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サクリファイス(Sacrifice)は、自分のクリーチャーを生け贄に捧げるカードを中心に据えたデッキの総称。略称はSac。
アリストクラッツと呼ばれていたデッキとコンセプトは同じ。エルドレインの王権参入の頃から、主にこの名前で呼ばれるようになった。
ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期
神河:輝ける世界参入後、アーティファクトの生け贄を中心とするデッキが登場した。黒赤ないし黒赤タッチ白で組まれる。
血・トークンや実験統合機/Experimental Synthesizerなどのアーティファクトを、鬼流の金床/Oni-Cult Anvilや霜剣山の製錬者/Sokenzan Smelterで生け贄に捧げ、生成されるアーティファクト・クリーチャー・トークンを次の生け贄要員としながら、鬼流の金床と食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacreでライフを詰めていく。
サンプルリスト
エルドレインの王権~フォーゴトン・レルム探訪期
波乱の悪魔/Mayhem Devilや忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Godsというキーカードを失い環境から消滅していたが、カルドハイムでイマースタームの捕食者/Immersturm Predatorという強力なサクり台が登場すると、初子さらいやアクロス戦争で奪ったクリーチャーを生け贄に捧げることでボード・アドバンテージを得るラクドス・サクリファイス(Rakdos Sacrifice)が登場した。
さらにストリクスヘイヴン:魔法学院では、ラクドス・サクリファイスとは別にトークンを並べて血の化身の目覚め/Awaken the Blood Avatarや想起の拠点/Bastion of Remembranceでライフを削り取るマルドゥ・サクリファイス(Mardu Sacrifice)が登場した。
サンプルリスト
黒赤
赤白黒
ラヴニカのギルド~基本セット2021期
エルドレインの王権から大釜の使い魔/Cauldron Familiarや魔女のかまど/Witch's Ovenを獲得したことでアリストクラッツが強化され、主にサクリファイス(Sacrifice)と呼ばれるようになった。キーカード2枚から猫かまど(Cat Oven)とも呼ばれる。
魔女のかまどで大釜の使い魔を生け贄に捧げて食物・トークンを生成し、食物を生け贄に捧げて大釜の使い魔を墓地から戦場に戻すというループを毎ターン繰り返す。この際に波乱の悪魔/Mayhem Devilがあれば3点クロックとなり、パンくずの道標/Trail of Crumbsがあれば毎ターン1マナで手札を補充できる。
デッキカラーは様々。死者の原野/Field of the Deadが禁止カードに指定された後は、環境を支配する食物デッキの一種として、黒緑青のスゥルタイ・サクリファイス(Sultai Sacrifice)が隆盛。グランプリリッチモンド19では2日目使用率2位となり[1]、Top8の半数を占め、優勝を飾る活躍を見せた。翌週のグランプリサンパウロ19秋では3日目使用率1位となった[2]。
王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crownsなどが禁止された後は、代わって黒赤緑のジャンド・サクリファイス(Jund Sacrifice)が躍進。ミシックチャンピオンシップロングビーチ19冬では使用率2位となり[3]、Piotr Głogowskiを全勝優勝に導いた。グランプリポートランド19では使用率1位となった[4]。
テーロス還魂記参入後は、新たに死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hungerや悲哀の徘徊者/Woe Striderを獲得。それまでも存在していた黒赤のラクドス・サクリファイス(Rakdos Sacrifice)が躍進し、脱出のためにぬかるみのトリトン/Mire Tritonなどで墓地を肥やす構成が主流となった。
イコリア:巨獣の棲処からは強力な相棒クリーチャーを獲得し、構成が大きく変化した。
大きく分けて、夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Denを相棒とするルールス・サクリファイス(Lurrus Sacrifice)と、獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを相棒とするオボシュ・サクリファイス(Obosh Sacrifice)の2種類が存在する。
詳細はルールス・サクリファイスおよびオボシュ・サクリファイスを参照。
相棒のルール変更、そして大釜の使い魔の禁止カード指定という大打撃を経て、基本セット2021期では損失が少なかった黒赤型が主流となった。
サンプルリスト
初期型
黒赤
青黒赤緑
黒緑青
オーコ禁止後
黒赤緑
黒緑
- 王冠泥棒、オーコなどが禁止された後の黒緑のタイプ。
テーロス還魂記後
黒赤緑
黒赤
ヒストリック
ヒストリックにも存在する。主に黒赤緑で組まれる。
基本戦略はラヴニカのギルド~基本セット2021期のスタンダードのジャンド・サクリファイスと同じで、大釜の使い魔/Cauldron Familiarと魔女のかまど/Witch's Ovenによる生け贄ループを毎ターン繰り返し、波乱の悪魔/Mayhem Devilや真夜中の死神/Midnight Reaperでアドバンテージを稼ぐ。
ヒストリック独自のカードは集合した中隊/Collected Companyやファイレクシアの塔/Phyrexian Towerなど。
2020ミシックインビテーショナルでは使用率3位タイとなり[5]、Top8に3人を送り込む活躍を見せた。
自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrathが禁止された後の『カルドハイム』チャンピオンシップでは、カルドハイムから古き神々への拘束/Binding the Old Godsという万能除去を手に入れたこともあり、トップメタとなった。集合した中隊を使用した従来のカンパニー型のほか、パンくずの道標/Trail of Crumbsを採用した食物型も登場した。
サンプルリスト
カンパニー型
食物型
パウパー
パウパーでは、村の儀式/Village Ritesや肉袋の匪賊/Fleshbag Marauderの追加により、クリーチャーを生け贄に捧げるギミックを駆使した黒単色のデッキが登場するようになった。
サクリファイス戦略に共通であるが、除去の対象になったクリーチャーを生け贄にして立ち消えさせられるため追加効果のある除去に強いという特徴がある。この点が統率者レジェンズの発売後に猛威を振るった失墜/Fall from Favorに対して相性がよく、メタゲーム上で優位に立ってシェアを広げた。
主なアタッカーは葬儀甲虫/Mortician Beetleと屍肉喰らい/Carrion Feeder。これらを活用するために、主に以下の3つのアプローチがとられる。
- PIG型
危険なマイア/Perilous Myrや脚光の悪鬼/Footlight Fiendといった、PIG能力でダメージを飛ばすクリーチャーを採用し、生け贄に捧げることでブロッカーを排除する。
- 食物型
自己リアニメイト能力とETB能力をもつ大釜の使い魔/Cauldron Familiarを採用し、リアニメイトに必要な食物としてジンジャーブルート/Gingerbruteや黄金の卵/Golden Eggを用いる。
- 手札破壊型
灰色肌のずべら/Ashen-Skin Zuberaや髑髏の占い師/Augur of Skullsを採用し、手札破壊によりコントロールする。
サンプルリスト
PIG型
- 備考
- Pauper League(2020/12/30) 5-0(参考)
- 使用者:GutoCmtt
- フォーマット
Mono-Black Sacrifice [13]
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食物型
- 備考
- Pauper League(2020/12/23) 5-0(参考)
- 使用者:Beicodegeia
- フォーマット
Mono-Black Sacrifice [14]
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手札破壊型
- 備考
- Pauper League(2021/01/06) 5-0(参考)
- 使用者:donzauker84
- フォーマット
Mono-Black Sacrifice [15]
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脚注
- ↑ ChannelFireballのTwitter
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- ↑ Mythic Championship VII Metagame Breakdown/2019ミシックチャンピオンシップⅦ(MTGアリーナ)メタゲームブレイクダウン(MAGIC ESPORTS 2019年12月4日 Frank Karsten著)
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- ↑ 2020 Mythic Invitational Metagame Breakdown/2020ミシックインビテーショナル メタゲームブレイクダウン(MAGIC.gg 2020年9月9日 Frank Karsten著)
参考