統率者戦
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統率者戦/Commanderはカジュアル変種ルールの1つ。
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解説
統率者と呼ばれるカードをキーとするフォーマット。統率者はデッキの色を決定し、ゲームのルール上でも優遇された非常に重要な存在である。
主な特徴は以下の4点。なお、簡略な記述に留めているため、詳細なルールは#ルールを参照。
- 統率者は統率領域から唱えることができ、除去されても統率領域に戻すことができる。
- 統率者と合致した色のカードのみデッキに入れられる。(→固有色)
- デッキ枚数は100枚。同名カードは1枚のみ入れられる。(→ハイランダー)
- 多人数戦で、初期ライフは40。
変種としてデュエルコマンダー、コモン統率者戦、タイニー・リーダーズ、ブロールなどがある。
傾向と特徴
ハイランダーのルールに準拠するため、サーチカードの重要性が高い。そのため、結界師ズアー/Zur the Enchanterなどのサーチ能力を持ったカードを統率者とすると非常に有効に働く。故にコンボデッキが優勢になりやすい。また、単色の統率者を選ぶと使用できるカードが狭まりデッキのカードパワーが下がる恐れがあり、一方で多色の統率者を選ぶと多色地形を1枚ずつしか入れられないためにデッキの安定性を損なう可能性もある。統率者とデッキの方向性は密接に関係しているため、熟慮して選ぶ必要がある。
ルール
構築ルール
まず、伝説のクリーチャー・カード1枚、もしくは統率者として利用できる能力を持ったプレインズウォーカー・カードを1枚、もしくは互いに共闘を持つ伝説のクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カード2枚を選ぶ。これ(これら)を統率者と呼ぶ。
統率者の固有色(マナ・コストやルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、色指標、特性定義能力によって定義された色)は、デッキ内に入れられるカードの固有色を指定し、統率者の固有色に含まれない固有色を持ったカードをデッキに入れることはできない。詳細は固有色の項を参照。
- 例えば、復活させるものトリーヴァ/Treva, the Renewer(緑白青)を統率者として選んだならば、黒や赤のマナ・シンボル(色指標・特性定義能力)を持つカードはデッキに入れられない。すなわち、通常の赤や黒のカードに加え、生+死/Life+Death、威圧のタリスマン/Talisman of Dominance、ボロスのギルド魔道士/Boros Guildmage、情け知らずのガラク/Garruk Relentlessなども認められない。
デッキ内には、通常のハイランダーと同様、基本土地カード以外は同じカード名のカードを1枚ずつしか入れることができない。枚数は、統率者と合わせてちょうど100枚である。
ゲームルール
ゲームを開始する前に、各プレイヤーは自分のデッキの統率者を宣言し、それを統率領域に置く。統率者であることは特性ではなくそのカードの持つ性質である。「統率者であること」はコピーされず、継続的効果によって上書きされず、コントロール変更効果により失われない。
プレイヤーの開始時のライフの総量は40点である。
統率者によってプレイヤーに与えられた戦闘ダメージを統率者ダメージと呼ぶ。いずれかのプレイヤーが同一の統率者から21点以上の統率者ダメージを与えられた場合、そのプレイヤーはゲームに敗北する。これは状況起因処理である。詳細は統率者ダメージを参照。
統率者が統率領域にある限り、そのオーナーは統率者を唱えることができる。ただし、この方法でそれまでに統率者を唱えた回数1回につき、追加コストとして(2)を支払う必要がある。これを俗に統率者税/Commander Taxと呼ぶ。
- 復活させるものトリーヴァ/Treva, the Renewerならば、1回目は(3)(緑)(白)(青)、2回目は(5)(緑)(白)(青)、3回目は(7)(緑)(白)(青)と増えていく。
- 手札など、統率領域以外の領域から統率者を唱える場合はこれにカウントされず、通常の呪文コストで唱える。
統率者がいずれかの領域から墓地、手札、ライブラリー、追放領域のいずれかに置かれる場合、そのオーナーは代わりに統率者を統率領域に置くことを選んでもよい。これは置換効果である。
- 両面カードである統率者が第2面の状態で統率領域に置かれる場合、第1面の状態で統率領域に置く。
- 統率者に指定したカードが組み合わされた、合体したパーマネントが戦場を離れる場合、統率者に指定したカードのみ(第1面の状態で)統率領域に置く。それ以外のカードが該当する領域に置かれる。
統率者はレジェンド・ルールの影響を受け、コントロール奪取などで同じカード名の伝説のパーマネントをコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。
- 以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は#旧ルールの「オープンルール」参照。
1対1でゲームを行ってもよいが、多人数戦で行うのが一般的である。多人数戦の場合、通常は無差別戦の「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲制限」選択ルールを用いない。また、そのほかのルールも多人数戦のものを用いる。詳細は多人数戦#ルールを参照。
使用カード
原則として、ヴィンテージで認められている全てのカードを使用できる。
- ただし、追加として以下のカードを禁止カードとする。
- Ancestral Recall
- 天秤/Balance
- 生命の律動/Biorhythm
- Black Lotus
- 陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion
- チャネル/Channel
- 合同勝利/Coalition Victory
- 引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn
- 上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendant
- Fastbond
- けちな贈り物/Gifts Ungiven
- グリセルブランド/Griselbrand
- エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria
- カラカス/Karakas
- トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest
- Library of Alexandria
- 限りある資源/Limited Resources
- Mox Emerald
- Mox Jet
- Mox Pearl
- Mox Ruby
- Mox Sapphire
- 一望の鏡/Panoptic Mirror
- パラドックス装置/Paradox Engine
- 原始のタイタン/Primeval Titan
- クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix
- 繰り返す悪夢/Recurring Nightmare
- ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary
- 隔離するタイタン/Sundering Titan
- 星の揺らぎ/Sway of the Stars
- 森林の始源体/Sylvan Primordial
- Time Vault
- Time Walk
- 修繕/Tinker
- トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
- 企業秘密/Trade Secrets
- 激動/Upheaval
- 世界火/Worldfire
- ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain
- 以前はヴィンテージで禁止されているShahrazadが特例として使用を許可されていたが、2011年9月20日よりこれは撤廃され、禁止されている。
- パワー9が全て名を連ねている錯覚を受けるが、Timetwisterは使用可能である。誤解している人が多いので注意。
- マジック大会規定に定義されているフォーマットではないため、禁止カードも公式な規定ではなく、あくまで「禁止カードとすることが推奨されている」という扱いである。
- 以下のカードはかつて禁止であったが、いずれも禁止解除されている。
- かつては「統率者に指定できないカード」が存在していたが、2014年9月12日のルール変更により禁止カードリストに統合された。
選択ルール
統率者戦はカジュアルフォーマットであるため、以下のような様々な選択ルール(ハウスルール)が提唱されている。これらを用いる場合、コミュニティ内で事前に合意や確認を取るなどし、トラブルの出ないようにしたい。ハウスルールの項も参照のこと。
Partial Paris Mulligan(部分的パリ・マリガン)
- 現在のマリガン(ロンドン・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく土地事故を和らげるため、特殊なマリガンルールとしてPartial Paris Mulliganが設けられていた。
- ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
Gijs Mulligan(ハイス・マリガン)
- マリガンを手早く終わらせるために、ジャッジのGijsbert Hoogendijkによって考案されたマリガンルール。Ron Fosterのコラムで紹介された[1]。
- ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
- 手札が気に入らない場合、その手札をライブラリーに戻さず脇に置き、新たに7枚引き直す。
- 1の手順を望むだけ繰り返す。
- 脇に置いたカードは、そのプレイヤーの最初のターンを終えた後でライブラリーに戻して切り直す(時間節約のため)。
EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)
- 統率者が選ばれた後、各プレイヤーはデッキのカードと1対1で入れ替えるための時間として3分が与えられる。
Victory Points(代替勝利条件)
- いわゆる「最後まで残っていたプレイヤー」という勝利条件の代わりに、追加または代替の勝利方法を用意する選択ルール。
- 統率者戦公式サイトでは「1ターンに最大の戦闘ダメージを与えたプレイヤー」「マナ・プールに最も多くのマナを貯めたプレイヤー」「統率者ダメージによる勝利」「統率者に最も多くのマナを費やしたプレイヤー」といった勝利方法が挙げられている。
Democratic Victory(民主的勝利)
- 勝利と社交的プレイングのバランスがとれたプレイヤーに報奨を与える手段として用意された選択ルール。
The League Rule(リーグルール)
- デッキ構築に制限を加える選択ルール。複数のプレイヤーが同じ統率者を選ぶことができず、他のプレイヤーが統率者として選んだカードをデッキに入れることができない。
Stranglehold Cage Commander(「締め付けと檻」ルール)
- 統率者戦特有のコンボデッキ有利を是正しようとAdam Styborskiが提唱した選択ルール[2]。
- 統率領域に締め付け/Strangleholdと墓掘りの檻/Grafdigger's Cageが置かれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態でゲームを行う。
フリー基本土地ルール
- 土地事故(マナスクリュー)を緩和する選択ルール。Ron Fosterのコラムで紹介された[1]。
常時統治者ルール
- 遅く、停滞しがちなゲームのテンポを速めて戦闘を促すため、Shivam Bhattが提唱した選択ルール。Ron Fosterのコラムで紹介された[1]。
Magic Online
Magic Onlineでも認定フォーマットとしてCommanderの名称で実装されている。
ルールは実際の統率者戦とほぼ同様であるが、マリガンはPartial Paris Mulliganではなく、最初の1回だけ枚数を減らさずに引き直せる方式が採用されている。
制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、メムナーク/Memnarchは無色の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日のMagic Onlineのアップデートで固有色を用いるように変更された[3]。
禁止カードは実際の統率者戦と同一である。
- 以前はMagic Online独自のリスト(内容は司令官戦を参照)で管理されていたが、先述のアップデートに際し、共通のリストを用いるように変更された。
旧ルール
- 以前は統率者戦に関する規定として「リーグルール」と「オープンルール」の2種類がありどちらかを選ぶ必要があったが、2009年9月20日のルール改正で選択制は廃止され、標準のルールではいずれも適用されないようになった(リーグルールに関しては#The League Rule(リーグルール)を参照)。
- 2009年9月20日のルール改正で変更されるまでは、統率者を置く領域は統率領域の代わりに追放(ゲーム外)領域を用いていた。
- 2009年9月20日のルール改正で、マリガンの手順が通常の多人数戦用マリガンからPartial Paris Mulliganに変更された。そして2016年1月18日のルール変更では、当時現行の公式マリガンルール(バンクーバー・マリガン)に変更された。その後、公式フォーマットのマリガンルールの変更に合わせ、現行のマリガンルール(ロンドン・マリガン)へと移行した。
- 統率者が領域を移動する際の置換効果は何度かルールが改訂されている。
- 初期のルールではいずれかの領域から墓地に置かれる場合のみ統率領域に置くことを選択できたが、統率者を追放して永久的に取り除く手段を封じるために、2011年6月17日の改定で追放された際も置換できるようなった。
- 2015年3月23日の更新では、同じ理由で、統率者がいずれかの領域から手札かライブラリーに置かれる場合にもこのルールが適用されるようになった。
- 先の変更により、オーナーが意図して選択しなければ「統率者が他のプレイヤーにより裏向きで追放される」という状況が発生しなくなった。そのためそのような状況に対応していた「カードを裏向きで追放する場合、即座にその表を確認し、それが他のプレイヤーがオーナーである統率者ならば表向きで統率領域に置く」という旨のルールが2016年7月の更新で削除された。
- 2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはその色のマナしか生み出せず、不適正な色マナを生み出す場合は代わりに無色マナを生み出す」という追加ルールが存在していた。現在はルール文章の通りに定められた色マナを生み出す。
- Unstableの発売記念として、2017年12月1日から2018年1月15日まで、特例として銀枠のカードも使用可能推奨となる[4]。ただし、銀枠カードを用いて行われた統率者戦では、通常の禁止カードの他、一部の銀枠カードが禁止カード、または「使用時に注意が必要なカード(使用非推奨)」が指定された。
- 禁止カード/使用非推奨カードの他、伝説のアーティファクトである大演算器/The Grand Calcutronが統率者に指定できるという特別裁定が出された。現在ではオラクル更新により実際に統率者として使用できる能力を持っている。
- 銀枠を用いて行われた統率者戦の禁止カードは以下の通り。
- その際の使用時に注意が必要なカードは以下の通り
その他
- 統率者と同名の統率者カードを併用することもできる。詳細は該当項を参照。
- 統率者以外にも伝説のクリーチャー・カードを入れても構わない。
- 基本的に多人数戦で行われ、ライフだけでなく統率者ダメージや統率者を唱えた回数も記録する必要があるため、一般的なライフカウンターは不向き。そもそも初期ライフの40点をカウントできないものも多い。そのため、メモ帳の使用が強く推奨される。
- 人気の高さからか、2011年から毎年、統率者戦用セットが発売されるようになった。通常のカードセットにおいてもタズリ将軍/General Tazriや墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidowなど、伝説のクリーチャーは統率者戦も視野に入れてデザインされる様になった。
- かつては「エルダー・ドラゴン・ハイランダー/Elder Dragon Highlander (EDH)」「司令官戦」などと称されていたが、統率者セットの発表とともに、現在の名称に変更された。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 第6回:おすすめ変則ルール紹介(ロン・フォスターの統率者日記 2020年1月17日 Ron Foster著)
- ↑ Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)(Serious Fun 2012年1月31日 Adam Styborski著)
- ↑ Announcements -- June 28, 2011 (Internet Archive)(Magic Online Blog 2011年6月28日)
- ↑ SPECIAL UNANNOUNCEMENT: December 1, 2017 (Internet Archive) (mtgcommander.net公式)
- ↑ UNRULES UPDATE - NERF WAR BANNED (Internet Archive) (mtgcommander.net公式)
参考リンク
- Commander Rules(Official Commander Website)
- 統率者戦(旧エルダードラゴン・ハイランダー) 公式ルール (進藤欣也氏による上記の和訳)
- Word of Commander/ワード・オブ・統率者(Making Magic 2011年6月20日 Mark Rosewater著)
- ロン・フォスターの統率者日記(マジック日本公式サイト Ron Foster著)
- MTG統率者戦Wiki
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 9 カジュアル変種ルール
- 903 統率者戦
- 903.1 統率者戦 変種ルールでは、デッキは、そのデッキの統率者として指定された伝説の クリーチャーによって率いられる。統率者戦 変種ルールは、ファンによって作られ、一般化してきたものである。独立したルール委員会が追加のリソースを [[1]] において管理している。統率者戦 変種ルールでは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。
- 903.2 統率者戦は2人戦でも多人数戦でも良い。多人数戦は通常、無差別戦 変種ルールに「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806〔「無差別戦」変種ルール〕参照。
- 903.3 各デッキには統率者として指定される伝説の クリーチャー・カードが1枚含まれる。この指定はそのカードで示されたオブジェクトの特性ではなく、そのカードそのものの持つ属性である。領域を変更したとしても、そのカードはこの指定を受け続ける。
- 903.3a 統率者として使用できる、という能力を持つカードが存在する。この能力はデッキ 構築のルールを変更するものであり、ゲームの開始前に機能する。rule 113.6n 参照。
- 903.3b プレイヤーの統率者が合体カードで、その合体する組の他方と合体していたなら、その合体したパーマネントはそのプレイヤーの統率者である。
- 903.3c プレイヤーの統率者が合同パーマネントの部品である場合、その結果としての合同パーマネントはそのプレイヤーの統率者である。
- 903.3d 効果が統率者をコントロールしていることに言及している場合、戦場にあって統率者であるパーマネントに言及している。統率者を唱えることに言及している場合、統率者である呪文に言及している。特定の領域にある統率者に言及している場合、その領域にあって統率者であるカードに言及している。
- 903.3e 効果が「あなたの 統率者/your commander」の特性に言及している場合、そのプレイヤーのライブラリーや手札を含むあらゆる領域から該当するプレイヤーの統率者を見つけて、継続的効果やルールによって修整されているその現在の特性を見る。
- 903.4 統率者戦 変種ルールにおいては、ある統率者を使うデッキに入れることができるカードを決定するために固有色を用いる。カードの固有色とは、そのカードのマナ・コストやルール・テキストに含まれるマナ・シンボルの色と、その特性定義能力(rule 604.3 参照)や色指標(rule 204 参照)によって定義される色のことである。
- 903.4a 固有色は、ゲームの開始前に確定する。
- 903.4b 統率者が、ゲーム開始前にプレイヤーにそれの色を選ばせる常在型能力を持っている場合、その選択はデッキ 構築中もゲーム中も、その統率者が領域を変更したとしても適用される。その選択はその統率者の固有色に影響する。そのプレイヤーはゲーム開始前に統率者を統率領域に置くに際してその選択を公開する。rule 103.2c、rule 607.2p 参照。
- 903.4c カードの固有色を決定するに際し、注釈文は無視する。rule 207.2 参照。
- 903.4d カードの固有色を決定するに際しては、両面カードの第2面(rule 712 参照)も考慮する。これはrule 712.8a の例外である。
- 903.4e カードが当事者カード(rule 715〔当事者カード〕参照)の持つような代替の特性を持つ場合、そのカードの固有色を決定するに際して、その特性を考慮する。
- 903.4f 能力が統率者の固有色の色や色の種類数に言及する場合、そのプレイヤーが統率者を持っていなければその値は未定義となる。その能力のその部分は何もしない。その値を参照するコストは支払えない。
- 903.5 統率者戦 デッキは以下のデッキ 構築ルールに従う。
- 903.6 ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分の統率者をデッキから取り出し、統率領域にオモテ向きで置く。各プレイヤーは残りのカードからなるデッキを切り直し、それをライブラリーとしてゲームを始める。
- 903.7 開始プレイヤーが決定したら、各プレイヤーは自分のライフの総量を40点にし、7枚のカードを引く。
- 903.8 プレイヤーは、統率領域にある自分の統率者を唱えることができる。統率者を統率領域から唱えるには、それ以前にそのゲームの間に 統率領域からそれを唱えた回数ごとに{2}を追加コストとして支払う。この追加コストは俗に「統率者税」と呼ばれる。
- 903.9 統率者戦のゲーム中に、統率者が統率領域に戻ることがある。
- 903.9a 統率者が墓地や追放 領域にあり、そのオブジェクトがその領域に置かれたのが直前の状況起因処理のチェックよりも後であれば、オーナーはそれを統率領域に置いてもよい。これは状況起因処理である。rule 704 参照。
- 903.9b 統率者がいずこかからオーナーの手札やライブラリーに置かれる場合、オーナーは代わりにそれを統率領域に置いてもよい。この置換効果は同じイベントに複数回適用できる。これは rule 614.5 の例外である。
- 903.9c 統率者が合体 パーマネントや合同パーマネントでオーナーがrule 903.9b の置換効果を用いてそれを統率領域に置くことを選んだなら、そのパーマネントと、それの統率者でない部品は該当する領域に置かれ、それを表すカードのうち統率者であるものは統率領域に置かれる。
- 903.10 統率者戦 変種ルールでは、ゲームの勝敗に関して次のルールが適用される。それ以外のゲームの終了に関するルールはすべて適用される(rule 104 参照)。
- 903.11 プレイヤーがゲームの外部から統率者戦にカードを持ってくることができる場合、そのプレイヤーは自分の開始時のデッキに含まれていたカードと同名であったり、そのプレイヤーがそのゲームでオーナーであるカードと同じ名前であったり、そのプレイヤーの統率者の固有色に含まれない色が固有色に含まれたりするカードを持ってくることはできない。
- 903.12 ブロール 選択ルール
- 903.12a ブロールとは、統率者戦の変わった形式となる選択ルールである。ブロールのゲームでは、統率者戦 変種ルールの通常のルールに以下の変更を加えて用いる。
- 903.12b ブロールのデッキは通常、スタンダード・フォーマット内のカードを用いて構築される。
- 903.12c プレイヤーは自分の統率者として、伝説の プレインズウォーカー1体か伝説の クリーチャー1体を指定する。
- 903.12d プレイヤーのデッキは統率者をあわせてちょうど60枚でなければならない。
- 903.12e プレイヤーの統率者の固有色が無色であるなら、そのプレイヤーのデッキには、そのプレイヤーの選んだ色1色の基本 土地を望む枚数入れることができる。これは rule 903.5d の例外である。
- 903.12f 2人ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は25点である。多人数ブロール戦では、各プレイヤーの初期ライフ総量は30点である。
- 903.12g ブロールのゲームでは、そのプレイヤーがライブラリーの一番下に置く枚数やマリガンできる回数を決める上で、1回目のマリガンは計算に入れない。以降のマリガンは、通常通り数える。
- 903.12h ブロール戦では、rule 704.6cに定められている、ゲーム中を通して単一の統率者から合計21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは、負けとなるという状況起因処理は用いない。
- 903.13 統率者ドラフト
- 903.13a 統率者ドラフトは、統率者戦の新しいやり方のための選択ルールである。ドラフト(プレイヤーが未開封のブースター・パックからカードを選び、自分のデッキを作るリミテッドのやり方)のあとに多人数戦を行う。統率者ドラフト 選択ルールでは、通常、『統率者レジェンズ』のブースター・パックを用いる。
- 903.13b 1回のドラフトは、通例、ドラフト・ラウンド3つからなる。各ドラフト・ラウンドでは、各プレイヤーはブースター・パック1個を開封し、カード2枚をドラフトして自分の前の裏向きの束に置き、残ったカードを次のプレイヤーに渡す。その後、各プレイヤーは渡されてきたブースター・パックから2枚をドラフトして残りを次のプレイヤーに渡す。この手順を、そのドラフト・ラウンドのすべてのカードがドラフトされるまで続ける。
- 903.13c 第1および第3ドラフト・ラウンドでは、ブースター・パックは左隣に渡す。第2ドラフト・ラウンドでは、ブースター・パックは右隣に渡す。
- 903.13d ドラフトの進行中、プレイヤーは現在ドラフトしているブースター・パックに入っているカードと、それまでにドラフトしたカードしか見ることはできない。プレイヤーは、能力によって指示されたのでない限り、自分がドラフトしたカードを他のプレイヤーに公開してはならない。
- 903.13e ドラフトの完了後、プレイヤーがドラフトしたカードはそのプレイヤーのカードプールとなる。そのドラフトに『統率者レジェンズ』や『統率者マスターズ』のドラフト・ブースターが使われていたなら、各プレイヤーはそれぞれ自分のカードプールに、《虹色の笛吹き》という名前のカード最大2枚を追加してもよいが、その場合それらのカードを統率者として使わなければならない。そのドラフトに『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』のドラフト・ブースターが使われていたなら、各プレイヤーはそれぞれ自分のカードプールに、《正体を隠した者》という名前のカード最大2枚を追加してもよいが、その場合それらのカードを統率者として使わなければならない。
- 903.13f 統率者ドラフトのデッキ作成は、プレイヤーのデッキは最低60枚必要でデッキ枚数に上限はないことと、自分のカードプールにある同名のカードを何枚でも使っていいことと、ドラフトに『統率者マスターズ』のドラフト・ブースターが含まれていた場合、固有色が1色以下でありそれ単体でプレイヤーの統率者となりえるカードは、デッキ作成において共闘 能力を持つものとして扱う(rule 702.124〔共闘〕参照)ことを除き、統率者戦のデッキ 構築と同じ規則に従う。(rule 903.5 参照)
- 903.13g 統率者ドラフトのゲームは、統率者戦のゲームと同じ規則に従う。rule 903.6 ~rule 903.11 参照。
- 903 統率者戦