袖の下/Bribery
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ソーサリー
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーから、クリーチャー・カード1枚を探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後そのプレイヤーはライブラリーを切り直す。
対戦相手のライブラリーから直接クリーチャーを奪う、変則的なコントロール奪取呪文。
支配魔法/Control Magicなどが実質的に除去も兼ねているのに比べて、ライブラリーから直接奪っても戦場の状態に影響を与えることができず、カード・アドバンテージ面での得にはならない点が大きなネック。しかし逆に、対戦相手がクリーチャーを唱えるまで待つことなくこちらのペースで確実に奪いに行ける点、戦場に出ると厄介なクリーチャーに未然に対処できる点は強みである。特に支配魔法では奪うことができないプロテクション・被覆・呪禁などを持つクリーチャーに対処できる点が心強い。支配魔法が受け身で防御的なのに対し、アグレッシブな効果と言える。例えば相手がパーミッションであるなら、打ち消しの体制が整う前に早々に撃ってフィニッシャーを奪いに行く事ができる。
5マナと少々重いものの、ある意味「5マナでフィニッシャーを唱えた」ようなものなので、妥当なマナ・コストだろう。特にマナ加速ないしマナ・コストの踏み倒しを前提とした「出たら勝ち」級のクリーチャー、例えばダークスティールの巨像/Darksteel Colossusなどを奪えれば笑いが止まらないほどの大幅なアドバンテージとなる。もっとも逆に、ウィニーなどが相手だと5マナに値しないようなクリーチャーばかりということも多く、効くか否かが対戦相手のデッキ、ひいては環境・メタゲームによってはっきり分かれるカードと言える。
実際スタンダードにおいても活躍に波がある。メルカディアン・マスクス初出時は不実/Treacheryという強力なライバルがいたこともあって、評価が低かった。第8版再録時は夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Starなどの狙い目のフィニッシャーが活躍していたため、青系コントロールのサイドボードにしばしば採用された。
モダンでも、12postの引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn等の逆利用を狙ってしばしば投入された。このカードの対策として子守り大トカゲ/Brooding Saurianが用いられることもあったほど。しかし現在は雲上の座/Cloudpostの禁止も含めた環境の変化により採用は稀である。青黒ライブラリーアウトがエムラクールに対処するためにサイドボードに用意することが稀にある。
- 統率者戦などの多人数戦では、袖の下で他のプレイヤーからクリーチャー・カードを借りたプレイヤーが敗北した場合、そのクリーチャーは追放される(CR:800.4a)。
- クリーチャー・カードを選ばないことも適正である。触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchableしかライブラリーにないなら、そのほうがよいだろう。→探す
- 副次的な効果として、相手のライブラリーを見て、明確なデッキ構成を知ることができる。また、相手の手札もある程度推察できる。
- プリズマティックでは禁止されている。
- もともとはウルザズ・デスティニーに収録するためにデザインされたカードだが、ウルザズ・デスティニーには同じくクリーチャーのコントロールを奪う不実/Treacheryが存在するため、次のエキスパンションであるメルカディアン・マスクスへと押しやられた。
- 「袖の下」とは、いわゆる賄賂のこと。
- デュエルファイター刃で「ねこじゃらしで相手の袖から剣歯ニショーバ/Sabertooth Nishobaを誘い出す」という描写がされていたが、これは単なる洒落である。
- 2013年にジャッジ褒賞として配布された。ひどく皮肉が効いてるというか、意味深である。
関連カード
対戦相手がオーナーであるパーマネントをライブラリーから奪ってマナ・コストを支払うことなく唱えるまたは、戦場に出すカード。墓地から奪うものはリアニメイトの項を、手札から奪うものは心盗み/Psychic Theftの項を、戦場から直接奪うものは支配魔法/Control Magicの項を参照。
- Helm of Obedience - (4)アーティファクトのタップ能力。(X)で起動し、ライブラリーの上からX枚のクリーチャーが公開されるまで墓地に置き、それらを全て戦場に出す。これはその後生け贄。(アライアンス)
- 思考の解剖器/Thought Dissector - (4)アーティファクトのタップ能力。(X)で起動し、ライブラリーの上からX枚から最初のアーティファクトを1つ出す。出した場合これは生け贄。(ダークスティール)
- 接収/Acquire - (3)(青)(青)ソーサリー。袖の下のアーティファクト版。(フィフス・ドーン)
- 永遠の統制/Eternal Dominion - アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、土地のいずれか。(神河救済)
- 複写作成/Mimeofacture - (3)(青)ソーサリー複製(3)(青)つき。戦場に出ているものと同じ名前のパーマネントを戦場に出す。(ギルドパクト)
- 多相の戦士の真髄/Shapeshifter's Marrow - (2)(青)(青)エンチャント。対戦相手のアップキープにライブラリーの一番上を公開し、それがクリーチャーの場合のみこれがそのコピーになる。(未来予知)
- 知識の搾取/Knowledge Exploitation - (5)(青)(青)ソーサリー徘徊つき。袖の下のインスタントかソーサリー版。(モーニングタイド)
- テレミンの演技/Telemin Performance - (3)(青)(青)ソーサリー。ライブラリーの上から1枚ずつ公開していき、最初に出たクリーチャーを戦場に出す。(コンフラックス)
- スフィンクスの大使/Sphinx Ambassador - (5)(青)(青)5/5飛行クリーチャーのサボタージュ能力が袖の下。ただし対戦相手がそのクリーチャーのカード名を言い当てたら不発。(基本セット2010)
- 盗品/Stolen Goods - (3)(青)ソーサリー。ライブラリーの上から1枚ずつ追放し、最初に出た土地以外のカードを唱えてよい。(アヴァシンの帰還)
- 王神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, God-Pharaoh - (4)(青)(黒)(赤)プレインズウォーカーの+2忠誠度能力が盗品。(破滅の刻)
- 虚無の王/Lord of the Void - (4)(黒)(黒)(黒)7/7飛行クリーチャーのサボタージュ能力。ライブラリーの上7枚を追放し、そこからクリーチャー1枚を戦場に出す。(ギルド門侵犯)
- ジェイスの精神追い/Jace's Mindseeker - (4)(青)(青)4/4飛行クリーチャーのETB能力。ライブラリーの上5枚を墓地に置き、そこからインスタントかソーサリーを1枚唱えてよい。(基本セット2014)
- テレパスの才能/Talent of the Telepath - (2)(青)(青)ソーサリー。上から7枚になったジェイスの精神追い。魔巧を達成していれば2枚まで唱えてよい。(マジック・オリジン)
- ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia's Scourge - (1)(青)(黒)(赤)1/3飛行クリーチャーの攻撃誘発能力。ETB時に各対戦相手のライブラリーの上から、これを唱える際に支払われたマナの数に等しい枚数追放したカードを唱えてよい。(統率者2013)
- 悪逆な富/Villainous Wealth - (X)(青)(黒)(緑)ソーサリー。ライブラリーの上からX枚を追放し、マナ・コストがX以下のカードを全て唱えてよい。(タルキール覇王譚)
- 忘却蒔き/Oblivion Sower - (6)5/8クリーチャー。これを唱えたとき、ライブラリーの上4枚を追放し土地を全て戦場に出す。(戦乱のゼンディカー)
- 意識の拡張/Mind's Dilation - (5)(青)(青)エンチャント。各対戦相手がそのターン最初の呪文を唱えるたびライブラリーの上1枚を追放し、唱えてよい。(異界月)
- 原初の嵐、エターリ/Etali, Primal Storm - (4)(赤)(赤)6/6クリーチャーの攻撃誘発能力。あなたも含め各プレイヤーのライブラリーの上1枚を追放し、このターンそれらを全て唱えてよい。(イクサランの相克)
- 混沌のワンド/Chaos Wand - (3)アーティファクトのタップ能力。(4)で起動し、ライブラリーの上から1枚ずつ公開していき、最初に出たインスタントかソーサリーを唱えてよい。(基本セット2019)
- 堕ちた忍び/Fallen Shinobi - (3)(青)(黒)5/4忍術(2)(青)(黒)クリーチャーのサボタージュ能力。上から2枚をこのターンプレイしてよい。(モダンホライゾン)
以下は奪ったカードをマナ・コストを支払って唱えるもの。ただし太字は好きな色マナを支払って唱えられる。墓地から奪うものは瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageの項を参照。
- にやにや笑いのトーテム像/Grinning Totem - (4)マナアーティファクトのタップ能力。起動コスト(2)と自身の生け贄。カードを1枚探して追放し、次のアップキープまでプレイしてよい。(ミラージュ)
- 技鋸の徒党/Knacksaw Clique - (3)(青)1/4飛行クリーチャーのアンタップ能力。(1)(青)で起動し、ライブラリーの上1枚をこのターンプレイしてもよい。(シャドウムーア)
- 奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor - (1)(青)(青)2/2島渡りクリーチャーのサボタージュ能力。アーティファクト1枚を探して追放し、このターンプレイしてもよい。(ワールドウェイク)
- 法務官の掌握/Praetor's Grasp - (1)(黒)(黒)ソーサリー。対戦相手のライブラリーから好きなカード1枚を探して追放し、追放されている限りプレイしてよい。(新たなるファイレクシア)
- 夜帷の死霊/Nightveil Specter - (青/黒)(青/黒)(青/黒)2/3飛行クリーチャーのサボタージュ能力。ライブラリーの上から1枚を追放し、これが戦場にいる限り唱えて良い。(ギルド門侵犯)
- メレティスのダクソス/Daxos of Meletis - (1)(白)(青)2/2クリーチャーのサボタージュ能力。ライブラリーの上から1枚を追放し、そのマナ・コスト分ライフを得、ターン終了時まで唱えてよい。(テーロス)
- 騒乱の発端、グレンゾ/Grenzo, Havoc Raiser - (赤)(赤)2/2クリーチャーのサボタージュ能力。ライブラリーの上1枚を追放し、ターン終了時まで唱えて良い。あなたの各クリーチャーにも同じ能力を与える。(コンスピラシー:王位争奪)
- 豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury - (2)(黒)(黒)2/3接死クリーチャーのETB能力。ライブラリーの上4枚から1枚を裏向きに追放し、追放されている限り唱えてよい。(カラデシュ)
- 死者の宝箱/Dead Man's Chest - (1)(黒)のオーラ。これをつけられた対戦相手のクリーチャーの死亡時にライブラリーの上からそのパワー枚追放し、追放されている限り唱えてよい。(イクサランの相克)
- 正気泥棒/Thief of Sanity - (1)(青)(黒)2/2飛行クリーチャーのサボタージュ能力。ライブラリーの上3枚から1枚を裏向きに追放し、追放されている限り唱えてよい。(ラヴニカのギルド)
- 盗み取る融合体/Thieving Amalgam - (5)(黒)(黒)6/7クリーチャー。対戦相手のアップキープにそのライブラリーの一番上のカードを予示する。(統率者2019)