーチャーが登場したビジョンズから。それ以前にもCIP能力を持つクリーチャーは存在したが、大半がデメリットであり、その他もせいぜいサイズを決定したりスロートリップをつけたりなどの作用にすぎなかった。
ミラージュ:デメリットのないものとしてクウィリーオン・エルフ/Quirion Elvesが、そして、デメリットの大きなものとしてファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnoughtなどが登場したが、除去能力を持つものは現れなかった。
ヴィジョンズ:前述の除去能力を持つネクラタル、ウークタビー・オランウータンが登場。その他では大クラゲ/Man-o'-War、ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiterも登場し、CIP能力の可能性が切り開かれた。
ウェザーライト:隠された恐怖/Hidden Horrorやサンダーメア/Thundermareなど。シマクマ/Striped Bearsを見る限りキャントリップに関しては慎重に作られていたと見られる。
テンペスト:雲を追う鷲/Cloudchaser Eagle(エンチャント破壊)、グレイブディガー/Gravedigger(墓地からクリーチャーを手札に回収)、堅牢な防衛隊/Staunch Defenders(ライフゲイン)と、もともとある呪文を内蔵したものが出始める。
ストロングホールド:花の壁/Wall of Blossomsが代表的。また、基本セットに長らく入ったありがたい老修道士/Venerable Monkもここが初出。
エクソダス:無政府主義者/Anarchistのような墓地から呪文を回収するクリーチャーが登場。また、ポータル初出のウッド・エルフ/Wood Elvesも収録された。
ウルザズ・サーガ:巨大鯨/Great Whaleのようなフリースペルが代表格だが、強すぎてエラッタが出てしまった(今は元通り)。その他金粉のドレイク/Gilded Drake、ゴブリンの女看守/Goblin Matronなど多数。
ウルザズ・レガシー:エコーとの組み合わせによるなだれ乗り/Avalanche Riders、錯乱した隠遁者/Deranged Hermitなど多数。
ウルザズ・デスティニー:狩りをする恐鳥/Hunting Moa、玉虫色のドレイク/Iridescent Drake、ポータル初出の貪欲なるネズミ/Ravenous Ratsその他。
メルカディアン・マスクス:リシャーダの海賊サイクル、狩り立てられたウンパス/Hunted Wumpusや年季奉公のジン/Indentured Djinnなどの対戦相手を利するものなど。
ネメシス:ぱっとしたものはない。ファイレクシアの督戦官/Phyrexian Driverなど。
プロフェシー:入り海のイカ/Gulf Squid、ケルドの火弾兵/Keldon Firebombers、沈泥を這うもの/Silt Crawlerの3枚。プロフェシーのクオリティである。
インベイジョン:キッカーとの組み合わせが多い。その他墓所の天使/Crypt Angel、ポータル初出の慈悲の天使/Angel of Mercyなど。
プレーンシフト:火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu、翻弄する魔道士/Meddling Mageが代表的。その他開門クリーチャーや戦闘魔道士サイクルなど。
アポカリプス:神秘の蛇/Mystic Snakeが代表的。その他ボルバー、使い、渦巻きのサイクルなど。
オデッセイ:再録や同型再版が多い。新規はオーラ術師/Auramancer、ドワーフ徴募兵/Dwarven Recruiter程度。
トーメント:スレッショルドとの組み合わせが多い。顔なしの解体者/Faceless Butcherなどのナイトメアも多数。
ジャッジメント:世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragonなどナイトメア多数。
オンスロート:ゴブリンの紅蓮術士/Goblin Pyromancer、誘うワーム/Tempting Wurmなど。また、同名カードをライブラリーから探すものも。
レギオン:変異による誘発版が多く作られ、また増幅もあって、CIP能力を持つものは鉤爪の統率者/Caller of the Clawなど少数。
スカージ:帰ってきた刃の翼/Bladewing the Risen、激情の共感者/Fierce Empath、包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commanderの3枚。
ミラディン:地ならし屋/Levelerや強奪する悪魔/Reiver Demonなどスケールの大きいものが目立つ。他に真面目な身代わり/Solemn Simulacrumなど。
ダークスティール:引き続き日々を食うもの/Eater of Days、炉のドラゴン/Furnace Dragon、隔離するタイタン/Sundering Titanとスケールの大きいものが多い。小粒では騒がしいネズミ/Chittering Rats。
フィフス・ドーン:永遠の証人/Eternal Witnessが代表的。その他ほぞのからむレオニンの従者/Leonin Squireや粗石の魔道士/Trinket Mageなど。
神河物語:山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlordなど。
神河謀叛:素拳の岩守/Iwamori of the Open Fist1体のみ。
神河救済:一なる否命/Iname as One、女スピリットのサイクルなど。
ラヴニカ:ギルドの都:木彫りの女人像/Carven Caryatid、護民官の道探し/Civic Wayfinder、ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch、「狩り立てられた」クリーチャーのサイクルなど。
ギルドパクト:シンプルにパーマネントを破壊する絶望の天使/Angel of Despairを筆頭に、骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire、空を飲み込むもの/Sky Swallowerなど。向上クリーチャーや憑依などとの組み合わせも多い。
ディセンション:踏み吠えインドリク/Indrik Stomphowler(帰化/Naturalize内蔵)、空の軽騎兵/Sky Hussar、奇声の悪魔/Squealing Devilなど。向上クリーチャーもいる。
コールドスナップ:純粋な意味ではオーロクスの獣群/Aurochs Herd、忍び寄るイエティ/Stalking Yetiの2体。
時のらせん:ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite、調和スリヴァー/Harmonic Sliver、裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate、ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifterほか多数。キーワード能力となった瞬速との組み合わせが見え始める。
次元の混乱:ブリンクで活躍したエイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher、白たてがみのライオン/Whitemane Lionを代表とする救出クリーチャーなど多数。
未来予知:造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savantが代表的。消失と組み合わせたものが目立つ。
ローウィン:激突、想起、先触れなど、CIP能力持ちは枚挙に暇がない。その他雲打ち/Cloudthresher、誘惑蒔き/Sower of Temptation、呪文づまりのスプライト/Spellstutter Spriteなどが挙げられる。
モーニングタイド:ヤスデ団/Earwig Squadなど、徘徊コストで出たかを確認するものが多い。その他ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Cliqueなど。
シャドウムーア:絵描きの召使い/Painter's Servant、くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique、森滅ぼしの最長老/Woodfall Primusなど。
イーブンタイド:ちらつき鬼火/Flickerwisp、耕すツリーフォーク/Tilling Treefolkなど。また、垣魔道士のサイクルがある。
アラーラの断片:若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon、イーオスのレインジャー/Ranger of Eosなど。
コンフラックス:厳然たるスフィンクス/Magister Sphinxのように派手なものから朽ちゆくネズミ/Rotting Ratsのように地味なものまで。パーマネントの色を参照するものもある。
アラーラ再誕:特に目立ったものはない。虚無跡のガルガンチュアン/Nulltread Gargantuanなど。
ゼンディカー:上陸をプッシュしたいため少ないかと思いきやそうでもなく、マラキールの門番/Gatekeeper of Malakirのようにキッカーと組み合わせたり、同盟者などの存在があったりと、意外に豊富。その他真心の光を放つ者/Devout Lightcaster、エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria、マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitchなど。
ワールドウェイク:多重キッカーの登場。その他石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic、テラストドン/Terastodonなど。
エルドラージ覚醒:落とし子トークンを引きつれるドローン、回復力の強い孤独な宣教師/Lone Missionaryやペラッカのワーム/Pelakka Wurmなど。そして戦場に出るまでもなく唱えるだけで効果の得られる真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth、引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn、無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyreなどが登場。新たな展開を見せている。